- ツーバイフォー(2×4)は高度成長時に需要が高まった工法
- ツーバイフォー(2×4)と在来工法には、「面」と「線」で構造の違いがある
- 住宅や賃貸を決める際の工法の構造や工法の選び方を知ろう
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住宅を選ぶ際には、工法(建物の建て方)についてもある程度知っておくことが大切です。工法によってはメリットやデメリットが異なるので、より理想的な住まいを選ぶためにも理解が必要になります。そのなかでもツーバイフォー(2×4)は、さまざまな性能に優れている特徴を持っているので、採用されている建物は安心感があるでしょう。
今回は、ツーバイフォー(2×4)とはどんな工法なのか、また在来工法との違いについても解説していきます。
ツーバイフォー(2×4)は高度成長時に広まった工法
日本でのツーバイフォー(2×4)の歴史は、国土交通省が建築基準法に基づく一般工法として認可したことから始まります。需要が高まったのは、高度成長時に住宅を建てたい人が増えたことがきっかけです。ここでは、ツーバイフォー(2×4)の特徴について紹介していくので、参考にしてみてください。
ツーバイフォーは木造枠組壁工法の一種
ツーバイフォー工法とは、一般的に木造建築の「木造枠組壁工法」の一種とされています。家を建てるときに、2インチ×4インチのサイズの木材を使用するため、「ツーバイフォー(2×4)」と呼ばれているのです。
すでに定められているサイズの木材を使用して構造設計を行うため、住宅の質が職人の腕に左右されにくいのが特徴です。単純な工法ではあるものの、住宅の形になれば十分な耐久性を持つため、最近の住宅建設で取り入れている建築会社も多い傾向にあります。
ツーバイフォー住宅の着工戸数の推移
最近では、ツーバイフォー工法が建築会社で使用されるケースが増えています。「日本ツーバイフォー建築協会」が発表したデータでは、全新設住宅着工を占めるシェアで年々、数を伸ばしており、2020年時点では全新設住宅着工数の11%程度がツーバイフォー住宅という結果が出ています。
基本性能に優れている「ツーバイフォー工法」のメリット
ツーバイフォー工法は、木材の寸法など定められた物を使用するため、単純な構造設計が実現しています。しかし基本性能には優れており、耐震性や耐風性が高いのが特徴です。ここからは、ツーバイフォー工法を利用するメリットについて、詳しく解説していきます。
面で構成されているため耐震性や耐風性に優れている
ツーバイフォー工法のメリットとして、耐震性・耐風性に優れている点が挙げられます。面で構成されているツーバイフォー工法は在来工法と比較すると、木材の隙間が少ないため、風が入り込む場所がほとんどありません。
また木材が結合している部分には、補強金物などが使用されるケースが多く、建物の強度が高められ安定した耐震性を保つことができます。
木材の厚みがあるため耐火性に優れている
ツーバイフォー工法は特別な施行をしなくても、「省令準耐火構造」の基準を満たしているのが特徴です。火災が発生しても火が出にくい構造設計になっており、耐火性に優れています。
木造建築であるため、ツーバイフォー工法は火災に弱いといった印象を持つ方がいるかもしれません。しかしツーバイフォー工法は、一定以上の厚みがある木材が使用されているので、内部まで火が移る心配が少ないです。
断熱性に優れているため耐久性や省エネ性が高い
住宅は結露の影響によって、腐食したりカビが発生したりするので、耐久性が失われていく危険性があります。ツーバイフォーの場合、断熱性に優れる特徴があるため、外気の影響が緩和され結露が発生しにくいのが魅力です。
また断熱性が高いことから、外気が変化しても室温は急激に変化しないため、冷暖房の使用が抑えられ光熱費を安く済ませられるメリットもあります。このように、より快適な室内環境に整えたいという方に、おすすめの工法と言えます。
定められている木材を使用するため工期が短い
在来工法の場合は、専門的な技術を持っている職人が手作業で住宅を組み立てるケースが多いでしょう。ツーバイフォー工法では、もともと定められている木材を使用するため、比較的工期は短いのが特徴です。
また職人の腕による、住宅建築の質の差が出にくい工法なので、安定した品質で住宅を建てられるのがメリットとなっています。
ツーバイフォー工法と在来工法では何が違う?
