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子どもがいない地主夫婦の相続で、「本家」に財産を承継させる方法

更新日:2022.01.25

子どもがいない地主夫婦の相続で、「本家」に財産を承継させる方法

遺言書を使った通常の相続では、自分が所有する財産の直接的な相続先しか決めることができません。しかし、後継ぎ遺贈型受益者連続信託を使えば、「2世代先」まで意向に沿った財産管理が可能です。不動産信託のメリットも、あわせて確認しておきましょう。

  • 子どもがいない夫婦の相続では配偶者と自分の親族に財産がわたるが、配偶者がなくなるとその財産は妻側の血族に移る
  • 2世代先まで土地の所有者を決めたいときには、「不動産信託」という選択肢がある
  • 不動産信託は、子どもがいない夫婦の土地活用に関してメリットが多い方法

もくじ

  1. 子どもがいない夫婦が、本家に不動産を承継させたい場合

    1. 子どもがいない地主夫婦の血縁状況と相続

    2. Aさんの理想とする本家の相続

    3. どうすれば「Aさん→妻→弟」と承継できるのか

  2. 「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」によるさらなるメリット

    1. メリット1:ローンを組む必要がない

    2. メリット2:連帯保証人が不要

  3. 本家の承継や土地活用で使える不動産信託

子どもがいない夫婦で先に夫が亡くなると、妻(配偶者)および夫側の親や兄弟で相続が発生します。そして次に妻が亡くなった際には、妻に渡った夫の財産は妻の親や兄弟などへ相続されるのが一般的です。これは、夫の財産が妻側の血族に移ってしまうことを意味します。

では、先祖代々続く「本家」の土地などを自分から妻、妻から自分の親族へと承継させたい場合、どうすればよいのでしょうか?この記事では、子どもがいない地主夫婦の不動産相続と土地活用について解説します。

子どもがいない夫婦が、本家に不動産を承継させたい場合

子どもがいない夫婦が、本家に不動産を承継させたい場合

子どもがいない夫婦の場合、亡くなった夫の財産はまず妻と夫の親族に相続され、妻に相続された財産はその後、妻の親族へと引き継がれていきます。しかし、「本家を守るために、自分の財産が妻の親族へと移動することは避けたい」という方もいるでしょう。

ここでは、特定の財産を「2世代先」まで自分で決めたい場合の方法を、子どもがいない地主夫婦(Aさん夫婦)を例に見ていきましょう。

子どもがいない地主夫婦の血縁状況と相続

地主のAさんは両親がすでに他界しており、年の離れた弟が1人います。一方、Aさんの妻も両親はすでに他界し、血縁者は妹が1人いるだけです。

子どもがいないAさんが亡くなると、財産はAさんの妻に4分の3、Aさんの弟に4分の1の割合で相続されます。その後、Aさんの妻が亡くなったタイミングで、妻が持つ財産はすべて妻の妹が相続する形になります。

Aさんの理想とする本家の相続

Aさんには代々承継されてきた本家の土地と建物があり、現在はそこで夫婦2人で暮らしています。Aさんとしては、「自分が亡くなった後、妻には住み慣れた家で不自由なく生活してもらい、妻が亡くなってからは実の弟に本家を承継させたい」という意向がありました。

どうすれば「Aさん→妻→弟」と承継できるのか

前述したように、妻が本家を相続すると、次に本家を相続するのは妻の妹です。では、本家を妻からAさんの弟へと承継していくには、どのようにすればよいのでしょうか。

解決方法1:遺言書の作成

解決方法の1つ目が、遺言書の作成です。まずは、Aさんが本家を妻に相続させる旨を遺言書にしたためます。そして次に、妻が自身の遺言書に本家をAさんの弟に譲る旨を書くことで、妻の死後、Aさんの弟に本家の土地と建物を承継することができます。ただし、遺言書には「自分の財産の相続先」しか書けない(効力がない)ため、Aさんと妻、それぞれの遺言書が必要です。

とはいえ、遺言書は書き直しが可能なため、妻の気が変わり、Aさんの弟への本家承継を取り消す可能性がないとも言いきれません。「妻が絶対に意思を変えない」という自信があればよいですが、遺言書を使った相続では弟に本家が承継される保証がない、という点は覚えておくべきでしょう。

解決方法2:後継ぎ遺贈型受益者連続信託

2つ目は、「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」という方法です。後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、財産をあらかじめ決めた人に、しかも複数世代にわたって承継できる信託(自分の財産を信頼できる人に託し、自分の意思に沿って管理・運用してもらうサービス)のこと。2世代先まで財産管理できる唯一の選択肢で、委託者をAさん、受託者をAさんの弟、受益者を第1にAさん、第2にAさんの妻、第3にAさん弟とする「信託契約」を結ぶことで成立します。

契約が成立すると、Aさんが存命の間はAさんが本家を守り、Aさんが亡くなった後は第2受益者の妻が本家に住み続けられます。そして妻が亡くなったら、第3受益者である弟に本家の権利が移動するため、先祖代々から続く本家の不動産を守ることが可能なのです。

後継ぎ遺贈型受益者連続信託は、今回のような代々続く土地・建物だけでなく、事業の承継などにも利用できます。

「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」によるさらなるメリット

「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」によるさらなるメリット

不動産を対象とする信託サービスは、「不動産信託」とも呼ばれます。不動産信託は前の章のように「土地を本家に承継させたい」といったときに利用できますが、土地活用においてもさまざまなメリットがある選択肢です。

メリット1:ローンを組む必要がない

所有する土地を「賃貸マンション経営」によって活用したいとき、多くのケースでアパートローンを組んで銀行などからお金を借りることになります。しかし、「ローンは組みたくない」という方もいるでしょう。

そんなときに活用できるのが不動産信託です。委託者を自身、受託者を信託会社、受益者を自身となるよう信託契約を結ぶことで、ローンを組むことなく利益を得ることができます。なぜローンを組む必要がないのかというと、資金は信託会社が自前で調達してくれるため、自身が借り入れ名義人にならないからです。

信託会社への報酬や登録免許税、印紙税などの費用は発生しますが、ローンを組む必要がない点は大きなメリットと言えるでしょう。

メリット2:連帯保証人が不要

アパートローンなどの契約では、連帯保証人が求められます。借り主に代わって責任を負う可能性がある連帯保証人を、自分の親や子どもに設定する人も少なくありませんが、親がすでに他界していて子どももいない場合は、「連帯保証人になってくれる人がいないのでローンが組めない」という事態が発生してしまいます。

不動産信託なら、そもそもローンを組まずに土地活用ができるため、連帯保証人を選ぶ必要がありません。子どものいない人が土地活用を検討する際、ローンや連帯保証人を考える必要がない不動産信託は、魅力的な一手と言えるでしょう。

本家の承継や土地活用で使える不動産信託

今回ご紹介した後継ぎ遺贈型受益者連続信託は、子どもがいないAさん夫婦のように、「Aさん→Aさんの妻→Aさんの弟」と2世代にわたって不動産の継承先を指定したいときに便利な選択肢です。この方法は事業の承継などでも利用可能で、子どものいない人が土地活用を行うときに問題になりやすい「連帯保証人の選定」についても解決策のひとつになるでしょう。

不動産の継承先を自分の意思で決めたい方、遺贈型受益者連続信託の仕組みについてより詳しく知りたい方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。



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