- 不動産投資にはレバレッジ効果を得られるなどのメリットがある
- 相続税の節税効果を鑑みると、早めに不動産投資を始めることが望ましい
- 抜け道的なスキームを用いた不動産投資は避けるべき
資産3億円以上の経営者様へ
富裕層が不動産投資を行うメリット
富裕層は不動産投資をすることで、一般の人よりも多くのメリットを得られます。
高い運用益が得られる
不動産投資の大きな魅力は、高い運用益を得られるという点です。
株式投資は大きな売却益を得られることはありますが、保有期間中に得られる運用益は大きくはありません。 また、定期預金や国債も利回りは高くないため、運用益は少ないといえます。
不動産投資は、ほかの投資に比べると運用益を得るのに優れた投資であり、しかも安全性も比較的高いのが特徴です。 すでに株式や現金をお持ちの方は、それらを不動産に変えることによって、毎月自由に使える安定した家賃収入を得ることができます。
レバレッジ効果が得られる
レバレッジ効果とは、借入金を利用することで自己資金の利回りが上がる効果のことです。 「レバレッジ」は「てこ」を意味し、少ない自己資金で大きな資産に投資できる点が特徴です。
たとえば、自己資金1,000万円を使って利回り5%の物件に投資する場合を、借入を使わないケースと借入を併用するケースで比較します。
【自己資金だけの場合】
- 物件価格:1,000万円
- 自己資金:1,000万円
利回り5%のため、年間収益は50万円(=1,000万円×5%)です。
自己資金に対する利回りは、5%(=50万円÷1,000万円)となります。
一方で、借入金も併用して、以下の条件で利回り5%の物件に投資するケースを見てみましょう。
【借入金も併用した場合】
- 物件価格:1億円
- 自己資金:1,000万円
- 借入金:9,000万円
- 金利:2.5%
- 借入期間:35年
- 年間返済額:386万円(元利均等返済で計算)
利回りは5%ですが、借入金の年間返済額(386万円)を考慮すると、
年間収益は114万円(=1億円×5%-386万円)です。
自己資金に対する利回りは、11.4%(=114万円÷1,000万円)となります。
自己資金だけで投資した場合は利回り5%だったのに対し、借入金を活用すると利回りが11.4%へ大幅に上がります。 このように、銀行から融資を受けられる不動産投資はレバレッジ効果を得られるため、十分な自己資金を用意できる富裕層にとって大きなメリットといえます。
資産ポートフォリオの分散が期待できる
投資の世界には、「卵は一つのかごに盛るな」という格言があります。
リスク分散を図る意味合いですが、資産は現金や株、不動産など複数の種類に分けて保有することが望ましいとされています。
現金は安全資産ではありますが、インフレ時には価値が目減りしてしまいます。
株式は大きな資産価値の上昇が期待できる一方で、相場変動によって大きく下落する可能性もあります。
不動産は株式よりも値上がり益は期待できないものの、価格が急激に下がりにくい安定資産です。 また、定期預金より運用益が高いことから、不動産をポートフォリオに組み込むことで、全体のリスクを下げつつ収益性を高められます。
相続税対策になる
相続税は特に富裕層に大きく影響する税金であるため、早めの対策が重要です。
収益物件の相続税評価額は、一般的に時価よりも低く算定されるため、不動産投資を行うことで相続税の負担を軽減できます。
そのため、不動産は富裕層にとって効果的な相続税対策の手段となっています。
インフレ対策になる
インフレとは、不動産や株式のような“モノの価値”が上がり、現金の価値が下がる現象です。
近年は、インフレ傾向が鮮明になってきたため、現金のみで資産を持っている人は資産価値の下落というリスクに直面します。
不動産はインフレに強く、かつ、株式のように急激に下落するリスクも低いことから、インフレ対策として手堅い資産です。
富裕層が不動産投資で避けるべき落とし穴と成功するポイント

この章では、富裕層が不動産投資で成功するポイントについて解説します。
ハイリスク物件は避ける
株式投資が攻めの投資だとすれば、不動産投資は守りの投資です。
不動産は比較的安全な資産であると同時に、相続税を節税して資産を次世代に承継しやすくなるなど、守りの要素が強いことが特徴です。
そのため、余裕ある資金を持つ富裕層ほど、あえてリスクの高い物件に手を出す必要は低いといえます。 成功のポイントは、ハイリスク物件を避けることにあります。
不動産投資のリスクは利回りに反映される点が特徴です。
ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンの関係となっており、利回りが高い物件ほどリスクも高くなっています。
たとえば、郊外の築古物件などは、利回りの高いハイリスクの物件です。
ハイリスク物件は空室や家賃の下落が発生しやすく、修繕費も増えやすいことから、想定よりも儲かりません。 そのため物件を選定する際は、第一に立地を最も重視し、第二に築年数の浅さも考慮しながら、たとえ利回りが低くてもリスクの低い物件を選ぶことをおすすめします。
早めに投資を行う
不動産投資は、早めに行うことが適切といえます。
理由としては、高齢になってから始めると相続税の節税対策効果が得られなくなる可能性があるからです。
2026年度(令和8年度)の税制改正により、相続開始5年以内に取得した賃貸用不動産は原則として時価評価となるという新ルールが創設されました。
時価といっても課税上の弊害がない限り、取得価額を基に地価の変動などを考慮して計算した価額の100 分の80 に相当する金額が相続税評価額となります。
一方で、相続開始5年前より保有していた収益物件は、従来通りの相続税評価額です。
従来通りの相続税評価額であれば、都市部の物件の場合、相続税評価額が時価の3~4割程度となることもあります。
時価の8割と3~4割では、算出される相続税に大きな違いが生じます。
相続税対策として行う不動産投資は少なくとも相続開始5年前より物件を保有していた方が有利なため、不動産投資は早めに行った方が良いのです。
抜け道的な投資は行わない
不動産投資の世界では、法の抜け道を利用した節税スキームが一時的に流行し、後に規制されて封じ込められるということが繰り返し起きています。
たとえば、減価償却費を大きく計上できる海外不動産を保有して赤字を作り、損益通算を行うことで節税するスキームは、規制により利用が難しくなりました。
また、タワーマンションの高層階を購入することで相続税を節税するスキームも、評価方法の見直しが行われたことで、以前ほどの節税効果を期待できなくなりました。
このように、不動産投資では法の抜け道を利用した節税手法が一時的に流行ることがありますが、いずれ規制されて利用できなくなることが多いです。
そのため、オーソドックスではない不動産投資は避けることが適切といえます。
まとめ
以上、富裕層における不動産投資のメリットについて解説しました。
富裕層が行う不動産投資には、「高い運用益が得られる」「相続税対策になる」「インフレ対策になる」といったメリットが挙げられます。
不動産投資で成功するには、利回りの高いハイリスク物件は避けることが重要です。
また、すでに行われた税制改正を踏まえると早めに投資を行うことが必須であり、さらに将来起こりうる税制改正を考慮すると、抜け道的なスキームに頼った投資は行わないことが適切といえます。
不動産投資に関してお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。
資産3億円以上の経営者様へ
不動産鑑定士
竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら
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