- 防音マンションを建てることで、入居者が決まりやすくなるなどのメリットがある
- デメリットは「建設コストが割高になる」などが挙げられる
- 防音マンションを建てるには、実績のある施工会社に依頼することが望ましい
資産3億円以上の経営者様へ
防音マンションとは
防音マンションとは、窓や壁、床、天井などの遮音性を高め、快適で静かな住環境を実現するために設計された物件のことです。
一般的には鉄筋コンクリート造で建てられており、床や壁には厚みのある素材で作られているため、隣室や上階からの生活音を効果的に抑えることができます。 また、窓には二重サッシや防音ガラスが使用され、騒音がうるさい立地でも静かな暮らしが可能です。
防音マンションの主な防音対策
マンションの防音対策には様々な種類があります。 ここでは、基本的なマンションの防音対策について解説します。
外からの音の対策
外からの音の対策とは、建物の外部から聞こえてくる「暗騒音」の対策です。
暗騒音とは、特定の音源以外から発生する環境ノイズのことで、車や電車、工事など街の雑踏による音が該当します。 暗騒音を対策するには、窓を二重サッシにしたり、窓サッシの防音性能を高めたりすることなどが効果的です。
中からの音の対策
中からの音の対策とは、隣や上下階の隣接住戸からの騒音対策です。
隣室からの騒音対策としては、壁の内部に吸音材を入れるなどが効果的となります。
上下階からの騒音対策としては、床のスラブ(鉄筋コンクリート造の床版)を厚くしたり、二重床構造にしたりすることが効果的です。 また、床の仕上げ材にカーペットを使用することも、スプーンなどを落としたときに生じる軽い衝撃音の対策として効果的です。
防音室の設置
防音マンションでは、防音室を設置するケースもあります。
特別に防音室を作ることで、楽器演奏や音楽制作など、音を気にせずに趣味や仕事に集中できる環境が整います。
防音マンションを建てるメリットとは?
この章では、防音マンションを建築することで得られるメリットについて解説します。
騒音が多いエリアでも入居者が決まりやすくなる
大きな通りや線路沿い、繁華街などの騒音の多い場所では、高い防音性能が求められることが多いです。
騒音の多いエリアでは、物件の案内時に窓を開け閉めして、窓を閉めるとどれだけ静かになるかを入居希望者に実演することがよくあります。 物件案内の際、非常に防音性能が高いことが示されると、入居希望者に安心感を与えることができるため、借主が決まりやすくなるメリットがあります。
音を気にする入居者の需要を捉えやすい
賃貸物件を借りる人の中には、音に敏感な層が一定数存在します。
たとえば、小さな子供のいる世帯や、リモートワークをしている人、楽器演奏が趣味の人などが該当します。 防音性能の高いマンションだと、こうした層のニーズに応えることができ、入居率の向上につながります。
また、音大に近いエリアであれば、音大生向けに防音室を備えたマンションにすることも効果的です。 音大に近い防音マンションは付加価値が付くため、周辺のマンションよりも高い賃料で貸すことができます。
住人同士のトラブルを減らすことができる
防音マンションは、住人同士の騒音トラブルを未然に防ぐ効果があります。
騒音トラブルは、住人同士が揉めるだけでなく、被害を受けた住人が早期退去してしまう原因にもなります。 さらに、トラブルの原因となる住人が残っている場合、新たな入居者もすぐに退去してしまう可能性が高くなります。
防音対策を施すことで、こうした悪循環を防ぎ、安定した入居状況を維持できます。
断熱性や気密性が同時に高まることも多い
防音施工を行うことで、音漏れを防ぐだけでなく、断熱性や気密性も同時に高まることが多くあります。 これにより、室内の温度が安定しやすくなり、冷暖房効率が向上するため、入居者の光熱費削減にもつながります。 快適性が高まることで、空室が発生しても次の入居者が決まりやすくなるというメリットもあります。
入退去の頻度を減らすことができる
防音性が高く、断熱性や気密性も高まれば、全体としての居住の快適性も向上します。
居住の快適性が高まると、入居者が長く借りてくれる可能性が高まり、入居者の入れ替え頻度が下がります。
入居者の入れ替え時には貸主に仲介手数料やハウスクリーニング費用などが生じるため、入居者の入れ替え頻度が下がると貸主の支出を抑えることができます。
結果として、借主の居住の快適性を上げる防音マンションは、貸主にとって収益の低下を防ぐ効果があるのです。
防音マンションのデメリット
この章では、防音マンションを建てる際に考慮すべきデメリットについて解説します。
建築コストが割高となる
防音性能を高めるためには、遮音性の高い建材や構造を採用する必要があり、その分建築費が割高になります。 仕様にもよりますが、一般的に建築コストが1〜3割程度上昇する可能性があります。
新築時でないと根本的な対策ができない
マンションは竣工後に防音性能を抜本的に改善することが難しく、リフォームでは限界があります。 そのため、高い防音性能を実現するには、新築時から防音設計を取り入れることが理想的です。
内部で音が反響しやすい
防音マンションは外部に音を漏らさない構造になっていることから、逆に内部での音が反響しやすいです。 たとえば、換気扇を回していたり、洗濯機を動かしていたりするだけで、テレビの音が聞こえにくくなることもあります。
外の様子が分かりにくい
防音マンションは静かであることから、逆に外の様子が分かりにくいです。
たとえば、雨音や風の音などの自然音が聞こえにくいため、雨が降っていることを確認するには窓から外を眺めたり、実際に外に出たりする必要があります。
気密性が高過ぎて扉が重くなることもある
防音マンションは気密性が高いため、玄関扉が重く感じることがあります。
とくに、内部で換気扇が回っている場合は、気圧差によって玄関の扉を開けるのに大きな力を要することもあります。
防音マンションを建てるための注意点

この章では、防音マンションを建てるための注意点について解説します。
何の防音をしたいかを明確にする
防音といっても、外からの雑音を防ぎたいのか、中からの音を漏らしたくないのかによって対策が異なります。
防音マンションを企画する際は、まず何を防音したいのか、明確にすることが必要です。
たとえば、騒音の多い地域であれば、外からの雑音を防ぐために窓などの防音対策に重点を置くべきといえます。
実績のある施工会社に依頼する
防音マンションは気密性を高める必要があることから、施工の質が高くないと十分な防音性能を発揮することができません。
防音マンションの建築には、施工会社に高い技術と豊富なノウハウが必要です。
そのため、防音マンションを建てるためには、防音マンションの施工実績が豊富な会社に依頼することが望ましいといえます。
まとめ
以上、防音マンションの建築メリットについて解説してきました。
防音マンションの主なメリットは、「音を気にする入居者の需要を捉えやすい」「断熱性や気密性が同時に高まることが多い」といった点が挙げられます。
一方で、デメリットは「建築コストが割高になる」「室内で音が反響しやすい」などです。
防音マンションを建てるにあたっては、実績のある施工会社に依頼することが適切です。 防音マンションでお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。
資産3億円以上の経営者様へ
不動産鑑定士
竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら
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