- 敷金・礼金は家賃の1ヶ月分が相場。ただし、探せばゼロの物件もある
- 引越しは工夫次第で安くできる。自分で荷造りすればお得に
- 大学生の生活費は約13万円。無理なく自炊し、食費の節約につなげよう
一人暮らしをするにあたっては、さまざまな費用がかかります。これから「初めての一人暮らし」の準備を始める学生の方やその親御様にとっては、何にどれくらい費用がかかるのかよくわからず、不安を感じているかもしれません。
この記事では、大学生が一人暮らしをするのにどれくらい費用がかかるのかを解説します。大学生の一人暮らしにかかる金額の目安がわかれば、準備するお金の目途も立てやすいですよね。「首都圏で一人暮らしをするなら家賃はどれくらい?」「敷金・礼金の相場はいくら?」など、部屋探しをする前に気になるポイントをチェックしておきましょう。
首都圏で一人暮らしをするなら家賃はどれくらい?
一人暮らしをするにはまず部屋探しをしますが、家賃は立地や築年数、設備などの条件次第で大きく変わります。条件によりどれくらい相場が違うか、実際の物件を見ながら比較してみましょう。なお、以下で取り上げているのはすべて東京都内の例ですので、「都市部で一人暮らしをする場合」の参考にしてみてください。
立地
都心に近いほど、家賃は高くなる傾向があります。また、都心から離れていても「駅近」だと家賃は高くなりやすいです。家賃が安い物件を探したい場合は、最寄り駅から徒歩10分以上の条件で探しましょう。実際に「駅近」と「駅遠」でどれくらい家賃が違うのか、いくつか物件を見ていきます。
ケース1:用賀駅(東急田園都市線)
世田谷区にある東急田園都市線の「用賀駅」は、近くに大学があり、渋谷や新宿にも移動しやすいため人気の駅の一つです。用賀駅まで徒歩5分の物件の家賃には、6.7万円、10.9万円、14.3万円など間取りによって大きなばらつきがありました。用賀駅まで徒歩15分の物件の場合は、3.8万円、5万円、6.7万円など10万円以下の物件が多く、両者には3万円から5万円ほどの差があることがわかります。
ケース2:三鷹駅(JR中央線・総武線)
三鷹市にあるJR総武線・中央線の「三鷹駅」は、新宿駅で山手線などに乗り換えができる便利な駅です。23区外のため用賀駅の物件よりは家賃の相場が低く、三鷹駅まで徒歩5分の物件の家賃は、5.2万円、5.7万円、6.5万円などのものがありました。一方、三鷹駅まで徒歩15分の条件だと、4.7万円、4.9万円、5万円といったラインの物件が多く、こちらでは1万円から2万円の差がありました。
築年数
建物が完成してからの年数を表す築年数に関しては、一般的に完成してから3年以内のものを「築浅」と呼びます。「築古」と呼ぶ場合の定義はとくにありませんが、築25年以上の物件を指すことが多いようです。築浅と築古の物件で、どれくらい家賃が違うかをご紹介します。
ケース1:千歳烏山駅(京王線)
世田谷区の西部にある京王線「千歳烏山駅」は、新宿や渋谷まで30分以内という好立地でありながら、世田谷区内では比較的家賃が安いエリアです。築浅物件の家賃には、8.4万円、8.9万円、9.4万円といった数字が目立ちました。一方、同駅エリアの築古物件の家賃は4.2万円、5.8万円、6.3万円ほど、築浅の物件とはかなり金額が異なり、半額近くまで家賃を抑えることもできそうです。
ケース2:武蔵境駅(JR中央線・西武多摩川線)
武蔵野市にある「武蔵境駅」は、近くに大学があることから多くの学生に利用されています。築浅物件の家賃は7.5万円、8.3万円、11.2万円ほど。築古物件の家賃は6.0万円、6.5万円、7.1万円といったラインナップで、こちらも最大で2倍近く家賃に差があることがわかります。
広さ
大学生の一人暮らしの場合は、1Kの物件が多いと言えます。広めのダイニングキッチンが欲しい場合は1DKという選択肢になりますが、部屋が広くなればそれだけ家賃も高くなります。1Kと1DKの家賃の違いを見ていきましょう。
池袋駅(JR山手線・東武東上線・西武池袋線など)
JRの山手線や埼京線、東武東上線、西武池袋線など4社8路線が乗り入れている豊島区の「池袋駅」は、近くに複数の大学があるため、学生向けの物件も多くあります。1DKの物件はあまりなく、多くが1Kの物件でした。1Kの家賃は7.9万円、8.8万円、9.5万円といったところが相場で、1DKの場合は9.8万円、12.5万円。1Kより1DKのほうが若干高いと言えます。
東伏見駅(西武新宿線)
練馬区の西、西東京市にある西武新宿線「東伏見駅」は、並行して走るJR中央線との間にたくさんの大学がある立地です。1Kの家賃は7.6万円、7.8万円、8.1万円ほど。1DKの家賃は6.9万円、7.2万円、8.4万円で、こちらは1Kと同じくらいの家賃相場でした。
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知っておくと得するかも!?敷金と礼金の話
