
一棟マンションの売却は大きな資産取引であり、そのタイミングや手順次第で売却価格が大きく変わることがあります。 本記事では、より高く、効率的に一棟マンションを売却するための具体的な戦略や注意点を解説します。 これから売却を検討しているオーナー様や、資産の有効活用を考える投資家の方は、最適な売却タイミングや方法を見極めるためにも、ぜひ参考にしてください。
- 収益力をアピールすることが高値売却のカギ
- 売却に伴う諸費用や譲渡所得税を正しく理解し、資金計画を立てることが重要
- 収益物件に強い不動産会社のサポートが重要
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一棟マンションとは
一棟マンションとは、建物全体を一人のオーナー様が所有する形式のマンションを指します。 この所有形態では、各住戸だけでなく、共用部分や敷地も含む全体の管理・運営が可能です。
一方で、区分マンションはマンションの一部屋を所有する形態であり、共用部分の管理には、ほかの所有者との協議が必要です。
一棟マンションは、不動産投資において高い収益性や資産価値を求める投資家や法人にとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。
一棟マンションの特徴と投資価値
一棟マンションの特徴は、建物全体を所有することによる経営の安定度と自由度の高さです。 オーナー様は、各住戸の賃料設定やリフォームの実施時期、共用部分の修繕計画などを自ら判断して実施できます。
また、複数の住戸から家賃収入を得ることができるため、空室リスクを分散でき、安定した収益を期待できます。 さらに、土地付きであることが多いため、資産価値の維持や将来的な売却益も見込めるでしょう。
これらの点から、一棟マンションは高い収益性と資産性を兼ね備えた投資対象として、多くの投資家や法人から注目されています。
区分マンションと一棟マンションの収益性の違い
区分マンションと一棟マンションの収益性を比較すると、以下のような違いがあります。
区分マンションと一棟マンションの収益性の比較
比較 項目 |
区分マンション | 一棟マンション |
---|---|---|
投資額 | 数百万円~数千万円程度 | 数千万円~数億円(新築の場合) |
利回り | 一棟マンションに比べて低い傾向 | 区分マンションより高い傾向 |
リスク 分散 |
1室のみの投資のため、空室リスクが集中 | 複数の部屋を所有するため、全室空室になるリスクは低い |
購入層 | 個人投資家が中心 | 法人や投資家が主体 |
運営の 自由度 |
共用部分の変更は管理組合の承認が必要 | 建物全体の運営方針を自由に決定可能 外観や共用部分のグレードアップも自由 |
資産 価値 |
住戸自体の市場価値が評価の中心 | 賃料収入や土地の価値が評価の中心 |
流通 市場 |
比較的流通市場が広い | 価格が高額で流通市場が限定される |
管理の 手間 |
管理組合に任せられる部分が多い | 建物全体の管理責任があり手間がかかる |
区分マンションは少額から投資を始められるため、初心者向けの投資として人気がありますが、収益性や管理の自由度では一棟マンションに劣る傾向があります。
一方、一棟マンションは高額な初期投資が必要ですが、高い収益性や資産価値、管理の自由度を求める投資家に適しています。
一棟マンション市場の現状と相場動向
近年、一棟マンション市場は堅調な動きを見せています。 国土交通省が公表する不動産価格指数によれば、マンション・アパート(一棟)の価格は全国的に上昇傾向にあり、とくに都市部の需要が価格を牽引しています。

出典:国道交通省 「「不動産価格指数( 令和7年1月・令和6年第4四半期分)を公表」
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、地域別の取引価格や地価公示などの情報を閲覧でき、エリアごとの相場把握に役立ちます。
さらに、クラモアの無料査定を利用すれば、具体的な物件の査定価格を簡単に知ることができます。 これらの情報を活用することで、市場の動向を把握し、適切な売却タイミングを見極めることが可能です。
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一棟マンション売却の最適なタイミング
一棟マンションの売却は、タイミングによって売却価格や期間に大きな影響を与えます。 市場動向、物件の状態、売却事情など、多角的な視点で売却時期を判断することが重要です。 とくに、不動産市場の上昇局面や築年数、減価償却期間、入居率、周辺環境の変化などを考慮することで、より有利な条件で売却が可能です。
ここからは、具体的な売却戦略の考え方について見ていきましょう。
不動産市場の上昇局面を狙った売却戦略
不動産市場が上昇している局面での売却は、高値での取引が期待できます。 国土交通省が公表する「不動産価格指数」などのデータを活用し、市場の動向を把握しましょう。
