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病院・医療施設による不動産活用!特徴と具体的手順を解説

更新日:2024.08.05

病院・医療施設による不動産活用!特徴と具体的手順を解説

土地活用の選択肢の中に「病院・医療施設」があります。 今後、高齢者はますます増加していきますので、高齢化社会において不可欠な施設である病院・医療施設は、将来性のある土地活用といえます。 病院・医療施設は、都市部だけでなく田舎でも選択できる可能性が十分にある土地活用ですが、どのように進めていけば良いのでしょうか。 この記事では「病院・医療施設の土地活用」について解説します。

  • 医療施設は収益が安定しており、地域貢献もできる土地活用である
  • 医療施設の土地活用には一棟貸しのほか、医療モールなどもある
  • 医療施設の土地活用をするなら、実績のある施工会社に相談することが第一歩となる

もくじ

  1. 医療施設の土地活用のメリット

    1. 地域への貢献ができる

    2. 収益が安定している

  2. 医療施設の土地活用のデメリット

    1. 収益性が高いとは限らない

    2. 一棟貸しは退去時の影響が大きい

  3. 医療施設の土地活用の選択肢

    1. 医療事業者への一棟貸し

    2. 事業用定期借地権

    3. 医療モール

  4. 医療施設の土地活用を始める手順

    1. 実績のある施工会社に相談する

    2. 必要によっては医療コンサルを入れる

    3. 医療事業者から提案を受ける

    4. 医療事業者を決定し予約契約を締結する

    5. 工事が竣工したら医療施設として貸し出す

  5. まとめ



医療施設の土地活用のメリット

医療施設の土地活用のメリット

医療施設による土地活用のメリットについて解説します。

地域への貢献ができる

医療施設は地域に必要な施設であるため、医療施設を建てると地域への貢献ができる点がメリットです。 自身が持つ土地を使って、周辺の住民に喜んでもらえるような建物を建てたい場合には、医療施設が適しているといえます。

収益が安定している

医療施設は、安定した収益を得ることができます。
相対的に一般的な店舗と比べると退去リスクは低く、家賃の支払いも安定しています。

医療施設の土地活用のデメリット

次いで、医療施設による土地活用のデメリットについて解説します。

収益性が高いとは限らない

医療施設の土地活用は、必ずしも収益性が高いとは限りません。 場所によっては、アパートや賃貸マンションの方が収益性は高いこともあります。
とくに都市部においては、住居系の土地活用の方が高くなることもありますので、ほかの土地活用と比較検討したうえで活用方法を決めることが大切です。

一棟貸しは退去時の影響が大きい

一棟貸しで医療施設の土地活用を行う場合、退去時の影響が大きい点がデメリットです。
医療施設の退去リスクは総じて低いですが、万が一退去されてしまうと一棟貸しでは賃料収入がゼロ円となってしまいます。 また、借入金が残っている場合には、大きな損害を被ることになるため、注意が必要です。

医療施設の土地活用の選択肢

医療施設の土地活用の選択肢

医療施設の土地活用には、いくつかの方法があります。
この章では、医療施設における土地活用の選択肢について解説します。

医療事業者への一棟貸し

医療施設の土地活用で比較的多いのが、医療事業者への一棟貸しです。
一棟貸しは、基本的には借り主が入れ替わることはないため、空室期間が生じて家賃収入が変動するようなことはないことから、収益が安定しています。
日常的に発生する小修繕に関しては、借り主負担とすることも多く、修繕費を抑えることができます。 また、管理を委託することも不要のため、管理委託料が生じない点も特徴です。

医療事業者への一棟貸しは、病院と診療所の両方がありますが、建築基準法では病院と診療所の扱いが異なります。 病院とは病床数が20床以上の医療機関のことで、診療所は病床数が19以下の医療機関のことです。 診療所には、診療所や医院、助産所、施術所を含みます。

また、病院と診療所では、建築可能な用途地域が異なります
用途地域とは、一定の地域ごとに建築できる建物の用途を制限した規制のことです。 用途地域は、住居系、商業系、工業系を合わせ、全部で13種類存在し、病院は、下表の5つの用途地域では建築できないことになっています。

