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田舎の土地活用はどうやる?15のアイデアと成功するためのポイントを解説

更新日:2024.09.10

田舎の土地活用はどうやる?15のアイデアと成功するためのポイントを解説

田舎の土地活用は、賃貸需要が低いことから、難易度が高いと言われています。 一方で、田舎の土地には広さなどの強みが存在することから、田舎だからこそできる土地活用も存在します。 田舎で考えられる土地活用にはどのようなものがあり、成功に導くにはどうしたら良いのでしょうか。この記事では「田舎の土地活用」について解説します。

  • 田舎は、基本的に賃貸需要が低い
  • 田舎の土地は「土地が広い」「建築規制が緩い地域が存在する」などの強みがある
  • 田舎の土地活用を成功させるためには、先に借り主を見つけることがポイント

もくじ

  1. 田舎の土地の強み

    1. 土地が広い

    2. 建築規制が緩い場合がある

    3. 近くに観光資源が存在する場合もある

  2. 田舎の土地を活用する前に知っておきたい注意点

    1. 地形的に活用が難しい土地も多い

    2. 規制によって活用できない場合もある

    3. 賃貸需要が低いことが多い

  3. 田舎の土地活用のアイデア15選

    1. 駐車場経営

    2. 営農型太陽光発電

    3. 貸しキャンプ場

    4. 特殊な用途の借地

    5. 農家民宿

    6. 市民農園

    7. サブスク住宅

    8. 資材置き場

    9. サバイバルゲーム場

    10. 社宅アパート

    11. 高齢者施設

    12. ガレージハウス

    13. トランクルーム

    14. 物流倉庫

    15. 郊外型店舗

  4. 田舎の土地活用を成功させるポイント

    1. 先に借り主を見つける

    2. 過剰な投資を避ける

    3. シミュレーションを十分に行う

  5. まとめ



田舎の土地の強み

田舎の土地は、基本的に土地活用には適しません。 しかしながら、田舎の土地には田舎ならではの強みがあり、田舎だからこそできる土地活用も存在します。
この章では、最初にあらためて認識しておきたい田舎の土地の強みを解説します。

土地が広い

田舎は、広い土地が確保しやすい点が強みです。
土地活用の中には、広い土地でないとできない活用方法も存在します。 たとえば、大型物流倉庫や郊外型大型商業施設などは、広い土地でないとできない土地活用です。
このような土地活用は、広さを確保することが難しい都市部ではできないため、あえて田舎が選ばれることもあります。

建築規制が緩い場合がある

田舎は人口が少なく、都市部のように乱開発が行われる懸念が少ないため、建築規制が緩い地域も存在します。 具体的には「都市計画区域外」と呼ばれる地域を指し、都市計画法や建築基準法の一部が適用除外になっています。

都市計画区域外の中にある土地は、たとえば敷地が道路に面していなくても、建物を建築することが可能です。 基本的に建築規制は、乱開発の懸念がある都市部の方が厳しいため、田舎では比較的自由に建物を建てられるメリットがあります。

近くに観光資源が存在する場合もある

田舎は、近くに観光資源が存在する場合もあります。
観光資源がある地域では、ホテルや店舗、別荘などの開発が盛んに行われており、たとえば、スキーで有名な北海道のニセコや、サーフィンで有名な千葉県の一ノ宮町といった地域では、田舎でも土地活用がしやすいです。

田舎の土地を活用する前に知っておきたい注意点

この章では、田舎の土地を活用する前に知っておきたい注意点について解説します。

地形的に活用が難しい土地も多い

田舎は山林や傾斜地が多く、地形的に土地活用が難しい場合があります。
標高が500m以上の山地および森林、湿地などは、いわゆる非可住地とされており、人間が土地の利用をしにくい場所です。 そのため、田舎で平坦地ではない場合は、土地活用は物理的に難しいといえます。

規制によって活用できない場合もある

田舎の土地は、規制によって活用できない場合もあります。 土地活用を制限している代表的な規制は、「農地法」と「都市計画法の市街化調整区域」です。
農地法は農地を守るための法律であり、農地を農地以外に転用するには、原則として各市町村にある農業委員会の許可が必要です。 ただし、中には転用が認められない農地も存在します。

市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域のことです。
市街化調整区域は、都市農村を乱開発から守るための規制であり、政令指定都市や県庁所在地、中核都市などの大きな自治体の中にも存在します。 原則として、市街化調整区域には建物を建てることができないため、土地活用は難しいといえます。

