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更新日:2025.04.07

不動産売買契約で失敗しない! 基本の流れや締結時の注意点など基礎知識を解説

不動産売買契約で失敗しない! 基本の流れや締結時の注意点など基礎知識を解説

不動産の売買契約は、手続きが複雑で、専門用語も多いため、戸惑う方が少なくありません。 この記事では、不動産売買契約に関する基礎知識から注意点、トラブル防止策までを網羅的に解説します。 不動産の購入・売却を検討している方や、初めて不動産取引に臨む方は、この記事を読むことで、契約の流れを理解し、安心して取引を進めるための知識が得られます。 トラブルを未然に防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。

  • 不動産売買契約書は、後々のトラブルを未然に防ぐための重要な書類
  • 不動産売買契約書は、通常、不動産会社(仲介会社)が作成する
  • 重要事項説明は、宅地建物取引業法で定められた不動産取引における重要な手続き

もくじ

  1. 不動産売買契約とは?

    1. 不動産の売買契約書の役割と重要性

    2. 不動産売買契約書は誰が作るのか

  2. 不動産売買契約締結までの具体的な手順と準備

    1. 媒介契約から購入申込みまでの流れ

    2. 不動産契約時に必要な書類と印紙代の負担

    3. 重要事項説明と契約締結のポイント

  3. 不動産売買契約の注意点と責任範囲

    1. 契約不適合責任とは|瑕疵担保責任との違い

    2. 手付金の種類と相場

    3. 不動産売買契約書の免責事項と特約の重要性

  4. 不動産売買契約の解除条件とトラブル防止策

    1. 契約解除の種類と手続き

    2. 不動産売買契約時のローン特約とは

  5. 不動産の売買契約書のチェックポイント

    1. 不動産売買契約書の必須確認項目リスト

    2. 売り主・買い主それぞれの立場からの契約書確認ポイント

  6. 不動産売買の査定はクラモアへ



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不動産売買契約とは?

不動産売買契約とは、売り主が所有する不動産を買い主へ譲渡し、買い主がその対価として金銭を支払うことを約束する契約です。 契約自由の原則に基づき、契約内容は自由に決められますが、消費者保護の観点から、宅地建物取引業法や消費者契約法などによる規制も存在します。

とくに売り主が宅地建物取引業者である場合、一般の方とプロの取引になるため、手付金の保全措置や引き渡し後の責任など、いくつか買い主に有利な内容があります。 さらに、消費者契約法に基づき、一定の条件下でクーリング・オフが適用される点も特徴です。

不動産の売買契約書の役割と重要性

不動産売買契約書は、売り主と買い主の間で合意された内容を明確化し、後々のトラブルを未然に防ぐための重要な書類です。 宅地建物取引業法第37条に基づき、不動産取引においては、契約内容を記載した書面の交付が義務付けられています。

契約書には、売買対象の不動産情報、売買代金、支払方法、引渡時期など、法律で定められた事項が記載されます。また、契約書は、単に法律上の要請を満たすだけのものではありません。 売り主と買い主の権利義務を明確にし、万が一、契約内容と異なる事態が発生した場合の証拠となります。 さらに、地震や火災などの災害発生時のリスク分担についても、契約書に明記することで、当事者間の責任範囲を明確にできます。

契約書の書式は法律で定められていませんが、国土交通省が作成した標準書式を利用することが一般的です。 標準書式は、必要な条項が網羅されており、契約内容の不備を防ぐために有効です。

不動産売買契約書は誰が作るのか

不動産売買契約書は、通常、不動産会社(仲介会社)が作成します。 売り主と買い主それぞれに仲介会社がいる場合は、双方の仲介会社が連携して契約書を作成するのが一般的です。
契約書作成から確認までの流れと、各当事者の役割を段階別に示した表は、以下の通りです。

