- 家探しは失敗しないために希望の条件を整理する
- 基本的な条件を明らかにして物件選びを始める
- ネットを駆使して効率よく家探しを進める
新生活に向けた家探しは、わくわくする一方でどこか不安に思うこともあるのではないでしょうか。写真や間取り図などの情報だけで物件を選んでしまうと、住み始めてから「こんなハズではなかったのに」と後悔することになるかもしれません。
引越し後の生活を快適に過ごすためにも、物件選びはご自身の基準を明確にして探すことが大切です。この記事では、住まい探しに悩む初心者の方に向けて、物件を選ぶコツをくわしくご紹介します。
実は失敗することも多い賃貸物件探し
初めての賃貸物件で部屋選びに失敗するのは、決して珍しいことではありません。部屋探しの経験がない場合、まずは物件選びの失敗例を一通り把握しておくことが大切です。引っ越してから後悔しないよう、「初心者の失敗例あるある」をチェックしましょう。
家賃だけを重視した家選びは危険
よくある失敗の一つが「とにかく安い物件が良い!」と家賃を最優先して物件を選ぶことです。相場より大幅に家賃の安い物件には、それ相応の理由がある場合が多いため、家賃だけで物件に飛びつくのは危険だと言えます。たとえば、「駅から遠く、相場の家賃では入居者が見つからない」「建物や設備が古くて人気があまりない」などの事情があるケースが大半です。
もちろん、上記の理由がデメリットにならない方にとっては、掘り出し物件である可能性もあるので一概に判断できません。ご自身で無理なく支払える家賃のゾーンを定めつつ、さまざまな条件を考慮し、慎重に評価することが大切です。
利便性が高い=住み心地がよいとは限らない
物件を選ぶにあたり利便性はとても重要なファクターです。しかし、利便性の高い物件だからと言って住み心地がよいとは限らないのです。たとえば、生活の利便性を重視して繁華街に位置する物件を選んだ場合、深夜の帰宅時などに治安の心配があります。また、学生が通学の利便性を重視し大学の近くの物件を選んだものの、周囲の学生による深夜の騒音に悩まされて勉強が手につかないという事例も散見されます。
このように「便利だからという理由で決定したら、実は生活環境の悪い物件だった」という失敗は後を絶ちません。便利さの裏に潜むリスクも把握したうえで、物件を比較検討しましょう。
繁忙期の物件探しは早い者勝ち
2~4月にかけての繁忙期においては、のんびりと物件探しをしている場合ではありません。この時期は転勤や進学などで人の移動が増加するため、賃貸物件の需要がとくに高く、よい物件はあっという間に埋まってしまうからです。目星をつけた物件が次の日には成約済みになっていて、途方に暮れるというケースも珍しくありません。
繁忙期の家探しでは、1ヶ月前にはある程度候補の物件を絞り込んでおくのが理想です。候補の物件が先に契約されてしまった場合に備えて、第2希望、第3希望の物件も定期的にリサーチしておきましょう。
価値観とライフスタイルにあった家を選ぶのが重要
賃貸物件探しで大切なのは、自分の価値観とライフスタイルに合った家探しです。家賃や利便性などはもちろん大切ですが、多くの方にとってもっとも重要なのが「自分に合っているかどうか」という点ではないでしょうか。自分の中で基準になる条件を整理して、リストアップしていくことで、物件選びはよりスムーズになります。
賃貸物件探しの肝となる条件の設定
賃貸物件探しでもっとも重要なのが、物件の条件の選定です。ご自身が物件に何を求め、どんな暮らしをしたいかを明確にすることで、おのずと物件候補は絞り込まれます。具体的な条件を整理する方法を確認しましょう。
まず明確にしたい5つの条件
物件に対してさまざまな希望があるはずですが、まずは以下の5つの条件を明確にすることが大切です。
【物件選びの5つの基本条件】
・家賃
・エリア
・間取り
・駅からの所要時間
・築年数
上記の5項目がもっとも物件の人気に大きく影響します。なお、条件を設定する時点では確定していなくても問題ありません。たとえば「家賃は共益費込み10万円まで(駅徒歩10分以内なら11万円まで)」など、ほかの条件との兼ね合いで譲歩できる点があれば、物件選びの幅がより広がります。
こだわりポイントも合わせてピックアップ
基本の5つの条件のほか、こだわりたいポイントがあればそちらもあらかじめメモしておきましょう。このとき、普段の生活から希望を整理していくとわかりやすくなります。たとえば、下記のような項目を思いついた際にリストアップしておくことが大切です。
【賃貸物件におけるこだわりポイント】
・毎日お湯を張るので都市ガスの物件がよい
・車での移動が多いので駐車場つきの物件にしたい
・布団を敷くので寝室は和室がよい
・毎日料理をするので2口コンロがほしい
