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更新日:2026.04.28

サブリース2025年問題とは?更新期に「続ける/やめる」の判断ポイント

サブリース2025年問題とは?更新期に「続ける/やめる」の判断ポイント

本記事は「サブリースを見直すときに読む不動産オーナーのための判断講座」としてお届けする連載シリーズの第1回です。 サブリース契約を続けるかどうかは、契約内容だけで判断できる問題ではなく、建物の競争力や将来の活用方法を含めて整理する必要があります。 本シリーズでは、契約更新期・解約後・家賃減額といった、不動産オーナーが直面しやすい場面ごとに、判断の考え方を整理していきます。

  • 2025年前後は、サブリース物件の更新を迎える物件が多いとされている
  • 入居状況や物件の立地がサブリースを継続すべきかの判断ポイントとなる
  • 空室が深刻な場合には、建て替えも検討することが望ましい

もくじ

  1. サブリース2025年問題とは

  2. 更新時に「続ける/やめる」を決める判断ポイント

    1. 過去の賃下げ要求の有無

    2. 入居状況

    3. サブリース料率

    4. 物件の立地

    5. 物件の築年数

    6. 大規模修繕の実施状況

    7. 募集家賃の設定状況

  3. サブリースを続ける・やめる場合のメリット・デメリット

  4. 空室が深刻な物件で検討すべきこと

  5. まとめ



サブリース2025年問題とは

サブリース2025年問題とは、2025年前後にサブリース契約の更新時期を迎える物件が急増することによって生じる問題です。
相続税法は、2015年に基礎控除額が大幅に減額される大改正がありました。
改正時期の前後では、相続税対策でサブリース契約を締結したオーナーが多く、それらの物件が2025年前後に10年目の更新時期を迎える可能性があります。
更新時には、サブリース会社が賃料減額の申し出をしてくる恐れもあり、収支が悪化するオーナーが急増するのではないかという点が、サブリース2025年問題として懸念されています。

更新時に「続ける/やめる」を決める判断ポイント

この章では、2025年問題に関わらず、サブリース契約のどのタイミングの更新時でも通用する「サブリースを続けるか、それともやめるか」を判断するためのポイントについて解説します。

過去の賃下げ要求の有無

サブリース会社によっては、毎年のようにサブリース賃料の値下げを要求してくるケースもあります。 毎年の値下げ交渉はオーナーにとって悩みの種となるため、更新を機にサブリースをやめるという判断も十分に合理的です。

サブリース契約を止めても、立地が極端に悪い物件でない限り、適切な管理会社に管理を委託すれば空室状況が改善するケースも少なくありません。 過去に繰り返し賃下げ要求を受けてきた場合や、対応に不信感がある場合には、サブリース契約を更新せずに管理会社を変更することをおすすめします。

入居状況

ほぼ満室を維持できている物件であれば、そもそもサブリースは不要です。
年間で95%以上の入居率を保っている物件は、極めて健全な物件であることから、サブリースを止めても良いといえます。

サブリース料率

サブリース料率は会社によって異なり、10~20%程度と開きがあります。
一般的に、サブリース料率が10%前後であれば比較的良心的といえるため、継続を検討する余地があるでしょう。 一方で、サブリース料率が20%近くに設定されている場合には、手数料がやや高いと考えられます。 その場合は、更新を機にサブリースをやめるという判断も選択肢の一つとなります。

物件の立地

サブリースの必要性は、物件の立地条件も大きく影響します。
一般的に、立地の良い物件は空室が発生しにくいためサブリースの必要性は低く、反対に立地の悪い物件は空室リスクが高くなるため、サブリースの必要性が高くなります。
たとえば、駅から離れているなど賃貸需要が弱いエリアに建てられている物件は、今後空室が発生するリスクが高いため、サブリース契約を継続することが望ましいです。

物件の築年数

賃貸物件は、一般的に築年数が古くなるほど空室が発生しやすいです。
そのため、サブリースは築年数の古い物件ほど必要性が高くなります。
たとえば、現時点で築30年を超えているような物件は、無理にサブリースをやめる必要はありません。
築古物件は、今後ますますサブリースの有用性が高まっていくため、サブリース契約を継続することをおすすめします。

