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建物の減価償却とはどういう仕組み?計算方法をわかりやすく解説

更新日:2021.12.21

建物の減価償却とはどういう仕組み?計算方法をわかりやすく解説

この記事では「建物の減価償却」についてご紹介します。「マイホームを賃貸に出している」「売却を検討している」「事業用の建物を経営している」といった方に読んでいただきたい内容です。確定申告時などにお役立てください。

  • 建物の減価償却費の算出は、不動産を「売却する」「貸す」ときに必要となる
  • 減価償却の計算方法には定額法と定率法の2種類がある
  • 減価償却の償却率は2007年4月1日を境に変更されている

もくじ

  1. 建物の減価償却の概要と必要なケースを解説

    1. 建物の減価償却とは

    2. 建物の減価償却が必要なケース

  2. 建物の減価償却費の計算方法を解説

    1. 押さえておきたい用語

    2. 減価償却費2つの計算方法

    3. 2007年3月31日以前の計算方法も確認

  3. 建物の減価償却の理解を深めていざというときに役立てよう

建物の減価償却の概要と必要なケースを解説

賃貸住宅などの収益不動産を所有している方にとって、「建物の減価償却」について理解することは大切です。とくに、「不動産を人に貸している」「売却を検討している」というケースで役立ちます。
減価償却の知識は不動産関係のみならず、設備や備品の経費計算時などでも役に立つので、仕組みを知っておくことは損にはなりません。

まずは減価償却の概念と、建物の減価償却について解説します。建物の減価償却が必要なケースもご紹介するので、参考にしてみてください。

建物の減価償却とは

減価償却とは、その資産を取得する際にかけた費用を分割し、経費計上するための会計処理(計算方法)です。減価償却の際には、対象となる資産と対象にならない資産があります。対象となる資産は、建物や設備、備品など一般的に年月の経過によって資産価値が徐々に下がっていくと想定され、かつ購入金額10万円以上のものです。この減価償却の対象となる資産を「減価償却資産」といいます。

不動産においては、建物は減価償却資産となりますが、月日が経っても価値が変わらない土地はその対象となりません。そのため、不動産の減価償却費を算出する際は、建物と土地を分けて計算します。

建物の減価償却が必要なケース

建物の減価償却が必要となるケースには、2パターンあります。

不動産を賃貸しているケース

賃貸マンションや賃貸アパートを経営していて家賃収入がある場合は、確定申告時に建物の減価償却費の計算が必要となります。家賃収入から所得税を算出する際に、減価償却費は経費として計上できるので押さえておきましょう。マンションなどのマイホームを転勤などの理由で人に貸している場合も、このケースに当てはまります。

不動産を売却するケース

事業に使われている物件やマイホームなどの不動産を売却する際も、建物の減価償却費の計算が必要です。不動産を売却して利益を得た場合、利益(譲渡所得)に対して税金がかかりますが、この計算の際に建物の減価償却費の算出が必要となります。

具体的な計算式は以下です。

譲渡所得=
売却金額-不動産取得費(取得費-建物の減価償却費用)
-譲渡費用(印紙税、不動産仲介手数料など)

建物の減価償却費の計算方法を解説

建物の減価償却費の計算方法を解説

ここからは、減価償却費の計算方法を解説します。減価償却費の計算方法には「定額法」と「定率法」の2種類があるので押さえておきましょう。ここでの注意点は、建物の減価償却費は原則、定額法で計算するという点です。建物の設備については定額法と定率法から選ぶことができますが、2016年4月1日以降に取得した場合は定額法のみの適用となります。

押さえておきたい用語

建物の減価償却費の計算には、「建物の取得価格」「建物の耐用年数」「償却率」が必要です。建物と土地、それぞれの取得価格がわからず一つになっている場合は、固定資産税評価額をもとに計算するなどの方法があります。

建物の耐用年数は、建物の種類や用途によって異なります。たとえば、木造賃貸住宅の場合は「22年」、マンションなどの鉄筋鉄骨コンクリートであれば「47年」です。償却率は、耐用年数や定額法か定率法かによって決まった数値があります。

減価償却費2つの計算方法

用語を理解したところで、減価償却費の計算方法をご紹介します。

定額法

定額法では建物の減価償却費を以下のような式で計算します。

減価償却費=取得価額×償却率

たとえば、一棟マンションやアパートで建物取得費用が3,000万円だったとしましょう。この場合の計算方法は以下です。

建物の減価償却費=
3,000万円×0.022(耐用年数47年定額法計算時適用の償却率)
=66万円

建物の減価償却費を定額法で計算すると、毎年の減価償却費が一定となります。

定率法

建物の減価償却費を定率法で計算すると、初年度の減価償却費がもっとも高く、年数を重ねるごとに減価償却費が低くなっていくのが特徴です。定率法では、初年度の税金は定額法を用いて計算するより低くなります。この場合の計算方法は以下です。

減価償却費=
(取得価額-前年度までの償却費総額)
×償却率

2007年3月31日以前の計算方法も確認

減価償却率の計算は、法改正により2007年4月1日から現在の計算方法に変更されています。2007年3月31日以前に取得した建物の減価償却費の計算方法は以下です。

  • 旧定額法=
    取得価額×90%×旧定額法償却率
  • 旧定率法=
    (取得価額-前年度までの償却の総額)×旧定率法償却率

建物の減価償却の理解を深めていざというときに役立てよう

建物の減価償却に関する知識は、賃貸時の経費精算や売却時の譲渡所得の計算時に役立ちます。「不動産経営をしていないから自分には関係ない」という方も、急な転勤などでマイホームを人に貸したり、売却したりすることがあるかもしれません。いざというときのために覚えておいて損はないでしょう。不動産経営や不動産の売却などを検討されている方は、ぜひ下記よりお気軽にお問合せください。



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