- 光熱費が高くなりがちな冬と夏は、とくに節約を心がける
- 一人暮らしの生活に合った電力会社や料金プランを選ぶ
- 生活の仕方を工夫するだけで、光熱費を安く抑えられる可能性も
光熱費の支払いが月に2,000円違うだけでも、年間で24,000円、5年スパンで見ると10万円以上の差が出てしまいます。一人暮らしを始めたばかりの学生の方も、収入にあまり余裕がない社会人の方も、できるだけ節約に努めて光熱費を抑えたいですよね。
この記事では、一般的な一人暮らしでかかる光熱費の平均額や、光熱費を節約するためのポイントなどをご紹介します。
「光熱費」ってなに?内訳と平均額を把握しよう
「光熱費」とは生活するうえで不可欠なエネルギーを購入するための費用のことで、具体的には電気代やガス代を指します。電気代とガス代に水道代を含め、「水道光熱費」とするケースも一般的です。電気、ガス、水は生活になくてはならない存在ですが、だからといって費用を意識せずに使い続けると、多額の支出に頭を抱えることになるかもしれません。
まずは電気代、ガス代、水道代のそれぞれの料金体系と、一人暮らしで1ヶ月にかかる光熱費の平均額を理解しておきましょう。
電気代の仕組みと1ヶ月あたりの平均額
毎月支払う電気代は、「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が合算された金額です。
「基本料金」はアンペアごとに設定され、「電力量料金」は1ヶ月あたりの電気を使用した量と電気料金の単価で計算されます。「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は文字通り、再生可能エネルギー電気を買い取る際に生じる費用をまかなうためのもの。これは、すべての電気利用者が支払わなくてはなりません。金額は使用量に比例し、単価は全国一律になるように調整されています。
電気代は住んでいる地域によってではなく、契約している電力会社によって変動します。2016年4月の電力小売全面自由化(いわゆる「電力自由化」)により、今ではさまざまな企業が電気小売業へ参入し、さまざまなサービスプランを展開しています。ライフスタイルに合わせて電力会社を乗り換えるだけで、電気代を安く抑えることも可能です。
一人暮らしで「昼間はほとんど電気を使わない」という場合は、夜間割引のある電力会社や基本料金がないプランを選択しましょう。
【一人暮らしの電気代平均金額】
5,791円/1ヶ月
ガス代の仕組みと1ヶ月あたりの平均額
家庭で使われているガスの種類には「都市ガス」と「プロパンガス」があり、それぞれで料金が異なります。
「都市ガス」は2017年4月までは規制料金制で、総括原価方式によってガス料金が設定されていました。自由化された今でもその名残があり、都市ガスのガス料金は販売店によって価格の違いがそれほどありません。
それに対して、「プロパンガス」には今も昔も規制がありません。そのため地域によって価格が異なり、ケースによっては2倍以上違うこともあります。プロパンガスは都市ガスよりも熱量があるのでガスの使用量自体は少なくて済みますが、それを考慮してもプロパンガスのほうが料金は高くなります。
【一人暮らしのガス代平均金額】
3,021円/1ヶ月
水道代の仕組みと1ヶ月あたりの平均額
水道代は上水道料金と下水道料金の合計の金額を指し、上水道料金は「基本料金」と「従量料金」をあわせた料金です。「基本料金」は水道メーターの口径で決まり、「従量料金」は利用量によって金額が変わります。下水道料金には基本料金はありませんが、上水道料金と同様に汚水の量が増えるほど金額は高くなる仕組みです。
基本料金と従量料金は水道事業体によって異なり、住んでいる地域によっては下水道料金がかからないところもあります。水道の使用量は2ヶ月に1度計量するのが通常なので、支払いも2ヶ月ごとになるのが一般的です。
水道代の請求方法も地域によって異なり、たとえば奈良県奈良市では2ヶ月間の使用料の半額が毎月請求されます。2ヶ月ごとに請求される地域に住んでいても、管轄の水道局に問い合わせれば月払いに変更できるケースがあるようです。変更したい場合は、受付窓口やカスタマーセンターに相談してみるとよいでしょう。
【一人暮らしの水道代平均金額】
2,172円/1ヶ月
水道光熱費は季節で変動する?冷房と暖房の注意点
気温によって電気やガス、水の需要は変化するので、水道光熱費は季節によって変動するケースが珍しくありません。出費が増える時期はとくに節約しやすい時期でもあるので、季節による水道光熱費の変動を把握して効率よく節約に努めましょう。
なお、部屋全体の温度を調節するエアコンは、一人暮らしにはムダが多いことも。以下では、一人暮らしの3ヶ月ごとの光熱費平均額と、一人暮らしにおける冷暖房使用の注意点についてご説明します。
電気代~冷房より暖房のほうが電気代は高くなる~
電気代が一番高くなってしまう季節は、冬です。エアコンは冷房よりも暖房のほうが電気代は高くなる傾向がありますが、その理由には室温の変化の幅が関係しています。
たとえば、外気温が35℃の夏の日に冷房の設定温度を27℃にした場合、8℃下げるだけで十分ですが、冬場は部屋の温度が5℃以下になることもあるので、22℃に設定しても15℃以上部屋を暖かくしなくてはなりません。このように温度の幅が大きければ大きいほど電力を消費するため、その分電気代が高くなってしまうのです。
