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更新日:2026.11.04

物流倉庫の需要はなぜ伸びている?都市近郊の中小型倉庫という選択肢

物流倉庫の需要はなぜ伸びている?都市近郊の中小型倉庫という選択肢

EC市場の拡大に伴い、物流倉庫には、郊外の大規模な物流施設だけでなく、消費地に近い都市近郊でも中小規模の施設の需要が存在します。 たとえば、ラストワンマイル配送拠点であれば、都市部の中規模の遊休地でも土地活用の選択肢となる可能性があります。 しかし、物流施設による土地活用というと、郊外の大規模な敷地で行うものというイメージが強く、都市型のラストワンマイル配送拠点は、まだ認知度が低いのが現状です。 では、都市近郊の中小型倉庫による土地活用とは、どのようなものなのでしょうか。 この記事では、「都市近郊の中小型倉庫による土地活用」について解説します。

  • 倉庫の土地活用には、ラストワンマイル配送拠点という選択肢がある
  • ラストワンマイル配送拠点なら、必ずしも高速道路のICに近い必要はない
  • 倉庫の土地活用は、実績のある建設会社に相談することが第一歩となる

もくじ

  1. EC市場の拡大で高まる倉庫需要

  2. ラストワンマイル配送拠点とは

  3. ラストワンマイル配送拠点が土地活用に向いている理由

    1. 中規模の遊休地でもできる

    2. 賃貸需要が底堅い

    3. IC付近でなくても成り立つ

  4. 物流倉庫の検討の進め方

    1. 実績のある建設会社に相談をする

    2. 土地の条件を確認する

    3. 候補となるテナントに可否を判断してもらう

    4. 建築費と収支を確認する

    5. ほかの用途の可能性も検討する

  5. まとめ



EC市場の拡大で高まる倉庫需要

EC市場の拡大により、物流倉庫の需要が高まっています。
インターネットで商品を購入する人が増えた現代社会では、商品を保管するだけでなく、注文を受けてから消費者へ効率よく届けるための物流網の構築が必要です。

とくに近年の物流は、配送のスピードや利便性が重視されるようになってきたため、消費者に近い場所に物流拠点を設けるニーズが高まってきました。
具体的には、大規模物流倉庫を郊外に置くだけでなく、消費者に近い都市近郊に中小規模の中継倉庫を配置するというニーズです。

たとえば、成田空港周辺の大規模物流倉庫から東京23区へ配送する場合、その間に中継倉庫が1つもなければ、再配達が発生するたびに荷物を成田空港周辺の倉庫まで戻して再保管しなければなりません。
中継倉庫がないと配達員の移動距離が延び、再配達への対応や配送スピードなどの利便性が低下することから、EC市場が拡大するほど中継倉庫の必要性も高まるといえます。

ラストワンマイル配送拠点とは

ラストワンマイルとは、物流センターなどから商品を最終的な届け先まで運ぶ「最後の区間」のことです。
ラストワンマイル配送拠点とは、この最終配送を効率的に行うために、消費地に近い場所に設けられる物流施設のことを指します。

物流の流れとラストワンマイル

たとえば、大手宅配事業者が各地域に設けている集荷や配達を行う営業所は、ラストワンマイル配送拠点の一つの例です。 ラストワンマイル配送拠点は、大規模な物流施設とは異なり、比較的小規模な倉庫であることが多く、都市近郊の中規模な土地の活用方法としても注目されています。

ラストワンマイル配送拠点のメリットは、最終配送先に近い場所に中継倉庫があることで、最終配送を効率化できるという点です。 配送距離が短くて済むため、一旦荷物を持ち帰らなければならない再配達などにも柔軟に対応することができます。

一方で、ラストワンマイル配送拠点のデメリットは、中継地点で荷物の積み下ろし作業が発生し、その分の手間やコストがかかるという点です。 また、トラックの出入りが多くなるため、周辺道路の交通量が増え、近隣への配慮が必要になる点にも注意が必要です。

ラストワンマイル配送拠点が土地活用に向いている理由

この章では、ラストワンマイル配送拠点が土地活用に向いている理由について解説します。

中規模の遊休地でもできる

ラストワンマイル配送拠点は、中規模の遊休地でも活用対象となるという点が特徴です。
都市部では、500~1,000坪程度の面積の土地がラストワンマイル配送拠点として活用されています。
大型物流施設となると3,000~4,500坪程度の敷地が必要となりますが、ラストワンマイル配送拠点ならそれほど大きくない土地でも対象となります。