【病院を建築できない用途地域】

用途地域名 概要
第一種低層住居専用地域 低層住宅に係る良好な住居を保護するための地域
第二種低層住居専用地域 主として低層住宅に係る良好な住居を保護するための地域
田園住居地域 農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る
良好な住居の環境を保護するための地域
工業地域 主として工業の利便を増進するための地域
工業専用地域 工業の利便を増進するための地域
用途地域名 概要
第一種低層住居
専用地域
低層住宅に係る良好な住居を
保護するための地域
第二種低層住居
専用地域
主として低層住宅に係る良好な住居を
保護するための地域
田園住居地域 農業の利便の増進を図りつつ、
これと調和した低層住宅に係る
良好な住居の環境を保護するための地域
工業地域 主として工業の利便を
増進するための地域
工業専用地域 工業の利便を増進するための地域

一方で、診療所は13種類の全ての用途地域で建築することが可能です。
よって、診療所では用途地域を意識する必要はありませんが、病院では建築可能な用途地域であるかどうかを確認する必要があります。

事業用定期借地権

事業用定期借地権とは、専ら事業の用に供する建物(居住用以外の建物)の所有を目的とした定期借地権のことです。 定期借地権とは、更新がなく、借地期間満了時に確実に借地契約が終了する借地権のことを指します。

医療施設の事業用定期借地権とは、医療事業者が建物を建てて土地を借りる土地活用のことです。 事業用定期借地権では、地主(土地所有者)は建物投資が不要となるため、借入金を組む必要がありません。 建物所有者は医療事業者になることから、地主は建物の大規模修繕も不要です。 地主は、借地人である医療事業者から地代だけを得る土地活用になります。

医療モール

医療モールとは、テナント(借り主)が診療所や歯科医院、調剤薬局などの小規模な医療事業者に特化した建物のことです。
医療モールは、複数のテナントが入居する建物となることから、1つのテナントが退去しても他のテナントから家賃収入が得られるため、退去が及ぼす悪影響が少ないという特徴があります。 また、テナントに貸し出す各区画が小さいため、賃料単価を上げることができ、医療施設の土地活用の中では収益性が高くなります。

医療施設の土地活用を始める手順

この章では、医療施設の土地活用を始める手順について解説します。

実績のある施工会社に相談する

一棟貸しの医療施設の土地活用は、借り主となる医療事業者ありきで計画を進めることが基本です。 医療事業者は、ニーズがある場合は施工会社が誘致してくれます。 そのため、医療施設の土地活用を始めたい場合には、まずは実績のある施工会社に相談し、医療事業者の賃貸ニーズがあるかどうかを探してもらうことが必要です。

必要によっては医療コンサルを入れる

医療施設の土地活用で医療モールを行う場合は、医療系コンサルタントにも依頼しながら計画を進めていくことが通常です。 医療系コンサルタントは市場調査を行った上、どのような医療モールが良いかを提案してくれます。

医療事業者から提案を受ける

医療事業者からの出店ニーズがあれば、医療事業者から賃料などの提案を受けます。 複数の医療事業者から提案がある場合、賃料だけでなく実績なども踏まえて医療事業者を決定していきます。

医療事業者を決定し予約契約を締結する

一棟貸しの場合、医療事業者を決定したら、着工前に医療事業者と予約契約を締結します。
予約契約とは、着工中の契約解除の防止と竣工後の賃貸条件を確定するために行う契約のことです。 仮に着工後に医療事業者が出店を見送ったら、地主は大きな損失を被ってしまいますので、予約契約によって実質的に契約解除できないようにしておきます。

工事が竣工したら医療施設として貸し出す

工事は医療事業者と予約契約を締結した後に、施工会社と請負工事契約を締結して着工します。 建物が竣工したら医療事業者へ貸し出し、医療施設の土地活用がスタートします。

まとめ

以上、病院・医療施設の土地活用について解説してきました。
医療施設の土地活用のメリットには「地域への貢献ができる」や「収益が安定している」があります。 デメリットは、「収益性が高いとは限らない」や「一棟貸しは退去時の影響が大きい」といった点です。

医療施設の土地活用には、主に「医療事業者への一棟貸し」や「事業用定期借地権」、「医療モール」の選択肢があります。 医療施設の土地活用を始めるには、まずは実績のある施工会社に相談することが第一歩です。
医療施設の土地活用に関心のある方は、下記よりお気軽にご相談ください。



不動産鑑定士

竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら

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