- 入居審査でチェックされるのは支払い能力だけではない
- トラブルに発展しそうな人物像は落ちる傾向がある
- 入居審査に通るために身なりや服装にも注意する
賃貸物件を借りる場合、不動産会社との手続きだけでは契約が成立しないことをご存知でしょうか。なぜなら不動産会社で入居手続きがスムーズに進行したとしても、最後は必ず大家や管理会社による「入居審査」を通らなければならないからです。入居審査を受けたうえで、大家から「入居してもよい」と同意を得て初めて賃貸契約が成立します。
では入居審査において「通る・落ちる」の基準はどこにあるのでしょうか。この記事では、賃貸契約における最後の難門とも言える入居審査について、くわしくご説明します。
物件を借りる前に必ず受ける「入居審査」
「入居審査」とは、所有する物件に入居しても問題ない人物かどうかを、大家自身や管理会社が判断する審査のことです。基本的には家賃滞納をはじめ、さまざまなトラブルが発生するリスクがある人かどうかをチェックする傾向にあります。しかし、そのチェックには統一された明確な基準は存在しないので、大家または管理会社の考え方によってそれぞれ異なるのが実情のようです。
入居審査には大家の意向が反映される
先に述べた通り、入居審査に通るかどうかは、物件のオーナーである大家の意向と管理会社の方針が重視されます。
貸す側からすれば自身の物件は大切な資産であり、「誰にでも無条件で貸す」ことはないでしょう。大家や管理会社が「トラブルを持ち込まない人」「家賃の支払いなど対応がしっかりした人」に貸したいと思うのは、当然だと言えます。素性のはっきりしない人に部屋を貸し、荒っぽく使われたせいで修繕費用が掛かったり、他の住人と揉めたり、家賃を踏み倒されたりしたらたまったものではありません。
実際に国土交通省が2019年に発表した「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(家主)」によると、「入居者等に関するトラブルの経験の有無」の質問に対して、実に6割以上の大家が家賃滞納などのトラブル経験があるという結果が出ています。こうしたトラブルを避けるためにも、入居審査は大家や管理会社にとって、自身の資産を守るための欠かせないチェックだと言えるでしょう。
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大家はあなたのここを見る!入居審査の基準・条件
大家や管理会社の身になって考えることで、入居審査の重要性についてはご理解いただけたでしょう。では実際の審査では、具体的にどんなチェックがなされているのでしょうか。入居審査の基準や条件をご紹介します。
チェックポイントは「支払い能力」「連帯保証人」「人」
大家や管理会社によってさまざまな判断基準や個別のチェックポイントはありますが、共通して重要だと考えられているのは「支払い能力」「連帯保証人」「人」の3点です。ここを押さえておけば、物件の入居審査における基準や条件がおおよそ見えてくるでしょう。
チェック1:支払い能力
家賃支払いのトラブルは、大家や管理会社にとっても頭の痛い問題です。そのため、家賃の支払いが滞りそうな人は、入居が断られやすい傾向にあります。たとえば、入居しても滞りなく家賃が支払える仕事に就いているのか、年収に見合った家賃なのかなどがチェックされます。そのため、年収、勤続期間、勤め先を確認されるほか、過去に滞納歴があったかどうかも調査されることを覚えておきましょう。
支払い能力については非正規、アルバイト雇用の方に関しては、審査に通りにくくなる恐れもあります。休職中の場合は、次の就職先が決まっているかどうかも重要なポイントです。フリーランスの方の場合は、貯金額も重要になります。一方で、アルバイトなど雇用形態にかかわらず、「家賃を滞納しないだろう」と判断されれば審査に通る可能性は高まります。いかに大家や管理会社から信頼してもらえるかもカギとなるでしょう。
チェック2:連帯保証人
