高齢になると「この家でいつまで暮らせるだろうか」「家の相続はどうしようか」と気になり始める方も多いのではないでしょうか。 このように住まいの将来について考え、整理し、準備することを「家の終活」といいます。家の終活には、住み続ける・住み替える・売却するといった選択肢や、家を活用した資金づくりの方法など、知っておきたいポイントがいくつもあります。 あわせて、2026年に施行されたばかりの制度改正など、見落とすと損をしてしまう情報も押さえておきたいところです。 ここでは「家の終活」を考える際のポイントを、順を追って解説します。
- 「家の終活」には3種類の選択肢がある
- 「家」をどうするかは、家族でよく話し合いをすることが重要
- 売却以外にも「家」を利用して老後資金が調達できる
「介護」「老後資金」「施設・住まい」
「相続」「老後の暮らし」などの
ご相談が一つの窓口で対応可能
-

通話
無料 - 0120-952-870
受付時間:月~土 9:00~18:00(日・祝日定休)
親も子も考えたい「家の終活」
「家の終活」とは、親が元気なうちに、住まいのこれからを家族で話し合い、準備を進めておくことです。
40~60代になると年老いた親が住む実家のことが気になるものです。 久しぶりに帰省したら庭木が伸び放題になっていたり、以前はきれいに片付いていた家の中に「物」があふれていたり、あるいは階段の上り下りが少し危なっかしく見えたりすることもあるでしょう。 そんな小さな変化に気づき、親の生活ぶりに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 こうした変化は、「実家の終活」について家族で考え始めるサインかもしれません。
一方、親世代である70代、80代の方にも「最後までここで暮らせるだろうか」 「子どもたちに負担をかけたくない」 「自分がいなくなった後、この家はどうなるのだろう」など、住まいに関する悩みがあります。
長年暮らしてきた住まいには、家族との思い出が詰まっています。
しかし、その大切な家も、何も準備をしないまま先送りにしてしまうと、将来、家族の負担や心配の種になってしまうことがあります。 空き家のまま放置してしまうと、法律上の義務や税負担が生じるケースもあるため、注意が必要です。
40~60代の方には、親と住まいについて話し合うきっかけとして、70代から80代の方には、自分らしい老後を考える材料として、「家の終活」の考え方と具体的な進め方を紹介します。 次章では、まず親世代が向き合う「実家の終活」、続いてご自身の「自宅の終活」について、それぞれ考えたい理由を見ていきましょう。
親が元気なうちに「実家の終活」が必要な理由
親の家の問題は、多くの場合、親の介護が始まる、入院する、あるいは亡くなるといった段階になって初めて、現実のものとして突きつけられます。 しかし、そのときには既に選択肢が限られていることも少なくありません。
たとえば、親が施設に入居し、誰も住まなくなった実家には、家財道具がそのまま残り、庭の管理も必要になります。 相続人が複数いれば話し合いも必要になり、子ども世代にとっては、突然大きな負担がのしかかることになります。
実際、「もっと早く親と話しておけばよかった」と後悔する人は少なくありません。
親が「住み続けたい」のか「売却したい」のか、それとも「誰かに引き継いでほしい」のか——その本当の気持ちは、子どもが想像しているものと違うこともあります。
特に親世代は、「まだ元気だから」 「そんな話は縁起でもない」と話題を避けることがあります。
しかし家の終活は、亡くなった後の話ではありません。 これから先、どのように暮らしていくかを親子で考えていくためのものです。 親が元気なうちだからこそ話し合えることがあります。 まずは帰省の際や家族が集まる場で、「この家で困っていることはない?」「将来について何か考えている?」といった軽い会話から始めてみるのもよいでしょう。
70代・80代が考えたい「自宅の終活」
住み慣れた家には大きな安心感があります。 「近所付き合いもある」「思い出もある」「できれば最後まで住み続けたい」などと考える方は少なくありません。
しかし年齢とともに体力や判断力は少しずつ変化します。 若い頃には何ともなかった階段の上り下りがつらくなったり、掃除や庭の手入れが負担に感じられたりすることもあるでしょう。 また、冬場の寒い浴室やトイレは大きな事故につながることもあります。今は元気でも、5年後、10年後はどうでしょうか。
家の終活で大切なのは、少し先の未来を思い描きながら「これからどう暮らしたいか」を考えてみることです。 例えば、以下のようなポイントを見直してみましょう。
- 毎日の生活で不便な場所はないか
- 修繕が必要な箇所はないか
- 一人で管理し続けられるか
- 病院や買い物環境は十分か
このように、家に合わせて暮らすのではなく、自分の暮らしに家を合わせていくことが大切です。
家の終活は、自分が快適に暮らし続けるための準備でもあるのです。
同時に、「家族にどんな形で引き継ぎたいか」も考えてみましょう。 できるだけ子どもに負担のない形で引き継ぎたいものです。
【2026年最新】知らないと損する制度変更
「家の終活」を先送りにできないのは、気持ちの問題だけではありません。 近年、相続した不動産や空き家をめぐる法律が相次いで見直され、放置しておくと過料や税負担につながる仕組みが整いつつあります。
