- 老朽化した建物は、修繕費の負担が増えていく懸念がある
- ハウスメーカーへの相談は無料でできる
- 建て替えは、複数のプランを比較検証することが望ましい
資産3億円以上の経営者様へ
老朽化への気付きと建て替えへの迷い
会社員であるAさんは、親から引き継いだ実家とアパートを所有しています。


実家は首都圏の郊外にあり、築50年以上の木造建築物です。Aさんの実家は、元々先祖が商売をしていた場所にあり、立地も良く、面積も広いという特徴があります。
アパートは実家から少し離れた場所にあり、築40年のファミリー向け、鉄骨造2階建ての物件です。
アパートは駅から若干離れた場所にあり、立地条件は実家よりもやや劣ります。
Aさんは自分でマイホームのマンションを所有しているため、実家はとくに必要としておらず、場合によっては売っても良いと考えています。 現状、実家は倉庫代わりとして使用していますが、空き家となっているため、何かと管理が煩わしいことが悩みです。
一方で、Aさんにとってはアパートの方が大きな悩みとなっています。
賃貸経営に関しては親に任せきりにしていたため、Aさんはそもそも賃貸経営に詳しくありません。 引き継いだアパートは1部屋あたりの賃料が月5万円と低く、その賃料が適正なのかどうかも分からない状況です。空室も増えてきており、親が経営していた時代から、入居者が決まるたびに管理会社にAD(広告宣伝費)を3ヶ月分も支払うことになっています。
また、入居者が退去すると、クロスの張り替え費用などの修繕費も発生し、入居者の入れ替えに伴う費用は、トータルで家賃の6ヶ月分近くにのぼることも多いです。
管理会社からは外壁塗装などの大規模修繕の提案も受けていますが、金銭的な負担が大きく、実施できない状況が続いています。
入居者の入れ替えに伴う費用や、今後の大規模修繕費用の負担も考慮すると、アパートをこのまま保有すべきか、建て替えるべきかで迷っていることがAさんの悩みです。
家族とハウスメーカーへの相談
Aさんは、実家とアパートをどうすべきか、まずは家族に相談しました。
売却するという考えも頭をよぎりましたが、家族としては、先祖代々引き継いできた資産なのだから、売らずに活用しようという意見で一致しました。
しかし、このままメンテナンスしながら保有し続けるか、建て替えすべきかについては、結論が出ません。
そこで、とりあえずハウスメーカーに相談してみようということになり、ハウスメーカーに打診をします。
Aさんはハウスメーカーに相談するのが初めてでしたが、相談は無料であることを知り、安心して相談することができました。
とりあえず2社のハウスメーカーに打診し、それぞれ別日に自宅に来てもらいます。
実家とアパートのそれぞれの状況を説明し、建て替えだけでなく、メンテナンスしながら保有し続ける選択肢もあわせて検討したいことも正直に伝えました。
建物調査と診断で見えてきた課題
Aさんの保有も検討したいという選択肢も踏まえ、2社のハウスメーカーは既存の建物の調査も実施しました。 調査の結果、いずれの会社も建物を今後も維持していくには大規模修繕を実施していくことが必要という結論となり、金額も提示されました。
しかし、一般的に相続で物件を引き継いだ2代目オーナーは運用期間が短いことから、修繕費を十分に積み立てできていない人が多い傾向にあります。
Aさんも、修繕費をねん出できる手持ち資金がありませんでした。
また、大規模修繕を実施したとしても、家賃が上昇する見込みは低いため、費用対効果も勘案した結果、メンテナンスして保有する選択肢は断念しました。
ハウスメーカーからの提案

その後、AさんはB社とC社から、それぞれ新築の提案を受けました。
B社の提案は、実家とアパート、それぞれの土地に新しいアパートを建てるという提案です。
B社からは、2つの新築アパートの建築費と、それぞれの棟の収益シミュレーションが提示されました。
一方で、C社からの提案は、既存のアパートは売却し、実家の方にだけ新築のアパートを建てるという提案でした。 理由としては、既存のアパートを建て替えるには立ち退き料も必要となること、また売却して自己資金を得れば、実家で新築するアパートの費用負担も軽減できることが挙げられます。 賃貸経営に詳しくないAさんは、アパートの建て替えに立ち退きが必要となることを想定していませんでした。
また、家族会議では売却しないことで一致していたため、一方の物件を売却して資金負担を軽くするという発想もありませんでした。
仮に売却するとしても、Aさんは不要な実家の方を売却する考えはありましたが、アパートを売却することは、1人で悩んでいたときは思いつかなかったアイデアでした。
C社からは、実家は立地が良くてアパート向きであること、実家ならすぐに建て替えに着手できること、アパートはまだ相応の価格で売却できること、という説明がありました。
プランの比較検証
2社からの提案を受け、Aさんは2つのプランを比較検証することにしました。
▼B社案とC社案の比較
| B社案 (2棟建て替え) |
C社案 (1棟売却+1棟建て替え) |
|
|---|---|---|
| 家賃収入 | 大きい | B社案よりやや少ない |
| 必要な 頭金 |
2棟分の建築費が必要 → 準備できるか不安 |
既存アパート 売却で確保 → 無理なく準備可能 |
| 立ち退き対応 | 必要 | 不要 |
| 保有資産 | 実家・アパートとも保有 | アパートは売却 (実家のみ保有) |
当初、資産を売却したくないという想いがあったAさんには、B社の2棟の建て替え案も捨てがたいものがありましたが、C社の案にも魅力を感じました。
B社の案の場合、最終的な家賃収入はC社案よりも大きくなりますが、必要な頭金を準備できるかという問題と、立ち退きに不透明さが残るという問題があります。
一方で、C社の案の場合、最終的な家賃収入はB社案よりも少なくなるものの、資金負担が軽くなり、立ち退きも不要となる点が、Aさんにとって現実的な選択でした。
必要な頭金も、既存のアパートを売却することで確保でき、無理なく新築アパートを建てることができます。
家族と再度相談した結果、C社の案を採用することにしました。
銀行との相談
Aさんは、C社とのプランをブラッシュアップした後、資金調達のために銀行に相談をしに行きました。
C社は銀行ともコネクションがあるため、有利な条件を引き出せそうな銀行についてもC社に紹介してもらいました。 C社の案は極めて堅実かつ現実的であることから、銀行との交渉もスムーズに進み、低金利の融資条件も引き出すことができました。
着工決定
C社は関連会社に不動産会社も持っているため、既存のアパートの売却もC社が窓口となって対応し、高値で売却することに成功しました。
売却により資金も確定したため、C社と請負契約を締結し、建て替えに至りました。
一人で考えていたら、C社のような大胆な案は思い浮かばなかったことから、Aさんは早めにハウスメーカーに相談して良かったと感じています。
まとめ
以上、2代目オーナーによる建て替えのストーリーを紹介してきました。
建て替えのきっかけは、人それぞれです。 この記事で紹介したストーリー以外にも、さまざまな理由で建て替えを決断するケースもあると思います。 いずれにしても、建て替えを検討したいと思ったら、まずはハウスメーカーに相談することが望ましいです。
ハウスメーカーに相談すれば、自分では想像もしなかった、望ましい選択肢が見つかることもあります。
まずは建て替えについて知りたい方は、下記よりお気軽にご相談ください。
資産3億円以上の経営者様へ
不動産鑑定士
竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。
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