- 最適な土地活用は、その土地の面積で異なる
- 200坪でおすすめの土地活用は、賃貸マンションや駐車場付きアパートなどがある
- 200坪では土地が狭過ぎる、または広過ぎる土地活用も存在する
200坪の土地活用|メリットとデメリット
200坪の土地は、平米で換算すると約661平米です。 東京都の戸建て住宅の平均敷地面積が約30坪(約100平米)であることを考えると、200坪の土地はその6~7倍もの広さを持っています。
この広い土地を有効活用する方法として、主に以下の7つが挙げられます。
それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあるため、詳しく見ていきましょう。
活用方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
賃貸マンション | 建物規模が大きいため、 収入が大きくなる |
建物規模が大きいため、 建築費が高くなる |
駐車場付きアパート | 建物規模が小さいため、 建築費を抑えやすい |
建物規模が小さいため、 収入は少なくなる |
小規模な貸し店舗 | 賃料単価が高く、 収益性が高い |
退去されると 次に入居するテナントの家賃が 大きく下がることがある |
ビジネスホテル | 一棟貸しで 収益性も比較的高い |
一棟貸しで退去されると 家賃収入がゼロになってしまう |
都市型医療モール | 退去リスクが低く 収益が安定している |
新築当初、なかなか満室に ならないこともある |
小規模サービス付き 高齢者向け住宅 |
一棟貸しで 収益が安定している |
アパートよりも 収益性が低いことも多い |
マンスリーマンション | 成功すれば収益性は高い | 収益が不安定である |
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200坪でおすすめの7つの土地活用
最適な土地活用はその土地の面積によっても異なり、200坪には200坪に適した活用方法が存在します。
この章では、200坪でおすすめの土地活用について解説します。
賃貸マンション
200坪の土地は広さに余裕があるため、法律や条例で高層建築物の建築が可能な土地であれば、賃貸マンションの建設がおすすめです。 この広さを生かして、競争力の高いマンションを建設することができます。
ゆとりのある敷地は設計の自由度を高め、他の物件と差別化しやすくなります。 差別化できればアパートよりも賃料を高めに設定でき、空室も発生しにくくなります。
▼広い敷地で賃貸マンションを建てるメリット
- 共用部の充実性
24時間利用可能なゴミ置き場や宅配ボックス、バイク置き場、オートロックなど、小さな物件では設置しにくい設備を取り入れやすくなります。 - 専有部の広さ
広い部屋にすることで、独立洗面台や室内洗濯機置き場など、住みやすさを向上させる設備も設けやすいです。
賃貸マンションを小さな土地に建てると、仕様がアパートと似たものになり、差別化が難しくなります。 しかし、広めの敷地で賃貸マンションを建てれば、エントランスなどの共用部を充実させやすく、セキュリティを強化することが可能となり、アパートとの差別化が図れます。
駐車場付きアパート
200坪の土地に1棟のアパートを建てる場合、敷地がやや広く感じるかもしれませんが、駐車場付きアパートを建てるには最適な規模といえます。
駅から離れた場所では、駐車場ニーズが強い地域も多いです。 駐車場ニーズの強い地域では、各戸に1台以上の駐車場が必要とされることがあり、駐車場の提供が入居者を確保するために重要な要素になります。
駐車場付きのアパートを建てる場合は、無理に敷地一杯に建物を建てる必要はありません。
敷地に余裕を持たせることで、戸数分以上の駐車場を設け、入居者のニーズに応えることができます。 こうすることで、入居者を安定的に確保しやすくなります。
小規模な貸し店舗
200坪の土地では、立地にもよりますが、小規模な貸し店舗を建てることが可能です。 店舗を開設するには、通常、駐車場が必須条件となりますが、200坪の土地であれば、店舗面積と相応の駐車場台数を確保しやすいため、小規模な店舗であればニーズを捉えることができます。
可能性のある店舗としては、飲食店や美容院・理容院、マッサージ店、パン屋、クリーニング店などです。 都市部であれば、コンビニの一棟貸しも選択できる場合があります。
ビジネスホテル
商業エリアであれば、ビジネスホテルを選択肢として考えることができます。
ビジネスホテルの出店条件としては、通常200室以上を確保できることが目安となります。 土地に指定されている容積率(敷地面積に対する建物の延床面積の割合)にもよりますが、200坪あると200室以上確保できる可能性があります。