【段階別の関係者の役割】

段階 仲介不動産会社の役割 売り主の役割 買い主の役割
1. 条件協議 ・売り主、買い主間の条件交渉をサポート
・契約条件の取りまとめ
・売却条件の提示
・譲歩可能な範囲の検討
・購入条件の提示
・希望条件の優先順位付け
2. 契約書原案作成 ・標準契約書式をベースに原案作成
・特約条項の提案と文言調整
3. 内容確認・修正 ・契約書の法的要件確認
・不明点の説明と修正対応
・契約内容の確認
・疑問点の質問
・修正希望の伝達
・契約内容の確認
・疑問点の質問
・修正希望の伝達
4. 契約書最終版確定 ・修正内容の反映
・契約書最終版の作成
・最終内容の承認 ・最終内容の承認
5. 重要事項説明 ・重要事項説明書の作成
・買い主への説明実施
・重要事項の説明を受ける
・不明点の質問
6. 契約締結 ・契約締結の立会い
・手付金授受の確認
・契約書への割印
・契約書への署名・捺印
・手付金の受領
・契約書への署名・捺印
・手付金の支払い
7. 契約書保管 ・契約書副本の保管 ・契約書原本の保管 ・契約書原本の保管

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契約書には、ローン特約や契約不適合責任に関する特約など、さまざまな特約が記載されることがあります。 これらの特約は、万が一の事態に備えて、売り主・買い主双方の権利を保護するために重要です。
特約の内容については、仲介会社から十分な説明を受け、納得したうえで契約書に記載するようにしましょう。

不動産売買契約締結までの具体的な手順と準備

不動産売買契約はプロセスが複雑で、さまざまな準備や確認が必要となります。
ここでは、媒介契約から引き渡しまでの具体的な手順と準備について解説します。

【段階別の準備・確認事項】

段階 売り主側の準備・確認事項 買い主側の準備・確認事項
1. 媒介契約締結 □登記簿謄本(全部事項証明書)の取得
□ 固定資産税評価証明書の取得
□ 固定資産税納税通知書の準備
□建築確認通知書・検査済証の確認(一戸建ての場合)
□管理規約・使用細則の確認(マンションの場合)
□ 設備表・付帯設備リストの作成
□ 不動産会社選定と媒介契約の締結
□ 購入予算の確定(自己資金の確認)
□ 住宅ローンの事前審査申込み(必要な場合)
□ 希望条件の整理(立地、広さ、価格帯など)
□ 不動産会社の選定と相談
2. 物件探索・内覧 □ 室内の清掃・整理整頓
□ 修繕すべき箇所の対応
□ 内覧対応の準備(スケジュール調整など)
□ 物件情報の収集
□ 物件周辺環境の調査(学校、病院、交通機関など)
□ 内覧時のチェックリスト作成
□ 気になる点のメモや写真撮影(許可を得て)
3. 購入申込み □ 申込み条件の確認
□ 売却条件との摺り合わせ
□ 引き渡し可能時期の確認
□ 購入申込書の提出
□ 申込証拠金の準備(必要な場合)
□ 住宅ローンの本審査申込み(必要な場合)
□ 必要資金計画の確認(諸費用含む)
4. 契約条件調整 □ 売買価格の最終確認
□ 手付金の金額と受領方法の確認
□ 引き渡し時期の調整
□ 残置物の取扱いの確認
□ 特約条項の内容確認(契約不適合責任など)
□ 売買価格の最終確認
□ 手付金の準備と支払い方法の確認
□ 引き渡し希望時期の伝達
□ 住宅ローン特約の必要性確認
□ 追加して欲しい特約の検討(白蟻保証など)
5. 重要事項説明・契約締結 □ 実印の準備
□ 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)の取得
□ 本人確認書類(運転免許証など)の準備
□ 登記済証または登記識別情報の準備
□ 固定資産税・都市計画税の納税証明書の準備
□管理費・修繕積立金の支払い状況資料(マンションの場合)
□ 印紙代の準備
□ 売買契約書の内容最終確認
□ 実印の準備
□ 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)の取得
□ 本人確認書類(運転免許証など)の準備
□ 手付金の準備(金融機関小切手または現金)
□ 重要事項説明書の事前確認
□ 契約書の内容最終確認
□ 住宅ローンの審査状況確認
□ 印紙代の準備
□ 仲介手数料の支払い準備
6. 決済・引き渡し □ 抵当権抹消手続きの準備(住宅ローンがある場合)
□ 残債務の確認と返済資金の準備
□ 引き渡し物件の最終確認と清掃
□ 付帯設備の取扱説明書の整理
□ 鍵のすべてを準備
□ 水道・電気・ガスなどの精算手続き
□ 引越し完了の確認
□ 固定資産税・都市計画税の日割り精算額の確認
□管理費・修繕積立金の日割り精算額の確認(マンションの場合)
□ 引越し準備と日程調整
□ 残代金の準備(住宅ローンまたは自己資金)
□ 登記費用の準備
□ 仲介手数料の残金準備
□ 引き渡し物件の最終確認(立会い)
□ 水道・電気・ガスなどの名義変更手続き
□ 固定資産税・都市計画税の日割り精算額の確認
□管理費・修繕積立金の日割り精算額の確認(マンションの場合)
□ 火災保険の加入手続き

