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更新日:2021.07.26

借地権への理解を深めよう!土地を「借りる」メリット・デメリットとは?

借地権への理解を深めよう!土地を「借りる」メリット・デメリットとは?

住宅と土地は必ずしもセットで購入しなければならないわけではなく、「借地権(しゃくちけん)」を利用して土地は買わずに「借りる」こともできます。借地権は土地の所有とは異なる扱いになり、土地の固定資産税が掛からなくなるなど多くのメリットがあります。ほかにもどんなメリットがあるのか、借地権の内容や種類と共に、解説していきます。

  • 借地権は、土地を借りることができる権利のこと
  • 借地権には、「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」がある
  • 土地を借りれば、土地の固定資産税は掛からない

もくじ

  1. 借地権とはどんな権利?種類についても解説

    1. 借地権は住宅を建てるために他人の土地を借りる権利

    2. 借地権には3つの種類がある

  2. 借地権には「地上権」と「土地賃借権」の2タイプがある

    1. 地上権と土地賃借権はどんな権利?

  3. 土地を借りる側と貸す側のメリット

    1. 借りる側のメリット

    2. 貸す側のメリット

  4. 借地の借りる側と貸す側のデメリットについて

    1. 借りる側のデメリット

    2. 貸す側のデメリット

  5. 借地権の種類やメリットを把握して利用するか検討しよう

 

いざ新居を建てようと考えたときに、住宅と土地をセットで購入することを検討されている方も多いかもしれません。しかし住宅は購入して、土地は「借りる」という選択肢もあります。借地権は土地の所有権は与えられませんが、安く住宅が建てられるので利用する方も多いです。また借地権といっても、いくつか種類があるので事前に違いについて把握しておきましょう。

今回は借地権とはどのような権利なのか、利用するうえでのメリット・デメリットを解説していくので参考にしてみてください。

借地権とはどんな権利?種類についても解説

借地権とはその名の通り、地代を支払って、土地を借りる権利のことを指しています。そのため、あくまで土地の所有権は土地のオーナーにあるのが特徴です。具体的な借地権の内容とその種類について詳しく解説していきます。

借地権は住宅を建てるために他人の土地を借りる権利

借地権とは、主に住宅を建てるときに他人の土地を借りる権利のことを指しています。土地の所有権は土地のオーナーにあるため、地代を支払う必要があります。また、借地権は住宅を建てることが前提で発生する権利なので、それ以外の用途では使用できません。たとえば駐車場をつくるために借地権を利用することはできないので注意しましょう。

借地権には3つの種類がある

借地権は主に3つの種類に分けられ、「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」と、それぞれ存続期間が異なるので注意しましょう。

種類ごとの存続期間については下記のとおりです。

借地権の種類 建物の
堅固・非堅固
契約上の
期間の定め
存続期間 契約更新後の
存続期間
旧法借地権 堅固建物※ 30年以上 30年以上
(2回目以降:30年以上)
堅固建物 60年 30年
(2回目以降:30年)
非堅固建物※ 20年以上 20年以上
(2回目以降:20年以上)
非堅固建物 30年 20年
(2回目以降:20年)
普通借地権   あり 30年以上 20年
(2回目以降:10年以上)
  なし 30年 20年
(2回目以降:10年)
定期借地権   必須 50年以上 更新なし

※堅固建物……コンクリート造など    非堅固建物……木造など

出典:e-Govポータル「借地借家法」 (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=403AC0000000090)を元に作成。

旧法借地権は半永久的に土地が借りられる権利

「旧法借地権」は、以前の「借地法」と呼ばれる法律をベースに定められた権利のことを指しています。旧法借地権では、借地契約を継続することで半永久的に土地を借りることができました。昔は土地が安かったために考えられた権利といえます。存続期間を事前に定めていなければ、建物の老朽化が進むことで権利が消えるというのも特徴です。ただし、近年はほぼこの権利は見られません。

普通借地権は契約更新を前提とした権利

「普通借地権」は契約期間終了時に契約の更新が求められ、基本的に地主はその申請を断れないと定められています。ただし、地主が断る理由として正当な内容が含まれている場合はその限りではありません。

定期借地権は契約更新がない権利

「定期借地権」は、借地借家法によって定められている点は普通借地権と同じです。しかし定期借地権は契約の更新がないため、期間が満了した際には建物を壊して土地だけの状態に戻すことになります。借地自体が減ってきているため、今では利用する人も減少傾向にあります。

借地権には「地上権」と「土地賃借権」の2タイプがある

借地権には「地上権」と「土地賃借権」の2タイプがある

借地権にはさらに、「地上権」と「賃借権」と呼ばれる2タイプがあります。それぞれの権利の内容、違いについて見ていきましょう。

地上権と土地賃借権はどんな権利?

