介護施設には、利用者の介護度や生活スタイル、ニーズに応じたさまざまな種類があります。今回は、介護が必要な方が「介護付き有料老人ホーム」および「住宅型有料老人ホーム」を選ぶ際の探し方と、見学時に気をつけたいポイント、そして入居までの手続きや必要な期間について解説します。
- 有料老人ホームを探す方法には、地域包括支援センターやケアマネージャー・病院の紹介、ネット検索、施設紹介会社の利用などがある
- 見学の際は立地や設備だけでなく、介護スタッフの様子や運営の内容も確認する
- 入居までは、通常1~2ヶ月かかる
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有料老人ホームを探す方法
介護が必要な方が有料老人ホームを探す場合、いくつかの方法があります。 予算や必要な介護サービスに合った施設を効率よく探すには、どのように進めればいいのでしょうか。
介護保険課・地域包括・居宅介護支援事業所で、介護施設のリストを入手する
市区町村の介護保険課や地域包括支援センター、または近隣の居宅介護支援事業所では、その地域の介護施設を掲載したリストや小冊子を用意している場合があります。 必要に応じて問い合わせてみましょう。
地域包括の担当者・ケアマネージャー・病院の相談員から紹介してもらう
はじめて要介護認定を受け、在宅サービスではなく有料老人ホームへの入居を選ばれる方は、地域包括の担当者に相談しましょう。 すでに介護サービスを利用している方はケアマネージャーに、入院されていて病院から施設へ移られる予定の方は、病院の相談員(メディカルソーシャルワーカー)にも相談することをおすすめします。 各施設に関する詳細な情報は持っていないと思われますが、施設の種類や特徴、探し方や選び方についてアドバイスを受けたり、老人ホーム紹介会社を紹介してもらえることがあります。
インターネットで探す
インターネットで「老人ホーム」と検索すると、老人ホームを紹介するポータルサイトが多数見つかります。 エリア別に多くの施設が掲載されており、手軽に探すことができ、サイトから直接資料請求や見学予約もできます。 見学前にさまざまな情報を取得したり、複数の施設を比較検討するにはたいへん便利です。
老人ホーム検索サイトでは、特別養護老人ホーム(特養)やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、認知症の方が入居するグループホームなどの情報も掲載されているため、有料老人ホームとの比較もできます。
介護施設の紹介会社を使う
老人ホームを紹介する会社も多数あります。 紹介会社を利用するメリットは、基本的に対面で対応してもらえるため、たくさんの情報の中から本人の予算や心身の状態、希望にあった施設を選びやすく、手間が省ける点です。 さらに、見学の同行や入居手続きのサポートも行ってもらえます。 ほとんどの紹介会社は、紹介手数料が無料です。
また、紹介会社はサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホーム、シニア向け賃貸や分譲住宅などの紹介も行っています。
「介護付き」と「住宅型」の違い
いわゆる有料老人ホームには「介護付き」と「住宅型」の2種類があります。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
介護付き有料老人ホーム
施設のスタッフ(介護士や看護師など)が、日常の生活支援と介護サービスを24時間提供します。 福祉用具の費用などを除き、介護保険サービス費用は定額です。 入所している方は介護が必要な方がほとんどですが、自立の方を受け入れる施設もあります。
住宅型有料老人ホーム
食事のほか緊急時の対応、レクリエーションなどのサービスが受けられます。 介護サービスは外部の事業所と契約しますが、併設されている施設も多く、介護付き有料老人ホームと大きな違いがないと言えるかもしれません。 ただし、介護付き有料老人ホームが定額で介護サービスを受けられるのに対し、住宅型有料老人ホームは介護サービスを自由に選んで組み合わせることができるため、自立の方から要支援・要介護の方まで幅広く利用されています。
見学と入居の手続き
施設見学の前に資料を取り寄せて内容を確認し、必要な条件をある程度イメージしておくことが大切です。 条件が明確であれば、施設選びがスムーズになります。
ここからは、見学時のポイントと、入居手続きについて説明します。 なお、見学の際には突然訪問しても案内や説明ができる担当者が不在の場合もあるため、必ず事前に予約を取りましょう。
見学のポイント
施設を見学する際に気をつけたいポイントは、以下の通りです。
- 立地
公共交通機関からの距離、周辺環境、買い物や病院などの周辺施設 - 施設の雰囲気
建物の内外や室内の雰囲気(掃除が行き届いているか、部屋の広さ、日当たりや照明の明るさ) - 共用部分・共用設備
レストラン、リビング、浴室、脱衣所、防犯設備など - 職員の雰囲気
スタッフが笑顔で挨拶してくれるか、言葉遣いや対応が丁寧か、スタッフの人数は充分か、入れ替わりが頻繁でないか - 入居者の様子
介護度や男女の割合、入居者の表情や生活の様子 - 食事内容
メニューや状態に合わせた介護食・治療食を提供してもらえるか - リハビリや医療体制
健康管理方法や看護師の勤務体制、医療提携先、看取り体制など - イベント・レクリエーション
施設で提供される活動内容
見学時には、心身の状態や入居後の生活の仕方について施設側へ希望を伝え、対応可能かどうか確認しましょう。 施設によっては、数日間の体験入居ができる場合もあるので、担当者に相談してみましょう。 体験入居は、施設に入るのを嫌がる場合、ご本人に慣れてもらうために有効です。
また、施設の雰囲気やサービス内容がよくても、経営基盤が不安定だと長期的に安心した入居ができません。 入居前に施設の経営母体や法人の情報も調べ、信頼できる施設を選ぶことが大切です。
申込から入居までの流れと期間
入居したい施設が決まったら、申し込みをします。 この際、医療機関からの健康診断書や診療情報提供書の提出を求められます。 また、見学時に本人と会えていない場合は、施設側が面談を行います。
その後、入居審査を経て本契約となりますが、契約時には以下の書類が必要となることが一般的です。
- 戸籍謄本
- 住民票
- 印鑑
- 印鑑証明
- 身元保証人あるいは連帯保証人・身元引受人
事前にどのような資料が必要か、準備すべきものは何か、担当者に確認しておきましょう。
契約と同時に一時金や前払費用を支払い、入居開始となります。
申込みから入居までは、最短でも2週間、通常1~2ヶ月程度かかることが多いようです。 特に入居審査に必要な健康診断書や診療情報提供書が手元にない場合、さらに時間がかかる可能性があることを考慮しておきましょう。
入居の準備
入居が決まったら、入居に必要なものを準備します。
- 衣類
- 靴(室内用・外履き)
- 洗面・衛生用品やタオル類
- 衣装ケースや棚などの家具・テレビなどの家電
- 布団やシーツなど寝具
- 鏡や時計、生活小物や趣味のもの
- 保険証やお薬手帳
- おむつなど介護用品
入居の時に何をそろえればよいか、施設側で準備できるので不要なもの・持ち込んではいけないものなども含め、施設側と入念に相談をしましょう。
まとめ
施設見学は少なすぎると比較ができず、入居後に後悔することもあります。 しかし、あまり多くの施設を見過ぎても決めるのが難しくなることが多いため、ご本人や家族の条件に合いそうなところを3~5ヵ所程度見学し、最も希望や条件に近い施設に決めることをおすすめいたします。
介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームのどちらを選ぶかは、ケアマネージャーや介護施設の紹介会社に相談したり、実際に見学を重ね、それぞれの特徴を理解したうえでご本人に最適な施設を選ぶことが大切です。
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