万が一、借主にトラブルが発生した際に、その責任を取る人が「連帯保証人」です。たとえば、なんらかの理由で借主が家賃を払えなくなった場合は、連帯保証人が代わりに支払うことになります。入居者と関係の深い親族である両親や、兄弟姉妹に連帯保証を頼むのが一般的です。
しかし、近年では家賃保証会社を活用できる物件や、むしろ保証会社利用が必須の物件が増えてきています。連帯保証人がいない場合や、何らかの事情で家族に連帯保証人を頼めない場合は、家賃保証会社を利用しましょう。
チェック3:人
人と言うとやや大げさですが、服装や言葉遣いなど、どんな人柄なのかもチェックされることも覚えておきましょう。トラブルを招く恐れのある人物だと判断されると、貸す側からすれば避けたいと思うのは当然です。攻撃的な口調や態度でいると、入居後に近隣と揉めるリスクがあると判断されることもあるでしょう。
「物件や土地柄にその人が合っていない」と思われる場合も、審査に通らないこともあります。しかし、それは著しく素行が悪い場合がほとんどです。一般的な服装や受け答えができれば大きなトラブルにはつながりにくいでしょう。そのため仲介の不動産会社に来店する時点で、服装にもある程度気をつけるのがベターです。
入居審査に通るために意識したい!大切な4つのポイント
入居審査においては、支払能力や連帯保証人、人柄などが重視されますが、本人の努力や取り組みによって審査が通りやすくなることはあるのでしょうか。大家や管理会社に対してよい印象を持ってもらうためにも、意識して取り組むべき4つのポイントをご紹介します。
ポイント1:身なりを整える
まずは清潔な服装をして、はっきりと受け答えをするように心がけましょう。服装についてはジャケットにパンツなど、派手すぎずカジュアル過ぎずという平均的なコーディネイトで問題ないでしょう。派手なアクセサリーなども控えて、とにかく堅実な印象を与えることがポイントです。
なお、直接顔を合わせなければ「服装は何でも大丈夫だろう」と考える人も多いでしょう。しかし、仲介不動産会社の担当から大家や管理会社に入居希望者の印象について連絡が入ることもあるので、くれぐれも注意しましょう。
ポイント2:家賃保証会社を利用する
賃貸物件の契約は、家賃保証会社の加入が必須の場合と、家賃保証会社の加入もしくは、連帯保証人を立てることが条件となっているなど物件によって異なります。家賃保証会社に加入することで、万が一に家賃の滞納があった場合でも家賃保証会社が一時的に家賃を建て替えてくれます。そのため、大家や管理会社が損する事態を避けられる点が特徴です。家賃滞納のリスクヘッジになるので、近年では家賃保証会社の加入を条件とする物件が増えています。
ポイント3:連帯保証人を立てる場合は、親族にする
保証会社の利用が必須ではなく、連帯保証人を立てる場合は、親族を連帯保証人にすることで大家や管理会社に安心してもらいやすいようです。なお、両親が定年間近であったり、すでにリタイアしていたりする場合は、勤続しているきょうだいに連帯保証人を頼めないか声をかけてみましょう。勤続年数が残り少ない、もしくはもう働いていない両親よりも、今後も安定して長期間働く予定のきょうだいのほうが連帯保証人として好まれる場合があります。
ポイント4:家賃と収入のバランスを見直す
「この部屋に住みたい!」とどんなに強く希望しても、収入と家賃のバランスが悪ければ入居審査に通らないことがあります。極端な例ですが、月収10万円なのに8万円の家賃の部屋に入居を希望しても、光熱費や食費が2万円で済むとは考えにくく、断られる可能性は高いでしょう。また、体調を崩して仕事の休みが増えれば、すぐに家賃が払えなくなるのは明白です。休職中で収入がない場合なども避けられる恐れがあります。
一般的には「家賃は月収の3分の1以下が目安」とも言われているので、収入とのバランスを考えて物件を選ばないと審査落ちする可能性は高まります。希望する物件の家賃とご自身の収入を比較しながら、無理のない範囲で借りられる物件を探すよう心がけましょう。
入居審査に続けて落ちた場合の対策
