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【不動産購入のリスクマネジメント】首都直下地震・南海トラフ地震に備えよう!ハザードマップの見方とポイント

更新日:2024.09.12

【不動産購入のリスクマネジメント】首都直下地震・南海トラフ地震に備えよう!ハザードマップの見方とポイント

2024年8月8日に宮崎県日向灘(ひゅうがなだ)を震源とするマグニチュード7.1(以下「M」と表記)の地震が発生し、この地震が南海トラフ地震と関連する可能性があると発表されました。 また、近年では首都直下地震発生のリスクも高まっているとされ、これまで以上に巨大地震への備えが求められています。 本記事では、首都直下地震や南海トラフ地震がどのような地震なのか解説すると共に、不動産を探している人に向け、巨大地震に備えたハザードマップのチェックポイントをご紹介します。

  • 30年以内に70%の確立で、首都直下地震が起こると予想されている
  • 南海トラフ地震は、100~150年周期で発生しているため、近く巨大地震が起きる危険性がある
  • ハザードマップで地震や津波の影響と避難経路・避難場所を探しておくことが大切

もくじ

  1. 首都直下地震とは

    1. 30年以内に70%の確率で起こるとされる大地震

    2. 首都直下地震災害が想定されるエリア

  2. 南海トラフ地震とは

    1. 100~150年に1度発生する大地震

    2. 2024年8月8日の地震との関連性

    3. 南海トラフで災害が想定されるエリア

  3. 巨大地震に備えるためのハザードマップのチェックポイント

    1. 住んでいるエリア近辺の災害リスクを確認する

    2. 通行規制が発生しそうな場所を確認する

    3. 避難場所を確認する

  4. まとめ

 

首都直下地震とは

「首都直下地震」とは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県などの一都三県に加え、茨城県、山梨県を含む南関東地域のどこかを震源として発生すると予測される、M7クラスの大規模な直下型地震のことです。
以下では、首都直下地震について解説していきます。

30年以内に70%の確率で起こるとされる大地震

首都直下地震は、30年以内に70%の確率で起こるとされていますが、その根拠は過去に起きた地震を元に予想されています。

下記表は、M8前後の元禄関東地震(1703年)と大正関東地震(1923年)の間に起きた、M7前後の地震をまとめた表です。

年月日 地震の名称 マグニチュード
(M)
1782年
8月23日
天明小田原地震 M 7.0
1853年
3月11日
嘉永小田原地震 M 6.7
1855年
11月11日
安政江戸地震 M 6.9
1894年
6月20日
明治東京地震 M 7.0
1894年
10月7日
東京湾付近の地震 M 6.7
1895年
1月18日
茨城県南部の地震 M 7.2
1921年
12月8日
茨城県南部の地震 M 7.0
1922年
4月26日
浦賀水道付近の地震 M 6.8

1703年の元禄関東地震から1923年の大正関東地震までの220年の間に、単純計算で27.5年に一度の頻度で大きな地震が起こっています。
地震調査委員会は、この確率を地震の将来予測の計算式に当てはめた上で、令和4年からおおよそ30年の間に首都直下地震が起こると予想しているのです。

首都直下地震災害が想定されるエリア

首都直下地震は、首都直下という名前がついてはいるものの、南北は房総半島から茨城県まで、東西は千葉県の銚子から神奈川県の小田原までのどこかの範囲で発生すると予想されています。

過去の巨大地震を見ても分かる通り、複数の震源があり、どのエリアで地震が発生するかは予測できません。
特に首都の南部(想定では品川区と大田区の境界付近が震源地)で発生した場合に、被害は甚大なものになると予想されています。
また、首都の南部以外の震源だったとしても、関東圏を中心に幅広く大きな被害が及ぶ可能性も高いでしょう。

南海トラフ地震とは

首都直下地震と同様に、大きな被害を予想されているのが「南海トラフ地震」です。
続いては、南海トラフ地震について解説します。

100~150年に1度発生する大地震

南海トラフ地震は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で、100~150年周期で発生している巨大地震です。
前回発生したのが1946年の昭和南海地震(M8.0)で、九州地方から北陸地方まで大きな被害がありました。
前回の地震からすでに80年程度経過しており、次の巨大地震が起こる危険性が高まっています。