まずはご自身の一日の生活を頭のなかでイメージしてみましょう。「よく考えればあまり自炊をしないのでキッチンは小さくてもよい」など、自分でも気づいていなかった希望が浮かんでくるかもしれません。
引っ越し時期を決めておく
引越しの時期をあらかじめ決定しておくことは重要です。入居者募集中の物件のなかには、空室で即入居可能なものと、現状ではまだ入居中の物件の二種類が存在します。そのため、気に入った物件があっても引越し時期によってはまだ前の住人が暮らしており、すぐには入居できない可能性があるのです。
転勤や就職、進学に伴う引っ越しであれば、ある程度入居時期は決まっているでしょう。一方、現在の家に不満を抱いて引っ越す場合でも、転居の希望時期をスケジューリングしておくことが大切です。
条件には優先順位をつける
希望条件がすべて満たされたうえで引越すことができれば、それに越したことはないのですが、希望が100パーセント叶うことはまれだと言えるでしょう。そのため、物件に求める条件には優先順位をつけておくのがベストです。
「予算を多少オーバーしてもセキュリティの高い家がいい」「ペットOKなら敷金の積み増しは1ヶ月まで許容する」など、人によってそれぞれ条件には優先度があるでしょう。ご自身にとっての最優先事項は何なのかを整理しておくことが大切です。物件の条件を「これだけは外せないもの」「条件しだいでは譲歩してもよいもの」に分類しておくと、比較する際に迷いにくくなります。
条件が決まったらネットで物件を検索
物件の条件が決まったら、実際に物件をインターネットで検索してみましょう。いきなり不動産会社に相談することもできますが、まずは複数の物件をネットで比較するのがおすすめです。さまざまな物件をチェックすることで、自分の中の隠れた希望条件やこだわりポイントが浮かび上がってくることがあります。
不動産情報サイトを見て生活のイメージを膨らませる
不動産情報サイトで物件の写真を確認し、引っ越し後の生活イメージを膨らませてみましょう。実際の生活をシミュレーションすることで、自分に合った物件かをある程度評価できるため、内見に行く家の候補を絞り込めます。
「この間取りだと寝室に向かうのに子ども部屋を経由しなければならない」「リビングが狭くて絶対に置きたい家具が収まりきらない」など、動線や使い勝手に関するポイントは、実はネットの不動産情報だけでも判断できることも多々あります。物件の写真や周辺情報なども見比べながら、内見に行く物件の候補を厳選してみましょう。
おおまかな家賃相場を把握できる
ネットで物件を検索する大きなメリットの一つが、おおまかな家賃相場を把握できることです。複数の物件の家賃や、賃料帯に対する物件数などで、だいたいの相場を把握できます。たとえば、家賃6万円で「1LDK」「都市ガス」「ペット可」の物件が見つからない場合、条件を変更するか、予算を増やす必要があるでしょう。
希望条件が相場ではなかなか見つからない場合、最初に決めた物件の優先順位をもとに、順位の低いものから除外していき、さらに物件を探ってみましょう。
立地は地図でも確認する
物件の立地は「駅まで〇〇メートル」という表記もありますが、実際に地図でも確認してみることをおすすめします。地図サイトに住所を入力してみるのに加え、大手不動産情報サイトで立地を地図上で確認できるのでチェックしましょう。
立地のチェックに地図を活用することで、生活の利便性をより正確に評価できます。周辺施設との位置関係もつかみやすくなるでしょう。「物件から徒歩圏内にコンビニとスーパーがある」「駅までは近いけど道が細く車では移動しづらい」「坂道が多い場所だった」など、エリア独自の情報も考慮しながら物件を選べます。
家探しはスケジュールを立てて進める
家探しを円滑に進めるには、あらかじめスケジュールを立てて「いつまでに何をすべきか」を明確にする必要があります。入居日から逆算して内見や物件選びの計画を立てましょう。
遅くとも入居1ヶ月前には物件探しを始めることをおすすめします。繁忙期に引っ越す場合であれば、もう少し余裕を持って早めに物件を確保するのもよいでしょう。まず入居日と内見の日を決定し、それまでに物件候補を絞るという形にするとスムーズに進められるはずです。
理想の賃貸物件を見つけるためのテクニック
より有利に理想の物件にたどり着くために、いくつかのコツが存在します。
時期の融通が利くなら閑散期に引っ越すのもアリ
引っ越しに転勤や進学などの外部的な要因が伴わず、ある程度時期の融通が利く場合は閑散期に引っ越すのも一つの方法です。具体的には5月から8月にかけては賃貸不動産の需要が低く、比較的有利に物件選びができる時期になります。