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固定資産税評価証明書や管理規約などは、委任状などを用いて、不動産会社に取得してもらえる場合もあるため、不動産会社に相談してみましょう。 また、買い主は金融機関との連携が多くなるため、不動産会社や金融機関の案内にしたがって書類を準備する必要があります。

媒介契約から購入申込みまでの流れ

不動産売買の第一歩は、不動産会社との媒介契約です。
媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。 ご自身の状況に合わせて、最適な契約形態を選択しましょう。

媒介契約
媒介契約の種類 複数業者との契約可否 自己発見取引の可否※ 報告義務
一般媒介契約 なし
専任媒介契約 不可 2週間に1回以上
専属専任媒介契約 不可 不可 1週間に1回以上

※売主が自分で買主を見つけてきて、売主・買主の個人間で取引すること

購入希望者は、物件を内覧し、条件に合致すれば購入申込みを行います。 購入申込み時には、購入希望価格や引き渡し時期などの条件を記載した購入申込書を提出します。
購入申込みを行う際には、以下の点に注意しましょう。

  • 申込み条件を明確にすること
  • 売却条件との摺り合わせを行うこと
  • 引き渡し可能時期を確認すること

ただし、申込み時の内容通りに契約となる訳ではありません。 最終的な売却の判断は売り主がするため、条件に合わない場合は、却下されるケースもあります。
売り主が購入申込書の内容に合意すれば契約へと進みます。 なお、内覧から購入申込みまでの期間は、通常1週間から1ヶ月程度です。

不動産契約時に必要な書類と印紙代の負担

契約締結時には、さまざまな書類が必要となります。 売り主と買い主それぞれに必要な書類は、以下の通りです。

【契約締結時に必要な書類一覧】

必要書類 売り主 買い主 備考
実印 契約書への押印に使用。事前に登録した印鑑が必要
印鑑証明書 発行後3ヶ月以内のもの。本人の印鑑であることを証明
本人確認書類 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
登記済証
または
登記識別情報
不動産の所有権を証明する書類
住民票 必要に応じて(登記手続きに使用することがある)
固定資産税納税通知書 固定資産税・都市計画税の精算に必要
固定資産税評価証明書 登記手続きの際に必要となることがある
管理規約・使用細則 マンション売却の場合に必要
重要事項調査報告書 マンション売却の場合に必要
建築確認通知書・検査済証 一戸建て売却の場合に必要
建築協定書 協定がある場合に必要
手付金 現金または金融機関の小切手で用意
印紙代 売買金額により異なる(通常は売り主・買い主で折半)
仲介手数料 それぞれの仲介会社に支払う(契約時に一部、残りは決済時)

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築年数が古いマンションの場合は、アスベスト調査報告書や耐震診断書が必要になる場合があります。 また、一戸建てでリフォームをしている場合は、リフォームに関する書類なども求められる可能性があります。
印紙税の金額は、売買金額によって異なるため注意しましょう。 通常は、売り主と買い主が1通ずつ契約書を保管するため、それぞれが印紙税を負担します。 それぞれの書類は大切に保管し、契約後に必要となる手続き(登記申請や確定申告)に備えましょう。

重要事項説明と契約締結のポイント

重要事項説明は、宅地建物取引業法で定められた、不動産取引における重要な手続きです。
宅地建物取引士は、取引を行う前に、買い主に対して物件に関する重要な事項を説明する義務があります。 また、重要事項説明書は、売買契約書と密接な関係があり、契約内容を理解するために不可欠な書類です。 重要事項説明を受ける際には、以下の点に注意しましょう。

  • 物件の権利関係(所有権、抵当権など)
  • 物件に関する制限(都市計画法、建築基準法など)
  • 物件の状況(地盤、耐震性、雨漏りなど)
  • 契約解除に関する事項
  • 手付金に関する事項