たとえば、景気回復や金利低下、住宅需要の増加などが見られる時期は、購入希望者が増加し、売却価格の上昇が見込まれます。 こうした市場の好機を捉えて売却することで、最大限の利益が期待できます。
築年数からみる一棟マンションの売り時
築年数は物件価値に大きく影響します。 一般的に、築15年〜20年の間が売却の目安とされています。

参考: 東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)の情報を基にクラモア編集部が作成
築15年〜20年の期間は、建物の老朽化が進む前であり、修繕費用も比較的少なく済むため、購入希望者にとって魅力的です。 築20年を超えると、大規模な修繕が必要となる場合が多く、売却価格にも影響を及ぼす可能性があります。 そのため、築年数を考慮したタイミングでの売却が重要です。
減価償却期間満了を考慮した売却計画
減価償却とは、建物の購入費用を一定期間にわたって経費として計上する制度であり、節税効果をもたらします。 しかし、減価償却期間が満了すると、この節税効果がなくなり、保有コストが増加するため、売却の検討が必要です。
一棟マンションの構造別耐用年数表
右にスクロールできます→
分類 | 資産の種類 | 法定耐用年数 |
---|---|---|
建物本体 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 47年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 | |
石造・レンガ造・ブロック造 | 38年 | |
鉄骨造(骨格材の肉厚が4㎜を超えるもの) | 34年 | |
鉄骨造(骨格材の肉厚が3㎜を超え4㎜以下のもの) | 27年 | |
鉄骨造(骨格材の肉厚が3㎜以下のもの) | 19年 | |
木造または合成樹脂造 | 22年 | |
木骨モルタル造 | 20年 | |
設備関連 | 昇降機(エレベーター・エスカレーター) | 15~17年 |
電気設備・配線 | 15年 | |
給排水・衛生設備 | 15年 | |
空調設備 | 15年 | |
外部構造物 | 屋外舗装(コンクリート) | 15年 |
金属製アーケード | 15年 | |
ガレージ・倉庫(簡易建物) | 10年 | |
電子機器 | セキュリティシステム | 6年 |
インターホン設備 | 6年 | |
監視カメラ設備 | 6年 |
参考:国税庁 「法定耐用年数」、東京都主税局 「減価償却資産の耐用年数表」
たとえば、鉄筋コンクリート造のマンションの場合、その法定耐用年数は47年とされており、この期間を超えると減価償却を受けることができません。 したがって、減価償却期間満了前に売却し、新たな不動産に買い替えるなど、資産を入れ替えることで、節税効果を最大化できます。
入居率と収益性から判断する最適な売却時期
入居率(稼働率)も、売却時期を判断する重要な要素です。 高い入居率は安定した収益を示すため、購入希望者にとって大きな魅力です。 満室に近い状態での売却は、将来的な収益性が高いと評価され、売却価格の向上が期待できます。
一方、空室が多い場合は、収益性に対する懸念が生じ、買い手の評価が低下する可能性があります。 そのため、可能な限り空室を減らし、収益力を高めた状態で売却することが望ましいです。
周辺環境の変化に応じた売却判断
一棟マンションの価値は、その立地や周辺環境にも大きく左右されます。
たとえば、再開発や交通インフラの整備により、地域の利便性が向上する場合、物件の価値も上昇する可能性があります。 こうした環境の変化を見極めることで、適切な売却タイミングを判断できるのです。
一方で、人口減少や周辺施設の撤退など、地域の魅力が低下する兆しがある場合は、早期の売却を検討することが重要です。 こうした周辺環境の変化は、将来的な賃料下落や空室リスクの増加につながる可能性があるため、地域の動向をつねにチェックし、適切に判断しましょう。
一棟マンション売却の基本的な流れとステップ
一棟マンションの売却は、以下のような流れで進むのが一般的です。


これらのステップは、一般的に事前準備から引き渡しまで半年程度かかることが多いです。 物件の状態や市場動向によってはさらに時間がかかることもあります。 各ステップを正確に理解し、売却希望時期から逆算して計画的に準備しましょう。
売却前の事前準備と必要書類の確認
一棟マンションを売却する前には、事前に準備しておくべき項目がいくつかあります。
まず、不動産投資ローンの残債確認は重要です。 これにより、売却時に返済が必要な金額が把握でき、売却価格や手残り金額を試算できます。 売却に必要な書類も事前に準備しておきましょう。
【一棟マンション売却前に準備する必要書類リスト】
- 住民票
- 印鑑証明書
- 権利証(登記識別情報)
- 間取り図
- 管理報告書
- ローン残高証明書
- 管理規約
- 賃貸契約書
- 固定資産税納税通知書
- 過去の修繕履歴に関する書類
- 入居者情報リスト
