- 物件探しは、できるだけ期間に余裕を持って早めに動き始めるのが肝心
- 女性の場合はやはりセキュリティ面も大事にしたい
- 物件選びでは家賃を無理なく払えることが最優先。不確定な収入はあてにしない
春は始まりの季節。この春から大学進学や就職を機に一人暮らし始める、という方も多いでしょう。しかし、初めての一人暮らしには不安が付きもの。物件探しから契約、引越しまで初めて経験することばかりで、「何からどう始めればいいかわからない」のではないでしょうか。
この記事では、これから一人暮らしの準備を始める方に向けて、物件を探す際のポイントや必要な初期費用、月々の生活費などについて解説します。
まずは全体像を押さえよう!家探しから入居までの手順と期間
一人暮らしの第一歩として行うのが、「住む部屋を探す」という作業です。まずは全体像をつかむため、家探しから入居までの流れを、手順や必要な期間とともに見ていきましょう。
STEP1:部屋探し
まずは住む家を探すところから始まります。住まい選びは、今後の一人暮らしを左右すると言っても過言ではない重要なイベント。「学校や職場に通いやすい場所ならどこでも……」といったように、安易に決めるのは考えものです。
一人暮らしを始めるというのは、精神的にも肉体的にも大変なこと。住み始めてから不便な点や問題点がでてきてしまうと、学業や仕事に支障が出てしまうかもしれません。さまざまな条件をよく考慮したうえで、快適に生活できる住まいを選びましょう。
いい物件を見つけるポイントは、早めに動き始めること。そして気になる物件と出会ったら、内見を通して自分の目で確認することをおすすめします。家を探す期間は、最低でも1ヶ月程度を想定しておきましょう。
【部屋探しのステップ】
STEP1:「理想の部屋」に求める条件を絞り込む
STEP2:不動産ポータルサイトなどで候補となる物件を探す
STEP3:よさそうな物件が見つかったら不動産会社に相談する
STEP4:候補となる物件の見学(内見)へ行く
STEP5:申し込む物件を決定する
STEP2:入居審査
住みたい物件が見つかったら、続いては入居審査です。賃貸物件を借りる際は大家による入居審査が行われます。この入居審査をクリアすれば、賃貸借契約が結べるという流れです。入居審査や契約の際にはさまざまな提出書類が必要になるため、事前にどんな書類が必要になるのか不動産会社に確認しておくと慌てずに済みます。
【入居審査時(申し込み時)に求められる主な書類】
・入居申込書
・身分証明書
・収入を証明できる書類
入居申込書には、契約者(借り主本人や両親など)の個人情報や連帯保証人の個人情報などを記載するのが一般的です。勤務先の住所や電話番号、資本金、従業員数、自身の年収や勤続年数などの情報が求められます。
STEP3:賃貸借契約
入居審査をクリアしたら、賃貸借契約を締結します。上述したように、賃貸借契約の締結時にはさまざまな書類が必要になります。一般的には以下のような書類があります。
【賃貸借契約時に求められる主な書類】
・身分証明書
・住民票
・印鑑登録証明書
・収入を証明できる書類
・家賃を口座引き落としにする場合は銀行の口座番号がわかるものと銀行届出印
この他に、連帯保証人になってもらう人に関する書類として、身分証のコピー・住民票・印鑑登録証明書・収入を証明できる書類・賃貸借契約書への署名と実印の押印などが挙げられます。
場合によっては、この他にも必要な提出書類があるかもしれません。不動産会社によって必要書類が異なる場合もあるので、事前に聞くなどして、用意できるものから早めに準備しておきましょう。物件を申し込んでから入居審査を受け、契約を結ぶまでの期間は、1週間程度です。
STEP4:引っ越し・入居
物件の契約まで終了したら、あとは引越しして入居するだけ。ただし、春先は引越し会社にとって一番の繁忙期にあたります。早めに予約しておかないとすぐに埋まってしまうため、「物件は決まっているのになかなか引越しできない」という事態にもなりかねません。
また、引越しの前後で今住んでいる場所(実家など)と新しい入居先の市役所などで、それぞれ住民票の異動や住所変更などの手続きが必要になります。新しい入居先が決まったら、こちらも早めに手続きを行ってください。
契約を結んでから入居までの期間は、最短で1週間程度。ただし、入居者の希望によっては、入居が1ヶ月程度先になることもあるでしょう。家を探す期間に個人差があるため一概には言えませんが、物件探しから入居審査、賃貸借契約の締結、引越し、入居までは、1ヶ月から2ヶ月程度を見ておくと安心です。
