- 建売住宅はすでに建てられた住宅なので、新生活のイメージがしやすい
- 建売住宅は注文住宅よりも安く購入でき、手間もかからない傾向
- 建売住宅のアフターサービスや保証についてしっかりチェックしよう
いざ家を購入しようと思っても、注文住宅や分譲住宅、建売住宅など種類があり、どれが自分の希望に適しているのか悩む方も多いのではないでしょうか。住宅は高い買い物になるため、それぞれの特徴をしっかり理解したうえで購入を検討していきたいところです。
今回は、住宅のなかでも「建売住宅」を取り上げ、どのような特徴やメリットがあるのか、詳しい内容を解説していきます。建売住宅と分譲住宅は「すでに建築された住宅を購入する」という点では同じため、混同してしまうこともあるかもしれもしれません。それぞれの違いについても理解を深めていきましょう。
建売住宅の特徴とは?分譲住宅とは何が違う?
建売住宅とは、すでに建てられている、土地と一緒に販売される新築の戸建てのことです(建築前、建築中の場合もあります)。購入する前から完成後の状態を確認できるため、引越し後の暮らしがイメージしやすく、懸念点があれば購入を見送れる点もメリットのひとつと言えるでしょう。ここでは、建売住宅の特徴を紹介しながら、混同しがちな分譲住宅との違いも解説していきます。
建売住宅は都市とその周辺で多く見られる
平成30年に実施された総務省の「住宅・土地統計調査」のデータでは、「新築(建て替えを除く)」の戸数が990万2千戸(持ち家総数に占める割合30.2%)。次いで「新築の住宅を購入」が738万9千戸(持ち家総数に占める割合22.5%)となっています。
一見大きな差はないようにも見えますが、実は都道府県によって建売住宅のほうが圧倒的に多いケースもあるなど、地域によって割合が変わってきます。特に東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県では圧倒的に建売住宅の割合が多く、その理由の一つとして人口密度の高さから住宅の需要が高いことが挙げられます。
建売住宅と分譲住宅の違い
分譲住宅は、土地にすでに建てられている住宅を購入する点において建売住宅と同じです。さらに、土地とセットで販売されている点も共通しています。それでは、建売住宅と分譲住宅の違いはどこにあるのでしょうか?
建売住宅は基本的に各所で個別に建てられるのに対し、分譲住宅はその名の通り分譲地に建てられた住宅を指している、という点が大きな違いです。分譲地とは「広い土地がいくつかの区画に分けられて販売される土地」のことで、分譲住宅は分譲地に街並みを形成するように建てられ販売されます。そのため、分譲地には同じコンセプトの住宅が並ぶ傾向にあることも特徴です。
建売住宅と分譲住宅、どっちを選ぶ?
分譲地では近い空間で同じコンセプトの住宅が並ぶため、人によっては「ある程度独自性が欲しい」と思う方もいるかもしれません。その場合は個別で販売され、周囲とは異なる外観であるケースが多い建売住宅を選ぶことをおすすめします。
注文住宅についてもおさらい
すでに建てられた建売住宅や分譲住宅と違い、注文住宅は一から建築することになるため、間取りや設備など、自分の理想を反映しやすいところが魅力です。ただし、注文住宅は土地と建物を別々に探す必要があったり、建築会社との複数回の打ち合わせが発生したりします。金額も注文住宅のほうが高額になるケースが多く、理想の住宅を築ける一方で手間や費用が掛かることを留意しておきましょう。
建売住宅を選ぶメリット・デメリット
建売住宅の特徴である「すでに住宅が建てられている」「土地がセットになって販売される」ということには、一体どういったメリットがあるのでしょうか。以下では、注文住宅にはない建売住宅ならではの魅力を解説します。
建売住宅3つのメリット
メリット1 手間が掛からず、入居までの期間が短い
先述した通り、注文住宅の場合は土地と住宅を別々に探したり建築会社と打ち合わせを重ねたりと、実際に住み始めるまでにやらなくてはならないことが目白押しです。その点、セットで販売される建売住宅ならば別々に探す手間などが省けるうえ、すでに建てられた住宅なので早く入居することができます。手間を掛けず早く新居で暮らしたい方におすすめです。
メリット2 金額や物件の間取りが購入前に決まっている
建売住宅はすでに完成している住宅になるので、外観や間取り、設備などを購入する前に確認できる点も魅力です。実際の家で新しい暮らしを具体的にイメージできるのも、建売住宅の大きなメリットと言えるでしょう。
また、注文住宅の場合は新居を建てるにあたっての費用が最終的にどれだけ掛かるのか心配になってしまうケースも多いです。その点、建売住宅であればすでに完成した住宅を購入することになるため、金額がはっきりしています。予算の検討がしやすく、「想定よりも予算がオーバーしてしまった」といったトラブルを避けられるでしょう。金額面を事前にはっきりさせて購入したい方は安心です。
メリット3 注文住宅と比較すると安い傾向
建築会社が建売住宅を建てる際、資材を一度に大量調達して、似た住宅を複数建てます。一度に資材を大量調達することで費用を安く抑えているので、その分購入金額も安くなります。様々なオーダーをして建てる注文住宅と比べると、建売住宅の購入金額は安く抑えられるでしょう。
こだわりを住宅に反映できないというデメリットも
建売住宅の場合、完成している住宅を購入することになるので、注文住宅のように自分のこだわりを住宅に反映することが難しいです。また、住宅と土地がセットになっているため、「家は良いけど立地が納得できない……」といったことが起こる懸念もあります。建売住宅と注文住宅、それぞれの特性を理解して自分に適しているのがどちらか、改めて検討してみましょう。