今ではツーバイフォー工法で住宅が建てられることが増えていますが、伝統的な住宅工法である「在来工法」によって建設される建物もあります。在来工法は職人が手作業で実施するため、職人によって質は変わってくるでしょう。ツーバイフォー工法と在来工法では、どのような違いがあるのか詳しく解説します。
在来工法は「木造軸組工法」と呼ばれる伝統的な工法
面で住宅を構築するツーバイフォー工法とは異なり、在来工法は線で住宅を構築していきます。「木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)」と呼ばれており、古民家などの多くが在来工法で建築されています。
とくに木材の規格などが定められているわけではないため、設計の自由度が高いのが特徴です。地域の気候に合わせて建物を工夫するなど、職人の技術によっては住みやすい住宅づくりが実現できます。ただツーバイフォー工法と比較すると、工期が長くかかってしまい、品質は職人の腕によって左右されるケースが多いでしょう。
面で構築されているため自由度が利きにくい
基本性能が高いためメリットも多いツーバイフォー工法ですが、デメリットに感じられる部分もあります。それは面で住宅が構築されるため、後からリノベーションなどの間取り変更ができない点です。
住宅を構築している面を崩してしまうと、住宅の強度が下がってしまう恐れがあるため、比較的自由度は低いと言えるでしょう。
ツーバイフォー工法は対応できる建築会社が限られる
徐々にツーバイフォー工法で建築される建物は増えてきていますが、在来工法と比較すると対応してくれる建築会社は限られています。在来工法からツーバイフォー工法に切り替えている建築会社はまだ少ない傾向にあるので、希望する際は慎重に建築会社を選ぶことが大切です。
構造や工法を決めるうえで大切なポイント
ハウスメーカーによって、得意な構造や工法は異なります。そのため、一つのハウスメーカーに相談するのではなく、構造や工法などの建築プランの提案をしっかり受け、比較するようにしましょう。ここでは、構造や工法を決めるうえでどのようなことが重要なのか、選ぶうえで大切なポイントを解説します。
敷地の形状によっては工法が限られてくる
どこに住宅を建てるのかによって、選べる工法は変わってきます。たとえば狭小地に住宅を建てる場合、大きな機材を使用する工法は選べません。搬入できる経路があれば問題ありませんが、時間がかかり過ぎてしまう可能性があります。事前にどのような工法なら対応してもらえるのか確認しましょう。
工法次第では実現できる間取りが違う
自分が理想とする間取りがあれば、ハウスメーカーと相談したうえで、どのような工法であれば実現できるのか確認しておきましょう。工法によっては間取りの自由度が低く、制限されてしまう可能性があります。好きなデザインなども実現できるのか、打ち合わせの段階で質問しておくことが重要です。
工法によって品質に違いが出る可能性
住宅を建てる際には、工法によって品質に差が出る可能性について理解しておく必要があります。在来工法の場合、職人が手作業で組み立てる部分が多いため、職人の腕によって品質が変わってくるでしょう。
しかしツーバイフォー工法なら、職人の腕に関係なく一定の品質で住宅を組み立ててもらうことができます。品質の安定度などについても意識したうえで、工法を選ぶことが重要です。
工法によって住宅完成の納期が変わってくる
住宅がいつまでに完成するのか、納期は工法によって変わってきます。在来工法の場合は手作業で住宅を建てる部分があるため、比較的完成まで時間がかかるでしょう。
ツーバイフォー工法の場合は、一定のサイズの木材を使用するので、住宅完成の納期は短くなります。住宅完成の納期が短いほうがよい場合は、ツーバイフォー工法がおすすめです。
賃貸でもツーバイフォー工法を取り入れている物件もある
賃貸物件で部屋を探しているなら、より安全性の高い工法が採用されている物件を選ぶ必要があります。たとえば在来工法よりも、ツーバイフォー工法のほうが耐震性に優れているので、賃貸物件を探す際の参考にしてみるとよいでしょう。
耐震性に優れている工法を活用して組み立てられた賃貸物件は多いので、物件情報などはしっかり確認して部屋を選んでください。
気になる賃貸物件は不動産会社で工法の仕組みを確認
物件情報を見ているなかで、気になる賃貸物件があれば、実際に不動産会社に確認して、工法の仕組みなどを確認してみてください。どのような工法かによって、耐震性や断熱性などは異なるので、住みやすさが変わってきます。
不動産会社なら賃貸物件の情報は把握しているため、気になる物件がある場合には、すぐに確認をとってみましょう。
実際に内見して賃貸の室内状況を確認
賃貸物件の工法によっては、室内環境が異なるケースがあります。たとえばツーバイフォー工法なら断熱性が高いため、外の気温の影響を受けずに、室内を適温に保ってくれるでしょう。
図面で間取りは把握できても、正しく室内環境を把握することはできません。しっかり内見して、物件の室内状況を確認したうえで部屋を選ぶことが大切です。
隣接した部屋の生活音は聞こえにくいかどうか
部屋を選ぶ際に、隣接した部屋からの生活音が聞こえにくいかどうか、事前に確認しておくことが大切です。工法によっては気密性なども異なるため、生活音の聞こえ方が変わってきます。
ツーバイフォー工法なら高気密であるため、外からの騒音が響きにくい性質を持っています。賃貸物件の工法によっても遮音性に違いがあるので、よく性質を理解したうえで部屋を選ぶ必要があります。
ツーバイフォー工法は基本性能が高いものの制限がある
ツーバイフォー工法を採用している建物は年々増えており、日本ツーバイフォー建築協会のデータを見ても、今後は主要な工法となってくるでしょう。耐震性や断熱性が在来工法よりも高い傾向にある一方で、間取りの自由度が低いなどのデメリットもあるので注意しましょう。
また賃貸物件を選ぶ際には、工法によって住みやすさなどが異なることも把握しておく必要があります。より快適な環境が整っている部屋を探すためにも、内見などはしっかり行っておきましょう。物件をお探しの方は、下記より気軽にお問い合せください。
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