- 都市ガスとプロパンガスの特徴やメリットはそれぞれ異なる
- 都市ガスとプロパンガスの料金システムにも違いがある
- ガス料金を抑えるにはいくつかのポイントがある
日頃から使っているガスには、種類があることをご存じでしょうか。主に家庭で使用されているガスは、「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があります。それぞれ特徴が異なり、どちらを使用しているかによって料金も変わってきます。今回は都市ガスとプロパンガスの違いや、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
都市ガスとプロパンガスの特徴
「都市ガス」と「プロパンガス」の名前は聞いたことがあっても、それぞれの特徴を把握したうえで利用している方は少ないのではないでしょうか。ここでは、都市ガスとプロパンガスとの違いや、供給方法などについて解説します。
使用している原料がそれぞれ異なる
同じガスでも、都市ガスとプロパンガスでは原料が異なります。都市ガスの場合は液化天然ガス(LNG)を使用し、プロパンガスは液化石油ガス(LPG)を使用しているのが特徴です。賃貸などで使用できるガスの項目に「LP」とあれば、プロパンガスのことを指しています。
都市ガスは地下からプロパンガスはボンベ交換で供給される
ガスの種類によっては、供給方法にも違いがあります。都市ガスの場合は、地下のガス導管を通じて家庭までガスが届けられる仕組みとなっています。
プロパンガスの場合はガスボンベで供給されるため、ガスがなくなればガスボンベを交換しないと使用できません。
ガス漏れしたときの対応が異なる
それぞれガスの重さが異なるため、ガス漏れしたときの対応も異なります。都市ガスの場合は空気より軽い性質のため、窓を開ければ自然とガスが排出されます。
プロパンガスの場合は空気より重いため、ガス漏れした場合は床に溜まってしまいます。万が一、プロパンガスが漏れてしまった場合は、ほうきなどで掃いて外に排出しましょう。
物件によって使用しているガスを見分ける方法
物件によって使っているガスは異なりますが、物件の外観や室内をチェックすることで使用するガスを見分ける方法があります。
外観から使用するガスをチェックする方法として、物件の敷地にガスボンベが設置されていれば、プロパンが使用されていることがわかります。ガスボンベが敷地内に見当たらない場合は、都市ガスが使用されている可能性があります。
また室内からチェックする方法は、ガスコンロの表示やガス警報器の位置によって判別できるでしょう。ガスコンロに「12A」「13A」「都市ガス用」などのシールが貼られていれば、都市ガスが使用されています。
一方、ガスコンロに「LPG」「プロパンガス用」と表記されていれば、プロパンガスが使用されていることがわかります。ガス警報器の位置で見分けるには、都市ガスなら壁の上、プロパンガスなら壁の下にあるかどうかでも判断できます。
都市ガスとプロパンガスそれぞれの利点
どちらのガスを使用するかによって、それぞれメリットとデメリットが異なります。都市ガスはリーズナブル、プロパンは災害に強いなどのメリットがあるでしょう。ここからは、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。
都市ガスは料金価格が安いなどのメリットがある
都市ガスは、比較的ガス料金が低く設定されているのがメリットです。2017年4月からスタートした「ガス自由化」では、料金やサービス内容などによって自身で自由にガス会社を選べるようなりました。ただ、ガス会社によって金額に大きな変動はないため、ガス会社によって大きく価格が異なることはありません。
また、都市ガスは地下からガスを供給しているため、プロパンガスのようにガスボンベを置くためのスペースを確保する必要がありません。
都市ガスは災害時の復旧が遅いなどのデメリットも
地下にあるガス管が万が一災害などで破裂した場合、復旧するまでに時間がかかってしまうのが都市ガスのデメリットです。
エリアごとにガス管の検査を実施する必要があるため時間がかかってきます。また、状況によってはガス会社を切り替える際に工事が必要になるため、初期費用が高くなる可能性があるでしょう。
プロパンガスは大掛かりな工事が不要で災害に強いのがメリット
ガスボンベを設置すればすぐに使用できるプロパンガスは、ガス管を通すなどの大掛かりな工事が不要です。万が一、災害でガスボンベが破裂しても新しい物に交換すれば、素早くガスが使用できます。
またプロパンガスを新たに導入する際は、工事などの初期費用がかからないので費用が抑えられるのも利点です。
プロパンガスは料金が比較的高い傾向にある
プロパンガスはガス会社によって、使用料金が異なります。都市ガスと比較すると、1.8倍から2倍程度高いと言われています。