近年では、ITを活用した重要事項説明(IT重説)も導入されています。 IT重説は、オンラインで重要事項説明を受けられるため、遠方に住んでいる方や忙しい方にとって便利な方法です。
国土交通省は、ITを活用した重要事項説明実施マニュアルを公開しています。 IT重説の実施方法や注意点について解説していますので、詳しい内容は国土交通省のHPをご確認ください。

不動産売買契約の注意点と責任範囲

不動産売買契約の注意点と責任範囲

不動産売買契約は、高額な取引となるため、契約締結時には細心の注意が必要です。 契約内容を十分に理解し、売り主・買い主それぞれの責任範囲を明確にしておくことで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
ここでは、不動産売買契約における主要な注意点と責任範囲について解説します。

契約不適合責任とは|瑕疵担保責任との違い

2020年4月の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと変更されました。 この変更は、不動産売買契約における売り主の責任範囲に大きな影響を与えています。

契約不適合責任とは、引き渡された目的物(不動産)が、契約内容に適合しない場合に、売り主が買い主に対して負う責任です。 具体的には、売買契約書に記載された品質や性能が備わっていない場合や、隠れた欠陥があった場合などが該当します。
買い主は、契約不適合があった場合、以下の4つの権利を行使できます。

  • 補修請求
    売り主に対して、契約内容に適合するように修補を求める
  • 代金減額請求
    契約不適合の程度に応じて、売買代金の減額を求める
  • 損害賠償請求
    契約不適合によって生じた損害について、賠償を求める
  • 契約解除
    契約不適合が著しい場合や、補修が困難な場合には、契約を解除する

民法上、買い主がこれらの権利を行使するためには、契約不適合を知った時から1年以内に、その旨を売り主に通知する必要があります。 ただし、売り主の責任が重いため、不動産取引の慣習では引き渡しから3ヶ月以内に設定されることが一般的です。

また、売り主が宅地建物取引会社である場合と、個人である場合とでは、契約不適合責任の範囲が異なることがあります。 宅地建物取引業法では、宅建会社が売り主の場合、買い主に不利な特約(※)は原則として無効とされています。

※例:契約不適合責任を一切負わないなど

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手付金の種類と相場

手付金は、契約の成立を証明するだけでなく、契約解除や違約金としての意味合いも持ちます。
手付金の主な種類は、以下の3つです。

【手付金の種類と定義・特徴】

手付金の種類 定義 主な特徴 解除可否
証約手付 契約の成立を証明する目的で授受する手付金 ・契約成立の証拠となる
・単なる契約締結の証明
・将来の代金の一部に充当される
手付による契約解除はできない
解約手付 契約の任意解除権を留保する目的で授受する手付金 ・買い主は手付金を放棄して契約解除可能
・売り主は手付金の倍額を返還して契約解除可能
・相手方が履行に着手する前までに限り解除可能
・将来の代金の一部に充当される
相手方が履行に着手するまで可能
違約手付 債務不履行の場合の違約金としての性質を持つ手付金 ・債務不履行があった場合の賠償額の予定
・債務不履行時、相手方は手付金を没収/返還請求可能
・将来の代金の一部に充当される
手付による契約解除はできない

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手付金の相場は、売買価格の5~10%程度です。 手付金の金額は、売り主と買い主の合意によって決定されますが、あまりにも少額な手付金は、後々のトラブルの原因となる可能性があるため注意しましょう。
手付金の支払い方法は、現金または金融機関の小切手が一般的です。 手付金を支払う際には、必ず領収書を受け取り、大切に保管しましょう。

不動産売買契約書の免責事項と特約の重要性

不動産売買契約書には、免責事項や特約が記載されていることがあります。 これらの条項は、売り主の責任範囲を限定したり、特別な条件を定めたりするものであり、契約内容を理解するうえで重要です。

契約不適合責任に関する特約では、売り主が責任を負う範囲や期間を限定できます。 たとえば、「雨漏りについては、引き渡し後3ヶ月以内に限り責任を負う」といった特約を定められます。
ただし、宅地建物取引業者が売り主の場合、買い主に不利な特約は設定できません。 宅地建物取引業法では、引き渡しから2年以内の通知期間特約は有効とされていますが、それ以外の買い主に不利な特約(契約不適合責任を一切負わないなど)は原則として無効とされています。

