- 3DKは古い物件に多い間取り
- 2LDKや3LDKと比べて家賃相場は低め
- 住み方や家族構成によっては2LDKより便利
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物件を選ぶうえで、多くの人が頭を悩ませるのが引っ越し先の「間取り」です。住人の希望やライフスタイルによって適した間取りは異なるため、一概に「これが正解」とは言えないのが難しい点です。そのなかで今回は、二人以上の入居におすすめの間取りの一つである「3DK」に注目してみました。3DK物件にはどんな特徴があるのか、また2LDKや3LDKと比較して何が異なるのかを検証します。
希少性の増す3DKの物件
3DKとは「D(ダイニング)+K(キッチン)+個室三部屋」の間取りの物件です。近年では家族みんなで伸び伸びと過ごせる共有スペースを広く確保している物件が人気であり、3DKの賃貸は減少傾向にあります。3DK物件の希少性が高まっている要因は何なのでしょうか。
近年はリビングつきの物件が主流
近年はL(リビング)つきの2LDKや3LDKの物件が人気であり、LDKの間取りが主流となっています。2DKや3DKの物件が新たに建築される件数が減っていることから、3DKは築20年以上の築古のものに多い間取りです。3DKの築浅(建物が完成してから日が浅い)物件を見つけるのは簡単なことではないでしょう。
2LDKへのリノベーションにより物件数が減少
近年ではもともと3DKの間取りであった物件を、より需要の高い2LDKにリノベーションすることも多いようです。それも3DK物件が減少の一途を辿る理由の一つとなっています。3DKはダイニングキッチンが一つ以上の個室と、ふすまや壁でつながっている構造の物件が大半です。そのため、壁を撤去して部屋をつなげることにより、比較的簡単に2LDKに改築できます。既存の3DKが流行の2LDKに変貌している点も、3DKの希少性が増している理由と言えます。
3DKに多い二つの間取りタイプ
3DKは大きく分けて「一部屋のみ独立している物件」「ダイニングキッチンからは一部屋だけにアクセスできる物件」の二種が存在します。ひと口に3DKと言っても、詳細な間取りによって実現できる生活スタイルは異なります。では、よくある3DKの2つの間取りには、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
一部屋のみ独立しているタイプ
ダイニングキッチンから二つの部屋に直接アクセスでき、一部屋のみ独立している間取りです。この間取りの特徴は、独立している個室をうまく利用することで、家の内部でプライバシーを確保できることです。
たとえば、廊下とつながる個室は趣味や仕事の作業スペースに、和室をリビング替わりに利用すれば住人同士が干渉することなく自分の空間を確保できます。家族で暮らす場合も一家団欒の時間を大切にしながらも、個々のプライバシーを確保できることが強みの一つです。
二部屋独立しているタイプ
一方、こちらはダイニングキッチンから二部屋が独立しているタイプです。このタイプの間取りの強みは、共有スペースと複数人の住民それぞれのプライバシースペースを明確に区切れる点です。仕事部屋が各自に必要なご夫婦や、頻繁に友人が泊まりに来るためゲストルームが必要な場合などにおすすめできます。
ただ、住人各自に個室があると、その気になればダイニングに踏み入れることなく生活できてしまう点には注意が必要です。家族との時間を大切にしたい場合、互いをまったく干渉しない生活スタイルにならないようにレイアウトを工夫してみましょう。
3LDKと3DKの違いは?
3DKと類似の間取りとしては、3LDKが挙げられます。この二つの間取りの明確な違いは、リビングスペースの広さになります。共有部分であるリビングのある・なしで部屋のレイアウトは大きく変わるのでしょうか。
3DKにはリビングがなくキッチンスペースが狭い
3DKは「3つの個室+ダイニングキッチン」の間取りのため、リビングスペースがありません。3LDKと比べるとキッチンのある共有スペースが小さい点が明確な違いとなります。2LDKや1LDKから引っ越しする場合、キッチンから広がる共有スペースが少し狭く感じるかもしれません。リビング用に大きめの家具を置いていた場合は、3DKの共有スペースには入りきらない恐れもあります。この場合は引っ越しに伴い、インテリアの変更を余儀なくされることもあるでしょう。
そもそもどこから3LDKなのか?
3DKと3LDKを比較するに当たり「どこからが3LDKなのか」がわからない方もいるでしょう。3LDKと比べると狭いとはいえ、3DKにも共有スペースであるダイニングキッチンスペースはあります。ではどの程度の広さがあれば「3LDK」なのでしょうか?
