- 主に赤ちゃんのお世話をする場所に合わせてベビーベッドの高さを選ぼう
- 赤ちゃんと過ごすリビングは、ものが少ないフラットスペースが理想
- 一時期しか使わない家具やおもちゃは、処分方法も考えて準備を
妊婦さんのなかには、出産後のことを考えて赤ちゃんの服や育児グッズの準備を進めている方も多いでしょう。しかし、赤ちゃんとお母さんが快適に過ごすために、自宅のインテリアやレイアウトの見直しまで考えている方は意外に少ないかもしれません。赤ちゃんとの生活では、安全面で気をつけるべきポイントが増えます。この記事では、出産後の生活に適したインテリアやレイアウトについて解説します。
生まれてすぐに必要になる家具やインテリア
母子同室の病院で出産すると、赤ちゃんは新生児用の小さなベッドに寝かせられ、お母さんの脇で過ごせるようになります。病院では赤ちゃんのお世話や授乳に必要な道具がコンパクトにまとめられ、授乳室にいけば助産婦さんのアドバイスを受けることができます。
病院にはそういった「安心の環境」がありますが、退院後の生活環境はすべて自分たちだけで整える必要があります。それだけに、「家に帰ったらどうしよう」と不安を感じる方も多いようです。そういった不安が少なくなるように、あらかじめ以下の3点を決めておきましょう。
・どこに寝かせるか
・どこで主におむつを替えるか
・どこで主に授乳するか
お母さんは出産直後から忙しくなるので、赤ちゃんのお世話がしやすい部屋のレイアウトや必要なグッズを、出産前に準備しておくと安心です。
ベビーベッドはライフスタイルに合ったものを
寝ている赤ちゃんの安全を守るベビーベッドは、四方が柵などで囲われているタイプが主流です。ベッド面の高さによって、大きく以下の2種類に分けられます。あらかじめ赤ちゃんをお世話する場所や部屋を決めておき、その場所に合わせたベビーベッドを選びましょう。
ハイタイプ
ハイタイプは、立ったままでもお世話がしやすい、ベッド面の高さが70cmほどのベビーベッドです。掃除をした際に舞ったホコリなどから赤ちゃんを遠ざけられること、赤ちゃんの寝る場所に兄弟やペットなどが入っていく心配が少ないことなどがメリット。また、深くかがむ必要がないので、ベッド上でおむつ替えや着替えをしやすいのもポイントです。腰痛持ちの方が赤ちゃんのお世話する場合は、こちらのタイプが便利でしょう。
ロータイプ
ロータイプはベッド面が低く、45cmほどの高さです。こちらは、大人がソファなどに座っていても赤ちゃんの状況を確認できることや、大人が寝るベッドと同じ高さになるので、“添い寝”をしながら安心して寝られることなどがメリットです。ただし、ロータイプの場合はお世話するときに深くかがまなければならず、それを不便に感じる方もいるかもしれません。
スモールサイズ・ミニサイズのセカンドベッド
「赤ちゃんを寝かせる場所を、寝室とリビングの両方に設けたい」「つねに赤ちゃんを近くに寝かせて様子を見ていたい」という家庭もあるでしょう。そのような場合は、ミニサイズのセカンドベッドや、ひとまわり小さなサイズのベッドを用意するのがおすすめです。
ベビー布団
赤ちゃんにかけるお布団は軽いものを選び、枚数を変えることで楽に調整できるものを選ぶと安心です。赤ちゃんが大きくなると排泄の量も増え、汚してしまうことも多くなります。洗い替えの分や防水シーツなどを用意しておくと、いざというときに困りません。
赤ちゃんの布団は小さいとはいえ、予備と合わせるとある程度かさばります。ベビーベッドの近くに収納場所を確保しておくと安心です。
お世話グッズの収納は、簡易的で使いやすいものを
赤ちゃんのお世話は1日に何度も行わなくてはなりません。おむつ替えの際はおむつやおしりふき、汚れたおむつを入れる袋など、また、授乳の際には赤ちゃんがもどしてしまった場合のタオルや、赤ちゃんの頭とお母さんの腕の間に挟むタオルなど、お世話をするたびにこまごました道具も必要です。
これらのお世話グッズをまとめておき、片手でも取り出せる収納があると便利です。タンスなどの大きな収納家具ではなく、プラスチックケース(引き出し式)やかご(フタなし)が何段かに分かれている収納グッズのほうが使いやすいでしょう。