この時期に使用頻度が多くなる暖房器具には、エアコンのほかに電気カーペットや電気毛布、こたつなどがあります。これらを併用するケースが多いことも、電気代が高くなる理由と言えるでしょう。
冬の次に電気代が多い季節は夏で、消費電力の大きな家電はエアコンと冷蔵庫です。
【一人暮らしの電気代平均額】
・2020年1~3月期:6,535円
・2020年4~6月期:5,916円
・2020年7~9月期:5,330円
・2020年10~12月期:5,135円
ガス代~冬は温めるために必要なガスの量が増える~
ガス代が最も高くなる季節も冬です。冬はガスファンヒーターやガスストーブを利用する家庭が増え、水道水の温度も冷たくなります。そのため炊事やシャワー、お風呂に使うガスの量が増え、結果としてガス代も高騰してしまうのです。逆に、気温が高い夏は冬ほどガスが必要ないのでガス代は安くなります。
【一人暮らしのガス代平均額】
・2020年1~3月期:3,333円
・2020年4~6月期:3,155円
・2020年7~9月期:2,380円
・2020年10~12月期:2,533円
水道代~意外にも季節による変動は少ない~
水は主に、トイレ、お風呂、シャワー、炊事、洗濯などに使います。「汗をかきやすい夏場はシャワー・入浴の回数が増える」という方がいるかもしれませんが、冬などと比べても平均額にはさほど大きな違いがありません。水道代は電気代やガス代よりも、季節による変動が少ない出費と言えます。
【一人暮らしの水道代平均額】
・2020年1~3月期:2,076円
・2020年4~6月期:2,305円
・2020年7~9月期:2,071円
・2020年10~12月期:2,242円
一人暮らしの冷房と暖房の注意点
「一人暮らしだから冷暖房設備はエアコンが1台あれば十分」と思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、部屋のなかに1人いようと4人いようと、部屋の広さが同じならば温度調節にかかる料金は変わりません。言い方を換えれば、1 人しかいないのに部屋全体の温度を上げるのは、4人いるときに比べて4倍のコストがかかっているということです。
家電には、部屋の一部だけを温めるものもあります。そのような家電を活用してエアコンの使用を減らすことは、光熱費の削減につながります。エアコンの冷房機能の代わりに扇風機やスポットエアコンを使ったり、暖房機能の代わりにハロゲンヒーターやホットカーペット、電気毛布などを使ったりすることも検討してみましょう。
光熱費を抑えるための賃貸物件の選び方
「省エネリフォーム」という概念があるように、省エネ性の高い建物ではそうでない建物に比べて光熱費も抑えられます。賃貸物件を探すときは、条件のなかでできるだけ省エネ性に優れた物件を選ぶとよいでしょう。
以下では、「光熱費を抑える」という目的に沿った部屋選びのポイントをご紹介します。
木造ではなく鉄筋コンクリートの物件を選ぶ
鉄筋コンクリートの建物は隙間がないため気密性が高く、壁がコンクリートなので熱を室内に蓄えられます。そのため、木造の建物より室内温度が高いのが特徴です。光熱費は、冬に高くなります。部屋の温度が下がりづらい鉄筋コンクリートのマンションを選べば、光熱費の大幅カットにつながるでしょう。なかでも、断熱処理が施されている物件や窓が複層のペアガラス仕様になっている物件がおすすめです。
備え付けの家電で選ぶ
電気代は使う電気量だけでなく家電の種類でも変動し、たとえば白熱灯や蛍光灯よりもLEDシーリングライトのほうが電気消費量は少なく抑えられます。製品にもよりますが、LEDシーリングライトの寿命は1日10時間使用した場合でも約10年と長く、その間の交換にかける費用や手間がカットできるのもメリットです。初めからLEDシーリングライトが設置されている物件を選べば、初期費用も抑えられます。
ただし、家電が備え付けられた物件はお得に感じられますが、あまりにも家電のモデルが古い場合は、電気代がむしろ増えてしまうこともあります。それぞれの家電の寿命を参考に、古い家電を新しくしてもらえるかどうか相談してみてもよいでしょう。
【主な家電の平均的な寿命】
・テレビ:15年
・エアコン:10年
・洗濯機:10年
・冷蔵庫:10年
部屋の向きと階層で選ぶ
角にある部屋や高層階の部屋は、多くの窓から日光がたくさん入るため人気があります。しかし、省エネの観点からはあまりおすすめできません。というのも、角にある部屋は側面が多いので、それだけ外室温の影響を受けやすくなるからです。高層階の部屋も太陽の光で室温が上がりやすく、どちらの部屋もエアコンにかかる光熱費が高額になりやすいと言えます。
光熱費を抑えられる部屋を選びたいなら、両脇に部屋がある物件や壁が厚い低層階の物件、天井の低い物件などがよいでしょう。
オール電化の物件を検討する
「オール電化」とは、生活に必要なエネルギーのすべてを電気によってまかなうシステムのこと。火を使わないので安全性が高く、基本料が一つにまとめられるのでそれだけでも光熱費を安く抑えられます。