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一人暮らしはお金がかかる?初期費用と生活費
「初めての一人暮らし」をこれから始める方にとって、とくに不安を感じているのが「お金」ではないでしょうか。初期費用はいったいいくらかかるのか、ひと月の生活費はどれくらい必要なのかなど、お金に関する不安は尽きません。
そんなお金に関する不安を少しでも解消するために、初期費用や生活費などの「一人暮らしで必要なお金」について解説します。
初期費用
一人暮らしを始めるにあたって賃貸物件を契約する際には、「敷金」「礼金」「不動産会社への仲介手数料」などが必要です。ゼロに設定されているケースもありますが、一般的にはそれぞれ家賃1ヶ月分が相場となります。また、それ以外に前払い家賃(最大1ヶ月分)や火災保険料、鍵交換費用(それぞれ1万5,000~2万円程度)などがかかる場合もあります。
仮に家賃が月6万円だった場合、初期費用だけでも25万円くらい、保証会社利用料などを含めたら30万円前後になります。
引っ越し代
初期費用だけでもかなりの出費となりますが、さらに引越し代がかかってきます。移動する荷物の量や移動距離、引越しの時期にもよりますが、一般的な一人暮らしのケースでは、5万円から6万円くらいが目安になるでしょう。
家具・家電代
最近では家具・家電が備え付けになっている賃貸物件もありますが、自分でそろえなければならないケースのほうが多いでしょう。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、テーブルなど必要最低限のものだけ買いそろえるとしても、数万円から十数万円くらいは必要になります。
女性の場合は化粧台やドライヤーなども必需品と言えるかもしれません。また、最近では学校の授業でもパソコンの使用率が非常に高いため、パソコンも買いそろえるとなると、必要な金額はさらに上がります。
その他雑費
日常生活に必要なトイレットペーパーや洗剤、食器なども買いそろえておかなければなりません。一人暮らしを始めてから「あれもない」「これもない」と慌てないよう、あらかじめ必要なものをリストにまとめておくといいでしょう。
生活費
入居するまでの費用をすべて支払っても、まだ終わりではありません。その後は日々の生活をまかなう費用(生活費)が必要になります。家賃や食費、水道光熱費など、生活していくためにはさまざまな費用を支払わなければなりません。
家賃
生活費のなかでもとくに大きなウエイトを占めるのが「家賃」です。社会人の場合、収入(手取り)の3分の1以内に家賃を抑えるのが理想と言われています。たとえば、手取り20万円の会社員の場合は約6万円、25万円の場合は約7.5万円が家賃上限の目安です。女性の場合、「セキュリティのしっかりした部屋がいい」と考えるなら、家賃はもう少し上がるかもしれません。
学生の場合は親からの仕送りに頼るケースが多いため、親の収入にもよりますが、なるべく家賃の安い部屋を探すことになるでしょう。いずれにしても、生活を圧迫しない程度の家賃設定にする必要があります。
食費
食費は自炊か外食かによってかなり変動しますが、一人暮らしの平均的な食費は約4.4万円と言われています。とくに学生の場合、食費を抑えたいならやはり自炊がおすすめです。自炊する場合は、近所のスーパーなどの特売日をチェックしておくとよいでしょう。
水道光熱費
水道光熱費も、生活するうえで避けられない出費です。一人暮らしの平均的な水道光熱費は、すべて合わせて1.1万円ほど。毎日湯船にお湯を張って入浴したい方は水道代と光熱費、どちらも結構な出費となってしまうため、頻度を減らすなどの必要があるかもしれません。
通信費
スマートフォンやタブレット、パソコンなどでインターネットを使用することが日常的になっている現在では、通信費も不可欠な出費です。一人暮らしの平均的な通信費は約1.3万円。家でも外でも利用できるモバイルWi-Fiを利用すると、通信費のムダをカットできる可能性があります。
雑費
雑費は、トイレットペーパーや洗剤といった日用品の購入などに使う費用です。一人暮らしの平均的な雑費は、1.3万円程度。その他にも、理美容院代、洋服代、女性の場合は化粧品代などがかかってきます。日用品や化粧品の購入は、ドラッグストアの特売日や割引クーポンなどを活用し、可能な範囲で節約に努めましょう。
初めての一人暮らし、物件探しのポイントは?