住みたい部屋が決まったら、不動産会社で賃貸借契約を結びます。その際、大家などに支払う費用に「敷金」や「礼金」があります。
敷金
敷金とは、家賃や部屋の修繕費の担保として預けるお金のこと。家賃滞納分や部屋の修繕費などを差し引いた残りを、退去時に受け取ることができます。修繕費は借り主が住んでいる間に傷付いた床の修復、たばこの色素やニオイがついた壁紙の交換などに使われるのが一般的です。
首都圏では敷金が家賃1ヶ月分に設定されていることが多いですが、なかには敷金不要の物件もあります。敷金がかからないのは、初期費用がかかると借り主がなかなか現れない可能性があるから。初期費用が安ければ安いほど契約抵抗がなくなるため、借り主を強く探している物件ほど「敷金ゼロ」のケースが多いと考えられます。
ただし、敷金ゼロでも初期費用がまったくかからないわけではなく、基本的には退去時に部屋のクリーニング代を払う必要があります。クリーニング代は家賃1ヶ月分ほどになることが多く、「敷金ゼロであっても初期費用はかかる」と考えておいたほうがよいでしょう。
礼金
敷金とセットで請求されることが多い礼金は、「大家へのお礼のお金」という意味合いの費用です。物件を貸してくれることに対する感謝のお金で、敷金と違い手元に戻ってくることはありません。礼金も敷金と同様に家賃1ヶ月分を請求されるケースが多いですが、近年では礼金ゼロの物件もたくさんあります。
礼金はかつて物件数が少なく、家を借りるのが大変だった時代の名残とも言われています。しかし今日では、どの都市でも物件が充実していて家を借りるのに困りません。初期費用が高く借り主が現れないと物件は空き家になり、大家としては家賃収入を得られないため、礼金なしの物件が増えていると考えられます。
敷金と礼金のほかにはどんな費用がかかる?
引越しする際にかかる初期費用には、敷金や礼金以外に仲介手数料があります。
仲介手数料とは、物件を紹介した不動産会社が受け取るお金のこと。宅地建物取引業法において、金額は家賃の1ヶ月分以内と定められています。
引っ越し代は時期やサービスによって全然違う?
物件を決めた後の引越しにも費用はかかります。なるべく費用を抑えて引越しするためのポイントを確認しておきましょう。
荷造りは自分で行う
引越しに向けての荷造りは業者に依頼することも可能ですが、追加料金がかかるので自分で行ったほうがよいでしょう。自分で荷造りすると、どの段ボールに何が入っているかを把握しやすいというメリットもあります。ただし、自分でやる分時間を要するため、荷造りは早めに始めることをおすすめします。
繁忙期を避ける
3月下旬から4月上旬にかけての繁忙期に引越しサービスを利用すると、通常時に業者を利用する場合の2倍近い料金がかかることも。引越し費用を抑えるためには、なるべく繫忙期を避けるのが吉です。大学の入学式の関係でどうしても繁忙期近くに引っ越す必要がある場合でも、2月下旬や4月下旬にずらすだけで金額は大きく変わる可能性があります。
荷物を減らす
引越しは運ぶものが多いほど費用がかさむので、事前に荷物を減らすことも大切です。引越しは自分の持ちものを見直し、必要なものだけを選択するいいタイミングでもあります。必要最低限のものを持っていき、足りない分は現地で購入するようにしましょう。
衣服をクリーニングに出す
近場で引越しする場合は、衣類をクリーニングに出すのも一つの手です。クリーニングに出しておけば、引越し時の荷物を減らすことができます。厚手のコートなど、かさばるものを中心に出しておくとよいでしょう。クリーニングに出そうとしたまま放っておいた衣類をキレイにする機会にもなります。
オプションを付けない
引越し業者のサービスには、いろいろなプランやオプションがあります。プランのグレードが上がるほど、そしてオプションを付けるほど費用がかさむので要注意。最もお得なのは、荷造りや荷ほどきをすべて自分でおこなうセルフサービスプランです。反対に、荷造りや荷ほどきまですべて対応してくれるお任せサービスプランは高くなります。
オプションには不用品回収や電気工事などがあり、全体的に割高な場合も多いです。不用品は自分でリサイクルショップに持ち込むか、自治体のサービスを使ったほうが安く処分できるでしょう。電気工事は、引越し時にテレビやインターネットの回線をつなげてくれるサービス。電気周りの設置が苦手な方をターゲットにしています。自分で設置するのが難しい場合は、引越し業者ではなく友人や両親に頼むのも手です。
早めに予約する
引越し業者への予約は、早ければ早いほどお得です。引越し日ギリギリに申し込むと、足元を見られて通常価格より割高になる場合もあるので早めに予約してください。見積もりを依頼する場合は1社だけでなく複数の業者に依頼し、最も安いところに決めるとよいでしょう。複数社に見積もり依頼をしていることを伝えると、自社と契約をしてほしい業者が割引を提案してくれる場合もあります。
生活費・食費はどのくらいが妥当?
