- 家事の動線をまとめる
- 家事を作業ごとに“分類”“細分化”する
- 収納スペースは暮らしに合わせて考える
作業を“分類して”まとめることを意識する
“洗濯”は、洗濯物を①洗う、②干す、③取り込む、④収納する。
この4つに分類でき、①~④を一ヶ所で行えると、家事の時間を短縮できます。
そのために必要なのが“家事の動線をまとめる”こと。
同じ空間または隣室などの空間で、これらの作業ができるようにするということです。
上の写真は、洗濯物を洗うスペースと、洗濯物の収納スペースが“同居”した、家事兼洗面室です。この部屋で、①~④のすべてがこなせるので、時間のロスがありません。
①~④に分類していない“洗濯前に洗濯物をまとめる”、“乾いた洗濯物を畳む”という作業も、洗い物カゴを置いておくスペースと、洗濯物を畳むスペースをこの部屋に設置してしまえば、洗濯に関わる家事はこの部屋で完結できます。
家事時短の間取りを考える時には、このように家事ごとに必要な作業を“分類”“細分化”した上で、必要なスペースをどう取るかについて考えることが重要です。
家事動線をまとめる工夫:事例①
上の写真は、私が家事の動線を意識して造ったモデルハウスの写真です。
キッチンの裏側には、廊下のように行き来ができる家事室を配置し、ここに洗濯機置き場と室内干し場と、衣類用のクローゼット(収納)をまとめました。
この家事室で、洗濯物を①洗う、②干す、③取り込む、④収納する、これらの作業を完結できます。
この家事室は、洗面脱衣室につながっています。
写真には写っていませんが、洗面脱衣室は浴室に隣接しています。
脱いだ服を家事室へ持っていくこと、家事室にある洗濯機で洗い、干したパジャマやタオルを洗面脱衣室へ持っていくこと、どちらもスムーズです。
このモデルハウスには、お子さま一人の共働き夫婦がお住まいですが、「この家事室のおかげで、洗濯が本当に楽です」という感想をいただきました。
家事動線をまとめる工夫:事例➁
この写真も共働き夫婦の新居のものです。リビングから洗面脱衣室を撮影しました。
こちらのご夫婦は、家を建てる前から洗濯はいつも夜だったということで、仕事から帰ってから、スムーズに洗濯できる間取りを希望されていました。
そこで、リビングと洗面脱衣所の間に、洗面脱衣室だけでなく、リビングからも扉を開け閉めできるクローゼット(収納)を設け、収納したモノを取り出しやすい間取りを提案しました。
洗濯と室内干しの両方ができる洗面脱衣室を作れば、乾いたらすぐにクローゼットにしまうことができます。 着替える時は、リビング側からクローゼットを開け、洋服を取り出せます。
このようなちょっとした工夫やアイデアは、家事の時間を短縮できるだけでなく、生活動線の改善にもつながります。
工夫次第で家事の時間短縮を生む洗面台周り
上の写真は、造作洗面台の事例です。
洗顔用のタオルや、手を洗った時に使うミドルタオルやバスタオルなど、使用頻度が高いタオルは、出し入れしやすいオープン収納が向いていると思います。
暮らしに合わせて必要な枚数を置けるスペースを確保しておくと、家事の時短になるだけでなく、生活動線もよくなります。
洗濯することを考え、収納する枚数も前もって考えておくようにしましょう。
洗面台でもう一つ。
スペースに余裕があるのであれば、洗面台のボウルを真ん中ではなく左右どちらかによせてみるのもいいでしょう。空きスペースをタオルや着替えの仮置き場として使えるので便利です。
時短の間取りは生活動線を明確にすることから生まれる
本記事では、“洗濯”を例に書いてみましたが、“料理”や“掃除”など他の家事も、洗濯の①洗う、②干す、③取り込む、④収納すると同様に、“分類”することができます。
間取りを考える時は、作業ごとに必要な行為を“どこでするのか”や“必要な物は何か”などを考え、 “分類”と“細分化”した上で、具体的に書き出してみましょう。
少し難しいかもしれませんが、施工会社から出してもらった間取り図を見て、自分や家族がどのような動線で作業を行うか、実際にイメージしてみてください。
このイメージがしっかりしていればしているほど、家事の時間を短縮できる間取りに近づけることができるはずです。
もちろん、できること・できないことがありますので、施工会社や設計士、インテリアコーディネーターらプロの手を借り、アドバイスももらってください。
お問い合わせページに移動します
オブザーバー兼公認ライター
福井栄里
イルトコ 。代表
インテリアデザイナー/建築士
大手住設メーカーの住宅アドバイザーを経て、インテリアコーディネーターへ。その後、注文住宅の内装の設計に携わる経緯から、現在は住宅や店舗のプラン設計・デザインを主に担当。
irutoco。二級建築士事務所代表。
プライベートでは小学生と保育園児の男女2児のママ。
子育て目線とインテリアのプロ目線、2つの視点から「心地よい暮らし」を提案している。
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