- 別荘は保養のために使われる住宅でセカンドハウスは住まいとしての目的で使用される
- 新築で別荘を建てるのであれば土地選びでのポイントを押さえておこう
- 別荘は住まい目的の住宅ではないので税制上の優遇措置を受けることができない
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「週末は都会の喧騒から離れて過ごす」「リタイア後は田舎でまったりと暮らす」――そんな生活を実現できるのが「別荘」です。自分だけの隠れ家ともいえる別荘に憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか。理想的な暮らしを実現させるには、別荘に関する正しい知識が必要です。
この記事では、別荘のメリットやデメリット、土地の選び方や税金の種類について解説していきます。別荘を持つのは素敵なことですが、それに付随して手間や金銭的負担もかかるのが現状です。正しい知識を身につけて、計画的に別荘を手に入れましょう。
別荘の基礎知識
別荘の定義として重要なのは、保養のために使われる施設であることです。戸建てタイプとリゾートマンションタイプがありますが、どちらの場合でも「別荘」という位置づけなのであれば、日々の疲れをリフレッシュし、癒されに行くのが目的になるでしょう。多くはリゾート地にあり、長期休暇などに利用されることが多いのが特徴です。
リゾートマンションとは
リゾートマンションは、プールやスパなどの共用施設が併設しているケースもあります。非日常的な空間やアクティビティを提供してくれるので、別荘と同じように保養目的で使われるとみなされる場合が多いです。
セカンドハウスとの違い
別荘と混同されがちなセカンドハウスですが、「日常生活のために所有するもの」と考えられています。少なくとも月に1日以上は居住のために使うことにより、居住のための保有になるのです。たとえば週末だけ暮らすケースや、職場の近くに構えてたまに帰宅するケースなどは、セカンドハウスの扱いになります。
別荘とセカンドハウスの違いは、使用する目的にあると言えるでしょう。別荘の場合は保養のため、セカンドハウスの場合は居住のためです。日常的に使いたいのであれば、セカンドハウスという扱いになるのが一般的です。
別荘なら中古がおすすめ!
贅沢品として認識される別荘ですが、新築にこだわりのない人には中古別荘がおすすめです。
また、新型コロナウイルスの影響によって、ワーケーションを検討する人が増えています。地方やリゾート地に移住して在宅で仕事をする人気の高まりに合わせて、別荘も需要が高まっています。
ここでは、それらの理由について解説していきます。
価格が手ごろな傾向がある
中古別荘の最大のメリットと言えるのが価格です。新築と比べて比較的手ごろな値段で購入できる物件もたくさんあるので、経済的な負担を軽くしたい方や内装にお金をかけたい方におすすめと言えます。
同じ値段でも、新築で別荘を購入するよりもよい条件で購入できる可能性もあります。立地や広さなど、建物自体に問題がないことに加え、値段は手ごろなのが最大の魅力でしょう。
周囲の環境を見てから決めることができる
土地を購入して家を建てるところからスタートする新築別荘に比べて、すでに建物が建っている状態であることは中古別荘ならではのよさです。建物自体の設備や環境などをしっかり見極めたうえで購入を決めることができるので、イメージが膨らみやすくなります。「せっかく別荘を購入したのに理想と違った」という結果を避けるためにも、あらかじめ実物を確認できる中古別荘がおすすめです。
さらに、新築だと家を建てている期間はもちろん使用できません。早い段階で使いたいのであれば、中古別荘のほうがよいでしょう。
リフォームすれば好みにカスタマイズ可能
中古別荘の外観や内装が好みでない場合でも、自分好みにリフォームすれば新築のようなきれいさと快適な住環境を手に入れることが可能です。「新築の別荘を建てる金銭的余裕はないけれど、リフォームする予算が確保できる」といった方は、中古別荘をリフォームすることも視野に入れてみてください。
別荘のメリット・デメリット
憧れを抱いている方も多くいる別荘ですが、どのようなメリットとデメリットが存在するのでしょうか。賢い選択をするためにも、別荘のよし悪しについてしっかりと確認しておきましょう。メリット・デメリットをそれぞれ紹介していきますので、ライフスタイルや理想と照らし合わせて考えてみてください。
メリット:自分好みの空間にいつでも気軽に行ける
別荘の内装やそこからの景色、周辺の環境など、自分の好きなものを詰め込んだ贅沢な空間が、別荘です。自分で選び抜いたこだわりの空間にいつでも行けるのがメリットのひとつ。
