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「小規模宅地等の特例」を知ろう!仕組みや適用要件をわかりやすく解説

2021.11.29

「小規模宅地等の特例」を知ろう!仕組みや適用要件をわかりやすく解説

不動産の相続における税負担を軽減する仕組みに、「小規模宅地等の特例」があります。この特例が適用されれば、相続遺産である不動産の評価額を大幅に圧縮することも可能です。小規模宅地等の特例の概要や適用要件などを正しく理解しておきましょう。

Index

  1. 「小規模宅地等の特例」とは

  2. 「小規模宅地等の特例」の適用要件を詳しく解説

  3. 「特定居住用宅地等」に該当するか迷うケースを解説

  4. 不動産相続時は特例に該当するか確認を

  • 「小規模宅地等の特例」の適用により、相続不動産の評価額を最大80%減額できる
  • 対象となる土地は、居住していた土地・事業をしていた土地・人に貸していた土地の3種類
  • 賃貸併用住宅は、居住部分と賃貸部分を分けて評価額を計算する必要がある

不動産を相続する可能性がある方にとって、気になるのは相続税でしょう。「不動産の相続税は高額になりやすいんじゃないか」「相続税がその後の生活を圧迫してしまったらどうしよう」などと不安を感じている方もいるかもしれません。

しかし、不動産の相続における税負担は、「小規模宅地等の特例」が適用されれば大幅に圧縮することも可能です。この記事では、小規模宅地等の特例の概要や適用要件などをわかりやすく解説します。

「小規模宅地等の特例」とは

「小規模宅地等の特例」とは

まずは、「小規模宅地等の特例」の概要をチェックしていきましょう。小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たしている場合に限り、相続する不動産の評価額が最大80%まで減額される制度です。評価額を減額できるということは、相続税を抑えることにつながります。

相続税は、対象となる遺産の評価額が基礎控除額【基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)】の範囲内であれば納税の義務が発生しません。しかし、不動産相続にともなう相続税は一般的に高額になりやすく、基礎控除額の範囲内に収まらないケースも多いのが特徴です。

相続における不動産関係の特例や控除はさまざまありますが、小規模宅地等の特例はそのなかでも適用になるケースが多く、重要度の高い制度と言えます。少しでも相続税を減額したいと考えている方は、正しく理解しておきましょう。

「小規模宅地等の特例」が適用となる3つの土地

小規模宅地等の特例が適用される土地(要件に当てはまる土地)には、3つの種類があります。被相続人が居住していた土地、事業をしていた土地、人に貸していた土地です。

土地の種類によって、特例が適用される際の限度面積や評価額の減額割合は異なります。なお、減額できる土地面積には上限がありますが、「評価額いくらまでなら減額可能」といった金額に関する上限はありません。

対象となる土地の種類 限度面積 減額の割合
居住していた土地
(特定居住用宅地等)
330㎡ 80%
事業をしていた土地
(特定事業用宅地等)
400㎡ 80%
人に貸していた土地
(貸付事業用宅地等)
200㎡ 50%

参考:国税庁 「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」

被相続人の自宅を相続した場合の評価額をシミュレーション

実際に身内から不動産を相続する場合の、評価額の計算方法をご紹介します。

限度面積以内の自宅を相続した場合

「面積300㎡」「宅地評価額3億円」の住宅(被相続人の自宅)を相続したとしましょう。このケースで小規模宅地等の特例が適用されたとすると、評価額の計算は以下のようになります。

<宅地の評価額>
適用前の土地評価額:3億円
減額される金額:3億円×80%=2億4,000万円
適用後の土地評価額:3億円-2億4,000万円=6,000万円

「特定居住用宅地等」として80%の減額が適用されると、3億円の宅地評価額が6,000万円まで圧縮されます。

限度面積より大きな自宅を相続した場合

次に、「面積500㎡」「宅地評価額3億円」の住宅(被相続人の自宅)を相続したとします。限度面積を超えるケースで小規模宅地等の特例が適用された場合、評価額の計算は以下のとおりです。

<宅地の評価額>
適用前の土地評価額:3億円
減額される金額:3億円×(330㎡/500㎡)×80%=1億5,840万円
適用後の土地評価額:3億円×1億5,840万円=1億4,160万円

特定居住用宅地等として80%減額されるのは、面積330㎡までなので注意が必要です。

「小規模宅地等の特例」の適用要件を詳しく解説

「小規模宅地等の特例」の適用要件を詳しく解説

小規模宅地等の特例が適用となる3種類の土地について、もう少し詳しく解説します。

居住していた土地(特定居住用宅地等)