新築住宅の場合には、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、構造耐力上の主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています
以上のように、契約書に記載された免責事項や特約の内容は十分に理解し、納得したうえで契約を締結するようにしましょう。



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不動産売買契約の解除条件とトラブル防止策

不動産売買契約は、一度締結すると簡単には解除できませんが、契約内容によっては解除が可能な場合もあります。
ここでは、不動産売買契約の解除条件と、トラブルを未然に防ぐための対策について解説します。

契約解除の種類と手続き

不動産売買契約の解除には、さまざまな種類があります。
それぞれの解除方法には適用条件や手続きが異なり、解除に伴う違約金なども発生する場合があります。
代表的な解除の種類と概要は、以下の通りです。

【契約解除の種類】

解除の種類 概要 適用条件
手付解除 買い主は手付金を放棄、売り主は手付金の倍額を返還することで契約解除できる ・相手方が契約の履行に着手するまで
・契約から決済までの中間に設定するのが一般的
危険負担による解除 天災などにより物件が滅失・毀損した場合の解除 ・契約後、引き渡し前に天災(台風、地震、洪水など)で物件が著しく毀損
・修復費用が多額で修復困難
契約違反による解除 当事者の一方が契約に違反した場合の解除 ・代金不払い
・引き渡し拒否
・期日までの所有権移転登記不履行など
契約不適合責任に基づく解除 物件に契約内容と適合しない不具合がある場合の解除 ・不適合が重大(軽微でない)
・契約の目的を達成できない程度
・不適合を知った日から1年以内に通知
特約による解除(ローン特約など) 契約に定めた特約条項に基づく解除 ・ローン特約:融資承認が得られない
・瑕疵担保免責特約
・境界確定特約など、特約の条件による
合意による解除 当事者双方の合意に基づく解除 売り主・買い主双方の解除合意

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解除に伴う違約金は、一般的に売買代金の10~20%程度が相場です。 解除通知の期限や違約金の金額は、契約書に明記されています。
解除通知は、書面(内容証明郵便など)で行うことが望ましいでしょう。 解除通知には、解除の理由や根拠となる条項、解除日などを記載します。

不動産売買契約時のローン特約とは

ローン特約とは、住宅ローンの審査が通らなかった場合に、契約を白紙に戻せる特約です。
ローン特約には、以下の事項を記載することが一般的です。

  • 融資額
  • 利用する金融機関
  • ローンの審査期間

ローン特約を活用する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 審査期間を十分に確保すること
  • 複数の金融機関に審査を申し込むこと
  • 審査に必要な書類を早めに準備すること

ローン特約を適用して契約を解除する場合、買い主は支払った手付金を全額返還してもらえます。

不動産の売買契約書のチェックポイント

不動産売買契約書は、売り主と買い主の権利義務を明確にするための書類です。 契約内容を十分に理解せずに契約を締結してしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

ここでは、不動産売買契約書を確認する際の重要なポイントを体系的に説明します。 売買物件の表示、売買代金、支払条件、引き渡し条件といった基本的な項目はもちろん、特約条項の確認方法や注意点についても詳しく見ていきましょう。

不動産売買契約書の必須確認項目リスト

不動産売買契約書には、さまざまな項目が記載されていますが、特に重要な項目についてチェックリスト形式で確認ポイントをまとめました。 契約書と照らし合わせながら、一つずつ確認していきましょう。