大型連休や週末などに出かけたくなったとしても、旅館やホテルを予約するのも手間がかかるもの。そんなときに別荘があれば、自分だけの癒し空間に気軽に行くことができます。時間の制約や宿泊費がかかることもないので、自由な時間を満喫できるでしょう。
メリット:リタイア後のスローライフも満喫できる
退職した後は、地方やリゾート地でほのぼのと暮らす未来を描いている方も多いのではないでしょうか。自分好みの空間でまったり過ごすのは、他でもない至福のひとときです。
別荘を持っていれば、リタイア後のスローライフを実現することができます。購入時に定年後のことまで考えた設計、内装を選ぶとより便利でしょう。
メリット:自宅に何かあった場合でも生活拠点が確保できる
自然災害など自宅に何かあった際の避難場所として、別荘を用意しておく人が増えてきています。地震など災害の多い国でもあるため、万が一のために備えておくのは自分の身を守るために必要なことでしょう。緊急事態のときに使える家があるだけで、普段の生活も安心して送ることができます。
デメリット:自宅と別荘両方の支払いが必要になる
賃貸物件で暮らしている場合や、住宅ローンを支払っている途中だと、自宅と別荘への支払いが重なってしまいます。
住居用と考えられていない別荘は、住宅ローン減税は利用できず、固定資産税を支払うことになります。経済的な負担が心配な方は、別荘だけの支払いで住むような工夫が必要になるでしょう。
デメリット:管理が大変
日常的な住まいとして使用しないので、草が伸びきったり汚れが溜まったり、お手入れが大変なのはデメリットの一つです。年に数回しか訪れない場合、毎回のように別荘のお手入れが必要になります。「せっかく癒されに来ているのに掃除から始めるなんて」と、抵抗を感じる方もいるかもしれません。
対策としては定期的に別荘を利用し、お手入れをすることで、日々の管理を簡単にすることができます。
土地探しの注意点
もし新築で別荘を建てたいのであれば、土地探しに注意が必要です。ときには土地探しの段階で大きな壁にぶつかることがあるかもしれません。これから紹介する土地探しにおける注意点を押さえて、理想の別荘をつくり上げましょう。
土地の地目(ちもく)に着目して
土地には「地目」と呼ばれる使用目的が定められているのが一般的です。地目の中でも避けたほうが無難なのは、農地です。地目の変更をするのが非常に大変で、地元の農業委員会や都道府県知事、農林水産大臣の許可が必要になる場合もあります。家を建てるまでに長期間を要することになるので、なるべく農地は避けて土地を選ぶようにしましょう。
気に入った土地が見つかったら、不動産会社に必ず確認して、地目に問題がないかを判断してください。
隣の土地との境目がはっきりしているか確認
田舎の方では、隣の土地との境目が曖昧になっている土地も多く存在します。隣の家と共用になっている私道は、所有者が明確になっていないことも。土地の所有者や境界を明確にしておかないと、のちのちトラブルに発展する恐れがあります。
土地を管理している販売会社への確認や、土地家屋調査士を雇い隣の土地との境目を明確にしてもらうことがおすすめです。せっかくの別荘がトラブルに巻き込まれないように、事前に対策しておくと安心でしょう。
上下水道が整備されているか
住宅用地として認識されていない場合、上下水道が通っていない場合があります。この場合は、既存の水道管から引き込み工事を行わなくてはならないため、追加で工事費用が必要になります。
また、下水道の整備が進んでいないエリアの場合は、合併処理浄化槽という生活排水として尿を処理する装置を地下に埋設しなくてはなりません。埋設した場合には、定期的に専門会社による点検が必要になり、工事費用もかかります。法律でも清掃が義務付けられているので、お手入れが面倒に感じる可能性が高いです。
別荘のお手入れを簡単に、経済的な負担を軽くするためにも、上下水道が整備されているかどうかを確認しましょう。
安全な家を建てるための接道義務について
建築基準法では安全な家を建てるための基準が設けられており、その中でも着目したいのが「接道義務」です。これは、敷地が道路に最低でも2mは接していなければならないとするもので、避難経路や緊急車両の通行を妨げないように定められた項目です。
接道義務の有無に関しては行政の判断を待たなくてはなりません。早い段階で設計者に確認してもらい、法律に抵触しないようにしましょう。
飛び地ではないか
本来であれば連続する土地をまとめて市町村とするところ、他の県に内包されてしまったエリアのことを「飛び地」と言います。飛び地だと、行政サービスが受けられないという懸念点があり、住宅環境に影響を及ぼす可能性があります。