上記4つの対策をしっかり実践したとしても、残念ながら入居審査に落ちることはあるでしょう。入居審査は、大家や管理会社が受ける印象によって結果が左右させる傾向にあります。そのため、一度ダメだったとしても落ち込む必要はありません。ただし、何度も落ちる場合はなにかしら原因があるはずです。ここでは入居審査に落ちる人の傾向を検証しました。
どんなに準備しても落ちることもある
冒頭でもご紹介しましたが、入居審査に統一された基準はありません。大家や管理会社の判断でそれぞれ審査のポイントが異なるために、あまり考えすぎても仕方ない側面はあります。しかし、複数回の審査落ちを経験した場合は、下記の項目に該当するかチェックしましょう。
懸念1:滞納履歴はあるか
もしクレジットカードなどで何かしらの滞納履歴がある場合は、それを隠すことなく素直に不動産会社に伝えましょう。滞納履歴が個人の信用情報を扱う会社に記録されるレベルであれば、入居審査でチェックされていると考えて間違いありません。その場合は、下手に隠そうとせず、滞納履歴があっても審査に通りやすい部屋を紹介してもらうことをおすすめします。その方が契約できる物件と巡り合える可能性が高まるでしょう。
懸念2:派手な車やバイクを所有している
大きな音のする車やバイクで出向くと、「夜中にうるさいのではないか」「近所から通報されてしまうのではないか」と大家や管理会社が不安視することも想定されます。派手な車やバイクが好きなのは趣味の領域なので仕方ありませんが、多くの人が暮らす賃貸物件に住みたいのであれば、その点は周囲に配慮する姿勢を見せることが大切です。
懸念3:同棲中のカップルである
物件によっては、カップルでの同居を敬遠されることもあります。いわゆる同棲だと、別れてどちらかが出ていくことも十分に考えられるためです。また同じ理由で友人同士でのルームシェアなども「すぐにシェアを解消されては困る」という観点から審査で落ちる可能性もあります。同棲カップルの場合は、「結婚を前提として同居する」「または婚約している」などの状況報告ができるとベストです。プライベートな内容になるのでもちろん任意ですが、すぐ退去することはないという意思を大家や管理会社に伝えることは大切です。
懸念4:アルバイトで生計を立てる学生の場合
就業していない学生の場合は、親族が契約者でないと入居審査を行えないので注意しましょう。つまり、原則として学生が契約者になることはできません。アルバイトをしているとはいえ、学生の本分は勉強です。そのため、本人が働いて家賃を支払うという場合は、入居審査を通るのは簡単ではないでしょう。なるべく両親らを連帯保証人として立てて、援助を受けることで支払い能力があることを証明することが大切です。
懸念5:現在、休職中である
休職中の人も入居審査に落ちやすいと考えられがちですが、実は無職だから審査に通らないわけではありません。もちろん、安定した職業の方よりもハードルは高くなります。しかし、決して賃貸契約ができないわけではないのです。たとえば、預金のコピーを持参したり、連帯保証人の身元を提示したりすることで審査に通ることもあります。肝心なのは、「なぜ無職なのか」「今後働く予定は具体的にあるのか」「入居後にどうやって安定して家賃を払うのか」を具体的に明示できるかどうかになります。
賃貸物件の入居審査では大家独自の基準があることも
賃貸物件の入居審査に通ること、そして大家や管理会社に入居者として迎えてもらうには、越えるべきハードルは少なくないかもしれません。残念ながら入居審査に落ちたとしても、「もう少し身近な物件をリサーチしてみる」「落ちた理由が自分にあったかどうかを確認する」などを実践したうえで、ほかの物件にトライしてみましょう。客観的に自身が判断されるのは、決して気持ちのよいことではありません。しかし、これも一つの社会勉強だと前向きに捉えることが大切です。
また、不動産会社ともよく相談し、自分に合った物件を根気よく探してもらえるようにしっかり熱意を伝えることが重要になります。妥協できる点と妥協できない点をしっかりと自分の中で明確にしましょう。そうすることで、「素敵な部屋で暮らしたい」という夢に一歩近づけるはずです。
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