「初めての一人暮らし」で物件を探す場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか?ここでは気に入った物件を見つけるポイントについてご紹介します。
物件探しのポイント
一人暮らしの物件を探す場合、立地や間取り、家賃など注意すべきポイントがいくつもあります。それぞれのポイントについて見ていきましょう。
立地(物件周辺の環境を含む)
物件を探す場合に最も気になる条件の一つが、立地ではないでしょうか?立地というと「最寄り駅からの距離」や「学校・職場からの距離」に目が行きがちですが、物件周辺の環境も非常に重要です。近くにスーパーがあるか、内科・外科・歯科などの病院があるかなど、生活イメージを持ってしっかり確認しておきましょう。
また、女性の場合は防犯の観点から「最寄り駅から物件までの間に、人通りの少ない道や暗くて危険なルートがないか」も確認する必要があります。ある程度希望の物件が絞れてきたら、家族などと一緒に夜も足を運び、最寄り駅から歩いてみましょう。
コンセントの位置や数
物件を選ぶ際に意外と見落としがちなのが、コンセントの位置や数です。家電を置きたい場所の近くにコンセントがなかったり、そもそも使用する家電の数に対してコンセントの数が足りなかったり――といったケースはよくあります。
数が足りない場合はタコ足配線を購入するという手もありますが、タコ足配線の使用は発火のリスクがあるのでおすすめできません。そういったトラブルを防ぐためにも、内見の際にはコンセントの位置や数を必ずチェックしましょう。
防音性
防音性も、物件選びの重要なポイントの一つです。普段の生活音でも、人によって受け取り方や感じ方が違うため、隣人トラブルに発展することがないとは言えません。木造のアパートなどは、音が響きやすいため要注意。「家賃が安いから」と安易に選ぶと、生活音が気になってストレスになってしまうこともあるでしょう。
音に敏感な方、隣人の生活音を気にせず生活したいという方は、鉄筋コンクリート造のマンションがおすすめです。
収納性
収納の多さも、生活の左右する重要なポイントになります。とくに女性の場合は洋服など荷物の量が多くなりがち。引越しのときは問題ないように思えても、生活していくうちに荷物はどんどん増えていきます。荷物を増やさないようにする意識も大切ですが、収納性を備えた物件を選ぶことも重要です。
アンペア数
電気契約のアンペア数も、意外と見落としがちなポイントです。アンペア数が低いと、「ドライヤーとエアコンを同時に使っただけでブレーカーが落ちてしまった」といったことになりかねません。内見の際は、ブレーカーに記載されたアンペア数を確認しておきましょう。一人暮らしの場合であれば、30Aもあれば十分です。
インターネット環境
インターネット環境は、今や生活に欠かせないインフラの一つ。物件探しの際はインターネット環境も重要なチェックポイントです。最近ではインターネット環境が整っている物件が、以前に比べて格段に増えました。「インターネット完備」の部屋なら、入居したその日からネット接続が可能です。
ただし、「インターネット対応」という物件の場合は利用手続きが必要になるため、入居後すぐに使用できるわけではありません。どちらにもメリットとデメリットがあるので、違いをよく確認して自分に合った物件を選びましょう。
諸経費(共益費など)
賃貸物件を借りる場合に必要となるのは、家賃だけではありません。敷金・礼金はもちろん、管理費や保険料といった共益費、仲介手数料などもかかります。「月々の家賃だけしか見ておらず、契約する際の金額を確認して戸惑った」というような失敗談は意外と多いもの。物件を選ぶ際は、諸経費の情報もきちんと確認しておきましょう。
禁止事項
