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定期借家って普通借家と何が違うの?メリットや注意点について丸ごと解説

更新日:2021.05.10

定期借家って普通借家と何が違うの?メリットや注意点について丸ごと解説

部屋を借りるときに賃貸借契約に着目したことはありますか? 短期間で部屋を借りたい方や、家賃を抑えたい方におすすめなのが「定期借家」という制度です。この制度についてメリットや注意点、借り方についてご紹介します。

  • 定期借家は貸主の不利を是正するためにできた制度で原則契約の更新ができない
  • 借主は短期間で家を借りたり家賃を抑えたりすることが可能
  • 持ち家があれば定期借家の大家さんになれるので空き家の有効活用がおすすめ

もくじ

  1. 定期借家とは

    1. 普通借家との違いについて

  2. 定期借家のメリット

    1. 貸主側のメリット

    2. 借主側のメリットについて

  3. 定期借家のデメリット

    1. 貸主側のデメリット

    2. 借主側のデメリット

  4. 定期借家物件を貸す・借りる方法

    1. 定期借家物件を貸す方法

    2. 定期借家物件を借りる方法

  5. 定期借家を上手に活用して自由な暮らしを実現しよう



 

部屋を借りるとき、物件には「普通借家物件」と「定期借家物件」があります。一般的な賃貸物件は普通借家物件ですが、定期借家物件という物件の貸し出し方法をご存知でしょうか。

この記事では普通借家物件との違いや定期借家物件を利用することのメリット・デメリットについて解説していきます。定期借家物件を貸し借りする方法についてもご紹介するので、賢い住宅選びの参考にしてみてください。

定期借家とは

定期借家とは、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」に基づいて導入された、「定期借家制度」によって定められた物件のことをいいます。賃貸借契約で定めた契約期間が満了すると契約が終了し、更新ができません。ただし、貸主と借主の双方の同意があれば再契約することも不可能ではありません。

定期借家の目的としては、良識のない借主に長期間居座られてしまい、退去してもらえないなどのトラブルを回避することにあります。貸主の不利を是正し、良質な賃貸物件の供給が増えることを目指しているのです。

普通借家との違いについて

大きな違いとしては、普通借家の場合は基本的に更新できる点でしょう。しかし、そのほかにも定期借家と普通借家の違いが見られる項目があります。ここからは違いが見られる契約方法や賃貸借の効力の期間などについて、それぞれ解説していきます。

契約方法

定期賃貸借契約は公正証書などの書面を使って契約します。また、賃借人は「更新がなく期間の満了によって契約が終了する」との旨を、契約書とは別に書面を交付して説明しなくてはなりません。

期間を1年未満とする契約

1年未満の建物の賃貸借契約の効力について、普通賃貸借契約の場合は期間の定めのない賃貸借とみなされてしまいます。一方、定期賃貸借契約の場合は1年未満の契約であっても有効な契約として認められます。

そのため、期間が決まっている転勤や持ち家のリフォーム時の仮住まいなど、短期間の滞在を希望している方でも家を借りられるのです。

借賃の増減

普通借家の場合、地価の変動による借賃の増減は、借主に対して請求できるのが通常です。しかし、定期借家の場合は借賃の増減に関する請求を排除できる特約が定められています。

この特約を有効に働かせ、借賃の改定を行わないようにするには賃料を客観的に定めなくてはなりません。契約時に具体的な金額で賃料を設定しておくことや、賃料の改定を行わないという旨を定めることが必要になるでしょう。



 

定期借家のメリット

定期借家のメリット

定期借家は貸主(大家さん、オーナーさん)の不利を是正するものとして導入された制度です。しかし、借主側から見ても複数のメリットがあります。それでは定期借家における貸主、借主それぞれの目線からメリットを見ていきましょう。

貸主側のメリット

まずは、貸主側のメリットについて。もとは貸主のためにできた制度なので、うまく使うことでメリットを最大限に生かした賃貸契約が結べるでしょう。

立ち退きに関する問題が起こらない

建て替えを考えている戸建て住宅には、定期借家制度が有効活用できます。建て替えを予定している物件で普通賃貸借契約をしていると、立ち退きに関する入居者との交渉や引越し先の確保といった問題が発生してしまうでしょう。しかし、建て替えの時期までの短期間を定期賃貸借契約にすることで、立ち退き費用の交渉や引越し先の確保にかかる労力を減らすことができます。

また建て替えの時期まで部屋を空室にしなくてもいいので、経済的な面で見ても非常に有効です。

問題のある入居者を判断することができる

定期賃貸借契約にすれば短期間での契約が可能になり、契約期間が満了すれば再契約に応じなくても問題ありません。そのため、家賃を滞納する人や良識のない住民を、そのまま住まわせておかなくてよいのです。

1年程度の定期賃貸借契約にしておけば、問題のある住民からの被害を最小限に抑えることができるでしょう。

決まった期間だけ貸し出したい場合にも有効

「転勤の期間だけ」「実家で暮らすまでの期間だけ」のような場合に、定期賃貸借契約は有効です。普通賃貸借契約にしてしまうと、自分が住みたいタイミングで入居できない可能性も高くなります。一方で、定期賃貸借契約にすれば1年間だけ貸し出すこともできて、空き家の期間を有効活用できるでしょう。決まった期間だけ部屋を貸したい場合には、定期賃貸借契約がおすすめです。

