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【2024年最新】定額減税は住宅ローン控除にどう影響する? 給付金についてもわかりやすく解説

更新日:2024.11.19

【2024年最新】定額減税は住宅ローン控除にどう影響する? 給付金についてもわかりやすく解説

令和6年度の税改正大綱に定額減税が盛り込まれ、これまで住宅ローン控除の適用を受けていた方や今年住宅を購入して住宅ローン控除の適用を受ける予定の方など、“住宅ローン控除がある場合の定額減税”について気になっている方もいらっしゃるでしょう。 本記事では、定額減税の概要と住宅ローン控除の仕組みについて解説するとともに、両者を併用する場合の控除額や具体的なシミュレーションをご紹介します。

  • 定額減税は、納税者本人と配偶者を含む扶養親族1人につき所得税3万円・住民税1万円の減税を受けられる制度
  • 住宅ローン控除と定額減税は併用できる
  • 定額減税で差し引くことができない所得税や住民税がある場合は、調整給付金として給付を受けることができる

もくじ

  1. 令和6年度から実施される定額減税とは?

    1. 1人につき所得税3万円・住民税1万円の減税を受けられる

    2. 給与所得者は、月次か年末調整のいずれかで減税される

  2. 住宅ローン控除とは

  3. 住宅ローン控除ですべて控除された場合、定額減税分は調整給付金として受け取れる

  4. 住宅ローン控除と定額減税のシミュレーション

  5. 住宅ローン控除と定額減税に関するよくある質問

    1. Q.住宅ローン控除と定額減税の併用で損することがある?

    2. Q.ふるさと納税がある場合の住宅ローン控除と定額減税はどうなる?

    3. Q.住宅ローン控除と定額減税で還付金はどうなる?

    4. Q.住宅ローン控除と定額減税の二重取りになることはある?

    5. Q.定額減税の調整給付はいつ受け取れる?

  6. まとめ

 

令和6年度から実施される定額減税とは?

定額減税は、2024年4月1日に施行された「令和6年度税制改正」に盛り込まれた制度です。
ここでは、定額減税の内容について解説します。

1人につき所得税3万円・住民税1万円の減税を受けられる

定額減税は納税者本人と、配偶者・扶養親族1人につき所得税3万円、住民税1万円分控除を受けられる制度です。 例えば、独身の方であれば減税額は所得税3万円、住民税1万円で、配偶者とお子様が1人いる家庭であれば、所得税9万円、住民税3万円の減税を受けることが可能です。

定額減税

なお、定額減税の適用を受けるには、以下のような条件を満たす必要があります。
詳しい要件は、国税庁のサイトをご確認ください。

  • 日本国内に居住している
  • 所得税や住民税の納税者である
  • 令和6年度の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である
  • 令和6年度の収入が給与収入のみの方は、給与収入が2,000万円以下である

給与所得者は、月次か年末調整のいずれかで減税される

給与所得者の方の場合、2024年6月以降、最初に支払いを受ける給与や賞与に係る源泉徴収税額から、定額減税分が控除されます。
例えば、独身の方で所得税の減税額が3万円の方が、2024年6月以降最初に受け取った給与や賞与の源泉徴収額が3万円以上の場合は、最初の給与・賞与で控除しきることができます。 一方、最初の給与・賞与で控除しきれない額がある場合には、翌月以降に繰り越されるのです。

なお、月次の所得税から控除しきれない場合には、年末調整で還付が行われることになります。
また、住民税に関しては、令和6年6月分は給与から天引きされず、令和6年7月から令和7年5月までの11か月分を均した額が徴収されることとなっています。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合、一定の要件を満たすことで借入額の0.7%分を最大13年間、所得税と住民税から控除を受けられる制度です。 例えば、3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、年間21万円、最大13年間で273万円分の控除や還付を受けられるため、非常に節税効果の高い制度となっています。

なお、住宅ローン控除は、あくまでも所得税や住民税から控除できる制度です。 控除対象額が大きいですが、そもそも所得税や住民税を納めていなければ控除や還付を受けられない点に注意が必要です。
詳しい要件は、国土交通省のサイトをご確認ください。



 

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住宅ローン控除ですべて控除された場合、定額減税分は調整給付金として受け取れる

住宅ローン控除によって所得税や住民税が控除され、結果として所得税額や住民税が0円になったり、定額減税額を下回ったりする場合がありますが、この場合、定額減税で控除しきれない額を1万円単位に切り上げて「調整給付金」として受け取れることになっています。
給付対象の方は、自治体から確認書が届くため、忘れずに手続きするようにしましょう。