間取りがDKかLDKかは、共有スペースの広さと部屋数に応じて一定の基準があります。不動産事業の指導を行う「不動産公正取引協議会連合会」は、間取りの表記に関する基準を以下のように定めています。
【共有スペースがDKになるケース】
個室が一つ:共有スペースが4.5畳以上8畳未満
個室が二つ以上:共有スペースが6畳以上10畳未満
【共有スペースがLDKになるケース】
個室が一つ:共有スペースが8畳以上
個室が二つ以上:共有スペースが10畳以上
上記の基準に従えば、個室が三つある場合は共有スペースの広さが10畳を超えていれば3LDK。10畳未満なら3DKです。仮に1LDKの共有スペースと同じ広さでも、3部屋あると3DKです。そのため、3DKの場合は、物件によってはあまり共有スペースの狭さを感じさせないものも存在します。
人によっては、広めの3DKなら3LDKと同じように部屋を利用できるかもしれません。そのため、候補を3LDKに限定せずに幅広く物件をチェックするのをおすすめします。
3DKは築年数の経過した建物に多い間取り
3DKは築年数の浅い建物にはあまり見られず、築20年以上の古めの建物に多い間取りです。築浅の物件で3DKを希望する場合、候補はかなり絞られます。そのため、3DKかつ築浅の家という希望は、両立しにくい点には注意が必要です。
2LDKと比べてみた!3DKのメリット・デメリット
3DKを検討する際に3LDKと並び比較対象になるのが2LDKの間取りです。2LDKと比べた場合、3DKにはどんな特徴があるのでしょうか。メリット・デメリットをご紹介します。
メリット1:子どもが複数の場合でも個室を与えられる
3DKは、子どもが複数いるファミリー層にはとくにおすすめの間取りと言えます。子どもが二人いる場合でも、それぞれに個室を与えられる余裕があるからです。子どもが小さいうちは、二人で共同の子ども部屋を使えば事足りる場合も多いでしょう。ただし、成長するとお互いに個室を欲しがることが想定されます。
2LDKの家では、二人に個室を割り当てると夫婦の部屋はなくなってしまいます。この点、3DKなら部屋数に余裕があるため、夫婦とそれぞれの子どもの部屋を別に確保できます。子どもたちが、家族内でのプライバシーを確保して生活できる点が3DKのメリットです。
メリット2:二人暮らしでも寝室と個室を別にできる
夫婦二人の生活やカップルの同棲など、二人暮らしで3DKの物件を検討している方もいるでしょう。二人暮らしにおける3DKのメリットは、それぞれの個室と共同の寝室を確保できることです。
個室を必要としないのであれば、2LDKや1LDKも選択肢に入ります。しかし、二人とも在宅ワークの場合や、趣味のものを置く個人スペースが必要な場合などは、個室があった方が利便性は高いでしょう。各自のプライベートスペースに加え、別途寝室を確保できる点では、2LDKより3DKの方が使い勝手は良いと言えます。
メリット3:ゲストルームを用意できる
個室の一つをゲストルームとして確保できるのも3DKの魅力の一つ。定期的に来客がある方であれば、訪問者をリビングではなくゲストルームに通すことで、プライベートスペースを確保できます。
家族構成や部屋の使い方にもよりますが、2LDKの場合、ゲストルームを常時確保するのが難しい場合もあるでしょう。ゲストルームをほかの用途で使用していると、急な来客に対応するために大慌てで片づけなければなりません。ゲストルームが必要かどうかはライフスタイルにもよるため一概には言えませんが、頻繁に来客のある方なら3DKの方が利便性は高いでしょう。
メリット4:リビングつきの物件より家賃が安い
一般的に、3DKは2LDKや3LDKより家賃が安い傾向にあります。3DKは建物が古い物件が多いことや、リビングスペースつきの間取りの方が人気なことなどから、相対的に家賃相場が低くなっているからです。
似た条件のLDKの物件と比べ相場が安いことから、同じ家賃でもより良い立地やセキュリティの高い物件などを選べるのも3DKの強み。「コストパフォーマンスに優れている」という点も大きなメリットです。
デメリット1:ダイニングに共有スペースを広く取るのは難しい
実はメリットの多い3DKですが、間取りの性質上共有スペースがやや狭いという点には注意が必要です。同じ3DKでもダイニングスペースの広さは物件ごとに異なりますが、ダイニングの狭い場合は6畳程度の広さしかない物件もあります。複数人で過ごす共有スペースとしては、少々窮屈に感じることもあるでしょう。
ダイニングとふすまを隔ててつながっている部屋があれば、開放して疑似的にリビングスペースとして利用することも可能です。ただし、この方法では個室を一つ共有スペースとして使用することになります。3DKの強みである「個室の多さ」を打ち消してしまう点に注意しましょう。
デメリット2:家族の様子に目が届きにくい
個室が多くプライバシーを確保しやすい3DKですが、裏を返すと家族の様子に目が届きにくい間取りとも言えます。家族に小さな子どもや体調に不安のある高齢者などがいる場合は、注意が必要です。
ただし、この場合も部屋の割り振りを工夫することで対策は可能です。たとえば、ダイニングとふすまでつながった部屋をキッズスペースにし、日中は常にふすまを開けておくなどの対応ができます。間取りもさることながら、家族に合った使い方ができるどうかは、物件ごとの部屋の配置にもよるでしょう。実際の生活を想像しながら、部屋を比較検討することをおすすめします。
3DKの特徴を生かした住み方は?
