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おしどり贈与(贈与税の配偶者控除の特例)のメリット・デメリットについて徹底解説

2022.05.26

おしどり贈与(贈与税の配偶者控除の特例)のメリット・デメリットについて徹底解説

おしどり贈与(贈与税の配偶者控除の特例)とは、居住用不動産やその購入資金を贈与した際にかかる税負担を軽減できる制度のことです。この記事では、おしどり贈与のメリットとデメリットのほか、利用する際の注意点などを解説します。自宅の相続や贈与を検討中の方は、ぜひご一読ください。

Index

  1. 「おしどり贈与」とは?

  2. おしどり贈与のメリット

  3. おしどり贈与のデメリット

  4. おしどり贈与を利用するまえに、財産の状況をチェックしよう

  • 「おしどり贈与」は、夫婦間の贈与税負担を軽減するために設けられた配偶者控除制度
  • 相続税の軽減や、将来的に自宅を手放すときなどにメリットを感じやすい
  • コストが高い点はデメリットなので、相続とどちらが得かは慎重に検討すべき

「おしどり贈与」(贈与税の配偶者控除の特例)とは、居住用の不動産やその購入資金を夫婦間で贈与したときにかかる税負担を軽減できる配偶者控除のことです。贈与にかかる税金は最高で2,000万円まで控除されるため、お得に見えるかもしれません。しかし、財産の額によってはコストが節税できる額を上回ってしまうこともあります。

この記事では、「おしどり贈与」のメリットやデメリット、この制度を利用すべきかどうかを判断するポイントについて解説します。

「おしどり贈与」とは?

「おしどり贈与」とは?

おしどり贈与は、夫婦間での贈与において特別に税負担を軽減できる配偶者控除制度です。自宅として住むための居住用不動産や、その購入費を夫婦間で贈与するときに、一定の条件をすべてクリアしていれば利用できます。
まずは、おしどり贈与を受けるための条件や、対象から外れるケースなどを見ていきましょう。

おしどり贈与を受けるための3つの条件

おしどり贈与を利用するには、以下の項目にすべて該当する必要があります。

    【特例の適用を受けるための条件】

  • 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
  • 配偶者から贈与された財産が、居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭であること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

出典:国税庁「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」

おしどり贈与の対象外となるケース

次のようなケースは対象外となります。あらかじめ確認しておきましょう。

法律上の婚姻関係ではない

おしどり贈与が行える関係性は、「法律上の夫婦」に限られます。20年以上が経過していても、内縁関係の場合は対象外とみなされます。一方で、一度結婚を解消した夫婦が同じ相手と再婚し、20年以上経過した場合には利用が可能です。このように、法律上の婚姻関係がある夫婦が対象です。

別荘や海外の不動産は対象外

おしどり贈与の非課税対象は、「自宅として住むための居住用不動産」か「同不動産を購入するための費用」に限られています。別荘などの日常的に住む想定でない不動産は対象外です。さらに、日本国内の不動産のみに適用される制度のため、海外の不動産も対象外です。

おしどり贈与を利用して買った不動産を、住居用以外の目的で使用した場合は、控除対象から外れます。控除分を貯蓄に回したり、家具を新調したりした場合には、課税対象とみなされる点にも注意しましょう。

同じ配偶者からの贈与は一生に一度

おしどり贈与を受けられるのは、一人の配偶者につき一度だけです。同じ配偶者とは、繰り返し利用できないことを覚えておきましょう。なお、一度目の結婚で同制度を利用した方でも、別の方と再婚して20年以上連れ添っている場合は、もう一度利用できます。

おしどり贈与に必要な手続き

おしどり贈与を利用したいときには、以下の書類を添付し、税務署へ申請する必要があります。

  • 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本または抄本
  • 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
  • 居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの

出典:国税庁「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」

なお、贈与された財産が、自己居住用として住んでいる不動産そのものであったときには、上記3つに加えて以下の書類も必要です。

  

居住用不動産を評価するための書類(固定資産評価証明書など)

