- 鉄骨造には鋼材の厚さによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の違いがある
- 鉄骨造の防音性はそれほど高くないが防音対策を行うことで音漏れは防げる
- 部屋の防音性を高めるには床や壁に防音性の高いアイテムを設置する
建物構造によって防音性が異なり、静かな環境で過ごせるかどうかが決まってくるため、賃貸物件を探すときは事前に調べて把握しておくと安心です。また、防音性に優れている鉄骨造には種類があり、それぞれ特徴が異なります。今回は、建物構造の種類をはじめ、鉄骨造で防音性を高めるポイントについて解説していきます。
物件を探す前に建物構造の種類について把握しておこう
建物構造によって特徴や防音性が異なるので、事前に理解して自分に合った物件を見つけましょう。ここでは、建物構造の種類について解説します。
家賃は安いが耐火性が低い傾向の「木造(W造)」
比較的、築年数が経っている賃貸物件に多い建物構造が「木造」です。柱や骨組みなどに木材が使用されていますが、建物の外見からは木造住宅がどうか判断しにくいのが特徴です。
通気性がよく湿気を逃がす構造になっているので、夏場は過ごしやすい住宅と言えます。ただし、木材は鉄骨造と比較すると耐火性が低いため、火災などが引き起こされるリスクがほかの建物構造よりも高いのが難点です。また腐食や虫が発生する可能性もあるので、築年数が経っている木造住宅は劣化に注意しましょう。
主要な部分に鉄骨を使用している「鉄骨造(S造)」
構造部材を工場で生産して組み立てる「鉄骨造」は、低コストで建設できるため、賃貸などでは家賃が比較的安いのが特徴です。
柱など建物の主要な部分に鉄骨を使用している構造を「鉄骨造」と呼びます。鉄骨造にも種類があり、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」では特徴が異なります。
強度があり防音性に優れている「鉄筋コンクリート造(RC造)」
鉄筋を組んだ型枠のなかに、コンクリートを流し込むのが「鉄筋コンクリート造」と呼ばれる構造です。
柱や床、壁といった建物の主要部分に鉄筋コンクリートが使用されているので、ほかの建物構造と比較すると強度が高く、防音性にも優れています。鉄筋コンクリート造は耐久性にも優れているので、建物の寿命自体が長く、長期的に住める住宅づくりに適した建物構造と言えるでしょう。
高層建築に使用される建物構造「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」
鉄筋コンクリートの柱などのなかに、鉄骨が入っている建物構造が「鉄骨鉄筋コンクリート造」です。強度が高く耐久性に優れている建物構造であるため、高層建築などに使用されることが多い傾向に。安定性があり、耐火性や防音性にも優れています。ただし、ほかの建物構造よりもコストがかかるため、賃貸住宅の場合は家賃が高くなる傾向にあります。
鉄骨造には「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」がある
アパートやマンションなどの集合住宅では、鉄骨造がよく利用されています。しかし鉄骨造といっても、鋼材の厚さによって種類が異なるため、事前に違いを理解しておきましょう。鉄骨造の種類には、主に「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があります。それぞれのメリットやデメリットについて詳しくご紹介します。
厚さ6mm未満の鋼材を使用している「軽量鉄骨造」
鉄骨造で鋼材の厚さが6mm未満のものは、「軽量鉄骨造」と呼ばれます。事前に工場で生産されてから現場で組み立てる方法がとられるので、低価格で建築スピードが速いのが特徴です。
軽量鉄骨造の賃貸住宅は比較的家賃が安い
軽量鉄骨造の場合、コストや工期が抑えられる特徴があるため、ほかの建物構造と比較すると家賃が安く設定されています。木造住宅に比べると家賃設定は高い傾向にありますが、防音性については軽量鉄骨造のほうが優れていると言えます。
耐火性が少し弱く間取りが制限されやすい
軽量鉄骨造は鉄が使用されているため、耐火性は低い傾向にあるので柱の本数を増やして耐久性を高める必要があります。そのため、間取りを変更したいときなどに、柱が邪魔をして自由にリフォームしにくいのが難点です。
厚さ6mm以上の鋼材を使用している「重量鉄骨造」
鋼材の厚さが6mm以上の鉄骨造を「重量鉄骨造」と呼びます。鋼材は工場で生産されてから、現場で溶接などを用いて組み立てられていきます。軽量鉄骨造よりも柱の数が少なくて済むので、ある程度は自由度のある住宅設計を行えるのが特徴です。
軽量鉄骨造よりも間取りを広くできるケースが多い
鋼材の厚さがあるため、軽量鉄骨造と比べると本数を抑えた柱で組み立てられます。そのため、部屋の間取りを広く取ることができ、自由度も高いのが特徴です。耐久性に優れている鉄骨造なので、高層マンションなどにも導入されています。
地盤の基礎を固めるなどの工数がかかり家賃が高め