2024年8月8日の地震との関連性

2024年8月8日に発生した日向灘を震源とするM7.1の地震において、気象庁によりこの地震と南海トラフ地震との関連性の調査が行われました。

1946年に起きた南海トラフ地震「昭和南海地震」が発生する前、前々年の1944年にM 7.9の東南海地震、前年の1945年にM 6.8の三河地震が起きています。

このように過去の例から、巨大地震発生の可能性は、最初の地震の発生後ほど高いとされているため、気象庁は8月8日に南海トラフ地震臨時情報発表に伴い、特別な注意の呼びかけを行いました。 この呼びかけは、地震発生から1週間後の8月15日に解除されていますが、今後もより一層、巨大地震に備える必要があるといえるでしょう。

南海トラフで災害が想定されるエリア

政府の発表によると、南海トラフ地震が起きた際は、静岡県から宮崎県まで最大震度7の揺れが想定されており、東京都を含め、その他のエリアでも震度5~6程度の揺れが幅広く生じる危険性があります。
また、関東地方から九州地方にかける幅広い地域に、高さ10mを超える大津波が発生することも想定されています。

南海トラフ巨大地震の震度分布

出典:「南海トラフ巨大地震の震度分布」(気象庁ホームページより

南海トラフ巨大地震の津波高

出典:「南海トラフ巨大地震の津波高」(気象庁ホームページより

巨大地震に備えるためのハザードマップのチェックポイント

首都直下地震、南海トラフ地震の危険性が高まっていることをお伝えしましたが、これらの地震に備えるために確認しておきたいのが、ハザードマップです。
ハザードマップにはいくつかの種類がありますが、地震に備えるためには、特に以下の3つを確認しておくとよいでしょう。

  • 地震ハザードマップ
  • 土砂災害ハザードマップ
  • 津波ハザードマップ

ここでは、ハザードマップを見るときのチェックポイントをご紹介します。
ハザードマップの種類や閲覧方法などを詳しく知りたい方は、東京23区のハザードマップ!不動産の購入前に知っておきたい5つの注意点にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

住んでいるエリア近辺の災害リスクを確認する

まずは、地盤の固さなどから地震に対する危険度を表す「地震ハザードマップ」を確認しましょう。 住んでいるエリアの地盤が弱いようなら、巨大地震が起きたときに他のエリアより大きな被害が生じる危険性があります。
ただし、1981年以降の新耐震基準で建てられた建物であれば、過去の巨大地震でも多くは倒壊を免れており、また近年では耐震性に対する意識の高まりから、より耐震性の高い建物が新築されている傾向にあります。



 

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通行規制が発生しそうな場所を確認する

土砂災害ハザードマップでは、土砂崩れなどの危険性が高いエリアを確認できます。 地震が起きたときに、土砂崩れが起きて道路が通れなくなる可能性なども考慮しておくことが大切です。
ハザードマップには道路の冠水想定箇所や災害時の規制区間、緊急輸送道路などの分かる道路防災情報もあるため、こちらも確認しておくのがおすすめです。

避難場所を確認する

津波ハザードマップでは、地震の後に津波が発生した場合、浸水が予想されるエリアを確認できます。
地理的に低い位置にある建物で、津波による浸水が予想される場合には、いざ津波が発生したときにすぐに避難所に退避できるよう、避難経路と避難場所を確認しておくことが大切です。
ハザードマップには災害時の避難場所が記載されているため、避難経路と含めて確認することが大切です。

【洪水・土砂災害・高潮・津波】
ハザードマップポータルサイト

これら、ハザードマップの見方が分かりにくいという方もいらっしゃるでしょう。
ハザードマップの閲覧方法などは、先ほど紹介したクラモアの「免震構造」はマンションで多く取り入れられている!耐震、制震との違いは?を参考にしてみてください。

まとめ

本記事で解説した通り、近年、首都直下地震、南海トラフ地震の危険性が高まっています。 巨大地震で災害が想定されるエリアに住んでいる方や今後住む可能性がある方は、今まで以上に災害に対して備えておくことが求められます。
不動産の購入・売却を検討中の方は、本記事でご紹介したハザードマップをしっかり活用するようにしましょう。

 

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

逆瀬川 勇造

大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
⇒逆瀬川 勇造さんの記事一覧はこちら

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