ここでは、押さえておきたい3つの制度変更を紹介します。
相続登記の義務化(2024年4月〜)
2024年4月1日から、相続によって土地や建物を取得した場合、不動産の名義を変更する「相続登記」が義務化されました。 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があり、正当な理由なく手続きを怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
この制度は、2024年4月より前に発生した相続も対象になる点に注意が必要です。 すでに相続していて名義変更をしていない不動産がある場合も、2027年3月31日までに登記を済ませなければなりません。 実家の名義が祖父母や、それより前の代のままになっているケースも珍しくないため、早めに確認しておきましょう。
こちらの記事も読まれています
住所等変更登記の義務化(2026年4月〜)
2026年4月1日からは、住所等変更登記の義務化も始まりました。 不動産の所有者が引っ越しや結婚などで住所・氏名を変更した場合、変更日から2年以内に登記の変更申請をすることが義務付けられます。 正当な理由なく申請を怠ると、5万円以下の過料の対象となります。
こちらも過去にさかのぼって適用される点は相続登記と同様です。 施行日より前に住所や氏名が変わっていて、まだ変更登記をしていない場合は、2028年3月31日までに手続きを行う必要があります。 なお、負担軽減のため、登記官が住民票の情報などをもとに変更登記を行う「スマート変更登記」という新しい仕組みも導入されています。
こちらの記事も読まれています
管理不全空き家と固定資産税リスク(改正空家法)
2023年12月13日に施行された改正空家法により、空き家対策の対象範囲が広がりました。 従来は、倒壊の危険があるなど周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家のみが「特定空家」として指導・勧告の対象でしたが、改正後は、適切な管理がされていない、いわば特定空家予備軍も「管理不全空家」として指導の対象に加わっています。
見過ごせないのが、税負担への影響です。 管理不全空家に指定され、改善の指導や勧告を受けると、住宅用地に対する固定資産税の軽減特例が受けられなくなり、税額が大きく上がる可能性があります。 「誰も住んでいないだけ」のつもりでいた実家が、思わぬ税負担を生むこともあるため、注意が必要です。
こちらの記事も読まれています
住み続ける・住み替える・売却するという3つの選択肢
家の終活の選択肢は「住み続ける」「住み替える」「売却する」の大きく3つに分けられます。

どの選択肢を取るにしても、判断や手続きには本人の意思確認が必要です。 認知症などで判断能力が低下すると、住み替えや売却が難しくなることもあるため、まずは元気なうちに方向性を考えておくことが大切です。 3つの選択肢それぞれの特徴を見ていきましょう。
今の家に住み続ける
今の家に住み続けることには、住み慣れた環境で暮らせる安心感があります。
その場合は、将来に備えて住まいを改善することが重要になります。 バリアフリーの観点から、手すりの設置や段差の解消、玄関や浴室の安全対策など、小さな工夫でも生活のしやすさは大きく変わります。
また、屋根や外壁、水回りなどの劣化状況も確認しておきたいところです。
「あと何年暮らすか」ではなく「これから先も安心して暮らせるか」という視点で考えてみましょう。
この場合、自分が亡くなった後(もしくは残された配偶者も亡くなった後)の相続も考えておくことをお勧めします。 法定相続のとおりに引き継ぐのがよいのか、それとも遺言書を用意して、家族の事情や自分の思いを反映させた形で相続してもらうのか、など検討してみましょう。
住み替える
最近は、下記のように子どもが独立した後に住み替えを選ぶ人も増えています。
- 大きな戸建てからコンパクトなマンションへ
- 郊外から駅近へ
- 医療機関や買い物施設がそろった地域へ
- 高齢者向け住宅や介護サービスが付いている施設へ
住み替えには費用も労力もかかりますが、生活の利便性が高まり、管理の負担や心身の負担を減らせるメリットがあります。 新しい生活を始めるには体力も必要です。 住み替えを考えるなら、元気なうちに検討し情報収集や見学をすることが大切です。
売却する
子どもが住む予定がなく、将来的に空き家になる可能性が高い場合には、売却も有力な選択肢です。 おひとりさまの方が介護施設に入居する場合は、その費用にあてることもできます。
また相続の際、相続人が複数いる場合は「家には誰が住むのか」「共有持分にするのか」といった問題が生じることもあります。 共有持分にすることが不適当だったり、他の財産も含め平等に分けるのが難しかったりする場合は、売却して現金化しておくことがスムーズな相続の方法のひとつとなります。
しかしながら、思い出のある家を手放すことは簡単な決断ではありません。 家族で十分話し合いながら進めることが大切です。
おひとりさま(単身高齢者)が考えておきたいこと
