- 浴室乾燥機には生乾きのニオイがない、花粉の付着を避けられるなどメリットがたくさん
- 「電気式」と「ガス式」があり、それぞれに特徴が異なる
- 光熱費はガス式のほうが安いものの、夜間割引などを使えば電気式も安くなる
室内で洗濯物を乾かせる設備として、人気の浴室乾燥機。新築のマンション・一戸建て(一軒家)などでは、設置されているところも増えています。気になってはいるものの、「周りに使っている人がいなくてよくわからない」「便利そうだけど、光熱費が高そう」などの理由で、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、浴室乾燥機のメリットや種類、電気代の目安、節約のコツなどをご紹介します。
浴室乾燥機のメリット
部屋干しでもニオイがつかない
雨の日や夜間に洗濯をした後は、室内干しになりがち。部屋干しだと生乾き特有のニオイが出ることも多く、「せっかく洗ったのに……」と残念な思いをすることもあるでしょう。ニオイの原因は、雑菌。衣類が乾くまでの時間が長く、雑菌が繁殖しやすくなるのが理由です。浴室乾燥機を使えば洗濯物の乾燥時間が圧倒的に早くなるので、雑菌が繁殖しにくくなります。
天日干しに向かないものも乾かせる
ジーンズなどの分厚い衣類やニットなど、天日干しに向かない衣料は陰干しする必要があります。しかし、実際には陰干しに適した場所を見つけるのが大変なことも多く、やむをえず裏返して干したりしている方も多いのではないでしょうか。浴室乾燥機を使えば天日にさらすことなく、温風によって乾かすことができます。直射日光による色あせやニットの傷みなどを気にする必要もなくなるでしょう。
花粉などを心配しなくてもよい
洗濯物を外に干す際に気になるのが、空気中に混じっているかもしれない花粉や黄砂、PM2.5などの付着です。アレルギー体質の方や小さな子どもがいる家庭では、健康面の不安もあるでしょう。浴室乾燥機を使えば、洗濯物が外気に触れることはありません。そういった空気中の異物の付着が気になる方にもおすすめです。
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる
浴室乾燥機には、暖房機能や涼風機能が備わっています。居室で使用しているエアコンに比べればパワーは落ちますが、浴室は狭いので、「ちょっと肌寒い」「ちょっと暑い」といった環境を快適にする上では十分に役立ちます。冬場の浴室はとても寒く、「お風呂に入るのがつらい」と感じる方も多いでしょう。暖房機能は、ヒートショック対策にも有効です。
洋服がシワになりにくい
「洗濯乾燥機」で乾燥させた洋服はシワになりやすく、シャツなどはアイロンがけが欠かせません。シワにならないようにするには、完全に乾燥する前に洗濯乾燥機から取り出し、吊るしてシワを伸ばす必要があり、手間が増えてしまうのが難点。「浴室乾燥機」なら最初から吊るした状態で乾燥させられるので、洗濯乾燥機を使った場合に比べてシワが少なくなります。
浴室内にカビが発生しにくくなる
浴室といえば、住まいのなか、水回りのなかでもとくにカビが発生しやすい場所。湿気の多い場所なので、細かく掃除をするなど、カビにはいつも気を配らなくてはなりません。浴室乾燥機なら浴室の湿気対策にもなるので、カビが発生しづらくなります。
浴室乾燥機の種類
「浴室乾燥機」「浴室暖房機」など呼び方はさまざまですが、現在はほとんどの製品が乾燥機能と暖房機能を兼ね備えた「浴室暖房乾燥機」に該当します。熱源別、設置方法別、機能別に多くの種類がありますので、実際の生活をイメージしながら違いを押さえておきましょう。
「熱源別」の違い
電気
「電気ヒーター式」と「電気ヒートポンプ式」の2種類があります。電気ヒーター式は、本体内部のヒーターが発熱し、作った温風を乾燥や暖房に使う形式です。室外機がないので設置は簡単ですが、後述する電気ヒートポンプ式に比べて少しパワーが弱いため、温風が出るまでに少し時間がかかります。本体そのものが熱くなるので、置き場所を考える必要もあるでしょう。
電気ヒートポンプ式は、本体とは別の室外機で外部の空気を取り入れ、熱をためることで乾燥や暖房に使う形式です。乾燥・暖房のパワーが強く、省エネ効果もあって、光熱費を節約しやすいのが特長。ただし室外機がある分、設置のハードルは電気ヒーター式より高くなります。
ガス
ガスの場合は、本体とは別に屋外に設置した熱源機でお湯を沸かし、そのお湯を循環させて作った温風で乾燥や暖房を行う、「ガス温水式」と呼ばれる形式が一般的です。
ガス式は、電気式に比べてパワーが強いのが特長。厚手の衣類やタオルも乾かしやすいですが、光熱費は少し高めになります。熱源機が必要なので、大がかり工事が必要となるケースがあることや、初期費用が高くなることがデメリットです。
「設置方法別」の違い
浴室乾燥機には、設置方法別に大きく3つの種類があります。
ビルトイン型
浴室の天井裏に本体を埋め込むため、天井がすっきりして見た目も美しいのがビルトイン型のメリット。ただし本体は天井裏に置かれるため、天井裏に十分なスペースがある場合でないと設置は難しいでしょう。リフォーム(後付け)であれば、換気扇用の穴を利用して設置します。ただし大きさを調整したり天井を補強したりするケースも多いので、工事費用が高額になりやすい点には注意が必要です。
天井付け型
すでにある換気扇を外して交換するか、上から被せて取り付けることから、後付けも可能なタイプです。本体は天井に直接取り付けるため、“出っ張り”はビルトイン型より大きくなりますが、邪魔になることは少ないでしょう。
ビルトイン型ほど大規模な工事が必要ないので、費用もそこまで高くなりません。そのため、リフォーム時には有力な選択肢のひとつになるでしょう。ただし、設置できるのは天井に換気口がある場合に限られ、天井付け型で選べる機種がほかの型に比べて少ないのはデメリットです。賃貸マンションなどでこのタイプを採用している場合は、リフォームによって設置されたものと考えられます。
壁掛け型
最も気軽に設置できるのが、壁掛け型です。こちらもすでにある換気扇や換気口がある場合のみに限られますが、天井付け型よりも種類が多くあります。工事が簡単なので、費用を抑えたい場合の選択肢としても適しています。
「機能別」の違い
浴室乾燥機の代表的な機能には、「乾燥」「暖房」「換気」「涼風」などがあります。用途によって、さらに複数の機能分けがなされている機器もあるでしょう。浴室乾燥機のある賃貸物件を探している方は、自身や家族にとって必要な機能があるかどうかを最初に確認しておくと安心です。
浴室乾燥機の電気代は高くないの?