賃貸需要が低いことが多い

田舎は、基本的に賃貸需要が低いことが多いです。
農地法や市街化調整区域の規制から外れる場所であっても、賃貸需要が低いことで借り手が見つからず、土地活用ができないことがあります。
賃貸需要が低いエリアでは、先に借り主を見つけてから計画するなど、慎重に検討することが必要です。

田舎の土地活用のアイデア15選

キャンプ場のイメージ

この章では、田舎の土地活用のアイデアを紹介します。

駐車場経営

駐車場は初期投資額が少なくて済むことから、リスクが低く、田舎でも取り組みやすい土地活用です。 飲食店や診療所の隣地には、月極駐車場の需要があります。 また、観光地に近い場所や駅至近の場所であれば、コインパーキングのニーズも存在します。
 

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営農型太陽光発電

営農型太陽光発電とは、農地の上部空間に太陽光発電設備を設置し、農業しながら太陽光発電もできる土地活用のことです。 営農型太陽光発電は、農地を農地転用せずに行うことができる点が特徴となります。

農地を完全に太陽光発電用地にする場合は、農地法による転用の許可が必要です。 ただし、一部の土地では、原則として農地転用ができない場合があります。 農地転用ができない土地は、農用地区区域内農地や甲種農地、第1種農地と呼ばれる農地です。
営農型太陽光発電であれば農地転用は不要ですので、農用地区区域内農地などでも行うことができます。 なお、営農型太陽光発電をするには、太陽光パネルの下で営農(農業の経営)を継続することが要件の一つです。

貸しキャンプ場

田舎では、海が見える場所などの立地条件が良ければ、貸しキャンプ場ができる場合もあります。
キャンプ場として焼き場を提供するだけなら、飲食店業の許可は不要です。 また、利用者が自分でテントを張って宿泊するだけの形式であれば、旅館業法の許可も不要となります。

特殊な用途の借地

田舎には、特殊な用途の借地ニーズが存在します。
たとえば、ゴルフ場やスキー場、産業廃棄物処理場による借地です。

ゴルフ場やスキー場は、すべてが単独所有地で行われているとは限らず、コースの一部を借地しているケースがあります。 また、産業廃棄物処理場は、都市部では近隣住民からの反対があり建てにくいことから、田舎に建築ニーズが存在します。

農家民宿

農家民宿(農林漁業体験民宿)とは、農作業の体験指導など“余暇活動のサービス”を提供する民宿のことです。農家民宿とは農家の人が365日民宿を経営できる宿泊施設のことであり、原則として年間で最大180日までしか営業できない民泊とは異なります。

また、農家民宿には運営を委託できる専門会社が存在するため、農家の人が自ら余暇活動のサービスを提供しなくても経営することが可能です。

市民農園

市民農園とは、いわゆる「貸し農園」や「観光農園」と呼ばれるものを指します。
市民農園は、農地法の許可を受けずに簡素な手続きで行うことができる点が特徴です。

サブスク住宅

サブスク住宅とは、定額料金を払うことで一定期間利用できる住宅のことです。
サブスク住宅は、主に全国を転々とする旅行者やワーケーション(観光地でテレワークすること)を目的とする人が利用する傾向にあり、観光資源が近くにある場所にニーズがあります

資材置き場

資材置き場とは、仮設で使用するパイプや丸太などの建設資材を保管しておくスペースのことです。 資材置き場は、建物を建てる必要がないことから、市街化調整区域でも選択できる土地活用となります。

サバイバルゲーム場

サバイバルゲーム場(サバゲーフィールド)とは、BB弾を発射するエアソフトガンを使って遊ぶスペースのことです。 サバイバルゲーム場は、山林がそのままサバイバルゲーム場になっていることが多いため、山林でもできる土地活用となります。

社宅アパート

社宅アパートとは、社宅を求める法人と契約する一棟貸しのアパートのことです。
田舎では、旅館やホテル、工場、養鶏所、介護事業者などの従業員を住まわせるための社宅需要が存在します。 とくに最近は外国人労働者が増えてきたことから、外国人労働者を住まわせるための社宅ニーズが全国の田舎で増えています。

社宅アパートは、先にニーズのある事業者を探すことがポイントです。 地元の銀行などにヒアリングし、社宅を求めている事業者がいないか探す方法も考えられます。

高齢者施設

高齢者施設とは、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどの総称のことです。 サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認や生活相談の福祉サービスを提供する高齢者のための住宅のことで、グループホームは、主に認知症高齢者を対象とした介護施設を指します。
高齢者施設は、田舎でもバス停から徒歩5分圏内の場所であれば賃貸ニーズがあります
 

