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更新日:2026.07.02

【第3回】家賃が下がる物件の共通点|見落とされがちな“建物企画”の問題

【第3回】家賃が下がる物件の共通点|見落とされがちな“建物企画”の問題

本記事は「サブリースを見直すときに読む不動産オーナーのための判断講座」としてお届けする連載シリーズの第3回です。 サブリースを選択しても、家賃は下がってしまうことはあります。 家賃の下落は、一般的な商品と同様に価格競争と同じであり、差別化されていない物件ほど値下げに巻き込まれやすい傾向があります。 賃貸物件で家賃の下がりにくい物件を実現するためには、設計段階から差別化を意識した企画が重要です。 そのためには、まず「なぜ賃貸物件の家賃が下がるのか」という理由を正しく理解しておく必要があります。 差別化で家賃の下落を防ぐには、なぜ賃貸物件で家賃が下がるのかの理由を把握しておくことが適切です。 この記事では、「家賃が下がる主な理由」について解説します。

  • 家賃が下がる理由としては、建物の築年数経過などが挙げられる
  • 家賃の下落のしやすさは、立地や間取りなどによって異なる
  • 将来も選ばれる建物にするためには、差別化が重要である

もくじ

  1. サブリースでも家賃の減額が生じる主な理由

    1. 賃貸需要が弱い

    2. 家賃設定が高額である

    3. 築年数が経過している

    4. 類似物件が供給過剰となっている

    5. 不動産市況が悪化している

  2. 家賃減額が生じる3つの要因

    1. 立地

    2. 間取り

    3. ターゲット設定

  3. 選ばれる建物にするための企画ポイント

    1. 適切なターゲットを設定する

    2. ニーズの高い仕様を優先する

  4. まとめ



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サブリースでも家賃の減額が生じる主な理由

賃貸物件の家賃は、長期間の空室が生じ、募集家賃を下げ始めることで徐々に下落していきます。 最初に、賃貸物件に見られる特有の家賃の下がる理由、つまり、空室が長期化しやすい原因について解説します。

賃貸需要が弱い

賃貸需要が弱いエリアに建っている物件は、空室が生じやすく、家賃が下落しやすいです。
賃貸需要はどこにでも均等にあるわけではなく、利便性の高い限られたエリアに集中します。
たとえば、駅から遠い、周辺に働く場所がない、車社会となっている、人口流出が激しいなどのエリアは賃貸需要が弱いです。
このようなエリアでは、一度空室が生じると長期化しやすく、結果として募集家賃の引き下げが必要になりやすいです。

家賃設定が高額である

元々の家賃設定が高い物件も、家賃が下がりやすいです。 特に、専有面積の広いファミリータイプは家賃が高額になりやすく、入居者が決まりにくい特徴があります。

たとえば、家賃が月額25万円の戸建て賃貸と、月額7万円のワンルームマンションを比べると、月額25万円の戸建て賃貸の方が借り主を決めにくいため、家賃が下がりやすいです。
また、都心部にある月額200万円以上の超高級賃貸も、景気の変動の影響を受けやすく、わずかな景気悪化で家賃が大きく下がる傾向があります。
専有面積を広くし過ぎると、それに伴って家賃も高額になり、借り主を決めにくくなるため、間取りはコンパクトな方が家賃は下落しにくいです。

築年数が経過している

築年数が経過している物件は、相対的に競争力が劣るため、家賃が下がりやすいです。
建物は一旦建てると40~50年は住めますが、その間に人々のニーズや設備の標準的な仕様が大きく変わってしまいます。
たとえば、近年はドラム式洗濯機を室内に置きたいというニーズが強いですが、40~50年前の物件はそもそも室内に洗濯機置場が無かったり、あってもドラム式を置けなかったりします。
このように築年数の古い物件は現代のニーズに仕様が合致しなくなることが多いため、空室の長期化が生じやすく家賃も下落しやすいです。

類似物件が供給過剰となっている

一定の地域において類似物件が過剰に供給されている場合も、家賃下落の原因となります。
よくあるケースとして、地方都市の中心市街地におけるワンルーム物件の増加が挙げられます。
単身者需要の強さから、中心市街地でワンルームの賃貸物件を建てることは確かに合理的です。
そのため、地方都市の中心市街地ではワンルームが次々と建てられ、需要量以上の供給量が生じて、ワンルームでも家賃が下がりやすいという現象が生じることがあります。
このように中心市街地のような利便性の高いエリアでも類似物件が供給過剰となっている場合には、設備やデザインなどで、ほかの物件と差別化することが望ましいです。

