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「等価交換方式」ってなに?仕組みやメリットをわかりやすく解説

更新日:2021.10.12

「等価交換方式」ってなに?仕組みやメリットをわかりやすく解説

「土地を所有しているが、借金をしてまで土地活用はしたくない」など、土地活用に関してお悩みの方は少なくないでしょう。 活用できていない土地をお持ちの方や土地を相続する可能性がある方は、「等価交換」という選択肢を検討してもよいかもしれません。 この記事では、等価交換方式の仕組みについて解説します。 等価交換契約の流れについても確認しておきましょう。

  • 土地活用には、土地所有者の金銭的負担を極力減らせる等価交換という方法がある
  • 等価交換には「全部譲渡方式」と「部分譲渡方式」の2種類がある
  • 等価交換に適する土地と適さない土地があるため、向いているか事前に確認を

もくじ

  1. 土地活用の選択肢、等価交換とは?

    1. 等価交換方式とは?

    2. 等価交換方式を利用するメリット・デメリット

    3. どんな土地が等価交換方式に向いている?

  2. 等価交換方式の流れ

    1. ステップ1:デベロッパー・建築会社との打ち合わせ

    2. ステップ2:「全部譲渡」か「部分譲渡」かの決定

    3. ステップ3:契約

    4. ステップ4:土地の売却

    5. ステップ5:設計・建築の開始

    6. ステップ6:区分所有権の譲受

    7. ステップ7:利用開始

  3. 土地活用にはいろいろな方法がある

土地活用の選択肢、等価交換とは?

はじめに、等価交換方式とはどういう仕組みで、どういったメリットやデメリットがあるのかをご紹介します。「等価交換に向いている土地」についても押さえておきましょう。

等価交換方式とは?

等価交換方式とは、デベロッパーに土地を提供(売却)してそこにマンションやビルなどを建築してもらい、それぞれの出資比率に応じて土地と建物の所有権を得る土地活用の方法です。

等価交換には、「全部譲渡方式」と「部分譲渡方式」の2種類があります。「全部譲渡」「部分譲渡」という文字だけを見ると、「土地のすべて、もしくは一部を譲渡する方法」といったイメージを思い浮かべがちですが、両者は名義変更のタイミングが違うだけです。

全部譲渡方式では、土地の名義をデベロッパーへ変更してから建物を建て、出資比率に応じて所有権を配分します。一方の部分譲渡方式は、土地所有者名義のまま建物を建て、出資比率に応じて土地の持ち分をデベロッパーに、建物の持ち分を土地所有者に移転する方法です。

等価交換方式を利用するメリット・デメリット

メリット:多額の資金を準備しなくて済む

通常の土地活用であれば、土地の所有者が建物を建て、入居者やテナントなどを自ら探します。マンションやビルを建てる際は建築費用が必要で、入居者やテナントを探すにも広告費用が発生するなど、多額の資金を準備しなければなりません。手元に現金がない場合は借りなければならず、うまくいかなければ多額の借金を背負う恐れもあるでしょう。

しかし、等価交換方式を利用すればすべてデベロッパーに任せられるので、こういった多額の資金を準備する必要がありません。そのため、リスクを抑えて土地活用を始められます。

メリット:譲渡所得税の優遇措置が受けられる

もう一つのメリットに、「立体買換えの特例」という譲渡所得税に関する優遇措置があります。一定の条件があるものの、この特例の要件に該当する場合は、譲渡所得の課税を繰りのべる(先延ばしにする)ことが可能です。

繰りのべなので将来的には負担しなければなりませんが、土地を手放した時点では譲渡所得税の支払いが発生しません。

メリット:土地の分割がしやすくなる

土地活用前の土地を3人や4人で分割すると、条件の有利不利などからトラブルに発展する可能性が高くなります。分割してからでは土地が狭くなってしまうため、それぞれに建物を建てるのも大変です。

しかし、等価交換方式でマンションなどを建てれば、部屋数や床面積に応じて等分することが可能になります。遺産分割がしやすくなるので、トラブルも起こりにくくなるでしょう。

デメリット:交渉や調整などに時間と労力がかかる

最大のデメリットは、成立までに時間と労力がかかることです。通常、等価交換はデベロッパー側から持ちかけられることが多いですが、所有権の配分について交渉が難航するケースは珍しくありません。

また、所有者が増えて権利関係の変更などが生じた場合、各所有者に相談や判断を仰がなければならない点もデメリットと言えます。さらに、立地がよくないと、等価交換をしたいと思ってもデベロッパーが見つからないこともあります。

どんな土地が等価交換方式に向いている?