賃貸物件を選ぶ場合に重要となるポイントの一つが、その家でどんな生活を送りたいかという家族の希望です。では3DKの物件ではどんな暮らしに適しているのでしょうか。間取りや内装から考えた具体例をいくつか見てみましょう。
活用例1:仕事部屋や書斎が欲しい場合におすすめ
二人以上の生活で、かつ仕事部屋や書斎が欲しい方に3DKは適しています。同じ専有面積の2LDKと比較して部屋数が多いため、集中できる仕事部屋や作業部屋が欲しい方におすすめです。
とくに近年テレワークを導入している企業が増加していることから、夫婦やカップルでそれぞれに仕事部屋が必要なケースもあるでしょう。こういった面からも、部屋数の多い3DKのメリットは大きいといえます。
活用例2:ふすまを利用して可変的な住環境をつくる
比較的築年数の古い3DKは、個室のうち一つ以上が和室になっているケースがほとんどです。和室はふすまによって隣の部屋と仕切られているため、必要に応じて開閉が可能で、部屋の仕切りを柔軟に行えます。
たとえば、ダイニングと隣の和室がふすまで仕切られているケースを考えてみましょう。仮に和室をリビング兼寝室とし、就寝時だけふすまを閉めるとします。すると、普段はリビングとして広く使い、就寝時は落ち着いた環境をつくれます。また、和室を仕事部屋にする場合、ふすまを開けておくことでリビングにいるペットや小さな子どもの見守りもできます。ふすまの開閉により、必要に応じて部屋の仕切り方を変更できるのも3DKの強みです。
活用例3:畳を生かした「和」のレイアウトにも最適
前述のとおり、3DKは畳張りの和室がある物件が大部分を占めます。なかには3つの個室すべてが和室の家もあり、和風の内装やインテリアが好きな方にはおすすめできます。和室用の家具を設置して純和風の家にしてもいいですし、あえて洋風のアイテムを置いてあか抜けた「和モダン」の家にするのも素敵です。部屋の内装を生かし、ぜひ自分だけの家に仕上げてみてください。
3DKの部屋を選ぶ際に注意したいポイント
3DKの部屋選びで注意したいポイントとして挙げられるのが、建物や設備の老朽化です。3DKは古い建物が多い性質上、どうしても築浅の物件と比較すると、家の設備や建物が消耗しているケースが多い傾向にあります。
とはいえ、大家さんも入居者が見つからなければ困るため、定期的にメンテナンスや内装のリノベーションを行っていることも多いでしょう。そのため、過剰に心配する必要はありませんが、内見時は下記のポイントをチェックしてみてください。
【内見時の物件のチェックポイント】
・水まわりの設備は新しくなっているか
・トイレや水道などの水は正常に流れるか
・新耐震基準にしたがって建設されているか(1981年以降の建設か)
・クロスや巾木などの内装に古さが見られないか
築古でもきちんと手入れされた物件は掘り出し物です。引っ越しした場合に快適な生活ができそうかをしっかりと確認しておきましょう。
3DKの魅力は部屋数と家賃 自分に合った物件か総合的に評価しよう
3DKは築年数の経過した家に多く見られる間取りであり、リビングスペースがないことから、入居希望者に敬遠されることもあります。ただし、子どもの多い家庭や個室の必要な夫婦・カップルには2LDKよりも使い勝手がよいこともあります。
また、一般的な人気が低いこと、建物が古いことなどから、似た立地の2LDKや3LDKより家賃相場や購入価格は低めです。コストパフォーマンスの高さも3DKの魅力と言えるでしょう。3DKの物件を検討する際は、こうした間取りならではの特徴も踏まえたうえで、自分に合った物件かどうかを総合的に評価してみましょう。
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