- 家を購入するときには物件価格以外にもさまざまな費用がかかる
- 新築一軒家は土地代や工事費用が必要になるので計画的に準備を
- 中古一軒家は新築よりもスピーディーに引越しの日程を決めておくのがおすすめ
家を購入するのは、人生において大きな選択です。とはいえ、購入前から実際にかかる費用や支払いスケジュールを把握している方は少ないのではないでしょうか。一軒家を購入する場合は、物件そのものの金額だけでなく、他にも費用がかかってきます。
今回は、詳しい費用の内訳や支払いスケジュールについて解説します。この記事を参考に支払い計画を立てて、余裕を持った状態で理想の暮らしをスタートさせましょう。
住宅購入にかかるお金の内訳
家を買うときには物件自体にかかるお金だけでなく、さまざまな資金が必要になってきます。たとえば、購入手続きにかかる費用や頭金などが挙げられます。
一般的な一軒家(一戸建て)であれば、物件価格の6%~13%程度が諸費用の目安になります。ただし、実際の金額は物件の価格やローンの組み方によって変わってくるので、購入する際にはきちんと確認しておきましょう。
頭金
物件購入時に現金で支払う分のことを「頭金」と言います。最近では頭金が0円でもローンを組むことができますが、住宅ローンの借入分が増えるので、毎月の返済額が大きくなってしまいます。物件価格の20%程度の頭金が用意できていると、毎月の返済も無理なくできるでしょう。
不動産購入取得に関するお金
物件を購入するにあたり、不動産を取得するための手数料などがかかり、税金や仲介手数料などが挙げられます。一軒家の場合は消費税がかかりますが、個人が売り手の場合や土地にはかかりません。
申し込み証拠金・手付金
申し込み証拠金は、物件購入の意思のために支払い、申し込みを撤回する際や契約が成立しない場合には返金されます。目安としては2万円~10万円程度ですが、物件によって異なります。なかには、申し込み証拠金が必要ない物件もあります。
手付金は、売買契約時に売主に支払うお金で、申し込みを撤回した場合は返金されません。物件価格の5%~10%が相場ですが、売主と買主の合意によって決まるので、契約次第では相場よりも高かったり低かったりします。申し込み証拠金と手付金は、契約に進めば最終的に購入代金の一部になります。
仲介手数料
仲介会社を通して物件を購入する場合にかかるお金で、仲介会社に払う手数料にあたります。金額は物件や仲介会社によって変わりますが、「物件価格の3.3%+6万6,000円」が上限と決められています。
印紙税
売買契約書に印紙を貼る形で支払われる税金です。たとえば、物件価格1,000万円以上5,000万円以下の場合は、1万円の印紙税を納めなくてはなりません。金額は物件価格によって異なるので、正確な金額をあらかじめ確認しておきましょう。
出典:国税庁「印紙税額一覧表」
不動産取得税・固定資産税・都市計画税
不動産取得税は、物件購入時に一度だけ支払う税金です。軽減制度もあるので、軽減に該当するか確認してみましょう。
また、固定資産税や都市計画税は毎年かかってくる税金です。1月1日時点で不動産を所有している方に発生するので、手放さない限りは毎年収めることになります。購入時には日割りした金額を売主に支払うことになるでしょう。
登記費用
不動産の登記にかかる手数料などが登記費用にあたります。所有権を誰にするのかを登録したり、抵当権を設定したりするのに登録料がかかります。司法書士に依頼するのであれば、報酬も支払わなくてはなりません。
ローンに関するお金
住宅ローンにかかるお金として、印紙税やローン借入費用などが挙げられます。印紙税はローン契約書に印紙を貼る形で支払われ、金額は契約により異なります。ローン借入費用は、事務手数料やローン保証料、保険料などです。金額は金融機関やローンの組み方、保険会社により異なります。
その他の費用
一軒家を購入する場合は、新しく水道を利用することになるので水道負担金が発生する場合があります。自治体によって差がある部分なので、事前に調べておきましょう。また、今の住まいから新居に引越すための引越し費用や、新しい家具を購入する費用もかかってきます。引越しまでの間に仮住まいを使う場合は、その費用も頭に入れておきましょう。
購入後にかかるお金