お母さんが授乳の際に座るスペース
赤ちゃんの授乳は、意外に時間がかかるもの。お母さんが楽に授乳できるように、背もたれがあって姿勢を変えやすい固さの椅子と、哺乳瓶やタオルなどを置けるちょうどいよい高さのテーブルなどがあるといいかもしれません。
和室などで床面に直接座って授乳する場合は、座り心地のよいラグや姿勢を調整できるクッションなどを用意しましょう。いずれも汚してしまうことがあるので、洗えるものを選びましょう。
徐々にそろえていけばよいインテリア
赤ちゃん用の家具では、月齢によって必要になるものが変わります。ベビーベッドやバウンサー(ゆりかごのように揺れるベビーチェア)は、寝ているだけの時期が終わるとだんだん使わなくなるでしょう。赤ちゃんがハイハイできるようになると、今度はベビーサークルなどのグッズが必要です。
必要なものとはいえ、すべてそろえるとリビングや寝室などにものがあふれてしまいます。ベビーベッドやバウンサー、ベビーサークル、室内遊具など、使用期間が比較的短いアイテムについては、レンタルサービスを利用するのも手です。
生まれたばかりの赤ちゃんがいるリビングのレイアウトポイント
家に戻ったら、赤ちゃんとリビングで長く過ごすという方も多いでしょう。赤ちゃんと快適に生活するには、リビングにいくつかの工夫が必要です。以下では、「新生児期」「寝返り期」「お座り期からハイハイ期」「つかまり立ち期から一人歩き期」に分けて、リビングのインテリアレイアウトの工夫をご紹介します。
ねんね中心、新生児期
新生児期の赤ちゃんは基本的に寝かせた場所から動くことができず、顔にかかった布を自分の手で払うことさえできません。赤ちゃんの安全のために、部屋の家具やインテリアなどを二つの視点で見直してみましょう。
・ベビーベッドのなかに兄弟やペットが入れないか
・赤ちゃんの上にものが落ちたりしないか
赤ちゃんの近くの天井や壁、あるいは近くの家具上にものが飾ってある場合は移動させておくと安心です。また、家具をつたって兄弟やペットがベビーベッドのなかに入ってしまう場合もあるので、近くに登れるような安定した家具を置くのは避けましょう。
ベビーベッド・赤ちゃん用マット
新生児期は、ベッドでの生活が中心となります。この時期のリビングレイアウトのポイントは、お母さんと赤ちゃんが一緒に横になれるようなスペースを用意すること。お母さんが目を配れないときは安心できるベビーベッドに寝かせ、一緒に過ごせるときは添い寝しやすいレイアウトがおすすめです。
安全な場所にベビーベッドを置き、それ以外の場所に赤ちゃんを移動する際は、専用のマットを用意しましょう。柔らかすぎるマットやソファは赤ちゃんが沈み込みやすく、何かの拍子に窒息してしまうリスクがあるので危険です。マットの固さや赤ちゃんが挟まってしまう隙間がないかどうかを、必ず確認してください。
授乳スペース
新生児期はお母さんが心身ともに疲れ切ってしまうことも多いため、授乳中に居眠りをして赤ちゃんを落としてしまうリスクがあります。眠いときに、無理に椅子に座って授乳するのは危険です。赤ちゃん用のマットの上に座り、あるいは寝転んで授乳できるようなリビングレイアウトにしておくと安心です。
めざめて遊ぶようになる、寝返り期
3ヶ月から4ヶ月は、ご機嫌に遊ぶ時間が増えてくるとはいえ、まだまだ眠っている時間が長い時期。このころになると赤ちゃんは首がすわり、体を左右にひねるようになります。そして、ある日突然、寝返りができるようになります。
寝返りが上手になると、寝返りを繰り返しながらかなり遠くまで移動し、家族をびっくりさせることもあるでしょう。寝返りをしてベッドから落ちたり、部屋の端まで行って棚にぶつかり、その衝撃で上から物が落ちてきたりするリスクがある時期になります。
また、手に触れたものは何でもつかんで口に持っていく時期でもあります。小さいものや汚いものに赤ちゃんが近づかないようにしなければなりません。このような時期は、以下のグッズを取り入れたレイアウトを検討してみましょう。