- 賃料収入の記録(収支報告書)
築年数が経過している場合など、建物の状況に懸念がある場合は、建物診断(インスペクション)の実施も検討しましょう。
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複数の不動産会社への査定依頼と相場把握
不動産会社によって査定額は異なります。 より適正な価格を把握するためにも、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
なお、査定方法には、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」があります。 それぞれの違いは、以下をご確認ください。

価格の目安を把握するためにも、査定の前にご自身でのリサーチも有効です。 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や、クラモアの相場検索ページも活用することで、より正確な市場価格を把握できます。
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媒介契約の種類の決定
不動産会社との媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つがあります。
それぞれの違いは、以下のとおりです。

媒介契約の種類による違い
契約項目 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
---|---|---|---|
契約可能な不動産会社 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社可能 |
自己発見取引 | 不可 | 可能 | 可能 |
契約有効期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | とくに制限なし |
レインズへの登録義務 | 契約締結後5日以内 | 契約締結後7日以内 | 登録義務なし |
報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 報告義務なし |
専属専任媒介契約は、1社のみに売却を依頼する形式で、ほかの不動産会社や個人への直接売却ができません。 専任媒介契約も1社に限定されますが、個人での直接取引は可能です。
一方、一般媒介契約は、複数の不動産会社に売却を依頼できるため、広範囲での売却活動が期待できます。 ただし、その分、管理や情報共有が煩雑になる可能性があることに加え、不動産会社が販売に力を入れてくれない可能性もあります。
どの媒介契約が適しているかは、物件の特徴や売却方針に応じて選ぶことが大切ですが、一棟マンションは売却情報が希少であるため、不動産会社と密な連携が取れる専任媒介契約、もしくは専属専任媒介契約が望ましいでしょう。
売却活動の進行
媒介契約を結んだ後は、本格的な売却活動が開始されます。 具体的には、不動産会社が物件情報を広告に掲載し、購入希望者への案内や内覧を実施します。
一棟マンションの場合、入居者がいるケースが多いため、外観や共用部のみの見学になる場合が多いです。 また、売却活動中は、定期的に進捗状況を確認し、価格の見直しや販売戦略の修正が必要になる場合もあります。 売却期間は3〜6ヶ月程度が目安ですが、立地や市場の需要によっては、それ以上の時間がかかることもあります。
契約締結から引き渡しまでの手続き
購入希望者が決まり、売買契約が成立すると、いよいよ決済・引き渡しの準備に入ります。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 売買契約の締結、手付金の受け取り
- 決済日や引き渡し日の調整
- 抵当権抹消手続き
- 残代金決済、引き渡し、所有権移転登記
まず、売買契約の締結と手付金の受け取りが最初のステップです。 購入希望者と売買条件が合意に達した時点で、正式な売買契約を締結します。 この際、手付金(一般的には売買価格の5〜10%)が買い主から売り主に支払われます。
次に、決済・引き渡し日の調整です。 契約締結後、売り主と買い主は決済日および物件の引き渡し日を具体的に設定します。 この日程は通常、契約締結から1〜2ヶ月後に設定されることが一般的です。 また、入居者がいる場合は、賃貸契約の引き継ぎや退去の調整も求められます。 貸主変更通知書などを別途作成する必要があるため、不動産会社の担当者の案内に沿って準備をしましょう。
その後、抵当権の抹消手続きが必要です。 物件に抵当権が設定されている場合、これを抹消するための手続きを進めます。 通常、決済日に金融機関にて残債の完済と同時に行われますが、金融機関側の準備も必要になるため、決済・引き渡し日が決まり次第連絡が必要です。
最後に、残代金の決済、引き渡し、所有権移転登記が行われます。 買い主から残りの代金を受け取り、物件の鍵や管理書類を引き渡します。 司法書士が所有権移転登記を行い、正式に物件の所有者が買い主へと移転され、売却手続きは完了です。