【不動産売買契約書 必須確認項目チェックリスト】

チェック 確認項目 確認ポイント
物件の表示 所在地、地番、地目、面積、建物の構造が登記簿と一致しているか
権利関係の確認 所有権、抵当権、賃借権など権利関係の記載は正確か
売買代金の金額 ・合意した金額と一致しているか
・税込/税別の表記は明確か
手付金の金額と性質 ・金額は適正か(売買価格の5~10%程度)
・手付の種類は明記されているか
代金の支払時期と方法 手付金、中間金、残金の支払日程と支払方法は明確か
所有権移転時期 所有権移転登記の時期は明記されているか
物件の引き渡し時期 ・引き渡し日は具体的に記載されているか
・現実の引き渡しが可能な日程か
固定資産税などの精算 固定資産税・都市計画税の日割り精算方法は記載されているか
管理費・修繕積立金の精算 マンションの場合、管理費・修繕積立金の精算方法は記載されているか
付帯設備の引継ぎ ・付帯設備リストは添付されているか
・引継ぎ物の範囲は明確か
契約不適合責任 ・契約不適合責任の期間と範囲は明確か
・特約の内容は適切か
引き渡し前の滅失・毀損時の処理 天災などで物件が毀損した場合の対応は明記されているか
契約違反時の措置 違約金の金額(通常は売買代金の10~20%)は明記されているか
手付解除の期限 手付解除ができる期限は明確に記載されているか
ローン特約の内容 金融機関、融資額、金利条件、特約期間は明記されているか
境界の確認 境界確定の状況と未確定の場合の対応は記載されているか
瑕疵担保責任の特約 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間と内容は適切か
公租公課の負担 固定資産税などの負担区分と精算方法は明確か
住宅ローン控除などの適用条件 特例適用のための条件(引き渡し時期など)は満たしているか
白蟻保証・耐震診断などの特約 必要な特約は漏れなく記載されているか
引越し時期の調整 引き渡しと引越しの日程調整に関する取決めはあるか
残置物の取扱い 残置物の有無と処理方法は明確か
水道・電気・ガスの精算 公共料金の精算方法と名義変更の取決めはあるか
鍵の引き渡し 鍵の本数と引き渡し方法は記載されているか
登記費用の負担 所有権移転登記、抵当権設定登記などの費用負担は明確か
仲介手数料の負担 仲介手数料の金額と支払方法は記載されているか
印紙税の負担 契約書の印紙税負担はどうなっているか
その他の特約条項 その他必要な特約が漏れなく記載されているか

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売り主・買い主それぞれの立場からの契約書確認ポイント

売り主と買い主では、契約書においてとくに注意すべきポイントが異なります。
それぞれの立場から、重要な確認ポイントは下記の通りです。

【売り主側の確認ポイント】

  • 売買代金の支払方法
    手付金、中間金、残金の支払時期と方法が明確に記載されているか
  • 引き渡し条件
    引き渡し日、引き渡し時の状態(残置物の有無など)、水道光熱費の精算方法などが明確に記載されているか
  • 契約解除の条件
    契約解除時の違約金や損害賠償の額が妥当か

【買い主側の確認ポイント】

  • 契約不適合責任
    契約不適合責任の期間や範囲が適切か
  • ローン特約
    ローンが承認されなかった場合の契約解除条件が明確に記載されているか
  • 特約条項
    必要な特約が漏れなく記載されているか

両者の利益を守るためには、契約書に以下の事項を明記することが重要です。

  • 境界の確定(一戸建ての場合)
    境界が未確定の場合、測量費用や境界確定に関する協議方法を明確にする
  • 残置物の処理
    残置物の有無と処理方法(売り主が撤去する、買い主が引き継ぐなど)を明確にする。
  • 設備の故障
    引き渡し前に設備が故障した場合の修理費用負担について定める

危険な条項や見落としやすい注意点は、以下の通りです。

  • 手付解除の期限
    手付解除ができる期限が短すぎないか
  • 違約金の予定額
    違約金の金額が高すぎないか
  • 契約不適合責任の期間
    契約不適合責任の期間が短すぎないか、または免責条項がないか

不動産売買契約は、専門的な知識が必要となるため、弁護士や司法書士などの専門家を活用することをおすすめします。 専門家は、契約書のリーガルチェックや、契約交渉のサポートなど、さまざまな面でサポートしてくれます。

不動産売買の査定はクラモアへ

ここまで、契約の基礎知識から、締結までの手順、注意点、そしてトラブル防止策まで、不動産取引を成功させるために必要な情報を解説しました。 不動産売買を検討するうえで最初に考えるべきは、不動産の価値を正確に把握することです。 適正な価格を知ることは、売却戦略を立てるうえで不可欠であり、後悔のない取引を実現するための第一歩となります。

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宅地建物取引士・FP2級

岡﨑 渉

大手不動産仲介会社にて売買仲介の営業に従事。 宅地建物取引士・FP2級の資格を保有し、現在はフリーランスのWebライターとして活動中。 不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、主に不動産・投資系の記事を扱う。
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