- お金がなくても初期費用と毎月の家賃が払えれば一人暮らしはできる
- お金がない場合に借りるお部屋の家賃の目安は「手取りの4分の1」
- 「今何にどれくらいお金を使っているか」をチェックして生活費を見直そう
「一人暮らしがしたい」「でもお金ないし無理……」――こう悩んでいませんか?
たとえお金がなくても、部屋探しを工夫したり、生活費を見直したりすれば、一人暮らしはできます。今回は一人暮らしに必要な二つのポイントや、月々の手取りから目安にすべき部屋の家賃のほか、生活費を抑える節約術もご紹介します。「お金がなくても一人暮らしをしたい」という方はぜひ参考にしてみてください。
クリアしたい二つのポイントとは?
どんなにお金がなくても、以下の二つのポイントをクリアしていれば一人暮らしは可能です。
【一人暮らしでクリアすべき二つのポイント】
・引越し費用・敷金・礼金などの初期費用が払える
・毎月の家賃を支払う収入源がある
ここからそれぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
初期費用を払える
一人暮らしのために必要な初期費用と、それぞれの項目の一般的な相場を以下にまとめました。
例)家賃6万円の賃貸物件に3月20日に入居する場合
引越し費用 | 5万円から7万円程度(荷物量・距離によって変動) |
---|---|
敷金 | 0円から6万円程度 |
礼金 | 0円から6万円程度 |
仲介手数料 | 6万6,000円程度 |
前家賃 | 0円から6万円程度 |
日割り家賃(12日分) | 2万4,000円程度 |
鍵交換費用 | 1万5,000円程度 |
保証会社利用料 | 0円から6万3,000円程度 |
火災保険料 | 1万5,000円程度 |
管理費・共益費 | 3,000円から6,000円程度 |
合計 | 17万3,000円から43万9,000円程度 |
このように、一人暮らしを始めるには、最低でも10万7,000円の初期費用が必要になります。ただしこの最低金額は、あくまでも最低限まで抑えられた場合の話。一人暮らしのための準備には、最低でも44万円は貯金しておくべきでしょう。
初期費用の内訳の詳細をチェック
上記で示した一人暮らしの初期費用のうち、部屋の契約時にかかる費用について詳しく紹介します。どのような内容のお金なのかをチェックしておきましょう。
敷金 | 退去時に部屋を入居前の状態に戻すのに必要な費用。使われなかった分は返金されます。 |
---|---|
礼金 | 入居の際大家さんに渡すお金です。 |
仲介手数料 | 大家さんと借主との間に入って契約手続き等を行う不動産会社や仲介会社に支払うお金。上限は「家賃の一ヶ月分(共益費・管理費などは含まない)+消費税」です。 |
前家賃 | 家賃が発生する翌月の家賃。月初(一日)から入居する場合は発生しません。 |
日割り家賃 | 月の途中から入居する際に発生する家賃です。 |
鍵交換費用 | 前の入居者が使用していた鍵から新しい鍵に交換する際にかかる費用。新築物件の場合は不要です。 |
保証会社利用料 | 連帯保証人の代わりに保証会社を利用する際にかかる費用。連帯保証人がいる場合は不要です。 |
火災保険料 | 火事・落雷で家具などが損害を受けた場合に補償してくれる保険にかかる費用。保険は大家さんが指定します。 |
管理費・共益費 | 物件の共用部分の維持管理に必要な費用です。共用部分が少ないアパートは安い傾向があります。 |
家賃を支払うための収入源がある
一人暮らしを始める際に必要となる条件の二つ目は、「家賃を支払い続けられる収入源があるかどうか」です。これは手取りや契約する賃貸物件の家賃によって、状況が異なってくるでしょう。
しかし逆に言えば、自分の収入に見合った家賃の物件を契約すれば、お金があまりなくても一人暮らしができる可能性があります。では、自身の収入に見合う家賃とはいくらくらいなのでしょうか。次の項から解説していきます。
お金がないなら「手取りの4分の1」を家賃目安に
一般的に、収入に見合う家賃は、手取りの3分の1が目安と言われています。つまり手取り20万円の場合、目安となる家賃は約6万6,000円です。しかしこの「手取りの3分の1」はあくまでも正社員など、比較的収入が安定している場合に当てはまるもの。
現在手持ちのお金が少なかったり、契約社員やパート職員などで収入が安定しにくかったりする場合は、「手取りの4分の1」を家賃の目安にするのが無難でしょう。
手取り20万円以下の家賃の目安を見てみよう
以下は手取りあたりの家賃目安を示したものです。自身に当てはまる部分を見てみましょう。
手取り | 家賃目安 |
---|---|
14万円 | 3万5,000円 |
15万円 | 3万7,500円 |
16万円 | 4万円 |
17万円 | 4万2,500円 |
18万円 | 4万5,000円 |
19万円 | 4万7,500円 |
20万円 | 5万円 |