賃貸需要が底堅い

倉庫は、EC市場の拡大や配送事業者の物流効率化を背景に、賃貸需要が底堅い傾向にあります。 とくに都市近郊では、消費者に近い場所にラストワンマイル配送拠点を設けることで、商品の保管や配送を効率化できるため、一定の物流需要が期待できます。
また、景気が悪化しても、食品や日用品の流通そのものがなくなるわけではないため、需要が大きく落ち込みにくいといえます。

さらに、ラストワンマイル配送拠点は、借り主が一旦入居すると、その拠点を前提に配送ルートが構築されます。 そのため、借り主は短期間で移転しにくく、結果的に退去されにくいです。
一棟貸しは、退去されると賃料収入がなくなるリスクがありますが、ラストワンマイル配送拠点は退去リスクが低いため、一棟貸しであっても安定した収益を期待することができます。

IC付近でなくても成り立つ

ラストワンマイル配送拠点は、必ずしも倉庫用地としての一等地でなくても成り立つ点が特徴です。
倉庫用地としての一等地とは、たとえば高速道路のIC(インターチェンジ)へのアクセスが良い立地が挙げられます。
大型物流施設は広域に配送するため、ICへのアクセスが重視されます。 一方で、ラストワンマイル配送拠点は都市部の消費地に近いことが求められるため、ICに近くなくても需要が見込めます。

物流倉庫の検討の進め方

この章では、物流倉庫の検討の進め方について解説します。

実績のある建設会社に相談をする

物流倉庫を検討するにあたっては、物流施設の建築実績がある建設会社に相談することが重要となります。 倉庫の建築実績が多い会社は、設計や建築のノウハウも豊富であり、敷地の条件から、倉庫が建築可能かどうかや、より良い倉庫を建てるための方法を判断できます。
また、建設会社は借り主(テナント)となる物流事業者を探す役割も果たします。
倉庫の建築実績が豊富な会社は、すでに物流事業者と複数のコネクションを構築しており、より良い条件の借り主が見つかりやすいです。

土地の条件を確認する

倉庫はどこにでも建てられるわけではなく、倉庫を建てるにあたり法令や道路幅員、敷地形状などの条件を満たしていることが必要です。 法令制限の代表的なものとしては、用途地域(一定のエリアで建築可能な建物用途を定めた都市計画の制限のこと)があります。
また、トラックの出入りを容易にするため、前面道路の幅員が広く、間口もある程度広いことが求められます。 土地の条件に関しては、最終的には建設会社やテナントが判断してくれます。

候補となるテナントに可否を判断してもらう

建設会社に倉庫の相談をすると、建設会社が候補となるテナントに打診し、テナントが賃貸の可否を判断します。 物流事業者は配送ルートや物流需要、トラックの動線、ほかの拠点からの距離などを総合的に判断したうえで借りるかどうかを決定します。
たとえば、すでにある営業所との位置関係の都合により、ある物流事業者に断られたとしても、ほかの物流事業者は借りるかもしれません。 そのため、より多くの物流事業者に打診するためにも、倉庫の建築実績が豊富な会社に依頼することが重要となります。

建築費と収支を確認する

プランの骨格と候補のテナントが決まると、建設会社は収益シミュレーションも提案してくれることが一般的です。 収益シミュレーションでは、家賃収入だけでなく、固定資産税や保険料などのランニングコストも盛り込まれます。 建築費をもとに借入金の額が決まるため、家賃収入からランニングコストを差し引いた収益で、借入金をきちんと返済できるかを確認することがポイントです。

ほかの用途の可能性も検討する

ラストワンマイル配送拠点に適した土地は、都市近郊にある比較的大きな土地です。
都市近郊の比較的大きな土地には用途の多様性があり、別の用途による土地活用ができる可能性が十分にあります。
たとえば、賃貸マンションや商業施設、高齢者施設などの選択肢も考えられます。
より収益性の高い土地活用が見つかるかもしれないため、まずはさまざまな用途を比較検討したうえで、最終的にラストワンマイル配送拠点を選ぶ流れが適切といえます。

まとめ

以上、都市近郊の中小型倉庫による土地活用について解説してきました。
EC市場が拡大している中、都市近郊でもラストワンマイル配送拠点の需要が高まっています。 ラストワンマイル配送拠点は、個人が保有している規模の土地でも選択できる可能性のある土地活用です。 都市近郊の中小型倉庫の土地活用を始める場合には、まずは実績のある建設会社に相談することが第一歩です。
ラストワンマイル配送拠点などの倉庫による土地活用についてお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。



不動産鑑定士

竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。

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