- 二世帯住宅で適度な距離を保つなら完全分離型がおすすめ
- 3階建ては床面積が増える分費用が高額
- 3階建てを建てるなら間取りは慎重に検討
両親が高齢になったことをきっかけに、二世帯住宅を検討する家庭も多いでしょう。しかし二世帯が同じ住宅に住むことになると、生活音が聞こえて親世帯に迷惑がかかる可能性があります。
お互いのプライバシーを守るためには、「完全分離型」という間取りを選ぶことも重要です。完全分離型であれば二世帯間が適度な距離感を保てるので、過ごしやすい環境に整えられます。二世帯住宅を検討している方のために、完全分離型の間取りの特徴やメリットについて解説していきましょう。
お互いの暮らしに干渉しない生活を希望するなら「完全分離型」
将来的な介護を見越した二世帯住宅を建てることは良いことですが、プライバシーもしっかり確保したうえで生活したいと考える方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが、適度な距離感が保てる「完全分離型」です。
完全分離型の間取りの考え方について解説していくので、参考にしてみてください。
完全分離型の間取りの考え方①:上下階で分けるスタイル
間取りを確保する考え方として、世帯別の居住スペースを上下階で分けるスタイルがあります。1階には親世帯が住み、2階には子世帯が住むといったように居住スペースを分けることで、お互いのプライバシーが守られるでしょう。
1階に親世帯の居住スペースを設けることで、階段の昇り降りなどがなく、高齢になった両親が生活しやすくなります。上下階で居住スペースを分ける場合には、なかから2階に上がる内階段と外から2階に上がる外階段のパターンがあるでしょう。
完全分離型として、お互いのプライバシーを守るなら外階段を選ぶことをおすすめします。
上下階の生活音が気になるケースもある
二世帯住宅の間取りとして上下階で居住スペースを分けた場合、お互いの生活音が気になる可能性があります。とくに子どもが小さいうちは、走り回ることも考えられるので、防音対策を施す必要があるでしょう。
また、下の階で音が響かないように、リビングの配置や子ども部屋の配置を意識することが大切です。
完全分離型の間取りの考え方②:連棟で分けるスタイル
二世帯住宅を縦に割ることで、お互いが1階・2階を利用できる連棟スタイルがあります。左右で世帯を分けることができるので、上下階の生活音で悩まされる心配がありません。また、連棟にする場合は、どちらか一方の間取りを広くすることもできるので、子世帯の間取りを子どもがいる分、広くすることもできます。
玄関を別に設けるケースが多く、出入りも玄関のみに制限可能です。なかから連結させて移動できる間取りもありますが、プライバシーを重要視するのであれば、外からのみ出入りできる間取りの方が良いでしょう。
上階に移動する際に負担がかかる
上下階を二世帯とも使用できる連棟スタイルは、生活音を聞こえにくくするメリットがありますが、上階に移動する際に負担がかかってしまいます。高齢の両親が上階に移動する際には、足腰の負担が軽減できるようにホームエレベーターの設置も検討した方が良いでしょう。
その分、連棟スタイルの間取りは、内部設備が多くなる傾向にあるので、費用も高くなる可能性があります。二世帯が暮らしやすいように、バリアフリー設計などはしっかり検討しておきましょう。
完全分離型の二世帯住宅は3階建てがおすすめ?
二世帯住宅を建てるとき、土地の広さによっては、それぞれの世帯で確保できる間取りが限られてしまうことがあります。その場合は2階建てよりも3階建てにリフォームした方が、十分な広さを持った二世帯住宅にできるでしょう。
二世帯住宅の間取りを3階建てにすると、どんなメリットがあるのでしょうか。具体的に紹介していきます。
2階建てと比較すると床面積が増える
二世帯住宅を3階建てにするメリットとして、2階建てと比べると床面積が増えるという点が挙げられます。床面積が増えれば、単純に生活用品を置くスペースが拡大するので、ゆとりを持った生活が送れるでしょう。土地が比較的狭いと感じたときには、3階建てにして床面積を増やす方法も検討してください。
各階を目的に合わせて割り当てられる
二世帯住宅の階数が増えれば、目的に合わせて居住スペースを割り当てやすくなります。1階には水まわりを集めることで生活動線を確保し、2階は親世帯・3階は子世帯といった具合に、生活環境を区切ることが可能です。
お互いのライフスタイルを尊重しながら、適度な距離感を保つことができるので、ストレスの少ない居住環境を作り上げられます。
両親が他界したときは2階や3階を賃貸として利用できる
完全分離型の利点として、世帯間で居住スペースが分かれているので、両親が他界した後に空いた2階や3階を賃貸として活用できます。1階は子世帯が暮らす居住スペースとして確保し、それより上階を賃貸とすれば、不労所得が得られるでしょう。
相続税に関しても一定条件はありますが、二世帯住宅であれば税制面で優遇されます。
床面積や設備が増えるため費用が割高になる
完全分離型の3階建ては床面積や設備が増えるほど、費用が高くなる傾向にあります。上下階で世帯間を分けるスタイルでは、内部設備を各世帯用に設けるほど費用はかかるでしょう。
連棟スタイルでは、建築する二世帯住宅の大きさにもよりますが、住宅を2戸建てるくらいの費用がかかる可能性もあります。二世帯住宅の費用は折半するのか、資金面については慎重に検討しておく必要があるでしょう。
二世帯住宅を3階建てにするにはどのような工法が使われる?