借主側のメリットについて

普通賃貸借契約は基本的に2年契約となることが多く、その物件を継続して利用したい場合には、更新費を支払うことで契約更新が可能です。一方、定期賃貸借契約では短期間での契約が可能なことや、長期間の場合は更新が不要なケースが多い点がメリットでしょう。

1年以下の短期間での契約が可能

先述したように、定期賃貸借契約であれば1年未満の賃貸契約を結ぶことができます。3ヶ月や半年などかなり短い期間での契約ができる物件もあるので、あらかじめ住む期間が決まっている方にとっては便利な点でしょう。

期間があらかじめ決まっている転勤や、全国を移動するような仕事に就いている方、持ち家のリフォーム期間の仮住まいを探している方におすすめです。

賃料が相場より低いこともある

建て替えや取り壊しが決められている住居を貸し出している場合、家賃が相場より低く設定されていることがあります。また、賃料減額など普通借家よりも融通の利く物件というケースもあるようです。

再契約をする場合に契約内容を見直すことができる

定期借家は契約期間が満了した時点で契約が終了しますが、借主貸主双方の同意の下であれば再契約することも可能です。その際に契約内容を変更してもらうこともできるので、より住みやすい環境に近づけることができるでしょう。

よい住宅を借りられる可能性がある

定期借家にする物件は、もともと大家さんが居住目的で所有しているものが多い傾向にあります。たとえば、持ち家のある方が転勤で家を離れる間だけ貸家にするケースや、別荘やセカンドハウスを賃貸として貸し出すケースなどが考えられます。

そのため、比較的新しい戸建てや、設備が充実したマンションを賃貸として貸し出すケースもあります。家賃以上の住宅での暮らしを満喫できる可能性があるのです。

長期間の契約の場合更新手続きがいらない

普通借家の場合、家の更新は2年ごとと決められていたり更新費がかかったりすることもあるでしょう。しかし定期賃貸借契約で長期間の契約をしているのであれば、更新の手続きが必要ありません。「長期間にわたり家を借りたいけど、更新手続きや更新料が気になる」という方におすすめの契約方法なのです。



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定期借家のデメリット

借主にとってもメリットのある定期借家ですが、もちろんデメリットもつきものです。デメリットを最小限に抑えるために、注意点も併せて解説していきます。

貸主側のデメリット

まずは貸主側のデメリットについて。貸主の不利を是正するものとして生まれた制度ですが、もちろんデメリットもあります。家を貸し出す場合には、デメリットを軽減させるための対策を講じる必要があります。

家賃を安く設定しなくてはならない

一般的に普及しているのは普通賃貸借契約であり、定期賃貸借契約だと入居希望者が集まりづらい場合もあります。そのため、家賃を安く設定しなくてはならないということもあるでしょう。せっかく入居してもらっても、普通賃貸借契約よりも手に入る額が少ないこともあります。

手続きに手間がかかる

定期賃貸借契約を結ぶときには、貸主に対して定期賃貸借契約であることを記載した書面を交付しなくてはなりません。この書面を交付することを忘れてしまうと、普通賃貸借契約として扱われてしまいます。

また、契約終了時には契約期間が満了する半年前から1年前の間に、定期賃貸借契約が終了する旨を通知する必要があります。この通知は義務ではありませんが、実務上の証拠を残しておくために必要になるでしょう。これらの手続きは煩雑なので、普通賃貸借契約よりも手間がかかります。

貸主からの中途解約ができない

定期賃貸借契約では、借主との合意がない限り貸主からの中途解約ができません。「転勤中に定期賃貸借契約として家を貸し出していたが、期間が短くなったので早く退去してもらいたい」といった場合でも、合意がなければ賃貸借契約を解除できないのです。合意が得られない場合には、契約期間が満了するまで待たなくてはなりません。

借主側のデメリット

では、借主側のデメリットについて見ていきましょう。短期間で借りられる便利な定期借家ですが、場合によってはデメリットを感じることもあるかもしれません。借りる前に、デメリットを把握しておきましょう。

中途解約ができないケースもある

定期賃貸借契約では、基本的に途中で解約ができません。契約内容によっては契約満了前に解約する場合、残り期間の家賃の支払いを請求されるケースもあります。

ただ、床面積200㎡未満の居住物件であれば例外も認められています。その例外は、借主が転勤や親族の介護などで使用が困難になった場合に解約の申し入れをすることができるとするものです。この申し入れから1ヶ月後に賃貸借契約が終了するので、何らかの事情で中途解約したい場合には早めに申請しましょう。

再契約ができない可能性も

迷惑行為や住民とのトラブルなど、賃貸契約で取り決めたルールを守れない入居者に対しては、貸主の方から契約期間の満了とともに契約を終了することができます。また、再契約に関しても結ばなくてよいことになっています。そのため、何らかのトラブルを起こしてしまうと再契約できなくなるかもしれません。入居時に結んだ契約をしっかりと確認し、ルールを守って生活することが重要です。