電気式とガス式の費用面は一長一短です。ここでは電気ヒーター式とガス温水式を比べながら金額を見ていきましょう。
電気ヒーター式の光熱費
1回の乾燥にかかる電気代の一例をご紹介します。100V/50Hzの場合、1回の衣類乾燥にかかる時間は約2時間で、かかる光熱費の目安は「1時間あたり約36円×約2時間=約72円」となります。
ガス温水式の光熱費
ガスはパワーが強いため、乾燥にかかる時間は一般的に約70分と電気式よりも短くなっています。1回の乾燥にかかる光熱費の目安も電気式よりやや安く、約60円です。
光熱費を節約するコツ
浴室乾燥機を主に夜間に使う
夜間割引が適用されるプランを用意している電力会社も多くあります。この夜間割引を活用することで、光熱費を押さえることも可能です。たとえば、ある電気料金プランでは日中の電気代が「25円/kWh」のところ、夜間は「17円/kWh」になります。つまり、1kWhあたり8円近くの割引になるわけです。
これは、1時間で約10円になる計算です。1回の乾燥に2時間かかるとすると20円の節約、月換算で600円、年換算で7,200円程度の節約になるでしょう。
涼風機能と乾燥機能を混ぜて使う
涼風機能ではヒーターを使わないため、消費電力が大変少なくなります。そのため、涼風機能を長時間かけた後の仕上げとして乾燥機能を使えば、乾燥機能だけ使った場合よりも消費電力を大幅に抑えることが可能です。
時短につながる、効果的な浴室乾燥の使い方
浴室乾燥機は、使い方によっては乾燥時間が長くなるため、光熱費がかかりやすいというデメリットがあります。以下では、できるだけ乾燥時間を短縮するのに効果的な方法をご紹介します。
フィルターを手入れする
本体内側にあるフィルターが汚れていると乾燥しにくくなるので、それだけ機器の使用時間が長くなります。フィルターは小まめに手入れしましょう。具体的には、まず取り出したフィルターの表面についたホコリを掃除機で吸い取ります。その後、ぬるま湯に少し中性洗剤を入れた液体に浸します。しばらく浸け置きしたら、シャワーなどで流した後にしっかり乾かしましょう。
部屋干しと併用する
衣類がある程度乾いた状態で浴室乾燥させると、乾燥にかかる時間は短くなります。単純に部屋のどこかで干すだけでも効果がありますし、エアコンや扇風機を使っている時期であれば、風がよく当たる場所に干すだけである程度まで乾きます。浴室乾燥機より光熱費が安い洗濯乾燥機を使い、軽く乾かしてしまうのも手です。浴室乾燥を最後の仕上げだけに使えば時短にもなり、衣類にシワもできにくくなります。
浴室内の湿気を追い出す
浴室全体を乾燥させることで衣類も乾かす仕組みなので、浴室内の湿気をなるべく少なくすると乾燥時間が短くなります。浴槽や床、窓、壁といった場所を一度乾いた布やタオルで拭き、湿気をなくしてから乾燥させるとよいでしょう。天井の水滴をぬぐうのは大変ですが、長い柄のある掃除用具を使うとキレイに拭くことができます。洗面所にも湿気がたまっていることがあるので、換気するなどして事前に湿気を逃しておきましょう。
干し方を工夫する
洗濯した衣類やタオルなどを均等に乾燥させることも、時短につながります。厚手の洋服を温風の当たりやすい場所に干し、薄手のものは温風から少し離れたところに干すようにすれば、洗濯物全体が均等に乾きやすくなります。温風が直接当たる場所に、ニットや縮みやすい素材の衣類を干さないように気をつけましょう。
空気の通り道をつくる
間隔を詰めた状態でたくさんの衣類を干してしまうと、洗濯物同士が接している部分が乾きにくくなり、時間がかかってしまう可能性があります。理由は、浴室乾燥機が温風によって乾燥させる仕組みであるため。空気の通り道がなくなると温風が行き届かない場所ができてしまうため、適度な間隔をあけて衣類を干すようにしましょう。
浴室乾燥機のある家やマンションで快適な暮らしを
浴室乾燥機は、上手に使うと光熱費もあまりかからず、効果的に衣類の乾燥や浴室の暖房に使うことができます。最近は浴室乾燥機を設置してある賃貸物件も多く、新たに物件を購入する場合も浴室乾燥機の設置を視野に入れながら探せば、希望に近い物件が見つかるのではないでしょうか。
賃貸物件や購入物件をお探しの場合は、事前に浴室乾燥機がついているかどうか、またどのタイプの浴室乾燥機なのかを確認してみてください。ライフスタイルに合った浴室乾燥機で、快適な暮らしを実現しましょう。
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