- グループホームは、要支援2以上の認知症の方が少人数で共同生活を送る施設
- 家庭的な環境を重視していて、認知症専門のケアを受けることができる
- 市区町村のサービスのため、原則同じ市区町村に住民票のある方しか入所できない
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グループホームの特徴
ここでは、グループホームの主な特徴を説明します。
要支援2から要介護5までの「認知症」と診断された方が入れる施設
グループホームは、介護度が要支援2から要介護5までの認知症の方が入所できる施設です。 入所時には必ず認知症の診断書が必要です。 また市区町村のサービスのため、原則、そのグループホームと同じ市区町村に住民票のある方しか入所できません。 認知症の親を他市区町村から呼び寄せる場合は、事前に行政(介護保険課)や施設に相談をし、必要な場合は早急に住民票を異動しておきましょう。
少人数制(9人以下)のユニット型介護
グループホームは1ユニットを9人以下とするユニット型の施設で、最大でも3ユニット(27名)までの小さい規模の施設です。 認知症の方は大勢の方との接触や環境の変化に適応しにくいため、少人数の顔なじみの方たちと一緒にゆったりと暮らすことは認知症の症状を穏やかにするのに適していると言えます。 また少人数がゆえに職員のケアも手厚くなり、一人一人に目が行き届きやすいという利点もあります。
利用者の部屋は個室となり、各ユニットに共同のキッチン・ダイニングやリビング・洗面・お風呂・トイレが設置されています。

自立支援と専門的な認知症ケア
グループホームは有料老人ホームや特別養護老人ホームなどとは違い、料理や買い物、洗濯・掃除など利用者が自分でできることはなるべく自分でやっていただく「自立支援」を行います。 認知症の方への対応に慣れたスタッフが支援しながら自分のできる作業を行うことで自信を持ったり、前向きな気持ちになることができます。
また、グループホームの管理者は行政が実施する認知症介護実践者研修と、認知症対応型サービス事業管理者研修の受講が義務付けられており、スタッフも認知症ケアの知識や対応経験が豊富です。 認知症の進行をゆるやかにすることなどを目的に、専門的な認知症ケアが実施されています。
グループホームの生活スケジュール例


グループホームでの一般的な生活スケジュールは、以下の通りです。
一日の流れは施設によって違いますが、毎日規則的な生活を送ることで暮らしのリズムを整えます。
- 6:00 起床・身支度
- 7:00 朝食・服薬・健康チェック
- 9:00 掃除・洗濯
- 10:00 レクリエーション
- 12:00 昼食・服薬・健康チェック
- 14:00 買い物・散歩など
- 15:00 おやつ
- 16:00 健康チェック・入浴
- 18:00 夕食・服薬
- 21:00 就寝
地域密着型の施設
グループホームは、その施設が所在する市区町村の方が利用できる地域密着型の施設です。 住み慣れた地域であることから、環境の変化が苦手な認知症の方には適した施設と言えます。 また2ヶ月に一度、利用者家族や近隣住民・地域包括支援センターの職員らと一緒に施設の運営状況や利用者の生活の様子などを報告する「運営推進会議」が義務付けられており、地域に開かれた介護施設となっています。
看取りまで行う施設も
看取りまで行う体制を取っているグループホームもあります。 見学の際に確認してみましょう。
看護師の配置義務はない
グループホームは、看護師の配置義務がありません。 グループホームの多くは医療に関して、訪問診療や訪問看護で対応しています。 よって、医療ニーズが高い方は対応できない場合もあります。
グループホームの費用は?
グループホームの入居時費用と毎月の費用は、以下のようになります。
入居時にかかる費用は?
入居時に敷金(もしくは保証金)として、月額費用の数ヶ月分(施設によってはゼロの場合もあり)を支払います。 多くは、退去時の室内の清掃費用や損害金、保証金の場合は償却分等を差し引いて清算されます。
月額費用は?
