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築10年マンションを売却するメリットは?売却相場や注意点を解説

更新日:2024.06.19

築10年マンションを売却するメリットは?売却相場や注意点を解説

築10年のマンションは、市場の中でも人気があるため、高く売ることが期待できます。 しかし、築年数が10年を超えると、徐々に価格が下がっていくため、売却を成功させるためにはタイミングを見極めることが重要です。 この記事では、築10年のマンションの売却相場や売却するメリット・注意点について解説します。 あわせて、築10年のマンションを高値で売る方法についても紹介するので、参考にしてください。

  • 築10年のマンションの売却額下落率は、それほど大きくない
  • 築10年のマンションは人気があり、高値で売りやすい
  • リフォームの要否は、不動産会社と相談しながら決める

もくじ

  1. 築10年のマンションの売却相場は?

  2. 築10年でマンションを売却するメリット

    1. 高値で売却しやすい

    2. 修繕積立金が高くなる前に売却しやすい

    3. リフォームせずに売却できる可能性が高い

    4. 集客力が高い

    5. 税制優遇を受けられる

  3. 築10年マンションを売却する際の注意点

    1. 相場を適切に把握しておく

    2. オーバーローンになる可能性がある

    3. リフォームしても売れる保障はない

    4. 売却価格を安易に設定しない

    5. 火災保険の解約金をもらうのを忘れない

  4. 築10年のマンションを高値で売却する方法

    1. 実績のある不動産会社に依頼する

    2. 最初は高値を設定する

    3. 値下げや値引きは慎重に対応する

    4. 自身の状況に適した媒介契約を選ぶ

    5. みんなが不動産会社選びで重視してることは?

  5. まとめ



 

築10年のマンションの売却相場は?

東日本不動産流通機構の「首都圏の不動産流通市場(2023年)」によると、中古マンション成約状況は以下の通りです。

▼中古マンション成約状況

  成約価格 下落率 ㎡単価
築0~5年 7,077万円 112.55万円
築6~10年 6,655万円 6% 100.54万円
築11~15年 5,932万円 16% 86.99万円
築16~20年 5,509万円 22% 78.15万円
築21~25年 4,887万円 31% 69.23万円
築26~30年 3,344万円 53% 51.48万円
築31~35年 2,303万円 67% 39.94万円
築36~40年 2,672万円 62% 50.49万円
築41年~ 2,260万円 68% 46.37万円

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構 REINS TOWER

築0~5年の売却価格が最も高く、その後築年数が経過するほどの価格は減少していきます。
上記では築6~10年の場合、築0~5年に比較して6%程下落していることが分かります。

ただし、下落率は築年数によって大きく異なるものです。
築10年まではそれほど大きく下落しないのに比べ、築11~15年以降の下落率は大きくなっています。 つまり、築10年のマンションであればまだ高く売れる可能性がある反面、それ以上に築年数が進むと価格が大きく下落する恐れもあるのです。

一般的に築10年は「築浅」の部類に入るため、マンション需要は高い傾向にあります。 一方、築10年を超えると下落の幅も大きくなるだけでなく、マンションの見た目にも劣化が目立ち始めるので売却にも影響が出始めます。 築10年を前に売却を検討しているなら、「築10年」が一つの目安となるので、早めに売却に動き出すことが重要です。

築10年でマンションを売却するメリット

ここでは、築10年でマンションを売却するメリットとして、以下の5つを解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。

高値で売却しやすい

築10年のマンションは、マンション市場の中でも人気の高い築年数です。
管理状態がよく、劣化も進んでいなければ、早く売れる可能性も高いでしょう。
「新築が良いけど、資金的に厳しい」という買い手のニーズを満たすことができるため、価格の下落率の影響をあまり受けずに高値での売却も期待できます。

修繕積立金が高くなる前に売却しやすい

築10年のマンションであれば、修繕積立金が高くなる前に手放せるというメリットもあります。
修繕積立金とは、マンションの修繕に備えて毎月支払うお金のことです。 マンションを所有すると毎月のローン以外にも、管理費や修繕積立金が毎月掛かってくるため重要なコストの一つと言えるでしょう。