このように、手取り14万円から20万円までの場合、3万円台から5万円までの間で賃貸物件を探す必要があります。
都内でも条件を押さえれば4万円・5万円未満の物件がある
ピタットハウスの賃貸物件検索で、都内にある一人暮らし向けの賃貸物件を調べてみました。一人暮らしで選ばれることが多いワンルーム(1R)・1K・1DK、かつ4万円以内・5万円以内の物件を検索してみると、以下のような結果になりました。※2021年3月時点
4万円以内の1R・1K・1DK賃貸物件
23区内……57件
23区外……175件
5万円以内の1R・1K・1DK賃貸物件
23区内……305件
23区外……361件
とくに4万円以内の一人暮らし用賃貸物件を探す際は、23区外まで広げて検索すると、見つかる可能性が高まります。また都内近郊エリア(神奈川・埼玉・千葉)にまで範囲を広げると、さらに選択肢があります。
家賃をできる限り安く抑えるポイント
予算内に収まる部屋探しをするには、以下のようなポイントを押さえましょう。
・中心部から離れた西側エリアを探す
・最寄り駅から徒歩15分まで広げて探す
・築年数にこだわらず実際に見て決める
・収納スペースにこだわりすぎない
都内の家賃は、中心部から離れるほど、西側に行くほど安くなる傾向があります。今回の検索条件(1R・1K・1DK・かつ4万円・5万円以内)で実際にヒットした賃貸物件も、23区内では葛飾区・足立区・江戸川区・練馬区・板橋区などが中心でした。
また最寄り駅からの徒歩分数もできるだけ広げ、築年数も築浅にこだわらず実際に見てみることをおすすめします。築年数が古くても、リフォームやリノベーションなどによって住みやすくなっている物件もあるからです。
また収納スペースが多い物件は人気が高く、家賃も高めに設定されていることが多いです。毎月の家賃を安く抑えたい場合、収納スペースは妥協し、住み始めてから自分で確保する工夫をしてみましょう。
一人暮らしで確保すべき生活費の目安は?
一人暮らしには、家賃だけでなくさまざまな生活費もかかります。家賃のみを安く抑えても、ほかの生活費が抑えられなければ生活が苦しくなる原因に。まずは一人暮らしで最低限確保すべき生活費の目安を把握しておきましょう。
一人暮らしで必要な生活費とその内訳
総務省統計局の「家計調査報告」によると、2020年の消費支出の内訳(勤労単身世帯の場合)は以下の通りです。
食費 | 40,235円 |
---|---|
水道・光熱費 | 10,405円 |
生活用品費(家具・家事用品) | 5,377円 |
被服費 | 6,374円 |
保健医療費 | 5,714円 |
交通費 | 3,829円 |
通信費 | 8,673円 |
教養・娯楽費 | 17,921円 |
その他(理美容・交際費) | 17,509円 |
合計 | 116,037円 |
つまり一般的な一人暮らしでは、毎月約12万円の生活費を確保する必要があります。
まずは「何にどのくらい」お金を使っているかチェック
一般的な消費支出の内訳と、自身の消費支出を比較していかがでしたか? もし「何にどのくらいお金を使っているのかわからない」というのなら、今日から一ヶ月の支出を計算することから始めましょう。
先ほどご紹介した支出はあくまでも平均値。人によってお金の使い方には癖があります。一ヶ月だけでもお金の流れを把握してみると、以下のような特徴が見えてくるはずです。
無意識にお金を使ってしまうポイント
・ちょっとした待ち時間などによくカフェに立ち寄る
・歩ける距離でもタクシーを使うことが多い
・コンビニに行くとつい新製品を購入する
・水を買って飲みきれずに捨てることが多い
・本屋で本をタイトル買いして読み切れないことが多い
これらに当てはまるのであれば、今こそお金の使い方を見直すチャンスです。一日一回コーヒーショップでカフェラテを購入すると約350円の支出ですが、一ヶ月では1万500円。意外と大きな支出です。このような“無意識な出費”で毎月の支出が膨らんでいる可能性もあるため、自分のお金の使い方を見直す意味は大いにあります。
また本を“積読”してしまう癖があるのなら、フリマアプリで少しでも安く購入しましょう。そして「読めない」と感じたら、潔くフリマアプリで出品。少しでも費用を回収できます。このように少しずつの工夫で節約を目指しましょう。
簡単に家計簿をつけられるアプリを活用しよう
お金の流れを把握するのに便利なのが、家計簿アプリです。レシートを読み取るだけで、自動で記録できるものがあります。
家計簿アプリのなかには毎月の支出予算を設定でき、予算を超えそうになるとアラートが届くようにできるものも。予算と実際の支出を比較するのにも便利なので、ぜひダウンロードして使ってみてください。以下からは、より具体的な節約術をご紹介します。
一人暮らしの生活費を節約するコツ
一人暮らしの生活費を抑えるポイントをまとめました。ここから各項目に分けてご紹介するので、ぜひできることからチャレンジしてみてください。
