預貯金口座付番制度は、2024年に始まった制度で、マイナンバーと預貯金口座を紐づける仕組みです。 この制度を利用することで、相続や災害といった非常時に、一つの金融機関の窓口から本人名義の他の金融機関にある預貯金口座の所在をまとめて確認できるようになります。 本記事では、預貯金口座付番制度の基本的な内容をはじめ、利用するメリットや注意点、具体的な手続き方法について解説します。
- マイナンバーと預貯金口座を紐づける制度である
- 相続や災害の際に活用でき、複数の金融機関にある口座の所在をまとめて確認できる
- 預貯金口座付番制度の利用は任意で、強制ではない
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預貯金口座付番制度とは
預貯金口座付番制度とは、金融機関にマイナンバー(個人番号)を届け出ることで、その金融機関にある自分名義の預貯金口座とマイナンバーを結び付ける制度です。 この制度を利用することで、相続が発生したときや災害時における預貯金に関する各種手続きがたいへん楽になります。
本制度は、「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律(通称:口座管理法)」に基づき、2024年4月から本格的に運用されています。 主な目的は、相続時および災害時において、預貯金口座の所在を円滑に確認できるようにすることです。
なお、預貯金口座付番制度の利用は任意であり、本人が希望しない限り、金融機関が勝手にマイナンバーを口座に付番することはありません。
また、この制度を利用したからといって、預貯金残高や取引履歴が国や自治体に自動的に提供されることはありません。
どんな時に活用できるのか?
預貯金口座付番制度を利用すると、相続時や災害時における預貯金口座の照会・確認手続きが簡単になります。 特に、どこの金融機関に口座があるのかわからない場合に有効な制度です。
相続時の活用
相続が発生した時、「親の口座がどこの銀行にあるかわからない」「通帳も見つからない」というケースはよくあります。 最近ではネット銀行の利用が増え、通帳を持たない方も多くなっています。
そのため、亡くなった方のスマートフォンやパソコンのパスワードがわからず口座を確認できない、あるいは端末自体が見つからず、ネット銀行の口座の有無が不明というケースもあります。
その結果、後から口座が見つかって、遺産分割協議をやり直すことになったり、相続税の申告・納税漏れによって追徴課税を受けたりする可能性もあります。
しかしこの預貯金口座付番制度を利用すれば、こうした心配がなくなります。
被相続人(亡くなった方)があらかじめこの制度を利用していれば、相続人(財産を受け取る人)は、一つの金融機関の窓口でマイナンバーを手がかりに、他の金融機関に口座があるかどうかをまとめて照会できるようになります。 これにより、ネット銀行を含めた口座の把握漏れを防ぐことができ、相続手続きの負担が軽減されるとともに、より確実な資産相続が可能になります。
ただし、相続人が確認できるのは預貯金口座の「所在」のみであり、残高や取引明細まで照会できるわけではありません。これらの詳細については、各金融機関に赴いて個別に確認する必要があります。
また、マイナンバーと紐づけられていない口座は照会できない点にも注意が必要です。
なお、口座の照会は実際に取引のない金融機関の窓口でも申し込み可能です。
災害時の活用
大規模災害などで通帳やキャッシュカードを失ってしまった場合や、避難先に取引のある金融機関の支店がない場合でも、預貯金口座付番制度は有効です。
マイナンバーを用いた情報連携により、自身の預貯金口座の所在を確認できるほか、預貯金の引き出し手続きが可能となるため、迅速な資金確保につながります。
また、口座がすぐに特定できるため、災害支援金や給付金の受取手続きもスムーズになります。
なお、災害時の場合も、預貯金口座の照会は取引のない金融機関での申込みが可能です。
メリットとデメリット・注意点

預貯金口座付番制度の主なメリットとデメリット・注意点は、以下のとおりです。
メリット
預貯金口座付番制度を利用するメリットは、以下のとおりです。
- 相続手続きの負担を軽減できる
相続手続きの際に、預金口座を探す必要がなくなり、相続人の精神的・事務的負担が軽減される。 - 災害時でも迅速に資金を確保できる
非常時でも預貯金口座の所在を確認できるため、災害時の資金確保がスムーズになる。 - 資産情報が国や他の金融機関に共有されることはない
この制度を利用しても、預貯金残高や取引情報が国や自治体、他の金融機関に共有されることはなく、プライバシー面でも過度に心配する必要はない。
デメリット・注意点
預貯金口座付番制度を利用するデメリット・注意点は、以下のとおりです。
- 制度の利用は任意(自動ではない)
任意の制度のため、金融機関の窓口やマイナポータルで自ら手続きしない限り利用できない。 - 対応していない金融機関がある
外資系銀行や一部の信用組合など、制度に対応していない金融機関もある。
これらの金融機関に口座がある場合は、家族や相続人に事前に口座の存在を伝えておく必要がある。 - 登録情報が一致しないと付番されない場合がある
氏名・住所・生年月日などが金融機関の登録情報と一致していないと、付番が行われない場合がある。
住所変更や氏名変更があった場合は、事前に金融機関への届出を済ませておく必要がある。 - 付番後は取り消しができない
一度付番が完了すると、後から付番を取り消すことはできないため、制度の内容を理解したうえで、慎重に判断することが重要。
手続き方法
預貯金口座付番制度の手続き方法は、以下の二通りがあります。
ご自身の状況に合わせて、利用しやすい方法を選びましょう。
金融機関の窓口で行う方法
金融機関の窓口で手続きを行う場合は、以下のものを持参します。
なお、必要書類は金融機関によって異なることがあるため、事前に確認しましょう。
- 通帳
- 印鑑
- マイナンバーカードまたは本人確認書類(運転免許証など)
窓口で預貯金口座付番を希望する旨を申し出て手続きをします。
手続きが完了すると、その金融機関の口座だけでなく、氏名・住所・生年月日などの個人情報が一致する他の金融機関の口座も一斉に紐づけされます。
付番の結果については、後日「預金保険機構」から郵送で通知されます。
マイナポータルから行う方法
マイナンバーカードをお持ちであれば、マイナポータルからオンラインで手続きすることも可能です。
マイナポータルにログイン後、「預貯金口座付番」または「金融機関へのマイナンバー届出申請」で検索し、画面の案内に従って手続きしましょう。
この方法でも、氏名・住所・生年月日などの個人情報が一致する金融機関の口座が一斉に紐づけされます。
付番の結果は、後日マイナポータル上で通知されます。
詳しくは、デジタル庁の「口座管理法制度って知っていますか?」をご参照ください。
まとめ
預貯金口座付番制度は、相続や災害といった「もしも」に備えるための任意の制度です。
あらかじめ利用しておくことで、非常時における預貯金口座の確認や手続きの負担を大幅に軽減できる可能性があります。 特に相続の場面では、「どこの金融機関に口座があるのかわからない」といったトラブルが起こりがちですが、生前から制度を利用しておくことで、相続人の手続き負担を減らし、スムーズな相続につなげることができます。
制度の利用は任意であるため、まずはその内容を正しく理解したうえで、家族と話し合いながら利用を検討することをおすすめします。 将来への備えの一つとして、預貯金口座付番制度を上手に活用していきましょう。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。
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