初期費用が安く設定される、フリーレント(家賃の無料期間)が設けられているなど、同じ物件でも条件がよくなる傾向にあります。繁忙期に比べると物件の争奪戦も穏やかですので、心理的にも余裕を持って家探しができるでしょう。
内覧(内見)時の持ち物とチェックしたいポイント
理想の賃貸物件を見つけるためには、家の様子を直接確認できる「内覧」が重要なマッチングの場となります。内覧の際に必要な持ち物と、最低限チェックしておきたい点をご紹介します。
【内覧時の持ち物】
スマートフォン | カメラやメモの代わりとして使用できる |
---|---|
メジャー | 物件の寸法を測るのに必須 ・部屋の一辺の長さ(家具の設置の可否) ・カーテンの高さ ・家具の搬入口の幅 などを計測できる |
懐中電灯 | 新築物件など電気が通っていない家の内見で必要。スマートフォンのライトで代用可 |
方位磁石 | 物件情報通りの方位かを確認できる スマホアプリで代用可 |
ペン | 間取り図に気になるポイントを書き込む際に持っていると便利 |
【内覧時にチェックしたいポイント】
サッシや押し入れなどにカビやシミがないか | 湿気のこもりやすい家かどうかわかる |
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共用部分に私物が置かれていないか | 住人のルール遵守の意識がわかる |
浴室まわりのサイズ感は合っているか | 洗面台、浴槽、洗い場など浴室まわりのサイズ感を採寸してサイズ感を把握する |
日当たりは良好か | 日中に内覧できると理想的 部屋の明るさをチェックする |
エントランスに張り紙がないか | 騒音やごみ捨てについて厳しく注意喚起がされている場合は危険な場合も |
近隣の車通りは多いか | 騒音や子どもが安全に生活できるかに影響する |
以上はあくまで最低限なので、ほかにも気になるポイントや必要な持ち物があれば適時追加しましょう。チェック内容は忘れないようスマートフォンのメモ機能などに記録しておくと確実です。
気に入った物件は見積書をもらう
内見の結果、前向きに検討したい物件を見つけたら初期費用の見積書をもらいましょう。初期費用の金額は口頭でも説明してもらえますが、書面として持っていた方が備忘録になります。いざ支払う際に「記憶していた金額より高い?」という事態を回避することにもつながります。
何にいくらかかるのかを把握するため、見積書は項目ごとの内訳が記載されているかを欠かさずにチェックしましょう。複数の物件で迷った時でも、それぞれの見積もりを比較して初期費用の安いほうにする選び方もできます。
不動産会社とまめにコミュニケーションを取る
物件情報を集める際、自分で情報を探すだけでなく、不動産会社にも並行して相談することをおすすめします。条件を伝えて物件紹介を依頼すれば、希望に応じた家をピックアップしてくれるので、こまめに連絡を取り合うようにしましょう。
この際にポイントとなるのが「条件だけでなく優先度や引っ越しの背景もあわせて伝える」ことです。何が最重要の条件でどこまで譲歩できるのか、なぜ引っ越しをするのかも不動産会社と共有することで、より意図に沿った物件の紹介を受けられます。候補の物件が埋まってしまった場合に教えてくれるなどメリットも多いため、定期的に家探しの状況を連絡しておくのがおすすめです。
コロナ禍で増すネットの家探しの重要性
2020年から猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響で、家探しにおけるネットの役割はより重要になっています。以前のように店舗での対面相談を利用するのは抵抗がある方も少なくないでしょう。また、不動産会社によっては店舗の密を避けるため「完全予約制」を導入するところもあるなど、対面相談・内見のハードルは上がっています。
幸いなことに、ネットの不動産情報は内容の充実化が進んでいますし、多くの不動産会社でオンライン内見やIT重説(※)に対応しているなど、直接出向くことなく物件を探せる環境が整備されています。不動産情報サイトやインターネット接客サービスなどを積極的に活用していきましょう。
※IT重説:オンラインでの重要事項説明のこと
基本を押さえて自分にあった物件を見つける
インターネットには数多くの物件情報があふれているため、思い立ったときにすぐに物件情報を確認できます。しかし、数が多いだけに漫然と物件を探すと家選びで失敗してしまうこともあります。大切なのは希望条件を整理し、物件を精査することです。
家探しはいわば「情報戦」であり、自分に適した物件を早く見つけることこそ、成功のカギと言えます。常に物件情報のアンテナを張り、掘り出しもの物件を見逃さないよう備えておきましょう。
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