ベビーサークル
寝返り期には、ベビーサークルで赤ちゃんのいるスペースを仕切るレイアウトがおすすめです。部屋が和室なら畳に直接、フローリングなら床に清潔なラグを敷いておきましょう。
ベビーゲート
赤ちゃん専用として使える部屋があれば、入り口や危険な場所にだけベビーゲートを設置し、赤ちゃんが危ないところに行けないようにします。赤ちゃんをサークルで囲うのではなく、危ない場所をサークルで囲うイメージです。動き回れる範囲が広くなるので、活動的な赤ちゃんにおすすめします。
活動的になった赤ちゃんがいるリビングのレイアウトポイント
ハイハイやつかまり立ちなどができるようになった赤ちゃんは、活動範囲が広がるのでさらに目が離せなくなります。そんな時期のリビングレイアウトのコツをご紹介します。
お座り期からハイハイ期
生まれてから5ヶ月や6ヶ月が経ち、お座りできるようになると、赤ちゃんの視界はグンと広がります。初めは支えてもらわなければ座っていられず、一人では手をついて何とか支えて座るような状態です。
そこからだんだん体幹がしっかりしてくると、お座りしたままおもちゃで遊んだり、おしりと片足を上手に使って座ったまま移動したりすることができるようになります。離れた場所に欲しいものを見つけると前のめりになり、四つ這いやハイハイで移動できるようになるでしょう。そうなると、赤ちゃんがいつ、何をするのか、どこに移動するのかを予測しにくくなります。
さらにこの時期の赤ちゃんは、見たり、触ったりするのと同じくらい、舐めてものを確認します。握力も出てくるので、スリッパをなめてしまうこともあるでしょう。そんな時期には、以下のようなレイアウトを取り入れてみましょう。
安全柵
ベビーガードを設置していても、このころの赤ちゃんはちょっとした隙間から抜け出したり、乗り越えてしまったりと油断できません。少し目を離したすきに、危険な場所に行ってしまうこともしばしば。階段やキッチンの入り口、トイレやバスルーム、玄関などには安全柵を設けておいたほうがよいでしょう。
ドアや引き出しのストッパー
お座り期からハイハイ期の赤ちゃんは、視界が高くなって視野が広がり、好奇心も高まります。引き出しや観音開きの家具があれば開けようとして手や指を突っ込み、段差があれば気になって向かってしまいます。こうした状況で、「危険なものを飲み込む」「指を挟む」「段差の下に落ちる」といった危険を考慮しておかなければなりません。
このような危険から赤ちゃんを守るために、リビングのドアや引き出しには、赤ちゃんの安全対策用のストッパーを付けるようにしましょう。段差をなくすためのマットやカバーなどもおすすめです。
コンセントガード
お座り期からハイハイ期に多い事故で、部屋にあるコンセントの差し込み口に指を突っ込んでしまうというものがあります。赤ちゃんが過ごす部屋のコンセントには、コンセントガードを差し込んでおきましょう。
好きなように散らかして遊べるセッティングも大事
赤ちゃんが好きなように引っ張り出して遊べるおもちゃ箱を、用意してあげるようにしましょう。サイズが大きく、角に丸みがあり、ふたのないプラスチックの箱がおすすめです。
つかまり立ち期から一人歩き時期
ハイハイをしていた赤ちゃんが、テーブルや棚などにつかまって立ち、歩き出す時期です。この9ヶ月から12ヶ月ごろの赤ちゃんの歩き方は、ヨチヨチとしていて不安定。転んだ瞬間に手を前に出し、顔や頭を守るということができない場合も多くあります。
家具の角にクッション材を装着
この時期には、赤ちゃんが遊ぶのにちょうどよい高さのテーブルがあるとよいでしょう。つかまり立ちの練習がしやすく、つたい歩きの際にも役立ちます。ただし、転んだ際に頭や顔をぶつけてケガをする恐れがあるので、テーブルの角を軟らかいクッション材で覆っておくと安心です。
ベランダの窓には鍵をかける
このころの赤ちゃんは段差によじ登るのが大好き。手ごろな台を見つければ、いくつか重ねて目的の場所まで登ろうとすることさえあります。ベランダのロックを高い位置に設置し、赤ちゃんが出ないようにしましょう。
狭いリビングでの部屋づくり、どうすべき?