住宅ローン控除と定額減税のシミュレーション

ここでは、住宅ローン控除により所得税が全額控除された場合、定額減税がどうなるのかシミュレーションをしていきたいと思います。

4人家族(共働きの配偶者+子供2人)年収400万円のシミュレーション
  • 4人家族
    (共働きの配偶者+子供2人)
  • 年収400万円
    (所得税8万円/住民税18万円)
  • 令和6年度中に年末残高3,000万円程度の住宅ローンを組んで住宅を購入

まず、配偶者は共働きのため、定額減税の対象となる扶養親族に該当しません。
※配偶者は所得48万円超で対象外となります
このため、扶養親族の数は2人となり、定額減税の額は所得税9万円、住民税3万円となります。

住宅ローン控除額は【3,000万円×0.7%=21万円】です。
このため、所得税については全額となる8万円を住宅ローン控除で差し引かれることとなります。
また、住民税については、控除額21万円から8万円を差し引いた13万円が差し引かれ、残りの住民税は5万円です。

4人家族(共働きの配偶者+子供2人)年収400万円のシミュレーション

上記から、住民税は残りの5万円から定額減税分の3万円を差し引くことができますが、所得税についてはすでに控除しきっていることから、定額減税分の9万円の減税を受けることができません
還付しきれなかった所得税の9万円分については、自治体から送られてくる確認書に回答したのち、調整給付金として支給されることになります。

4人家族(共働きの配偶者+子供2人)年収400万円のシミュレーション

以上をまとめると、上記シミュレーションの結果は以下のようになります。

  • 住宅ローン控除額:
    所得税8万円・住民税13万円
  • 定額減税額:住民税3万円
  • 調整給付金:9万円(所得税分)

住宅ローン控除と定額減税に関するよくある質問

最後に、住宅ローン控除と定額減税に関するよくある質問をご紹介します。

Q.住宅ローン控除と定額減税の併用で損することがある?

A.ないと考えてよいでしょう。 住宅ローン控除で所得税や住民税を全額控除してしまった場合には、定額減税分は、調整給付金として給付を受けることができます。

Q.ふるさと納税がある場合の住宅ローン控除と定額減税はどうなる?

A.住宅ローン控除と定額減税以外に、ふるさと納税を利用される方もいるでしょう。
ふるさと納税は、自治体に対して寄付をすることで、寄付額の2,000円を差し引いた額の減税を受けることができ、さらに返礼品を受け取れるという制度です。

ふるさと納税や住宅ローン控除により、所得税や住民税を全額控除してしまった場合でも、定額減税分は調整給付金として受け取ることが可能です。
ただし、ふるさと納税と住宅ローン控除については、控除しきれない額があったとしても繰り越ししたり給付金を受けたりすることはできません。 そのため、住宅ローン控除のある方がふるさと納税を利用する場合には、事前に控除額をシミュレーションしておくことが大切です。

Q.住宅ローン控除と定額減税で還付金はどうなる?

A.給与所得者の方が住宅ローン控除を受ける場合、年末調整で還付を受けることになります。
ただし注意すべき点として、給与所得者の方であっても住宅ローンを組んで1年目は自分で確定申告する必要があり、源泉徴収された所得税から還付金を受け取ることになることを覚えておきましょう。

定額減税については、住宅ローン控除を受けている場合も、基本的な考え方は変わりません。
つまり、住宅ローン控除で所得税の還付金を受け取ったうえで、定額減税で差し引くことができない額がある場合には、調整給付金として給付されることになります。

Q.住宅ローン控除と定額減税の二重取りになることはある?

A.ありません。
住宅ローン控除も定額減税も、支払った所得税や住民税からのみ控除を受ける仕組みです。
ただし、定額減税のみ、控除しきれない額がある場合に調整給付金として受け取ることができます。

Q.定額減税の調整給付はいつ受け取れる?

A.自治体により異なりますが、確認書を返信してから2週間~1ヶ月程度で指定の口座へ振り込まれます
気になる方は、あらかじめお住まいの自治体に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

ここまで、住宅ローン控除と定額減税について解説しました。
定額減税は現在のところ令和6年度のみ実施されるもので、納税額から直接控除を受けることができるため、節税効果の高い制度です。 また、住宅ローン減税は住宅ローン年末残高の0.7%分を差し引くことができるため、非常に控除額が大きいですが、納税額によっては控除しきれない額が生じることもあります。

住宅ローン控除においては、控除しきれない額が生じた場合、翌年以降に繰り越すといったことはできません。 一方、定額減税に関しては、控除しきれない額がある場合には調整給付金という形で給付を受けることが可能です。 ただし、調整給付金を受け取るには、自治体から送られてくる確認書に返信しなければなりません。 令和6年度分として住宅ローン控除の適用を受ける方は、ご自分の住宅ローン控除額と定額減税額を把握し、準備しておくことが大切です。

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宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

逆瀬川 勇造

大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
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