おしどり贈与の利用には、上記の書類が必要です。本人確認も必要になるので、早めに準備しておきましょう。

おしどり贈与のメリット

おしどり贈与のメリット

おしどり贈与を利用することには、次のようなメリットがあります。

相続税を軽減できる可能性がある

おしどり贈与のメリットのひとつが、相続する際の税負担が軽くなる可能性があることです。
たとえば、夫の財産である4,000万円相当の自宅を、妻と子どもで受け取るとします。何もしなければ、課税対象額は4,000万円(全額)です。しかし、おしどり贈与を利用すれば、総額に対し基礎控除の110万円と配偶者控除の特例の2,000万円で、合わせて最大2,110万円の控除が受けられます。つまり4,000万円の自宅であれば、相続税の基礎控除とおしどり贈与の配偶者控除を差し引いて、課税対象額を1,890万円まで下げることが可能です。

ただし、おしどり贈与であっても不動産の贈与にはコストがかかるため、節税額とコストを事前に試算しておくことをおすすめします。

「生前贈与加算」で足し戻されない

おしどり贈与では、「生前贈与加算」は行われません。生前贈与加算とは、財産所有者が亡くなった日を起点に3年間さかのぼり、その期間に行われた贈与を財産額として足し戻す決まりのことです。贈与を受けた財産の金額を相続税に加えられる心配がないので、財産を確実に減らしておきたい方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。

一方で、一般的な贈与を行う場合には生前贈与加算が必要です。そのため、贈与を行ったとしても、相続税が減らないこともあり得ます。

将来自宅を手放すときに有利になることも

自宅を売ったときには、「住居用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が受けられます。おしどり贈与を利用すると、夫婦ともに3,000万円までの控除が受けられるため、合計の控除額は6,000万円になります。おしどり贈与を利用しない場合、控除を受けられるのは夫婦のどちらかだけになるので注意しましょう。

仮に5,000万円の売却益が出た場合、おしどり贈与を利用すると、5,000万円を折半してそこから3,000万円までの控除が受けられます。おしどり贈与を利用しない場合は「5,000万円-3,000万円」で残った2,000万円分は課税対象となりますが、利用した場合は「2,500万円-3,000万円」となり、売却益が0円という扱いになります。

もちろん、移転で発生するコストも考慮しなければなりませんが、将来的に自宅を売却する可能性がある方にとってはメリットがある制度と言えるでしょう。

おしどり贈与のデメリット

おしどり贈与のデメリット

上記のようなメリットもありますが、「すべての人がお得になるわけではない」というのが、このおしどり贈与の注意点です。ここからは、デメリットについて見ていきましょう。

移転コストが高い

おしどり贈与で不動産を贈与された際は、「不動産取得税」と「登録免許税」という2種類の税金を納めなければなりません。一方、相続であれば「不動産取得税」がかからず、「免許登録税」のみの負担で済みます。

しかもこの「登録免許税」は、相続と贈与で税率が異なります。相続の場合は0.4%ですが、贈与の場合は2%と5倍の差があるため、慎重な検討が必要です。

配偶者の税額軽減はおしどり贈与だけでない

おしどり贈与はその名前のとおり、贈与時に利用できる制度です。一方、相続時に利用できる「配偶者の税額の軽減」という、税額を軽減できる仕組みもあります。この「配偶者の税額の軽減」は、配偶者が相続する遺産のうち、「1億6000万円」か「法定相続分」のいずれか多いほうの金額までは相続税がかからないというものです。

このように、配偶者控除の仕組みはおしどり贈与に限らずいくつかあるので、相続時の制度も確認しながら、有効な手段を選びましょう。

おしどり贈与を受けた配偶者が先に亡くなる可能性がある

「おしどり贈与を利用したものの、贈与を受けた配偶者のほうが先に亡くなってしまうという可能性もないとは言えません。相続人が配偶者のみの場合はおしどり贈与にこだわらず、贈与や相続を含めたさまざまな方法を検討すべきでしょう。

おしどり贈与を利用するまえに、財産の状況をチェックしよう

おしどり贈与とは、夫婦間での贈与における税負担を軽減できる制度のひとつです。しかし、「贈与」であるため相続に比べてコストが高くなる可能性もあります。資産額や、財産が動産か不動産かによっても変わるでしょう。まずは、財産の状況をきちんと調べてみることが大切です。

「相続税に関して相談したい」という方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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