ビジネスホテルの特徴として、各居室が比較的小さいことが挙げられます。 そのため、土地の形状が悪くても設計を工夫すれば、限られたスペースに200室以上の部屋を確保できる場合もあります。
また、東京23区内では、中心部から少し外れるとオフィスビルの賃貸需要は低下することがありますが、ビジネスホテルであれば外周部でも安定した賃貸需要を見込めるため、都内の外周部で事業系の土地活用を検討したい場合には、ビジネスホテルはおすすめの土地活用です。
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都市型医療モール
医療モールとは、借り主の業種を診療所や歯科医院、調剤薬局などの医療系に絞って入居させる建物のことです。 平家タイプの郊外型医療モールでは300坪以上の敷地面積が求められることも多いですが、ビルタイプの都市型医療モールであれば200坪でも十分に建てることができます。
医療モールは、事業系の土地活用でありながら、テナント(借り主)の退去リスクが低い点が特徴です。 医療施設は、安定した需要が見込まれるため、都内の外周部でも十分にニーズがあります。 都市型医療モールに適した立地は、駅や大型商業施設の近くです。 こうした場所では、通勤・通学客や買い物客など、多くの人が利用するため、医療系テナントの集客力が高まり、安定した賃料収入を見込むことができます。
小規模サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認や生活相談などの福祉サービスを提供する高齢者のための住宅のことです。 通常、サービス付き高齢者向け住宅は、300坪以上の敷地が求められることが多いですが、小規模な施設であれば、200坪程度の広さでも建てることができます。
200坪の土地であれば、目安として20戸程度の規模の施設が建設可能です。 300坪の場合は、30戸程度の規模が一般的となります。 このタイプの住宅は、高齢化社会において安定した需要が見込まれます。
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マンスリーマンション
マンスリーマンションとは、月単位で貸し出すマンションのことです。 長期出張や学生のインターンシップ、試合の遠征などで一定期間、特定の場所に滞在する人たちが利用します。
一般的な賃貸マンションと異なる点は、貸し主側で家具や電化製品を用意する必要があるという点です。 これにより、入居者はすぐに生活を始めることができ、短期間の滞在にも対応できます。
マンスリーマンションは、短期的な利用者に対応するため、安定した需要があり、特に都市部や交通の便が良い場所で有利な土地活用となります。
200坪には適さない土地活用とは
土地活用の中には、200坪では適さない、もしくは非効率となる活用方法があります。
この章では、200坪には適さない土地活用を紹介します。
200坪だと狭過ぎる土地活用
200坪では狭くて適さない土地活用は、以下のようなものが挙げられます。
- 物流倉庫
- 郊外型店舗※1
- 大型オフィスビル
- 低層老人ホーム※2
- 木3共※3
※1:都市部から離れた市街地や田園地域に位置し、主に車での来店を想定した店舗のこと
※2:平家または2階以下の老人ホームのこと
※3:木3共(モクサンキョウ)は、木造の3階建てアパートのこと。 原則として建物の周囲に3m以上の空地を確保する必要があることから広い土地を要します
200坪だと広過ぎる土地活用
200坪では広くて非効率といえる土地活用は、以下のようなものが挙げられます。
- 戸建て賃貸
- グループホーム※4
- コインランドリー
- 駐車場
- トランクルーム
※4:認知症高齢者や身体障がい者、知的障がい者を対象とした介護施設のこと
まとめ
以上、200坪の土地活用について解説しました。 最適な土地活用方法は、土地の広さに応じて決まり、200坪の土地には、その広さに適した活用方法が存在します。
200坪では、賃貸マンションや駐車場付きアパート、ビジネスホテルなどの選択肢が特におすすめです。 これらの土地活用では、収益性や安定性を確保しやすく、200坪の土地に適した規模の建物を建設できます。
土地活用を検討する際の参考にしていただければ幸いです。
不動産鑑定士
竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら
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