1LDKや2LDKのやや手狭さを感じるリビングや、2DKの一室をリビングとして使っている場合などでは、部屋づくりにも工夫が必要です。
赤ちゃん用のスペースを確保する
狭いリビングのなかに赤ちゃん用のスペースをつくる際は、リビングに置いている家具などの配置から見直してみましょう。
家具を壁に寄せて設置する
赤ちゃんがのびのびと過ごせるスペースを確保するには、家具などをなるべく壁に寄せて設置し、中心に広いスペースを確保する方法があります。家具を壁の1面に寄せることで、赤ちゃんと過ごす場所と、危険なものがある場所を仕切りやすくなるでしょう。
フラットなスペースなら静かにお掃除ができる
1歳に近くなると、赤ちゃんは小さなゴミも上手につまむようになります。フラットな床スペースを多くつくると、赤ちゃんがつまめるようなゴミをこまめに掃除しやすくなるでしょう。また、段差や家具の移動で手間を取られず、短時間で掃除機がかけられます。
リビング以外の間取りの使い方や収納全体の見直しも
コーヒーメーカーなど、キッチンからあふれたものがリビングのテーブルなどに置かれていることがあります。リビングにあふれているものをあるべき場所に戻し、入りきらない場合は部屋の収納を見直しましょう。ベッドの下やクローゼットの奥など、デッドスペースがあれば収納として検討するのも手です。
「今は使わないけれど、どうしてもとっておきたい」という場合には、「トランクルームを借りてでも持っていたいか」を判断の基準にするとよいでしょう。
和室の有効活用も検討を
寝室が和室の場合には、布団をあげてしまえばフラットなお部屋になります。リビングを片付けるのが大変」「どうしても危険なものを置いてしまう」という場合は、和室を赤ちゃんが日中過ごす場所にするのもおすすめです。
押入れの一角にキャスター付きのおもちゃ箱をしまっておくなど、赤ちゃんの収納の有効活用をすることでスッキリ暮らすことができます。
家具は最小限、かさばるおもちゃは少なめに
せっかく荷物を減らしても、赤ちゃんのための買い物でかさばるものを購入してしまってはあまり意味がありません。赤ちゃんを迎えるための道具やインテリアを新しく購入する際は、「長く使えるものか」をよく考えましょう。
家具は低いものを最小限に
高さのある家具は圧迫感があり、地震の際などに転倒するリスクが高くなります。基本的にはできるだけ低めの家具を検討してください。
おもちゃはよく吟味して、長く遊べるものを
意外とかさばるのが赤ちゃんのおもちゃ。ガラガラなど小さなおもちゃはおもちゃ箱にしまっておけますが、ベビージムやベビーメリーは、あっという間に使わなくなってしまうものです。処分する際のことも考えて、小さくたためるものやゴミとして出しやすいものを選ぶことをおすすめします。
おもちゃは「赤ちゃんが間違って飲み込んでしまわない大きさ」が重要です。ボールや積み木、ソフトブロックなど、年齢に合わせた遊び方ができて長く使えるものを選ぶとよいでしょう。
狭い部屋でも快適に暮らせるリビングレイアウトを考えよう
1歳くらいまでの赤ちゃんは、成長段階に合わせて必要になるインテリアやグッズが変わっていきます。使う期間が限られてしまう赤ちゃん用の収納グッズやベビーグッズは、レンタルサービスなども検討してみましょう。赤ちゃんが長く過ごすリビングなどの部屋は、フラットでものが少ないシンプルなレイアウトがおすすめです。
「出産に際して、赤ちゃんと暮らすのに適した部屋を探したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
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