賃貸物件には禁止事項(借りるうえでのルール)があり、これもまた意外と見落とされがちです。無断転貸やまた貸し、ペットを飼うこと、DIYを含めた大幅な模様替えなど、常識的に考えて当然禁止だろうというものが多いですが、物件を選ぶ際にはきちんと確認しておきましょう。
要注意!家探しや引っ越しのよくある失敗談
ここからは、物件を探す際によくある失敗談をいくつかご紹介します。これらの失敗談を「反面教師」として、納得のいく物件選びに活かしてください。
立地や周辺環境に関する失敗談
物件を選ぶ際、立地や周辺環境を重視するのは間違いではないでしょう。しかし、「立地のよい物件=住みやすい物件」とは限りません。通勤・通学の利便性がよく、買い物スポットも充実している繁華街の近くに住みたいと考える方は多くいますが、「住んでみて失敗したと感じた」というケースも少なくないようです。
問題となったのは、繁華街の騒音。雰囲気が日中と夜でがらりと変わる繁華街近くの物件では、「夜になるとうるさくて、落ち着いて眠れない」という状況もあり得ます。こうした失敗を避けるためにも、繁華街の近くに住みたいと考えている方は、昼だけでなく夜の環境まで必ずチェックしましょう。
1階の部屋を選んだことによる失敗談
これは都内の大学に通うために地方から上京し、一人暮らしを始めた女性の失敗談です。家賃も手頃で日当たりもよく、マンションのひらけた雰囲気が気に入ったのもあって、ベランダ側が道路に面した1階の部屋を契約しました。
しかし、ベランダ側が面していた道路は、通勤や通学で使われる最寄り駅までのメインストリートで、朝から晩まで多くの人通りがありました。同じ目線の高さで行き交う通行人のことが気になって、1日中カーテンを開けることができず、ベランダに洗濯物を干すこともできない状況。そのせいで、かなりストレスのたまる生活を強いられたのだとか。
女性の場合は防犯上の観点からも1階を避け、2階以上の部屋を選んだほうがよいでしょう。また、物件を選ぶ際は必ず内見をし、周辺環境を確認しておくことが大切です。
予算オーバーの物件を選んだことによる失敗談
部屋探しで優先したい条件は人それぞれですが、優先順位をつけ間違えると「こんなはずじゃなかった……」ということにもなりかねません。ある男性は、立地もよく、設備などの条件も希望にぴったり当てはまっている物件に出会い、「これは自分のための物件だ」と感じたそうです。ただし、一つだけ理想の条件に当てはまらなかった点がありました。それが、家賃です。
その男性は、想定より家賃が2万円もオーバーしたその物件と契約したものの、案の定家賃が生活費を圧迫。趣味や飲み会などの交際費にお金を使えなくなり、1年足らずで泣く泣く家賃の低い物件に引越しをしたそうです。
社会人が一人暮らしをする場合、手取りの3分の1以内が家賃の目安と言われています。3分の1を超えると、生活費のどこかにしわ寄せがきてしまうからです。残業代やボーナスなどの不確定な収入をあてに契約をすると、こうした失敗のリスクが高まります。物件を探す際は、「無理なく家賃を支払える物件」を選ぶことが大前提。予算の優先順位は、下げないようにしましょう。
いい物件とともに快適な新生活を始めましょう!
今回は、初めて一人暮らしをする方のために、物件探しのポイントや一人暮らしでかかる初期費用、月々の生活費などを、よくある失敗談を交えながらご紹介しました。
入居までに1~2ヶ月かかることを考えると、物件探しはなるべく早く始めるのが得策です。スタートが遅れるといい物件はどんどん埋まっていき、引越しも遅くなり、繫忙期に入れば引越し会社の予約がどんどん取りづらくなっていきます。できるだけ余裕を持って部屋探しを行い、自分に合った物件を見つけて春からの「快適な新生活」につなげましょう。
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