おひとりさまで身寄りがなく、相続人もいないという方の場合、何も対策をしないままでいると、空き家になってしまい、近隣に問題を残してしまう可能性が大きくなります。 できれば元気なうちに、遺言書を書いてお世話になった方や、行政や慈善団体などに財産を遺贈する、あるいは売却してご自身は高齢者向けの物件や施設に入居するなど、何かしらの対策を検討することをお勧めします。
こちらの記事も読まれています
家を利用した老後資金作り

もっとゆとりのある老後にするために、また介護費用などの費用づくりのために、家という不動産を利用した資金調達方法として、単なる売却以外にも「リバースモーゲージ」「不動産担保ローン」「リースバック」「賃貸として活用する」などの方法があります。 それぞれの特徴や違いについては、こちらの記事でも詳しく比較していますので、あわせてご参照ください。
リバースモーゲージ
自宅に住み続けながら、自宅を担保に老後資金を借りることができるローン商品です。
生存中は利息分を毎月返済し、死亡後に元金を一括返済するか、不動産を処分して返済する仕組みです。
融資金は生活費・施設入居時の入居一時金支払い・リフォーム費用など、使い道は自由です。
なお、多くの金融機関では、契約時に推定相続人の同意を求められる点にも注意が必要です。
不動産担保ローン
自宅などを担保に融資を受け、返済期間中に元金と利息を定期返済する方式です。 融資金の使い道は自由です。 ただし、審査において担保評価や返済能力が重視されます。 金融機関により年齢制限(申込み時65歳程度、完済時75~80歳以下など)や団体信用生命保険の加入が必要な場合があります。
リースバック
リースバックとは、自宅を不動産会社やファイナンス会社などに売却して現金化し、賃貸契約を結んで家賃を支払いながらそのまま住み続ける仕組みです。 まとまった現金が一括で手に入り、その使い道は自由です。
また、引越しの手間もいらず、住み慣れた家に住み続けることができます。いずれ買い戻すことが可能な場合もあります。
ただし、所有権は買主に移るため、毎月の家賃負担が発生する点や、将来買い戻す場合の価格が売却価格より高くなることがある点には注意が必要です。
賃貸として活用する
家に住む必要がなく、また売る必要もなくなった場合は、以下のような方法で収益を上げることもできます。
- そのまま家を賃貸する
- 建物を解体し、更地にして貸し駐車場にする
- 賃貸アパートや賃貸マンションを建築する
ただし、空室リスクや管理の手間、建築や解体には初期費用がかかる点も踏まえて検討する必要があります。
親子で話し合っておきたい5つのこと
家の終活は、一人で進めるものではありません。 家族の理解と協力があってこそ、スムーズに進めることができます。 ぜひ次の5つの点について、家族で話し合ってみてください。
- この家にこれからも住みたいか
まずは本人の気持ちを確認しましょう。住み続けたいのか、住み替えも考えているのか、意外と家族は知らないことがあります。 - 誰が管理するのか
庭の手入れや修繕、固定資産税の支払いなど、家を維持するには手間と費用がかかります。将来も継続できるのか考えておきましょう。 - 子どもは住む予定があるのか
親世代が「いずれ子どもが住むだろう」と思っていても、子ども世代はそう考えていないこともあります。お互いの考えを確認しておくことが重要です。 - 家に関する書類はどこにあるのか
権利証、契約書、固定資産税関係の書類などはまとめて保管し、保管場所を親子で情報共有しておきましょう。いざという時に探し回らずに済みます。 - 家の中の片付けをどうするか
大きな家ほど物が増えています。遺品整理が始まってからでは大変です。少しずつ整理を進めることで、家族の負担を減らせます。
まとめ
住まいの問題は、「転倒による入院」「介護の開始・施設への入居」「相続の発生」など、ある日突然現実のものとなります。 そうなってから慌てて家について考え始めるケースは少なくありません。 そうならないように、親子で住まいの将来について話し合っておくことが家族みんなの安心につながります。 家は人生の多くの時間を過ごしてきた特別な場所です。 だからこそ、問題が起きてから考えるのではなく、元気な今だからこそ向き合う価値があります。 家の終活は「終わりの準備」ではなくこれからの人生をより安心して、より自分らしく生きるための準備です。
住まいの将来について、ご家族だけで判断が難しい場合もあるかと思います。 「うちの場合はどうすればいいのだろう」と感じたら、一人で悩まず、下記よりお気軽にお問い合わせください。
「介護」「老後資金」「施設・住まい」
「相続」「老後の暮らし」などの
ご相談が一つの窓口で対応可能
-

通話
無料 - 0120-952-870
受付時間:月~土 9:00~18:00(日・祝日定休)
スターツS-LIFE相談室
シニアの皆さまの暮らしをより豊かなものにしていただくための総合窓口です。日々の暮らしに潤いをもたらすサービスなど輝くシニアライフをお手伝いいたします。
⇒スターツS-LIFE相談室の記事はこちら
あわせて読みたい
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。
この記事をシェアする
不動産を買いたい
特集から記事を探す
記事カテゴリ
おすすめ記事
物件をご所有されている方、
お住まいをお探しの方