食費は無理なく継続できる節約術を
「食費を抑えるには自炊」のイメージがあるかもしれません。しかし特売の日にまとめ買いしても、結局使いきれずに捨ててしまうと家計にも環境にもよくありません。一人暮らしの食材は必要な分を購入して使い切ることを意識しましょう。
またライフスタイルに合わせて、継続しやすい節約術を見つけるのも大切。とくに新卒の社会人などは、慣れない一人暮らしや社会人生活で、自炊の時間をなかなか取れないことも多いでしょう。そのような場合はスーパーのお惣菜を活用したり、一人分のカット野菜や万能調味料などを活用して半自炊を目指したりするのもおすすめ。
さらに冷凍食品を半額セールの際にある程度まとめ買いしたり、休日におかずを作り置きしたりすれば、忙しい平日も自宅で食事を済ませられるようになります。
さまざまな節約アプローチ方法がある水道・光熱費
水道・光熱費の節約術は、それぞれの項目に分けてご紹介します。
ガス代の節約術
ガス代を節約するには、まず都市ガスの物件を契約するのがおすすめ。プロパン(LP)ガスは都市ガスよりも二倍程度料金が高くなることもあります。また、食事の準備の際は圧力鍋や電子レンジを活用したり、ご飯を炊飯器で炊く際に一緒に野菜の加熱もしたりすると、ガス代削減につながります。
電気代の節約術
夏場や冬場は高くなりがちな電気代。まずエアコンの設定温度は夏場28度・冬場20度を心がけましょう。厚手のカーテンやサーキュレーターを使用すると、冷暖房効率を上げることができます。
また近年は、電気・ガスとのセット契約で利用料金が安くなるプランも。各社が提供しているセットプランを確認してみるとよいでしょう。
水道代の節約術
水道代を節約する方法でおすすめは、節水シャワーヘッドを使用すること。手元ですぐに水を止められ、少ない水量で十分な水圧を感じられます。また食器洗いはキッチンスクレーパーで汚れを落としてから行うのも効果的です。
契約見直しで大きく削減できる通信費
毎月の携帯電話の料金がかさんでいるのなら、今こそ料金プランやキャリアを見直すタイミング。近年は大手キャリアでも新料金プランを出しており、大幅な費用削減も見込めます。
また、格安SIMという選択肢も。毎月の支出を大きく占めていることも多い通信費は、見直すことで全体の支出削減につながります。物件探しの際、無料Wi-Fiのある部屋を条件にするのも一つの方法でしょう。
被服費はメリハリをつけて節約を
プチプラブランドの洋服がさらにセールで安くなっているのを見ると、つい購入してしまう気持ちもあるでしょう。しかし使用頻度の高い服であれば、ある程度品質のよいつくりのものを選んだほうが、コストパフォーマンスがよいことも。
たとえば、流行のデザインが施されたものが欲しくなった際はプチプラブランドで。シンプルでマルチに活躍してくれるアイテムを購入する際は、耐久性のありそうなブランドで購入するのも一つの手でしょう。メリハリをつけておしゃれを楽しみながら、節約も目指してみてくださいね。
一人暮らしで手取りが少なくても貯金をするには?
月の貯金の理想金額は、手取りの20%程度と言われています。つまり手取り20万円の場合、毎月4万円を貯金できるとよいでしょう。
お金がないなか一人暮らしを始めると、「貯金なんてとてもできない」というイメージがあるかもしれません。しかし実際は上手にやりくりすることで、一定金額をコツコツと貯めることはできます。
おすすめはつみたてNISAやiDeCoなどを利用した先取り貯金
手取りが少ないなか確実に貯金をしていくコツは、「余ったら貯金」ではなく「先に貯金」してしまうこと。たとえば「つみたてNISA」や「iDeCo」で自動的にお金を積み立てられるようにするのも一つの手。お金を自由に引き出せないようにしてしっかり積み立てていきたいのなら、iDeCoがおすすめです。
プチご褒美制度で貯金モチベーションアップ
貯金目標金額に中間目標を設定し、達成するたびにご褒美を設けると、貯金モチベーションを維持しやすくなります。たとえば「一ヶ月の貯金目標額を達成したら、気になっていたカフェでランチをする」「3ヶ月の貯金目標額を達成したら、恋人と旅行に行く」など。挫折を避けるためにも、このような「プチご褒美制度」も導入してみましょう。
手取りに見合う家賃を把握すれば一人暮らしも可能
「お金がないから一人暮らしは無理……」とあきらめていた方も、この記事を読んで希望を見出せたのではないでしょうか。たとえお金がなくても、手取り収入に見合った部屋を借り、生活費を見直せば、貯金をしながら一人暮らしをすることも可能です。
生活費のなかでもっとも大きく占める家賃は、毎月必ずかかる固定費でもあります。今回ご紹介した家賃を安く抑えるポイントを押さえつつ、あなたが満足できる部屋を見つけてみてくださいね。
ピタットハウスのお問い合わせページに移動します
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