大規模修繕の実施状況

大規模修繕を怠っている物件は、建物の劣化が早まり、今後空室が増えていく可能性があります。そのため、サブリースを継続する必要性は高いです。
一方で、適切なタイミングで大規模修繕を実施している物件は、立地が極端に悪くない限り、大きな空室が発生しにくい傾向があります。 このような場合には、更新を機にサブリースをやめるという選択肢も十分に考えられます。

募集家賃の設定状況

長らく「岩盤物価」といわれてきた家賃も、近年はようやく上昇傾向にあります。
中古物件であっても、以前より募集家賃が高く設定されているケースは少なくありません。

一方で、サブリース契約はサブリース会社から支払われる賃料が固定のため、家賃上昇の恩恵を享受しにくくなっています。
家賃上昇局面では、オーナーの知らないところで入居者の家賃が引き上げられ、サブリース会社だけが得をしているケースも見受けられます。
そのため、自身の物件や周辺の類似物件の募集家賃が上昇している場合には、更新を機にサブリース契約を解除することも適切な判断といえます。

なお、不動産の家賃は価格に遅れて値動きする特徴があり、価格の上昇が続いている以上、家賃も当面は上昇基調が続く可能性が高いと考えられます。
しかも、家賃は価格に遅れて動くため、仮に不動産価格が下落し始めたとしても、家賃はしばらく上がり続ける可能性が高いです。
今後も一定期間の家賃上昇が見込まれることを前提に、サブリース契約を見直してみるのも一つの選択肢といえるでしょう。

サブリースを続ける・やめる場合のメリット・デメリット

サブリースを続ける・やめる場合のメリット・デメリット

サブリースを続けた場合のメリットとデメリットと、やめた場合のメリットとデメリットは表裏一体の関係にあります。
それぞれのメリットとデメリットを示すと、下表の通りです。

契約 メリット デメリット
続けた場合 ・空室リスクを直接負わすに済む
・収益が安定する
・管理の手間がほとんどかからない
・収益性は低いままとなる
・家賃上昇の恩恵を享受しにくい
・サブリース会社への依存度が高い
やめた場合 ・収益が高まる可能性がある
・家賃上昇の恩恵を享受しやすい
・実力の高い管理会社を選べる
・空室リスクを直接負う
・収益が不安定になる可能性がある
・管理の手間が発生する

サブリース契約を続けるメリットとしては、空室リスクを直接負わすに済むため、収益が安定する点が挙げられます。管理の手間もほとんど発生しない点もメリットです。
一方で、サブリース契約を続けるデメリットは、収益が低いままの状態が続き、仮に家賃が上昇してもその恩恵は受けにくい点が挙げられます。
空室状況もサブリース会社の賃貸仲介の実力に大きく依存してしまうため、管理会社を変更して空室を解消するといった対策を打ちにくいという課題もあります。

空室が深刻な物件で検討すべきこと

サブリース契約は、空室が発生しにくい物件では必要性が低く、空室が発生しやすい物件では必要性が高いといえます。
そのため、空室リスクが高い物件は、基本的にはサブリース契約を継続することが望ましいです。

ただし、あまりにも空室が多い物件は、サブリース契約だけでは限界があります。
空室率が高すぎると、サブリース会社から支払われる賃料自体が減額されるため、結果として収益がさらに悪化してしまう可能性があります。

また、空室が多過ぎる物件は、単純に築年数が古いだけではなく、間取りなどの設計そのものに問題が潜んでいるケースもあります。
そのため、空室が多くサブリース会社から賃料減額の要求が続く物件は、建て替えも視野に入れて抜本的な対策をすることが望ましいです。

まとめ

以上、サブリースの更新期における判断ポイントについて解説してきました。
サブリース契約を続けるか否かを判断する際には、「過去の賃下げ交渉の有無」や「入居状況」、「物件の立地」などが重要なポイントとなります。 サブリース契約の継続を判断するうえで最も大切なのは、その物件に本当にサブリースが必要かどうかを見極めることです。 物件の状況を見て、必要なら続ける、不要ならやめるというスタンスが自然な判断といえます。

また、空室が深刻な物件は、サブリースの継続だけではなく、建て替えも視野に入れて検討することが望ましいです。 サブリースの更新を機に、建て替えに関してお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。



不動産鑑定士

竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。

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