なお、売り主は売却益が発生している場合、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に、確定申告をしなければなりません。

売買契約書や各種領収書を揃え、税務署に申告しましょう。 申告を怠ると、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される恐れがあるため、注意が必要です。
一棟マンション売却にかかる費用と税金
一棟マンションを売却する際には、さまざまな費用や税金が発生します。 一棟マンションの場合、これらの費用が大きくなる傾向があり、資金計画の段階であらかじめ試算しておくことが重要です。
ここからは各費用について解説します。
印紙税・登記費用など売却時に発生する諸費用
売却時には、売買契約書に貼付する印紙税や、抵当権抹消登記などの費用が発生します。
印紙税は契約書の金額に応じて異なるため、以下の表を参照してください。
不動産売買契約書の印紙税(軽減措置適用後)
契約金額 | 印紙税額 (軽減措置適用後) |
---|---|
10万円超~50万円以下 | 200円 |
50万円超~100万円以下 | 500円 |
100万円超~500万円以下 | 1,000円 |
500万円超~1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超~1億円以下 | 30,000円 |
1億円超~5億円以下 | 60,000円 |
5億円超~10億円以下 | 160,000円 |
※軽減措置の適用期限:令和9年(2027年)3月31日まで
出典:国税庁 「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
また、登記を移転する際に、抵当権抹消の登録免許税と司法書士報酬がかかります。 抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円で、司法書士報酬は1〜3万円程度が相場です。
これらの費用は、引き渡し時に支払うのが一般的です。
仲介手数料の計算方法と相場
不動産会社に支払う仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限額が定められています。
売却価格「400万円超」の場合、計算方法は以下のとおりです。
- 売却価格×3%+6万円+消費税
たとえば、1億円で売却した場合の仲介手数料は以下のようになります。
- (1億円×3%)+6万円+消費税(10%)
=(300万円+6万円)×1.1
=336万6,000円
支払いのタイミングは、契約締結時と物件引き渡し時に分けて、それぞれ50%ずつ支払うのが一般的です。
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譲渡所得税の計算と節税対策
譲渡所得税は、不動産の売却益に対して課税される税金です。
計算方法は以下の通りです。
- 譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除
- 譲渡所得税=譲渡所得×税率
取得費には購入時の価格や仲介手数料、登記費用などが含まれ、譲渡費用には仲介手数料や登記費用、測量費などが該当します。
また、税率は所有期間に応じて異なります。 長期譲渡の場合、税率は20.315%、短期譲渡の場合は39.63%です。 詳しくは以下の表をご覧ください。
譲渡所得税の種類と税率
譲渡所得の種類 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 合計税率 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 所有期間5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 所有期間5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
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※所得税率には復興特別所得税率(所得税額の2.1%相当)が上乗せされます
※復興特別所得税は2037年12月31日まで課税
一棟マンションの取引では、以下の特例を活用することで、税金対策となります。
事業用の資産を買い換えたときの特例
事業用の資産を買い換えたときの特例とは、事業用不動産を売却して新たな事業用不動産に買い換える場合に適用される特例です。 事業用の土地や建物を売却し、一定期間内に事業用資産に買い替えた場合、譲渡所得の一部を繰りのべ(先送り)できます。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは、相続によって取得した不動産を一定期間内に売却すると、相続税額の一部を取得費に加算できる特例です。 これにより、課税所得が減り、節税対策となります。