地上権と土地賃借権は、それぞれ次のような権利になります。

地上権

他人が持っている土地を、工作物や竹林を持つために土地が借りられる物権(特定の物に対して直接的に支配する権利)のこと。

登記の協力義務:あり
譲渡:自由に譲渡可能
抵当権の設定:可能
転借地権:不可

※抵当権……住宅ローン返済が滞った際、土地と建物を金融機関が担保にする権利

土地賃借権

賃貸借契約に基づいて土地を使用する債権(特定の行為を人に対して求める権利)のこと。

登記の協力義務:なし
譲渡:地主の許可が必要
抵当権の設定:不可
転借地権:可

権利としては地上権のほうが強い傾向にあり、地主の了承を得なくても譲渡したり転貸したりすることが可能です。一方、土地賃借権は貸した側の了承なしに譲渡したり転貸したりできません。

基本的に地上権は地主が不利になってしまうような権利であるため、利用されるケースは少ないとされています。橋やトンネルなどは地上権が設定されることが多く、市営地下鉄などで自治体が地上権を設定する際には、地主に「地上権設定対価」を支払うことがあります。

出典:国土交通省「長期にわたる土地使用における地上権設定について」

土地を借りる側と貸す側のメリット

土地を借りること、貸すことには具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まずは両者のメリットについて解説していきます。

借りる側のメリット

①土地購入のための資金がかからない

土地を借りる場合は土地購入の費用が浮くため、その分を住宅設備にまわすこともできます。ただし地代の支払いは発生するため、事前に賃料や支払い方法についてしっかり確認するようにしましょう。

②土地の固定資産税などがかからない

土地を借りた場合は、購入した場合と違って「所有」にはならないため、その土地は固定資産税や都市計画税などの課税対象にはなりません。ただし注意したいのが、借地であったとしても購入した住宅は課税対象となる点です。

貸す側のメリット

①税金対策に活用できる

定期借地権を設定した場合、貸している期間中は貸主側の利用が制限されるため、土地の財産評価額が下がります。そうすると固定資産税の額も低くなり、結果として節税につながるのです。相続税も同様の理由で額が下がるため、貸す側にとっては税額を安く抑えられるメリットがあります。

②初期投資なしに地代で利益が出る

借地として貸し出す際、賃料は比較的少ない傾向にありますが、借地のメリットは土地を持っていれば初期投資なしでも地代で利益が出せるという点です。マンションなどの賃貸物件で収益を得ようとすると、建築費用などがかかってしまいます。しかし土地を持っていれば、借地として貸すだけで長期的な利益獲得につながるでしょう。

③土地の管理を自身でやらなくてもよい

木の剪定や草刈りなど、土地の管理には費用や手間が掛かります。しかし借地として貸し出せば、土地を借りた側がその管理を行うため、自分で管理する手間が省けるでしょう。ただし、借地契約の内容にもよりますので、注意が必要です。また、陥没やがけ崩れなどは貸主側が修繕するケースがほとんどであることも留意しておきましょう。

借地の借りる側と貸す側のデメリットについて

借地は土地購入の費用が浮くなどのメリットがありますが、デメリットに感じる部分もあります。借地について、借りる側と貸す側それぞれのデメリットを紹介していくので、参考にしてみてください。

借りる側のデメリット

①地代を支払う必要がある

借地は土地を貸してもらう代わりに、土地の所有者に地代を支払う必要があります。地代の賃金は土地を購入する費用と比較すれば安いほうですが、借りている間は定期的に支払いが求められるでしょう。

②銀行融資の審査が厳しくなる

住宅購入時に銀行融資を受ける場合、土地を買うのであればそれを担保として活用すると、住宅ローンの審査で有利になります。しかし借地の場合は、土地の所有者は貸す側になるため、土地を担保とすることができません。また審査に通ったとしても、融資額が想定よりも低くなってしまう可能性もあります。

③さまざまな状況で地主の許可が必要になる

借地で住宅を建てた場合、リフォームなどを行うときには地主の許可が求められる可能性があります。ほかにも売却・譲渡などを行う際にも、地主に一度確認して了承してもらう必要があります。後からトラブルにならないよう、必ず確認をとるようにしましょう。

貸す側のデメリット

①土地を貸しているときは土地活用できない

借地として誰かに土地を貸した場合、契約満了になるまで土地をほかのことに利用できないのが難点です。たとえば、駐車場経営をしたいと思っても、一度貸した土地は自由に利用できません。売却することもできなくなるため、借地として貸し出す前にほかに土地活用として利用する必要がないか、事前に検討しておく必要があります。

②トラブル対応は土地の所有者に任せられる

土地を貸した相手が何らかのトラブルを周囲に与えた場合、トラブル対応は土地の所有者に任せられる可能性があります。トラブル対応を避けたい場合には、管理会社を仲介として設けておくのもひとつの方法です。

借地権の種類やメリットを把握して利用するか検討しよう

借地権にはいくつか種類があり、特徴もそれぞれ異なるため、すべてを把握するのは大変かもしれません。しかしそれは「選択肢が多い」ということでもあるため、土地を借りることを検討されている方は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

また、「土地を持っているけれど持て余している」「土地を放置している」という方は、土地を貸すことも検討してみてはいかがでしょうか。所有する土地を無駄なく有効活用しましょう。

 

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