一軒家を購入したら支払いが完了というわけではなく、住宅ローンの返済や住まいを維持していくためのお金がかかります。購入後にかかってくるお金は、定期的に支払うものが多い傾向にあります。
住宅ローン返済
住宅ローンを組んで一軒家を購入した場合、返済が終わるまでの間ローン返済金を毎月支払わなくてはなりません。住宅ローンの返済期間は最長35年で、この間でプランを組みますが、一般的には長期間支払い続けることが想定されます。
無理のない範囲で返済を続けるために、家計管理をしっかり行い、返金計画を立てておきましょう。返済には、毎月定額返済の他にボーナス月に加算方式も採ることができます。早く返済したい方は、ボーナス月の返済額を増やしてみてもよいでしょう。
固定資産税・都市計画税
一軒家の購入時の税金ですが、毎年かかってくるものになります。毎年1月1日時点で不動産を所有している方を対象にかけられる市町村税で、納税は6月ごろになります。固定資産税に関しては、新築住宅である場合5年間軽減される制度があるので、利用するとお得です。
修繕費
一軒家の場合は定期的な支払いはありませんが、家の設備などが故障した場合に適宜修繕費がかかってきます。水まわりは劣化しやすいので、長く住んでいくのであれば定期的な修繕が必要になるでしょう。また、リフォームなどを行う場合にもお金がかかるので、住みよい暮らしのためには、ある程度の蓄えが必要になります。
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新築一軒家(一戸建て)はどうやって購入する?
新築の一軒家を購入したり、注文住宅を建てたりする場合、どのような手順で進んでいくのか解説していきます。家を建てるところからスタートするので時間はかかりますが、理想の住宅を手に入れることができます。
あらかじめ手順や支払いスケジュールを把握しておくことで、突然資金が必要になったときでも焦ることはないでしょう。余裕を持って新築物件を購入するために、きちんと頭に入れておきましょう。
1.土地を購入する
所有している土地でない場合は、家を建てる場所として土地を買う必要があります。土地の売買契約時には、購入金額の10%程度が目安となる手付金を支払います。売主と買主の合意によって決まるので、それぞれ異なる金額になるのが現状です。
手付金は、売買代金の一部に充てられますが、買主都合でのキャンセルになった場合は返却されません。反対に、売主都合でのキャンセルは、手付金の二倍の金額が買主に支払われます。
もし、仲介会社を通して土地を購入するのであれば、契約時に仲介手数料を支払います。一般的には、契約時と引き渡し時に半分ずつ支払うので、この段階では半額支払うことになるでしょう。無事に土地の引き渡しが終わったら、残金の支払いや登記費用などを支払います。
2.家を建てる
土地が決まり、家を建てる場所が整ったら施工会社が土地の調査をします。この調査にも費用がかかり、目安は5万円~10万円と言われています。施工会社との契約が完了したら、工事費用の支払いが必要になってきますが、この支払い時期などは施工会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。一般的な支払い時期ごとに解説していきます。
契約時
工事費用としては契約金が発生し、総工事費用の10%程度が目安です。他には、工事の契約書に貼る印紙税がかかり、税額は建築代金によって異なります。また、建築確認申請書用や住宅性能表示制度の費用がかかってくるでしょう。それぞれ目安となる金額は、10万円~20万円と言われています。
着工時
工事費用としては着工金がかかり、総工事費用の30%程度が目安になります。地鎮祭を行う場合には、それに関する費用がかかるでしょう。地鎮祭とは、建物の建設が始まる前に工事の安全などを祈願する儀式です。必ずやらなくてはならない儀式ではありませんが、実施する場合、祭壇を作る費用や神主さんへの謝礼などがかかってくるでしょう。
上棟時
工事費用としては、上棟金がかかり総工事費用の30%程度がかかるでしょう。上棟がどの段階を指しているかは会社や地域によって異なり、骨組みが完成した時点を指すこともあれば、屋根が完成した段階を指すこともあります。
引き渡し時
引き渡し時には、総工事費用の残りを支払うことになり、約30%と言われています。新築建物の表示登記や所有権保存登記など、登記にかかる費用が発生します。