建売住宅を購入する際に注目したいこと
建売住宅の購入を検討している場合、いくつか注意すべき点があります。事前に周辺環境を確認しておいたり、アフターサービスの内容確認をしたりなど、注視すべき点はさまざまです。建売住宅を購入する際に何に着目すればよいのか、詳しい内容を紹介していきます。
買い物環境などが整っているのか確認
建売住宅が販売されている地域に、スーパーなどの買い物環境が整っているのか事前に確認しておきましょう。ほかにも風邪を引いたり怪我をしたとき、速やかに診てもらうために最寄りの病院がどこにあるかも把握しておきたいところです。
アフターサービスの内容について
建売住宅を購入して住み始めてから不具合が見つかる可能性もゼロではありません。また建売住宅に限らず、家の経年による劣化を防ぐことが難しいのも事実です。契約前にどういったアフターサービスや保証があるのか、どんな欠陥が補償の対象になるのかなど、内容もしっかり確認しておきましょう。
建築したときの品質管理は徹底されていたのか
すでに建築が済んでいる建売住宅では、内側にある基礎や柱などを目視することができず、内側が実際どうなっているのか、品質管理は徹底されているのか確認することが難しいです。そこでチェックしたいのが「住宅性能表示」の有無です。これは第三者機関が住宅の性能に関する評価を客観的に行う制度のことで、品質が担保されていることのひとつの目安となります。
引き渡し前の立ち合いチェックで不具合がないか確認
建売住宅の引き渡しを行う前に、設備や内装に不具合が生じていないか確認する立ち合いチェックの時間が設けられます。その際に、内装や外観に傷がないかなど、よく確認しておきましょう。万が一不具合が生じていた場合、立ち合いチェックの際に指摘しておくことで後々のトラブルを防げます。
建売住宅を購入する前にかかる費用
購入前にかかる費用として、主に「手付金」と「印紙税」などがあります。それぞれの内容については、以下の通りです。
手付金 | 建売住宅の購入申し込みを行う際にかかる費用のこと。具体的に金額が決まっているわけではないが、住宅の購入価格に対して5%から10%が目安 |
---|---|
印紙税 | 印紙税は契約書などの取引で使用する文書を課税対象とする税金のことを指す。金額は契約金額によって左右されるが、おおよそ1万円から2万円が相場 |
建売住宅を購入時にかかる費用
「仲介手数料」「固定資産税」「登録免許税」などが住宅を購入した後にかかる費用になります。
仲介手数料 | 不動産会社に対して発生する手数料。購入物件によって細かい金額は異なる |
---|---|
固定資産税 | 建売住宅の引き渡しから次の1月1日までの物件所有の期間に合わせて課税される税金 |
登録免許税 | 土地と建物に対して権利関係を認めるために必要な登記を行う際にかかる税金。建売住宅の購入価格1%以内の金額に定められていることが多い |
建売住宅の引き渡しまでのステップ
建売住宅を購入するまでは、どのような流れになっているのでしょうか。また、一連の流れのなかでどのようなチェックポイントがあるのか、詳しく紹介していくので参考にしてみてください。
物件探しからローン審査まで
まずどのような建売住宅があるのか、物件を探すところから始まります。よい物件が見つかって購入を決意したら、次に申し込みです。申し込みを行う際には申込金を預けることがありますが、これはあくまで購入の意思表示のためのもので、「一時的に預ける」ものです。契約にならない場合は返還されるものであることを覚えておきましょう。
申し込みを行ったタイミングで住宅ローンの事前審査が行われます。審査にあたっては、本人確認証のコピーや源泉徴収票のコピーなどが必要になります。
売買契約から住宅ローンの契約まで
事前審査に必要な書類などを提出し、事前審査が通った後は、重要事項説明を受け建売住宅の売買契約の締結を行います。このときに手付金を支払うので、事前に準備しておきましょう。売買契約の際に支払った手付金については、キャンセルした際には返金されないので注意が必要です。次に住宅ローンの本審査が始まり、金融機関から融資してもらえるのか判断されます。
本審査に通った後は、住宅ローンの契約に入ります。借入額や金利プランなどを決めるので、無理のない返済計画を立てましょう。もし本審査に落ちてしまった場合には、物件購入が難しいと判断され、手付金が返金されるケースが多いです。
立ち合いから引き渡しまで
住宅ローンの契約が完了した後は、建売住宅の立ち合いチェックを行います。不具合があれば、引き渡しまでに修繕してもらうよう伝えます。次に手付金の額を差し引いた残代金と購入諸費用を支払います。入金が確認されたら、引き渡しが行われて建売住宅の購入の流れは完了です。
すでに完成した新築一戸建てを購入するという選択肢
一口に新築一戸建てといっても、建売住宅や注文住宅、分譲住宅と種類があります。住む場所や想定する購入費によって選択肢が絞られることもあるかもしれませんが、それぞれのメリット・デメリットも把握したうえで検討することが大切です。住宅購入は人生におけるビッグイベントでもあります。納得のいく新居生活を目指して、改めて自分に合った理想の住居について振り返ってみましょう。
あわせて読みたい
よくある質問
-
お部屋探しに役立つ情報はありますか?
-
物件探し(不動産購入・売却)について役立つ情報はありますか?
この記事をシェアする
お部屋を探す
特集から記事を探す
記事カテゴリ
おすすめ記事
物件をご所有されている方、
お住まいをお探しの方
売りたい
土地活用・相続の相談がしたい
売るか貸すかお悩みの方はこちら