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ガレージハウス

ガレージハウスとは、建物内に車庫があるタイプの戸建て賃貸のことです。 車庫はインナーガレージまたはビルトインガレージとも呼ばれ、建物内に併設された車庫を有していることが特徴となります。

ガレージハウスは、車の愛好家をターゲットとした賃貸物件であるため、借り主の徒歩による移動はあまり重要視されません。 たとえば高速道路のインターチェンジへのアクセスが良く、休日に遠出をしやすい場所にニーズがあります。

トランクルーム

トランクルームとは、コンテナハウスと呼ばれる建物を建て、荷物置き場用のスペースを貸し出す土地活用のことです。 トランクルームは、都市部のマンション街の近くに強いニーズがありますが、田舎でも滅多に使用しないものを置いておきたいという利用ニーズが存在します。

物流倉庫

田舎は広い土地が確保できることから、物流倉庫のニーズも存在します。
近年はインターネット通販の利用が拡大したことで、大型の物流倉庫の需要が高くなっている状況です。 物流倉庫の敷地は、標準的なもので3,000~4,500坪程度の広さになります。 小規模な物流倉庫でも、1,200~1,500坪程度の広さが必要です。

都市部では大規模な土地の確保が難しいことから、物流倉庫のニーズは広い土地が確保できる田舎に流れてきています。 物流倉庫のニーズがある土地は、都市部と高速道路のインターチェンジの両方にアクセスしやすいエリアです。
 

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郊外型店舗

田舎でも、郊外型店舗ができる場合があります。
田舎にある郊外型店舗は、コンビニエンスストアやホームセンター、大型食品スーパーが該当し、幹線道路沿いにある大きな敷地であれば幅広いターゲット層の来店が見込めるため、店舗出店の可能性はあるでしょう。

田舎の土地活用を成功させるポイント

田舎の土地活用を成功させるポイントについて解説します。

先に借り主を見つける

田舎の土地活用を成功させるには、先に借り主を見つけてから計画を立てることがポイントとなります。 たとえば、高齢者施設や物流倉庫、郊外型店舗などでは、テナント(借り主)ありきで計画を進めていくことが一般的です。 テナントから出店のオファーが先にあり、テナントの意向に基づいて計画を進めていけば、成功確率はかなり高くなります。

実績豊富な施工会社に相談をすると、施工会社がさまざまな事業者にニーズがないかをヒアリングしてくれるので、テナントは施工会社に誘致してもらえます。 出店ニーズのあるテナントが見つかったら計画していくというのが通常の流れです。
そのため、田舎で土地活用を行う場合には、高齢者施設や物流倉庫、郊外型店舗などの施工実績がある施工会社に相談してみるのが良いといえます。

過剰な投資を避ける

田舎で土地活用を行う場合には、過剰な投資を避けることも注意点として挙げられます。
田舎は土地が広いため、大きな建物を建てようとすれば建てられる場合がありますが、先述した通り賃貸需要が低いため、大き過ぎる建物を建ててしまうと、借り主が埋まらなくなってしまう懸念が強いです。

たとえば、社宅アパートを建てる場合は、事業者から要望された戸数を建てれば十分であり、それ以上戸数を増やす必要はないといえます。

シミュレーションを十分に行う

田舎の土地活用は、シミュレーションを十分に行うことも必要です。
田舎の土地活用は投資採算性の低いものも多いため、シミュレーションの結果、儲からないと感じれば無理に行う必要はありません。 借り主に退去されて建物や設備の取り壊しを余儀なくされた場合、現状よりも土地が負の資産となる恐れがあるためです。

売却して現金を株式などに投資するという選択もありますので、慎重に検討することが望ましいです。

まとめ

以上、田舎の土地活用について解説してきました。
田舎の土地には「土地が広い」、「建築規制が緩い地域が存在する」などの強みがある反面、「地形的に活用が厳しい土地が多い」や「賃貸需要が低い」ことが注意点です。
田舎の土地活用としては、「営農型太陽光発電」や「貸しキャンプ場」、「社宅アパート」などがありました。

田舎で土地活用を成功させるためには、「先に借り主を見つける」や「過剰な投資を避ける」などがポイントです。 田舎の土地活用を検討している方は、下記よりお気軽にご相談ください。



不動産鑑定士

竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら

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