月額費用は10~25万円程度です。 内訳は、以下のとおりです。
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 管理費
- 介護保険自己負担額
(1割負担の方で要支援2:24,500円~要介護5:27,500円程度。地域によって異なります) - 処遇改善、医療連携体制などの各種加算
その他、おむつ代・薬代やその他医療費、理美容代など個人で必要なものは、個人負担となります。
グループホームの 探し方
グループホームの探し方は、以下の通りです。
介護保険課・地域包括 支援センター・居介護支援事業所で介護施設のリストを入手する
市区町村の介護保険課や地域包括支援センター、また近くの居宅介護支援事業所にその地域の介護施設を掲載したリストや小冊子を準備している場合がありますので、問い合わせてみましょう。 また、市区町村のホームページにも掲載されている場合があります。
地域包括支援センターの担当者・ケアマネージャー・病院の相談員から紹介してもらう
はじめて要介護認定を受け、グループホームを選ばれる方は、地域包括支援センターの担当者に聞いてみましょう。 すでに介護サービスを受けている方はケアマネージャーに、また、入院されていて病院から移られる予定の方は、病院の相談員(メディカルソーシャルワーカー)にも相談してみましょう。
介護施設の紹介会社を使う
老人ホームを紹介する会社はたくさんあり、そのほとんどは有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け賃貸住宅)の紹介が専門です。 しかし中には、グループホームを紹介しているところもあります。 紹介手数料は無料です。
見学時に見るべきポイントと入居の手続き
以下に見学時のポイントと、入居の手続きがどうなるかご説明します。 なお、見学の際に突然訪問しても案内や説明ができる担当者が不在の場合もありますので、必ず事前に予約を取りましょう。
見学のポイント
グループホームを見学する際に、いくつかの気をつけたいポイントがあります。
- 立地(自宅や公共交通機関からの距離・周辺環境・買い物・病院など周辺施設)
- 施設(建物の内外・室内)の雰囲気(掃除は行き届いているか、部屋の広さや日当たりや照明の明るさ)
- 共用部分と共用設備の確認(リビング・ダイニング・トイレ・浴室・脱衣所や防犯設備など)
- 職員の雰囲気(笑顔で挨拶してくれるか、言葉遣いや対応は丁寧か、職員の人数は充分か、入れ替わりが多くないか)
- 入居者の様子(介護度や男女の割合、明るい表情かどうか)
- 食事内容(季節感を取り入れたメニューや状態に合わせた介護食を提供してもらえるか)
- リハビリや医療・健康管理体制(健康管理方法や医療提携先・看取り体制など)
- イベントやレクリエーションなどの内容
- 入外出や外泊、面会についての決まりごとはどうなっているか
見学時に、身体の状態や入居後の生活の仕方の希望などを伝え、対応可能かどうか施設側と話し合いをしましょう。 お試しに数日間「体験入居」ができる施設もありますので、担当者に聞いてみましょう。 体験入居は、施設に入るのを嫌がるご本人に慣れてもらうために利用する場合もあります。
また、施設や現場の雰囲気やサービス内容がよくても、経営基盤がしっかりしていないと長く安心した入居ができません。 できる限り経営母体の企業・法人の情報も調べたうえで、入居する施設を決めましょう。
申込から入居までの流れと期間
入居したい施設が決まったら、申し込みをします。 その後で、 医療機関の健康診断書などの提出が必要になります。 見学時にまだ本人と会えていない場合は、必要書類がそろった後に施設側が本人と面談をします。 その後、入居審査を経て本契約となりますが、契約の際に下記が必要となります。
- 印鑑(本人分と代理人もしくは身元保証人などの分)
- 身元保証人あるいは連帯保証人・身元引受人
事前にどのような資料が必要か、準備すべきものは何か、担当者に確認しておきましょう。
契約と同時に敷金や前払費用などを支払い、入居開始となります。 申込みから入居までは、最短でも2週間、入居審査に必要な健康診断書などの入手に時間がかかる場合は、1~2ヶ月かかります。
入居の準備
入居が決まったら入居までに必要なものを準備し、持ち物には全て名前を書いておきましょう。
- 衣類
- 靴(室内用・外履き)
- 洗面・衛生用品やタオル類
- 衣装ケースや棚などの家具、テレビなどの家電
- 布団やシーツなどの寝具
- 鏡や時計、生活小物や趣味のものなど
- 内服薬
- 介護保険証、介護保険負担割合証、健康保険証やお薬手帳
- おむつなど介護用品
入居時には、必要な持ち物や施設側で準備されるもの、持ち込みが制限されるものを確認することが重要です。 事前に施設側と十分に相談し、準備を進めましょう。
まとめ
グループホームは利用者に「家庭的な環境」を感じてもらうことができる施設です。 見学の際に「生活感」が感じられるかどうかを確認することがポイントです。
また、認知症ケアについては施設によってさまざまな取り組みを行っていますので、いくつか見学をして利用者に合った、過ごしやすそうな施設を選びましょう。
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