二世帯住宅を3階建てにするためには、一定の強度を与える必要があります。どのような工法が良いのかは、依頼するハウスメーカーによって異なるので、3階建て住宅の建設実績が多いハウスメーカーに依頼しましょう。
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3階建ての間取りを考えるうえで重視したいポイント
二世帯住宅を3階建てにする場合、間取りはどのようなことに着目すべきなのでしょうか。快適な生活を送るためにも、3階建ての間取りについては慎重に検討することが大切です。
3階建ての間取りで意識したい重要なポイントを紹介していきます。
収納スペースはできるだけ1階の玄関周辺に設ける
毎日の消耗品は、できるだけ簡単に収納できてすぐに取り出せる場所に設けた方が、負担を軽減できます。3階で使用する物であっても、毎回購入のたびに持って上がるのは負担になるでしょう。
必要なときに持っていくように、収納スペースの間取りは、基本的に1階の玄関周辺に設けることをおすすめします。玄関の近くであれば、購入したものをそのまま収納できるので、持ち運びの手間を省けるでしょう。
生活動線を短縮するために水まわりをまとめておく
日頃の生活動線を短縮することで、家事の負担を軽減できます。そのためには、水まわり設備はまとめておいた方が、便利に活用できるでしょう。
洗濯機の近くには、洗濯物を干せる空間を用意することも忘れてはいけません。洗濯物を干すために、移動する手間が出てくると毎日の負担になってしまうでしょう。ただトイレについては、気軽に足を運べるように、寝室の近くに設けることをおすすめします。
ほかにも洗濯機やお風呂の音が気にならないように、上下階の配置は同じように設置した方が良いでしょう。
親世帯が上階に住んでいるならホームエレベーターは必要
上階の方が生活音は響きづらいという理由から、親世帯の居住スペースを上階に設けたときは、ホームエレベーターを設置した方が良いでしょう。設置費用はかかりますが、高齢な両親の足腰の負担を考えるなら設置は必要になります。
とくに3階に居住スペースを設けた場合、階段で上るのは大きな負担となるでしょう。ほかにもさまざまな場所に手すりを付けるなど、バリアフリー設計を施すことも重要です。
1階にビルトインガレージを設ける
車で移動する機会が多い方は、雨の日でも濡れずに家のなかに入れる、ビルトインガレージを1階に設ける間取りを検討してみましょう。3階建てであれば、1階にビルトインガレージを設けても十分な居住スペースが与えられます。
高齢の両親を車に乗せるときも、ビルトインガレージであれば余裕を持って乗せてあげられるでしょう。
3階建てにするときの費用はどれくらいかかるのか?
二世帯住宅を3階建てにする場合、どれくらいの費用がかかるのか相場が気になる方も多いでしょう。二世帯で折半する家庭も多いですが、状況によってはどちらかの費用負担が大きくなることもあるため、価格は重要なポイントです。
3階建ての二世帯住宅にリフォームするとき、費用はどれくらいかかるのか紹介していきます。
3階建てにリフォームするときの費用相場
現在の住宅を3階建てにリフォームする場合、費用は1,000万円から3,000万円ほどかかります。
金額の増減は、水まわり設備の増設工事がどれだけ必要になるかによって変わってきます。設備を共有する場合にはそれだけ費用が抑えられますが、完全分離型の特徴は世帯ごとに居住スペースを設けてプライバシーを守るという点です。
そのため、世帯ごとにトイレやお風呂といった設備をそれぞれに設ける必要があるでしょう。主に上下階で分けるスタイルは、既存の間取りを活かしてリフォームできるので必要なのは水まわりの増設工事になります。
連棟スタイルにリフォームする際には、間取りを変える必要があるので費用負担は大きくなるでしょう。
ホームエレベーターはどれくらいかかるのか?
3階建ての二世帯住宅を建てる場合、家族に高齢者がいるならホームエレベーターは設置した方が良いでしょう。ホームエレベーターを設置するときにかかる費用は、どれくらいなのか気になりますよね?
設置する場合、エレベーター本体以外にも昇降路の建築費用、設置費用、申請書類の費用がかかります。エレベーター本体はメーカー、サイズによって価格帯が異なりますが、約300~480万円ほどかかります。
車椅子を乗せられる程度の大きさになると、金額も変動してくるので事前に見積もりは取得しておきましょう。家が木造・鉄骨なのかによっても、費用が変動する点にも注意が必要です。
ほかにも電気工事などで100万円程度はかかるケースもあり、設置費用だけでなく全体的にかかる費用も計算しておきましょう。ランニングコストとして電気代もかかってくるので、導入した後の使用頻度なども考慮して資金計画を立ててください。
折半するなど資金企画は慎重に検討する
3階建ての二世帯住宅は、設備の導入が必要になるため費用は高額になる傾向にあります。とくに完全分離型で連棟スタイルの場合は、間取りを大幅に変更する必要があるので費用はかかるでしょう。
多くの家庭では二世帯が折半して建築費用を支払うケースが多いですが、どれくらいの費用を出し合うのか慎重に検討する必要があります。また住宅ローンを使用する際には、支払いが完了するまで長期にわたるでしょう。
子どもが小さいうちに二世帯住宅を建てるときには、今後の資金計画を新調に検討する必要があります。3階建ての費用はしっかり見積もりを出してもらい、何を削減する必要があるのかなど検討していきましょう。
二世帯住宅で3階建てを建てるならメリットや費用を把握しておこう
3階建ての二世帯住宅は、床面積を増やして快適な生活が送るだけでなく、居住スペースを分けて適度な距離を保つことができます。ただ比較的費用が高くなる傾向にあるため、資金計画は慎重に立てることが求められるでしょう。
ほかにも3階建てにするなら、ホームエレベーターを設けて両親の負担を軽減させる必要も出てきます。さまざまな費用がかかってくるので、3階建ての二世帯住宅にリフォームするときは、費用相場を把握したうえで検討しましょう。
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