特例の利用には各種要件があるため、事前に確認しておきましょう。
ローン残債がある場合の対応と費用
ローン残債がある場合、売却時に残債を一括返済する必要があります。 この際、金融機関によっては繰上返済手数料が発生することがあるため、事前に確認しておきましょう。 繰上返済手数料の目安は3万円程度ですが、ネットバンクを活用することで、費用を抑えられる場合もあります。
ローン残債が売却価格を上回る場合(オーバーローン)、自己資金で不足分を補うか、金融機関と協議して任意売却を検討する必要があります。 任意売却とは、ローンの返済が困難になり、競売を避けるために債権者(金融機関)と合意のうえで物件を売却する方法です。 ただし、市場価格よりも価格が低くなる傾向にあるため、不動産会社とも相談しながら検討しましょう。
一棟マンションを高く売却するための実践的なコツ

一棟マンションを高値で売却するためには、戦略的な準備と適切な市場へのアプローチが不可欠です。
高く売却するためのポイントは、物件の魅力を高めるだけでなく、購入希望者の視点を理解することも重要です。 具体的には、物件の収益力や管理状況、立地条件など、投資家にとって価値ある情報を適切に伝えることが求められます。
ここからは、実践的なコツを具体的に解説します。
一棟マンションに強い不動産会社選び
一棟マンションを高く売却するには、一般的な住宅専門の会社ではなく、一棟マンションなどの収益物件の経験と実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。
具体的には、以下のポイントに注目しましょう。
【一棟マンションに強い不動産会社選びのポイント】
- 一棟マンションの売却実績の有無と件数
・担当者に過去の取引実績を直接確認する
・具体的な取引事例とデータを提示してもらう - 不動産会社のホームページに掲載されている過去の取引実績を確認
・「売却実績一覧」などのページを参照
・一棟マンションや投資物件の売買実績が紹介されているか確認 - 投資家ネットワークの広さ
・購入希望者となる投資家との独自のつながりがあるか
・多様な購入希望者へアプローチできる体制があるか - 収益物件の知識と専門性
・収益物件特有の評価方法(利回り計算など)の知識
・賃料収入や稼働率の評価・アピール方法の理解度 - 担当者の対応力と信頼性
・査定時の対応や説明のわかりやすさ
・不動産会社としての姿勢や誠実さ - 一棟マンションの適切な販売戦略を提案できるか
・投資家目線でのアピールポイントを理解しているか
・物件の価値を最大化する提案ができるか
これらの要素を満たす不動産会社を選ぶことで、売却価格の最大化や迅速な取引が期待できます。
物件価値を高める効果的なリフォームと修繕
物件の外観や共用部分、設備の状態は購入希望者に大きな影響を与えます。
とくに、築年数が経過したマンションでは、以下のようなリフォームや修繕が効果的です。
- 外壁の塗装や防水工事で見た目を改善
- エントランスや廊下の照明・内装のアップグレード
- 空調設備や給排水設備の更新
- 駐車場や共用スペースの整備
さらに、過去の大規模修繕の履歴やメンテナンス記録を整備し、買い主に安心感を与えることも大切です。 これにより、物件の価値が高まり、売却価格の向上が期待できます。
ただし、リフォームや修繕の費用をそのまま売却価格に反映できるとは限りません。 物件の状態をもとに、どのような施策を行うべきかを不動産会社と相談しましょう。
収益性をアピールする資料作成と提示
一棟マンションは収益物件であるため、その収益性を正確に伝えることが欠かせません。
具体的には、以下の情報を整理し、購入希望者にわかりやすく提示することが求められます。
- 賃料収入や稼働率
- 利回り(表面利回り、実質利回り)
- 過去の収支報告や修繕履歴
- 入居者の属性や契約状況
これらのデータは、購入判断の材料として非常に重要な要素です。 適切な情報開示は、信頼感を高め、売却価格の向上につながります。
なかでも、収益性を視覚的に把握できる「レントロール(賃貸条件一覧表)」は必須の資料です。 レントロールを不動産会社とともに作成し、買い主の判断材料にしましょう。レントロールを作成する際には、賃貸借契約書や過去の修繕履歴を確認できる書類が必要です。
買い主層を意識した価格設定と交渉
一棟マンションの買い主は、主に個人投資家や法人であり、それぞれが重視するポイントが異なります。 たとえば、法人は節税やキャッシュフローの安定性を重視し、個人投資家は利回りや資産形成に注目します。 価格設定の際には、以下の要素を考慮することが重要です。
- 物件の立地と収益力
- 将来的な資産価値の見込み
- 管理状態や修繕履歴
また、価格交渉では譲れる点と譲れない点を明確にし、柔軟な対応が求められます。 交渉力を高めるためには、事前に市場相場や購入希望者のニーズをしっかりと把握することが大切です。