不動産市況が悪化している

近年はようやく家賃上昇の兆しが出始めましたが、不動産市況が悪化している時期は家賃が下落しやすいです。 なお、家賃の下落は土地価格の下落に遅れて生じるため、今後、土地価格が下落するようであれば時間差で家賃も下落していく可能性がある点には注意が必要です。

家賃減額が生じる3つの要因

家賃はすべての物件で一様に下落するわけではなく、下がりやすい物件と下がりにくい物件があります。この章では、家賃減額の違いを生む要因について解説します。

立地

家賃の下落の程度に一番影響を与えるのは、物件の立地です。
立地の良い物件は空室が生じにくいため家賃が下がりにくく、立地の悪い物件は空室が生じやすいため家賃が下がりやすくなります。
また、築年数による悪影響は、立地の悪い物件ほど早い段階から顕在化していきます
そのため、家賃の安定性を重視する場合は、立地条件が非常に重要なポイントになります。

間取り

間取りも、家賃の下落に影響を与える要因となります。
一般的には、3LDKや4LDKのような広い物件は家賃が高額になるため、借り主を決めにくく、家賃が下がりやすい傾向があります。
ただし、ワンルームが供給過剰のエリアでは、2LDKのような間取りで差別化すると家賃が下がりにくくなることもあります。 家賃を過度に高くしないためにも、ワンルーム過多のエリアであっても、3LDKや4LDKといった広すぎる間取りは避けるのが望ましいといえます。

ターゲット設定

ターゲット設定も、家賃の下落に影響を与える要因です。
間取りを決めることで大まかなターゲットは決まりますが、さらに細かくターゲットを絞ることで、空室リスクを抑えられる場合があります。
たとえば、外国人向けに特化することで、口コミなどを通じて認知が広がり、空室がほとんど発生しない物件も存在します。
単身高齢者に関しても、近年は孤独死を感知する設備やセキュリティ会社のサービスも普及してきたため、以前よりもターゲットとして設定しやすくなっています。

選ばれる建物にするための企画ポイント

選ばれる建物にするための企画ポイント

賃貸物件で家賃下落を防ぐには、ほかの物件との差別化が重要となります。
この章では、選ばれる物件にするための、適切な差別化ポイントについて解説します。

適切なターゲットを設定する

差別化を図るうえでは、まず適切なターゲットを設定することが重要です。
家賃とのバランスもあるため、ターゲットは単身者や2人世帯を中心に想定し、間取りもワンルームや1LDK、2LDK程度に抑える必要があります。
単身者や2人世帯の中でも、近年は外国人や単身高齢者、共働き世帯が増加傾向にあるため、これらの世帯をターゲットにすることも適切です。

また、楽器演奏可やペット飼育可といった条件を設定し、建物の仕様を差別化することでターゲットを絞り込むことも可能です。 たとえば、音大周辺の物件であれば、音大生をターゲットに防音性の高い物件を建てることで、家賃の下がりにくい競争力のある物件にすることもできます。

ニーズの高い仕様を優先する

賃貸物件では新築の段階で組み込んでおかないと、竣工後に付加しにくい仕様があります。
無料インターネットやTVモニター付きインターホンなどの設備であれば、後から付加することができますが、空間設計に関わる仕様は初期段階から組み込む必要があります。
たとえば、以下のような設備は入居者ニーズが高く、後からの導入が難しいため、設計段階から優先的に取り入れることが望ましいです。

【ニーズの高い仕様】

  • 24時間利用可能ゴミ置き場
  • エントランスのオートロック仕様
  • 室内洗濯機置き場
  • 独立洗面台
  • 宅配ボックス

これらの仕様を適切に取り入れることで、競争力を高め、家賃の下落リスクを抑えることができます。

まとめ

以上、家賃が下がる主な理由について解説してきました。
家賃には「賃貸需要が弱い」や「築年数が経過している」などの下落要因があるため、サブリースを選択していても家賃が下がることはあります。
家賃の下がりにくい物件を建てるためには、建築段階からの企画が重要です。
将来にわたって選ばれる賃貸物件を建てるには、設計段階からターゲット設定や仕様などの企画方針を整理する必要があります。
家賃の下落を防止する建物企画についてお悩みの方は、下記よりお気軽にご相談ください。



不動産鑑定士

竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。

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