重量鉄骨造に使用されている鋼材は厚みがあるため、地盤をしっかり固めて住宅を建築する必要があります。そのため工数がかかり、その分賃貸の家賃設定が高額になる傾向がありますが、耐久性に優れているため、安心度は高いと言えます。
「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の防音性
「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」ならどちらのほうが防音性に優れているのでしょうか。ここでは、それぞれの防音性について解説していきます。
「軽量鉄骨造」は木造よりも防音性があるがそれほど優れていない
木造住宅よりも軽量鉄骨造のほうが気密性は高いため、防音性に優れています。しかし鉄筋コンクリート造などと比較すると、それほど防音性に優れているというわけではありません。
しかし、防音フィルムなどが壁のなかに入っている場合、軽量鉄骨造でも十分な防音性を期待できます。賃貸物件を探すときは、軽量鉄骨造でも防音対策が行われているのかを確認してから判断するとよいでしょう。
また、昨今の木造住宅には「2×4(ツーバイフォー)」という新たな構造が取り入れられており、昔と比べると耐震・防音性に優れた構造となっています。木造住宅でも比較的新しい物件なら、ある程度の防音性は期待できるでしょう。
柱や壁が厚くなるため防音性が高い「重量鉄骨造」
重量鉄骨造は、厚みのある鋼材を使用するため、柱や壁に厚みが増えて防音性が高くなります。軽量鉄骨造よりも防音性は高いですが、鉄筋コンクリート造と比較すると少し性能は劣るでしょう。そういった場合にも防音材などが導入された部屋なら、防音性は十分に期待できます。気になるときは、内見のときに確認してみましょう。
建物構造で防音性に優れているのは「鉄筋コンクリート造」
防音性の高い部屋を探しているなら、「鉄筋コンクリート造」がおすすめです。壁や床がコンクリートでできているため重厚さがあり、高い防音性を発揮します。さらに、コンクリートは耐震性や耐火性に優れる特性も。ただし、建築費用が高額になるケースが多いので、家賃自体も高く設定される傾向があります。
鉄骨造でも対策を行えば防音性を高められる
より高い防音性を求める場合は、重量鉄骨の物件を選ぶといったポイントをはじめ、建物のほかに外の環境にも目を配ることが大切です。ここからは、静かな環境で暮らしたい方に向けて内見の際にチェックしたいポイントや、防音性を高める対策についてご紹介します。
階下への防音対策には「カーペット」や「スリッパ」を
賃貸住宅では、足音や生活音などが下の階に響いてしまったり、逆に下からの音が気になったりするケースもあるでしょう。そんなときは、床にカーペットや絨毯、マットなどを敷くと音を吸収して音漏れを防いでくれます。また、階下から響く音も吸収してくれるので、ある程度の防音性は期待できるでしょう。
ほかにも、足音が響かないように「スリッパを履く」という手段もあります。素足で歩いていると、意外と衝撃が階下に響いてしまうもの。スリッパで衝撃を緩和すれば、階下へ配慮できます。
壁には遮音材や家具を置いて防音性を高める
賃貸住宅でよくあるトラブルが、隣の部屋からの音漏れです。毎日過ごす環境で、音が気になるとストレスにつながってしまいます。そんなときは、壁に遮音材を貼り付けて音漏れを遮断させる方法があります。遮音材はホームセンターでも手軽に購入できるので、すぐに実践できる方法の一つです。
ほかには、家具を壁側に設置するのも効果的です。とくに本棚など、物が入っている家具を置いておけば、音を吸収してくれる効果も期待できます。
外からの音は防音カーテンやテープを貼って対策
窓側から聞こえてくる外を走る車の音や、通行人などの話し声が気になってしまうこともあるかもしれません。そんなときには、防音カーテンがおすすめです。防音に特化した生地を使用しているため、効果的に音をシャットアウトできるでしょう。窓の隙間からの音漏れを防ぐために、隙間にテープを貼る方法もおすすめです。
鉄骨造の種類を把握して防音性の高い部屋を見つけよう
建物構造によって特徴や防音性が異なるため、理想的な部屋を見つけるためにも建物構造の種類を把握しておくと安心です。鉄骨造には主に「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があり、特徴がそれぞれ異なります。
「家賃を抑えたい」「防音性も気になる」という方は、鉄骨造の物件を探して手軽に購入できるアイテムを使って防音対策を行ってみましょう。ちょっとした工夫でも音漏れは防げるので、ぜひ試してみてくださいね。
ピタットハウスのお問い合わせページに移動します
お問い合わせページに移動します
あわせて読みたい
よくある質問
-
お部屋探しに役立つ情報はありますか?
-
物件探し(不動産購入・売却)について役立つ情報はありますか?
この記事をシェアする
お部屋を探す
特集から記事を探す
記事カテゴリ
おすすめ記事
物件をご所有されている方、
お住まいをお探しの方
売りたい
土地活用・相続の相談がしたい
売るか貸すかお悩みの方はこちら