再契約できないことをよいほうに捉えれば、良識ある住民しか残らない環境のため、住環境を一定のレベルに保つことができるとも言えるでしょう。

契約期間が満了したら速やかに退去しなくてはならない

基本的に定期借家は契約期間が終了したら、その後住み続けることはできません。ただ、契約期間が1年以上の場合には期間が満了する半年前から1年前の間に契約終了の通知が届くため、その間に次の住宅を探すようにしましょう。

定期借家物件を貸す・借りる方法

定期借家物件を貸す・借りる方法

短期間での滞在が認められており、通常よりもよい物件で暮らせる可能性もある定期借家。定期借家で部屋を貸したい、借りたいと考えている方のために、双方の立場から解説していきます。

定期借家物件を貸す方法

賃貸経営に対してハードルが高い印象を抱いている方も多いのではないでしょうか。実は、持ち家のある人なら誰でも大家さんになれる機会が設けられているのが定期借家の特徴なのです。貸出期間も自由なので、自分が使わない期間だけ貸し出してそれ以外の期間は自分で使うこともできます。

それでは、定期借家物件の大家さんになるにあたり、よくあるケースについてご紹介します。

転勤期間だけ物件を貸し出すケース

突然海外や国内の遠い場所に転勤することになった場合、その不在期間、持ち家をどうするのかは切っても切れない問題です。空き家にすると手入れが行き届かなくなる一方、簡単に手放すことも難しいのではないでしょうか。

このような場合に、転勤期間に限定して定期借家物件として貸し出すケースがあります。普通借家にしてしまうと、契約を解除できなかった場合にその家に戻ることができません。一方、定期借家にしておけば賃借期間が終了したら退去してもらえるので、転勤後自宅に帰ることができるのです。貸し出している間、借主から払われる賃料を住宅ローンの返済に充てることもできるため、メリットのある貸し出しと言えるでしょう。

親が住んでいた実家を貸し出すケース

親が暮らしていた実家を、定期借家として貸し出すケースです。親が亡くなった場合や住みかえる場合など、親の住居を空き家にせず賃貸物件として活用するケースです。ゆくゆくは実家で暮らすことが決まっているのであれば、それまでの期間に限定して定期借家として貸し出すのもよいでしょう。契約期間が満了したら、住み慣れた実家に戻って暮らすことができます。

別荘やセカンドハウスを貸し出すケース

普段生活している自宅とは別に、リゾート地や地方などに別荘やセカンドハウスなどを所有している方向けのケースです。頻繁に使う物件でもない限り、オフシーズンは使用しないまま放置されていることも多いのではないでしょうか。そういった物件をオフシーズンに限定した短期間で貸し出しすれば、有効活用できるでしょう。

建て替えを計画している賃貸物件の空室を貸し出すケース

賃貸住宅を運営していて建て替えを計画している場合、普通借家にしてしまうと明け渡しができない可能性も考慮して、空室のまま放置してしまうこともあるでしょう。そこで定期賃貸借契約を利用することで、建て替えする前まで空室を有効活用できます。工事の時期に合わせて短期間での募集をかけて入居してもらうケースも少なくありません。

定期借家物件を借りる方法

定期借家物件を借りたい場合に、どのような流れで契約するのかについて疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。普通借家物件の契約の流れと大きな差があるわけではありませんが、流れに沿って違いについても解説していきます。

契約を交わす

契約を交わすときには、書面による契約書の作成が必ず必要になります。書面には「更新がないことや期間満了に伴い契約が終了する」との内容の記載が求められています。

また、仲介業者を介して取引する場合には、別途「宅地建物取引法」に基づいて定期賃貸借契約について説明を受けなくてはなりません。

契約期間中

契約が結ばれ、契約した期間中は普通借家と同じように暮らすことができます。ただし、ここでトラブルやルール違反を起こしてしまうと契約終了後に再契約できなくなる可能性があるので良識を持って生活しましょう。

定期賃貸借契約の期間が1年以上の場合は、期間満了の半年~1年前までに、契約終了の旨が通知されます。場合によっては借主側から期間満了前の契約解除を求めることもできますが、基本的には契約解除はできないものと考えておきましょう。

期間満了

賃貸借契約が終了したら、速やかに退去しなくてはなりません。もし再契約を希望するのであれば、借主と貸主双方の同意がなくてはならないので、大家さんに相談してみましょう。再契約が決まった場合には、再度契約を結ぶところから始める必要があります。

定期借家を上手に活用して自由な暮らしを実現しよう

定期借家は借主にとって制限が多く貸主にのみ有利な物件と思われがちですが、実は借主側にも多くのメリットがあります。短期間で家を借りたい方や、賃料を抑えたい方にとっては、定期借家物件は非常に便利でしょう。

普通借家物件だけでなく、定期借家物件にまで視野を広げてみると、理想の物件を見つけやすくなるかもしれません。あなたの希望を叶えてくれるような物件を選びましょう。



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