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「独身者」必見!法定相続人がいない場合の財産は誰に相続される?

更新日:2022.02.22

「独身者」必見!法定相続人がいない場合の財産は誰に相続される?

配偶者や子ども、両親、兄弟姉妹など法律で定められている「法定相続人」。しかし独身者の場合、配偶者や子どもがおらず、法定相続人がいないということもあり得ます。今回は、独身者の財産は誰に相続されていくのかを詳しく解説します。

  • 遺産相続は遺言書がない場合、法定相続人が相続し、その割合は法律で定められている
  • 法定相続人がいない場合、「債権者→特定受遺者→特別縁故者」の順番で分配される
  • 独身者が遺産相続をスムーズにするには、遺言書の作成が必要

もくじ

  1. 法律上の法定相続人について

    1. そもそも法定相続人とは?

    2. 配偶者がいる場合、いない場合の法定相続人

  2. 独身者の法定相続人

    1. 子どもがいる独身者の法定相続人

    2. 子どもがいない独身者の法定相続人

    3. 法定相続人がいない独身者の場合は?

    4. 独身者の相続対策には遺言書の作成が有効

  3. 独身者はスムーズな相続のために遺言書の作成がおすすめ

法律上の法定相続人について

遺産相続では、財産を受け取ることができる「法定相続人」と、財産を受け取れる「割合」が法律で定められています。もし、「特定の財産を特定の人物に譲りたい」「法定相続人以外にも遺産を譲りたい」というときは、遺言書の作成が必要です。
独身者は配偶者や子どもがおらず、法定相続人がいないことも少なくありません。

まず、法定相続人とは何か、配偶者がいる場合と、いない場合で相続がどう異なるのかについて解説します。

そもそも法定相続人とは?

そもそも法定相続人とは?

法定相続人は、「法律で定められた財産を相続できる人」を指します。遺言書がない場合は、法定相続人同士で遺産分割を話し合うのが基本です。遺言書には法定相続人以外の人物を相続人として記載できるため、法定相続人だけが相続ができるというわけではありません。

法定相続人となる方は、配偶者や亡くなった方と血のつながりがある血族です。亡くなった方の父母や祖父母など、その方よりも前の世代の血族のことを「直系尊属(そんぞく)」、子や孫などその方よりも後の世代の血族を「直系卑属(ひぞく)」と呼びます。

配偶者がいる場合、いない場合の法定相続人

配偶者はいかなる場合でも相続人になりますが、血族には相続の優先順位が決まっています。それぞれの場合の相続優先順位を見てみましょう。

配偶者がいる場合の相続優先順位

前述した通り、配偶者はつねに相続人になります。内縁の妻など、法律上の配偶者でない場合は法定相続人とは認められないので注意が必要です。配偶者のほかに法定相続人になる優先順位は、「直系卑属→直系尊属→兄弟姉妹」です。

<配偶者以外の法定相続人優先順位>
1位:直系卑属(子や孫など)
2位:直系尊属(父母や祖父母)
3位:兄弟姉妹

たとえば、亡くなった方に配偶者、子ども、両親、兄弟がいる場合、法定相続人は配偶者と子どもになり、両親や兄弟は法定相続人にはなれません。亡くなった人に直系卑属がいない場合、法定相続人は配偶者と直系尊属、直系尊属も直系卑属もいない場合は配偶者と兄弟姉妹が法定相続人です。

また、相続の割合は配偶者のほかに「誰が法定相続人になるか」によって変わります。

<法定相続人と相続財産の割合>

法定相続人 相続財産の割合
配偶者と直系卑属 1:1
配偶者と直系尊属 2:1
配偶者と兄弟姉妹 3:1

配偶者と直系卑属では1:1ですが、配偶者と兄弟姉妹では3:1となり、優先順位が下位の人が法定相続人になるほど、配偶者の遺産相続の割合は高くなります。

配偶者がいない場合の相続優先順位

配偶者がいない場合、「直系卑属→直系尊属→兄弟姉妹」という法定の順位にしたがって相続人が決定します。

<相続人になる優先順位>

順位 法定相続人 相続分
1位 直系卑属(子や孫など) 1
2位 直系尊属(父母や祖父母) 1
3位 兄弟姉妹 1

直系卑属と直系尊属のような、2種類の血族が法定相続人になることはありません。相続財産の分け方は、たとえば子どもが3人いる場合、法定相続人は直系卑属となり、その遺産は3人で均等分割されるのが基本です。