また、電気料金は夜中に安くなるので、昼間は外出して家にいない一人暮らしの方にとっては大変お得です。しかし、逆に昼間は自宅にいて夜から仕事に出る方にとっては、割高になる可能性もあります。オール電化の物件にするかどうかは、ライフスタイルに合わせて検討することが大切です。
都市ガスが使用できる物件を選ぶ
集合住宅では、ガスの契約を変更することができません。ガス料金はプロパンガスよりも都市ガスのほうが安いので、都市ガスを使用できる物件を選びましょう。
水道代の安い地域を選ぶ
水道代は住んでいる地域によってかなり違います。転職などを機に新しい部屋を探しているのであれば、水道代の安い地域を調べて部屋探しをしてもよいでしょう。
【地方別 1ヶ月あたりの水道代平均額】
・北海道・東北地方:2,648円
・関東地方:2,200円
・北陸・東海地方:2,049円
・近畿地方:1,833円
・中国・四国地方:2,235円
・九州・沖縄地方:2,198円
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水道光熱費を節約するための6つのチェックポイント
一人暮らしの水道光熱費の平均額と現在支払っている金額を比べてみて、「明らかに金額が上回っている」という方はムダを見直したほうがよいでしょう。水道光熱費を節約するためのチェックポイントを6つご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
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アンペア数が大きすぎないか
電気代の基本料金はアンペア数によって異なり、アンペア数が大きいほど基本料金は上がります。一人暮らしなら「30A」で十分でしょう。電気使用量が少ないのにアンペア数が大きいと基本料金が高くなり、ムダに電気料金を払うことになってしまいます。
また、基本料金が0円の電力会社に変更することでも電気代を抑えられます。マンションやアパートでも電力会社の乗り換えは可能。しかし、マンションやアパートの管理組合が1棟の電気をまとめて契約している場合は、乗り換えることができません。電力会社を変えたい場合は、まずは大家や管理会社などに相談しましょう。 -
契約内容や料金プランは生活に合っているか
電気とガスをセット契約することで、電力の基本料金や従量料金が安くなったり、「ガスセット割」の適用で割引を受けられたりします。ただし、一人暮らしの場合は、自宅にいる時間が限られるケースもあります。セット割引より「基本料金0円」や「夜間割引」のほうが光熱費を安くできる場合もあるので、契約内容や料金プランの変更は慎重に検討しましょう。
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古い家電を使い続けていないか
新しいモデルの家電は省エネ機能が搭載されているものも多いので、新しい家電のほうが電気代を抑えられる可能性が高いと言えます。たとえば、10年前のエアコンから最新型モデルに買い替えると、消費電気量を約5%削減することが可能です。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 -
なんとなく電気のムダ使いをしていないか
冷蔵庫を開けっ放しにしたり、使っていないのにテレビや蛍光灯、電気カーペットなどを付けたままにしたりしていませんか?こまめに電源を切るだけで、電気代を減らせます。ただしエアコンに関しては、30分程度の停止時間であれば付けたままのほうが節電できます。状況に応じてオフと“つけっぱなし”の使い分けが必要です。
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省エネ対策を取り入れているか
インテリアや生活グッズを上手に活用することでも、光熱費の削減につながります。たとえば、暑い夏は直射日光を避けるために窓にすだれをかけたり、接触冷感素材の衣類や寝具をそろえたりすれば、エアコンの使用を多少控えても快適にすごせるでしょう。寒い冬場は、保温性に優れた下着や簡単に貼れる窓用断熱シート、湯たんぽなどを活用してみましょう。
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節水を心がけているか
水を出したままにせずこまめに止めたり、食器をまとめ洗いしたり、節水タイプのシャワーヘッドに交換したり、トイレのレバーを切り替えて使ったりすることで水道代を安くできます。一人暮らしの場合、洗濯はできるだけまとめて洗い、入浴ではなくシャワーで済ませたほうが、水の使用量は少なくて済みます。ただし、シャワーを20分以上使用する場合は、お風呂とシャワーで使用する水の量に大差はありません。
一人暮らしの光熱費は生活に合った節約方法で安くしよう
リモートワーク(在宅勤務)や外出自粛によって自宅で過ごす時間が増え、例年より水道光熱費が高くなった――という方もいるでしょう。光熱費は生活に不可欠な支出ですが、ちょっとした心がけや料金プランの見直しで抑えることができます。電気代、ガス代、水道代を少しでも安くしたいと思っている一人暮らしの方は、この記事を参考にライフスタイルを見直してみてください。
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