また、ローンの借入費用がかかり、手数料や保険料などの支払いが必要になるでしょう。費用の内容や金額は、ローンの組み方や保険会社によって異なるので、事前に確認が必要です。
3.入居
家が完成し、引き渡しが終わったら、引越し費用や家具の購入費用が発生します。家具の購入には計画を立てて、後々生活が苦しくならない工夫が必要になります。
また、建物や土地を取得したときにかかる「不動産取得税」の支払いが請求されます。引き渡しが終わった半年後から一年半ほどすると通知書が来るので、それを使って納付しましょう。一定の条件を満たす新築住宅は、軽減措置が受けられるので先に調べておくことをおすすめします。
中古一軒家(一戸建て)の場合
中古の一軒家を購入する場合は、すでにある住宅を購入するので、新築よりもスピード感のある購入手順になります。住宅構造を希望通りに注文することはできませんが、購入から引き渡しの期間が短いので、「マイホームが早くほしい」といった方におすすめです。
1.物件を決めたら申し込みをする
内見などを含めた物件探しが終わり、購入する物件が決まったら、購入申し込みをします。「物件を買う意思がある」と表示するものであり、この申し込みは売買契約ではないので、混同しないようにしてください。
正式な契約ではないものの、購入意思の確認のために申し込み証拠金を支払うケースが多いです。金額は物件によって異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。申し込み証拠金は預かり金になるので、購入に至れば代金に充てられ、契約しなければ返金されます。
この時点で、住宅ローンが組めるかの仮審査に申し込みます。住宅ローンの審査は二段階になっているのが一般的で、この審査は本番ではありません。支払い能力があるのかを見られるので、ローン会社によっては審査に落ちてしまうこともあります。
2.正式に契約を結ぶ
無事審査を通過し、物件のことや契約内容などについて再度確認が行われます。問題がなければ、「重要事項説明書」に署名・捺印して契約に進んでいきます。ここで交わす契約が正式な売買契約となり、手付金が発生するので用意しておきましょう。手付金は申し込み証拠金と異なり、契約を解除した際には返金されません。
正式に契約ができたら、住宅ローンの本審査に申し込みます。もし仮審査に受かったとしても、本審査に落ちる可能性があることは念頭に置いておきましょう。このような場合には物件の売買契約を白紙に戻すことができ、手付金も返却されます。しかし、この特約時効がないケースでは手付金が返却されず、契約もできないといった結果になることもあります。事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
3.残金決済・入居
住宅ローンの本審査も通過し、正式に売買契約が成立したら、諸経費の支払いが発生します。残金決済とは、物件の購入代金に加えて仲介手数料などの諸経費を支払うことを意味しています。手付金など先に支払ったものは差し引かれるので、トラブルのないよう確認しておきましょう。
残金決済と同時に不動産の登記が行われ、正式に購入した一軒家があなたのものになります。鍵を受け取って引き渡しが完了し、そのあとは引越し費用や家具を購入する費用がかかってきます。すぐに入居したい場合は、引越しの手続きを早めに進めておきましょう。
一軒家(一戸建て)の購入時は計画的な支払スケジュールを立てよう
家を購入するには、物件以外にも費用がかかるので計画的に進めていく必要があります。購入するまでにもお金が必要ですが、購入後も住宅ローンを含め費用が必要になっていくので、無理なく支払いできるようにしておきましょう。
新築一軒家の場合は土地代や工事費用など複数回に分けた出費があり、入居までに時間がかかります。一方、中古一軒家の場合は、入居までスピーディーで引越しの手配を計画的にやらないと無駄な出費がかかる可能性が高いです。もし、何か不安なことがあるのであれば、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのがおすすめです。プロの意見を取り入れつつ、理想の住宅を手に入れましょう。
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