大学生の生活費や食費は、平均いくらくらいなのでしょうか?全国大学生活協同組合連合会「第55回学生生活実態調査 概要報告」から一人暮らしの大学生の平均的な出費データを参照し、妥当な金額を見ていきましょう。
【一人暮らしの大学生の平均的な出費の内訳】
・食費:2万6,390円
・住居費:5万3,930円
・交通費:4,070円
・教養娯楽費:1万2,870円
・日常費:7,620円
食費や住居費などすべてを合わせた支出は、12万9,090円でした。大学生が一人暮らしをするためには約13万円が必要、ということがわかります。以下では、生活費のなかでもとくに節約の目が向きやすい、食費を抑えるためのコツをご紹介します。
食費の節約
食費を節約する一番のコツは、外食を減らして自炊することです。自炊をするときに使える、節約ポイントを見ていきましょう。
安い食材を使う
自炊をする際は、なるべく安い食材を使うよう心がけましょう。安くて使いやすいものには、モヤシ・鶏胸肉・豆腐・卵などがあります。料理の仕方次第でいろいろな味を楽しめるので、同じ食材を使っていてもすぐに飽きることはありません。
日持ちする食材で作り置きをする
料理を作り置きしておくと、お腹が空いたときにコンビニやスーパーに行かなくて済みます。また、一度に大量の料理を作ることで、電気代やガス代の節約にもつながるでしょう。ただし、せっかく作ったものを腐らせるのはもったいないので、作り置きする場合は日持ちする食材を使いましょう。
冷凍保存する
購入した食材がダメにならないよう、できるものは冷凍保存しましょう。冷凍保存しておけば食材が長持ちするので、頻繁にスーパーへ行って余計なものを買うなど、ムダ使いすることがなくなります。米・パン・肉・魚などは冷凍保存が可能。水分が多い果物は、冷凍保存すると食感が変わるので避けたほうがよいでしょう。冷凍する際は、一食分ずつラップで包みます。
できるだけ飲み物を買わない
毎日100円のペットボトルを買うと、100円×30日で月に約3,000円かかります。飲み物代を節約するために、お茶はティーパックを使って自分で作りましょう。外出する際も、自宅で作ったお茶などを水筒に入れて持ち歩けば出先で飲み物を買わずに済みます。
自炊を頑張りすぎない
節約に意識を向けすぎると、ストレスがたまって暴飲暴食につながるおそれもあります。それではせっかく普段から自炊を頑張った意味がないので、自炊は頑張りすぎないようにしましょう。週に一度程度は外食する、友達と外食する機会があればめいっぱい楽しむなど、ルールを決めておくとストレスなく自炊できます。
たまには総菜に頼る
外食よりも食費を安く抑えられる自炊ですが、料理によっては「一人分だけ作るよりも買うほうが安い」というものもあります。自炊に固執せず、たまには総菜に頼っておいしいものを食べましょう。総菜に限らず、ときには外食に頼ることも大切です。
大学生の一人暮らしは、賢く無理なく節約を
家賃が安い物件に住むと、その分だけ生活費が浮きます。家賃は築年数や立地などによって変わるので、家賃を安くしたいなら築古で駅から距離がある物件を選びましょう。物件を探す際は、敷金・礼金にも気を付ける必要があります。
また、引越しをするときはなるべく荷物を減らし、自分で荷造りをすると引越し費用の節約につながります。大学生の食費は、2万6,390円が平均値。この数字を基準として意識しながら、自炊によって賢く、そして無理なく節約に努めてください。
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