公共交通機関へのアクセスが良好な場所や交通網が発達している場所にある土地は、使い勝手のよさから等価交換方式に向いていると言えます。

等価交換方式による土地活用では、土地所有者とデベロッパーの双方で利益を得る必要があります。そのため、大きな建物を建てて利用者を増やすという目的を実現しやすい、広い土地のほうが適しているでしょう。

一般的に等価交換方式では、通常の一戸建て(一軒家)ではなく、アパートやマンション、ビルなどの比較的大きな建物を建てることが多いと認識しておきましょう。

等価交換方式の流れ

等価交換方式の流れ

ここからは等価交換方式の大まかな流れについて、注意点やポイントをまじえながらご紹介します。

ステップ1:デベロッパー・建築会社との打ち合わせ

最初の1歩は、デベロッパーや建築会社との打ち合わせです。ここで重要となるのは、デベロッパーや建築会社選び。等価交換の契約を行ったあとにデベロッパーが倒産してしまっては、今後の運用に支障が出ます。これまでの実績や経営状況などを詳しく調べたうえで、どの会社に任せるか判断しましょう。

ステップ2:「全部譲渡」か「部分譲渡」かの決定

依頼するデベロッパーが決まったら、全部譲渡方式にするのか部分譲渡方式にするのかを決めます。土地の所有者が複数人いる場合は、全部譲渡方式にしてデベロッパーが総合管理して建築するほうがトラブルは少ないでしょう。

部分譲渡方式を選択すると、どの部分を譲渡するのかなどの話し合いが必要になり、土地活用実行までに時間がかかる恐れがあります。

ステップ3:契約

すべての契約内容に納得したら、契約を行います。ここで土地と建物の交換比率も決定するため、本当にその比率で契約してよいのか確認したうえで契約しましょう。第三者機関に査定を依頼し、正当な評価がなされているのか、交換比率は妥当なのかを調べておくと安心です。

ステップ4:土地の売却

契約が完了したら、デベロッパーへ土地の売却を行います。通常、土地を売却して利益が出た場合は、利益に対して譲渡所得税が発生します。しかし、等価交換方式であれば先ほど触れた「立体買換えの特例」が使えるため、譲渡所得の課税を繰りのべることができます。

譲渡所得税などに関して不安がある場合は、税理士などの専門家に相談するのも手です。

ステップ5:設計・建築の開始

契約した内容に沿って、設計・建築が開始されます。建物の大きさによっても異なりますが、一戸建て(一軒家)を建てるわけではないため、それなりに時間がかかることを頭に入れておきましょう。

ステップ6:区分所有権の譲受

建物が完成したら、契約時の交換比率をもとに区分所有権を譲り受けます。契約内容と相違がないかを確認しましょう。

ステップ7:利用開始

すべての手続きが完了したら、利用開始です。自分で利用したり、第三者に貸して収入を得たりします。売却や生前贈与することも可能ですが、契約によってはできないケースもあるため、契約時にチェックしておきましょう。

土地活用にはいろいろな方法がある

土地活用の方法にはさまざまな方法があります。今回ご紹介した等価交換方式は、多額の資金を準備する必要がなく、リスクを抑えたい土地所有者にはメリットが大きい選択肢と言えるでしょう。しかし、メリットだけでなくデメリットもあります。自分にとって、どの方法で土地活用するのがベストなのかをしっかり考えておきましょう。

土地活用や等価交換に関してさらに詳しく知りたい方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。



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