またプロパンガスの場合、開栓手続きを行う際に立ち会いが必要だったり、保証金が発生したりする物件もあります。物件を探す際には、しっかり確認したうえで契約することが大切です。
都市ガスとプロパンガスでは料金システムに違いがある
ガスの小売全面自由化に伴い、自由にガスの供給元が選べるようになったことで自由度が高まっています。ここからは、ガスの小売全面自由化の内容や料金システムの違いについて紹介していくので、参考にしてみてください。
都市ガスも2017年4月から自由化が開始
2017年4月までは、家庭向けの都市ガスは地域の都市ガスを取り扱う会社が提供していました。しかし自由化が図られたことで、家庭ごとに自由にガスの供給元が選択できるようになったのです。
都市ガス間で契約する会社を変更する場合は、工事などの手間がかからず品質も大きな変化はありません。ただし、プロパンガスから都市ガスに切り替える際には、ガス導管を自宅までつなげる工事が必要になるため、まずはガス導管が通っていることを確認しましょう。なお、賃貸物件での工事は基本的にNGです。
都市ガスは「総括原価方式」を採用
都市ガスの料金システムは、「総括原価方式」で定められています。ガスを安定供給させるために必要な費用の総額によって、料金が定められるのが特徴です。
この方式を採用することにより、ガス会社は安定した経営が実現できますが、利用者としてはコストダウンの期待ができず、料金は一定となることが多いでしょう。
プロパンガスは「輸入価格連動方式」を採用
プロパンガスの料金システムは、サウジアラビアの石油会社が毎月定めたガス料金(CP)と、米国産ガス料金(MB)をもとに計算される「輸入価格連動方式」が採用されています。このCPとMBを掛けることで算出された原価に、固定費をプラスするとプロパンガスの金額が決まってきます。
取り扱っている会社によって価格が変動しやすいので、よく確認したうえで契約する必要があります。
都市ガスのほうが毎月お得でも切り替えるときの初期費用が高い
ガス料金を比較すると、都市ガスのほうがお得な一面があります。そのため都市ガスへの切り替えを検討する方もいるでしょう。しかし、プロパンガスから移行する際に注意しておきたいのが、都市ガスに変更するときはガス管を通すための工事費用がかかるという点です。
都市ガスに変更する際は、初期費用が高くついてしまうことを理解したうえで検討してみてください。
ガス料金を今よりも抑える方法
現在のガス料金が高いと感じている場合、どのようにして価格を抑える必要があるのでしょうか。ここでは、ガス料金を抑える方法について解説していくので、参考にしてみてください。
現在契約しているガス会社を変更する
ガスが自由料金となったことから、家庭ごとに契約するガス会社を変更することができます。ガス会社によって、提供しているガス料金は異なるので、比較してより安い会社と契約すれば節約につながるでしょう。
ただし、賃貸物件によってはガス会社を変更できないケースがあるので、事前に確認しておく必要があります。
日頃使用しているガスを節約する
すぐに実践できるガス代の抑え方として、ガスの使用を節約する方法があります。簡単な方法は、シャワーの利用を控えたり節水モードにして使用したりすること。ほかにも、料理を作る際には保温調理をするなど、ガスを利用しすぎないように工夫するのが一番の近道です。小さな積み重ねですが、習慣化すれば大きな節約につながるでしょう。
プロパンガスから都市ガスに移行する
先述のとおり、プロパンガスから移行する際には、ガス管を新たに通す必要があるため、工事費用がかかることがほとんどです。また物件によっては、都市ガスに移行できない可能性もあるので事前に確認しておく必要があります。
なお、賃貸物件では、個人の判断だけで変更はできません。都市ガスに変更したい場合は、オーナー側の判断が必要になってきます。
引っ越しでガス会社を変える際の注意点
引越し先でガス会社を変更したい場合、賃貸物件であってもガス会社を変更できるケースがあります。事前にオーナー側に相談して、了承を得る必要があるでしょう。
また賃貸物件によっては、ガス会社が指定されていることもあり、変更できないケースがあります。ほかには、ガスの種類を変えて節約したい場合でも、ガス器具の買い替えが求められることも。余計に費用がかかるだけでなく、対応するガスの種類によってはガスコンロなどが使用できなくなる可能性があることも念頭に置きましょう。
ガスを選ぶときはメリットや料金について把握しておこう
ガスの自由化に伴い、ガス会社の選択肢が広がりを見せています。ただ都市ガスとプロパンガスは、それぞれメリットやデメリットがあるので、事前に把握したうえでガスの切り替えを検討していきましょう。
とくにガスの種類を切り替えるときは、工事や機器の変更が求められることがほとんどです。対応しているガスなどにも着目したうえで、希望条件に合う物件を探してみてくださいね。
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