被相続人が居住していた宅地を相続する場合、そこは「特定居住用宅地等」に分類されます。被相続人が住んでいた敷地、または被相続人が生計をともにする親族と住んでいた敷地が対象になるので覚えておきましょう。

適用要件は、「配偶者または生計をともにしていた同居親族が相続すること」です。特例が適用されると、面積330㎡の範囲まで評価額が80%減額になります。

被相続人に同居の配偶者や親族がいない場合、条件を満たせば別居の親族が小規模宅地等の特例を活用して相続することも可能です。この仕組みを「家なき子制度」「家なき子の特例」などと呼び、相続する親族は「相続開始3年前までに自分または配偶者、あるいは3親等以内の親族の持ち家に住んだ経験がない」などが要件となります。

事業をしていた土地(特定事業用宅地等)

被相続人が事業をしていた土地は、「特定事業用宅地等」です。被相続人の息子がフラワーショップを営んでいたなど、被相続人が生計をともにしていた親族の事業で使われていた土地も対象となります。

この場合の適用要件は、「相続税の申告期限までに事業を継続して行っていること」「その土地を継続して所有していること」の2点です。特例の適用により、面積400㎡の範囲まで評価額の80%が減額となります。

人に貸していた土地(貸付事業用宅地等)

被相続人がアパートや駐車場の経営・運営などをしていた土地は、特定事業用宅地等ではなく「貸付事業用宅地等」となるので覚えておきましょう。

適用要件は特定事業用宅地等と同様ですが、限度面積と減額の割合は異なります。特例の適用で、面積200㎡の範囲まで評価額50%が減額となるので、注意しましょう。

「特定居住用宅地等」に該当するか迷うケースを解説

「特定居住用宅地等」に該当するか迷うケースを解説

実際の場面では、「相続する土地は『小規模宅地等の特例』の特定居住用宅地等に該当するの?」と疑問が生じるようなケースも多々見られます。そのような迷いやすいケースを、例を挙げてわかりやすくご紹介します。

被相続人が老人ホームなどへ入居していた場合

迷いやすいポイントとして挙げられるのが、生前、被相続人が老人ホームなどに入居していて持ち家に住んでいなかったケースです。これは、被相続人の状況により異なります。

被相続人が要介護認定や要支援認定、障害支援区分といった認定を受けていた場合は、やむを得ない事情であることから「特定居住用宅地等」の対象になります。しかし、自らの希望でサービス付き高齢者向け住宅などに入居していた場合は、特例に該当しているとは認められないので注意が必要です。

2世帯住宅の場合

2世帯住宅も、迷いやすいケースと言えるでしょう。登記上、建物が被相続人と相続人の共有名義となっている場合は、土地のすべてが「特定居住用宅地等」として特例の適用対象になります。

一方、注意したいのが区分登記のケースです。たとえば、1階が被相続人、2階が相続人家族といったように分けて登記している場合は、基本的に小規模宅地等の特例は適用されません。ただし、相続人家族が被相続人と生計をともにしていた場合は例外です。その場合は、被相続人が居住していた面積分のみ「特定居住用宅地等」として認められます。

賃貸併用住宅の場合

賃貸併設住宅の場合もやや複雑です。被相続人がアパートなどを経営しながらその建物内に居住していたというケースは少なくないでしょう。この場合は、賃貸部分(貸付事業用宅地等)と、居住部分(特定居住用宅地等)を分けて考える必要があります。土地面積を建物の床面積で按分(比例配分)することで、貸付事業用宅地等と特定居住用宅地等を分けることが可能です。

住居が共有名義の場合

被相続人と相続人が住居を共有しているケースもあるでしょう。土地の名義が被相続人で、建物の名義が被相続人と相続人の共有であったとします。この場合は、すべての面積が「特定居住用宅地等」として認められます。

土地も被相続人と相続人の共有名義の場合は、被相続人の持ち分のみが特定居住用宅地等として特例が適用されます。

不動産相続時は特例に該当するか確認を

不動産相続時の相続税は、高額になりやすい特徴があります。不動産を相続する際は税負担が少しでも軽減するよう、「小規模宅地等の特例に該当するかどうか」を入念に確認しましょう。小規模宅地等の特例は対象となるケースが比較的多い制度ですが、「適用条件を満たしているかわからない(迷ってしまう)」といった声もあります。

相続に関してさらに詳しく知りたい方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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