一棟マンション売却における注意点とリスク回避策
一棟マンションの売却には、多くの注意点とリスクが伴います。 とくに取引金額が高額であるため、小さな判断ミスが大きな損失につながることがあります。 リスクを回避し、スムーズな売却を実現するには、事前に適切な対策を講じることが重要です。
ここからは、代表的な注意点とその回避策を紹介します。
売却目的の明確化と戦略立案の重要性
一棟マンションを売却する際には、その目的を明確にすることが重要です。 売却の動機がはっきりしていないと、価格設定やタイミングの判断が曖昧になり、結果として売却価格が下がるリスクがあるためです。
たとえば、資産整理、事業資金の調達、収益性の低下、相続問題など、それぞれの目的に応じた戦略が求められます。 資産整理であれば、売却益の最大化を目指すべきですし、事業資金の確保が目的であれば、早期売却が優先される場合もあります。
目的が明確でないと、適切な戦略が立てにくく、結果として機会損失につながることがあります。 そのため、まずは売却の理由を明確にし、それに基づいた具体的な売却計画を立てることが成功の鍵です。
区分マンションとの売却難易度の違いと対策
一棟マンションは区分マンションに比べて、売却が難しい傾向があります。 これは、価格帯によって購入希望者が限られることや、物件評価が複雑であることが主な原因です。 また、取引価格が高額なため、購入希望者が現れたとしても、購入希望者の資金力が足りず融資が否認されるケースも少なくありません。
このような難易度を克服するためには、ターゲットとする投資家層を明確にし、そのニーズに応じた販売戦略を立てることが重要です。 また、売却期間が長引く可能性があり、その間の資金繰りや運営コストにも注意が必要なため、資金計画をしっかりと立て、余裕を持った対応が求められます。
買取と仲介の特徴と使い分けるコツ
一棟マンションの売却には、大きく分けて「買取」と「仲介」の2つの方法があります。
買取は、不動産会社が直接物件を購入する形式で、短期間での売却が可能ですが、価格が市場相場よりも低くなりがちです。 一方、仲介は一般の買い主に物件を売却する形式で、時間はかかるものの、高値での売却が期待できます。
それぞれの違いは、以下の表をご確認ください。
買取と仲介の比較表
比較項目 | 買取 | 仲介 |
---|---|---|
売却価格 | 市場価格より1~3割程度安くなる傾向 | 市場価格に近い金額で売却できる可能性が高い |
売却期間 | 即時~短期間で完了 | 3~6ヶ月程度かかるのが一般的(条件によってはさらに長期化) |
手続きの手間 | 売却活動の手間が少ない | 内覧や広告活動などの対応が必要 |
仲介手数料 | 発生しない | 売却価格の3%+6万円+消費税が目安 |
購入者との 交渉 |
不動産会社との直接交渉のみ | 複数の購入希望者と条件交渉が必要な場合あり |
物件の状態 | リフォームせずに売却可能 | 物件価値を高めるための修繕やクリーニングが望ましい |
向いている ケース |
・資金調達を急いでいる場合 ・売却活動に手間をかけたくない場合 ・買い手が見つからなかった場合 |
・少しでも高く売却したい場合 ・時間的余裕がある場合 ・購入希望者と柔軟に交渉したい場合 |
売却目的や資金状況に応じて、どちらの方法が適しているかを見極めることが重要です。
急ぎで資金が必要な場合や、長期間の売却活動が難しい場合は買取を、少しでも高く売りたい場合は仲介を選ぶと良いでしょう。
また、物件状況や築年数によっては融資の審査に通りにくいケースもあります。 その際は、一括で購入できる不動産会社や法人をターゲットにした売却戦略を立てる必要があります。
売却期間を考慮した資金計画の立て方
一棟マンションの売却には、通常3〜6ヶ月以上の期間がかかることが一般的です。
しかし、物件の立地や状態、市場動向によってはさらに時間がかかる場合もあります。 そのため、売却期間中のローン返済や管理費、固定資産税などのコストを考慮した資金計画が必要です。
また、売却が長期化する場合に備え、一定の資金余力を確保しておくことも重要です。 これにより、資金不足のリスクを回避できます。 具体的には、物件の管理費や修繕費などの定期的な支出に対する備えを整え、余裕を持った売却計画を立てましょう。
余裕を持った計画を立てることで、売却期限間近になっての不本意な値下げ交渉などを避けられます。
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宅地建物取引士・FP2級
岡﨑 渉
大手不動産仲介会社にて売買仲介の営業に従事。 宅地建物取引士・FP2級の資格を保有し、現在はフリーランスのWebライターとして活動中。 不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、主に不動産・投資系の記事を扱う。
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