独身者の法定相続人

独身者の法定相続人

では、独身者の場合、法定相続人は誰になるのでしょうか?詳しく見てみましょう。

子どもがいる独身者の法定相続人

独身者といえども、配偶者との離別や死別により子どもがいるケースもあるでしょう。子どもがいる独身者の場合は、上の章で説明した「配偶者がいないケース」と同じ条件になり、法定相続人は子どもになります。

子どもがいない独身者の法定相続人

子どもがいない場合の独身者の法定相続人を優先順に見てみましょう。

優先順位1位:父母または祖父母(直系尊属)

子どもがいない独身者の場合は、法定相続人はまず父母となります。二人とも存命の場合、遺産の分割は「父:母=1:1」の割合です。どちらか1人、たとえば父親が亡くなっている場合、母が遺産のすべてを相続します。父も母も亡くなっているとき、法定相続人は祖父母です。

優先順位2位:兄弟姉妹または甥姪

直系尊属が誰もいない場合は、兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹が複数名いるときは、長男や長女、末っ子などにかかわらず、均等分割するのが基本です。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、兄弟姉妹の子どもである甥や姪が法定相続人になります。

以上が、法定相続人がいる場合の優先順位です。ちなみに、いとこは法定相続人にはなれませんので注意してください。

法定相続人がいない独身者の場合は?

では、直系卑属も直系尊属も兄弟姉妹もすべての血族がいない独身者の遺産はどうなるのでしょうか?

法定相続人がいない財産は、検察官や利害関係者が家庭裁判所に申し立てをして選任された、「相続財産管理人」が故人の財産を清算します。この場合の利害関係者は、大きく分けて3種類存在します。

【債権者】
独身者が住んでいた賃貸住宅の家主、
お金を貸していた人など

【特定受遺者(とくていじゅいしゃ)】
遺言書に記載されている遺産受取人

【特別縁故者(とくべつえんこしゃ)】
独身者と同一生計にあった人、
療養看護をしていた人など

独身者の遺産は、「債権者→特定受遺者→特別縁故者」の順番に分配されます。まずは、債権者に対して債務の支払いを行い、残りの指定された財産が特定受遺者に継承されます。

さらに、まだ財産が残っている場合、特別縁故者が財産を受け取れる場合があります。特別縁故者になるには、独身者に法定相続人がいないと確定したあと、「財産分与の申し立て」を3ヶ月以内に行うことが大切です。

債務者、特定受遺者、特別縁故者といった利害関係者がいない場合、または利害関係者すべてに支払いや分配を済ませてもまだ残っている財産は、すべて国のものになります。

独身者の相続対策には遺言書の作成が有効

上記のように、独身者の遺産分割には多くのステップがあります。相続をスムーズにするには、遺言書を作成しておくとよいでしょう。遺言書があれば、自分の死後に財産を誰に託したいのかが明確化され、スムーズに遺産相続が行われます。

遺言書はひとりで書くこともできますが、日付がなかったり財産の特定が不明確だったりすると、遺言が無効になる場合があるので注意しましょう。公証役場で作成する「公正証書遺言」であれば、自分の意志がきちんと残せます。遺言書の書き方に不安な方は、公正証書遺言がおすすめです。

独身者はスムーズな相続のために遺言書の作成がおすすめ

配偶者がいる場合もいない場合も、明確な優先順位がある「遺産相続」。独身者の場合は、配偶者や子どもがいないケースも多く、法定相続人がいないということもあり得ます。法定相続人がいない場合は、相続財産管理人が選任され、優先順位に沿って遺産が分割されます。

自分の財産を自分の意志通りに託すには、遺言書の作成が必要です。相続に関するご相談は、下記よりお気軽にお問い合わせください。



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