ただ、飛び地は安く価格提示されていることが多く、経済的に負担が少ないのが特徴です。しかし理想通りの家が建てられなかったり、思ったような生活ができなかったりする場合もあります。別荘での暮らしを充実させるためにも、まずは不動産会社に確認してみましょう。
土地は平坦なのか傾斜があるのか
土地の傾斜がどのくらいなのかによっても工事費用に差が出てきます。平坦な土地であるほど基礎工事費用を節約できるので、経済的な負担を軽くしたいのであれば平坦な場所を選ぶのがおすすめです。
そうはいっても、眺めのいい傾斜地は大人気です。近所に住宅が建ちにくいので、いつまで経っても景色を楽しめるでしょう。将来、どんな別荘に住みたいのかなど先のことを考えて、どちらがよいか選んでみてください。
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別荘を所有する際にかかってくる費用
別荘を所有するのであれば、土地代や家の建築費などがかかるのはもちろん、さまざまな税金がかかってきます。別荘は住居用ではなく保養目的と見なされるため、税金に関する優遇措置は期待できません。それでは別荘を所有する時にかかってくる税金について見ていきましょう。
取得する際の税金
まずは別荘を取得した際にかかる税金についてです。取得時だけに発生するものが多いので、初期費用は多めに用意しておくことをおすすめします。
不動産取得税
売買でも贈与でも別荘を取得した場合、土地と建物のそれぞれに「不動産取得税」がかかります。この税金は、別荘のある都道府県が課している税で、不動産を取得した際に1回だけかかります。納税通知書は、半年から1年の間に届くので、すみやかに納税しましょう。
登録免許税
所有権保存登記や所有権移転登記の際に必要になる税金で、税率は贈与・売買・相続によっても異なります。また、売買契約書などに貼り付ける印紙代に当たる印紙税もかかってきます。まとまったお金が必要になりますが、これも取得時のみの徴収になります。
消費税
資産の譲渡などがあった場合に課税されるもので、建物の購入代金の消費税や手数料の消費税がかかってきます。建物自体には消費税がかかりますが、土地部分は非課税となっています。
保有する際の税金
それでは、別荘を保有、保管していくために必要な税金について解説していきます。別荘だけでなく、土地や住宅を保有している人は、毎年納めなくてはならない税金があります。納税の義務として定められているので、納税する分のお金は確保しておきましょう。
固定資産税
住宅が戸建てでもマンションでもかかる税金で、土地だけを所有していても支払いの義務があります。地方自治体に納める地方税の一種で、納税したお金は地域の整備やサービスに充てられるのです。税額は市町村が決定するので、どのエリアに別荘があるかによっても異なります。
都市計画税
都市計画事業などの費用に充てられる地方税で、都市計画区域内に別荘がある場合は、税金が課されることになっています。土地や住宅を選ぶ際には、対象区域内にあるかないかを事前に確認しておくといいでしょう。
住民税
住民税とは、住民票がある市町村に住宅を持っている場合に課される税金です。一般的には、課税金額が一律の均等割か、所得に応じた所得割を合算した額を支払うことになっています。しかし別荘は本拠地以外の場所にあるため、均等割のみが課されることになっており、ライフラインを使用している代金と考えていいでしょう。
売却する際の税金
別荘を売却するときにも税金がかかってくるのですが、その内容は所得税と住民税です。これらの税金は、購入時よりも安い金額で売却する場合には課税対象になりませんが、利益が出る価格で売却したときには納税の義務が認められます。
売却価格ではなく、譲渡益に課税されるのがポイントです。売却した翌年の3月までに確定申告を行わなくてはならないので、早めに手続きを開始しておきましょう。
第二の住宅で夢の別荘ライフを送ろう
住宅以外に別荘を持っている暮らしに憧れを抱いている方も多いはず。もちろんメリットはたくさんあるけれど、デメリットもつきものです。セカンドハウスとは異なり、税制上の優遇措置がないので、課税が厳しいのも懸念点でしょう。
ただ、リタイア後のスローライフを実現したり、緊急時に使える第二の住宅として活用したりすることができるのは魅力です。計画的に別荘を購入し、贅沢で余裕のある暮らしを実現しましょう。
別荘の購入を検討している方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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