この修繕積立金は、築年数が古くなるほど高くなるように設計されていることが多く、築年数の経過や大規模修繕工事とともに金額を上げるケースが一般的です。
大規模修繕工事は10~15年を目安に実施されるため、築10年のマンションは修繕積立金が値上がりする前というタイミングが多いです。 修繕積立金が値上がりする前に売却することは、自分の経済的負担を軽減できるだけでなく、売却額を高くするうえでもメリットとなります。

買い手からすれば修繕積立金の高いマンションは、購入後の負担が大きくなるので避けられやすくなります。 修繕積立金の高い物件を売却するためには、ある程度売却額を低くする必要性も出てくるでしょう。
修繕積立金が値上がりする前であれば、修繕積立金を理由にした値下げも必要なく、高値での売却が期待できます。
 

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リフォームせずに売却できる可能性が高い

築10年のマンションは、管理状態がよければ、そのままの状態で売却できる可能性があります。
きちんと手入れできているマンションは、建物や設備の劣化がそれほど進んでおらず室内の汚れや傷も目立たないため、リフォームやリノベーションなしで売却可能です。 もし、リフォームが必要だとしてもそれほど大規模なものにはならないケースがほとんどなので、費用を抑えることもできるでしょう。

ただし、ハウスクリーニングは検討することをおすすめします。
築10年のマンションは、買い手もある程度きれいな状態であることを期待しているものです。 ハウスクリーニングで室内をきれいな状態にすることで、買い手の印象をアップさせ売却につながりやすくなります。 リフォーム費用が浮いた分、ハウスクリーニングやホームステージングなどに費用を回すことで、スムーズな売却を目指しやすくなるでしょう。
 

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集客力が高い

築10年のマンションといった築浅の物件は、人気が集まりやすく、短期間での売却が期待できます
東日本不動産流通機構の「首都圏の不動産流通市場(2023年)」によると、中古マンションの対新規登録成約率は、以下の通りです。

▼中古マンションの対新規登録成約率

  2022年 2023年
築0~5年 28.6% 30.2%
築6~10年 35.2% 32.1%
築11~15年 30.9% 31.1%
築16~20年 28.1% 24.8%
築21~25年 22.2% 20.5%
築26~30年 17.5% 15.0%
築31~35年 13.1% 11.0%
築36~40年 14.3% 11.8%
築41年~ 14.2% 12.0%

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構 REINS TOWER

上記の通り、築6~10年のマンションは、他の築年数帯に比べて、最も高い成約率であることが分かります。
一方で、築10年を超えると徐々に成約率が下がっていきます。 そのため売却を検討するなら、築10年を目安に、売却活動を開始することをおすすめします。

税制優遇を受けられる

所有期間が10年を超えるマンション(マイホーム)の売却であれば、譲渡所得税の税率を軽減できる「10年超所有軽減税率の特例」を適用できます。 本特例の適用を受けることができれば、課税譲渡所得6,000万円までの分について、税率を通常の20.315%よりも低い、14.21%に引き下げることが可能です。

なお、本特例の適用を受けるには、マンションの所有期間が10年を超えていないといけません。
所有期間を算定する際の基準日は、売却した年の1月1日となるため、仮に、2024年5月2日に売却した場合は、2024年1月1日時点を基準に判断されます。
例えば、2014年5月1日に購入し、2024年5月2日に売却した場合は、下記のようになります。

所有期間の算定方法

上述した通り、新築マンションを購入して築10年ぴったりで売却しようとしても所有期間が10年を超えていること」という要件を満たすことができません。
本特例の適用を受けたいという場合は、適用要件をしっかり確認しておくことが大切です。 詳細要件に関しては、以下の国税庁のホームページをご参照ください。

国税庁 「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例

築10年マンションを売却する際の注意点

ここでは、築10年のマンションを売却する際の注意点として、以下の5つを解説します。

相場を適切に把握しておく

築10年のマンションは一般的に築浅のマンションと見られ、高い需要が見込めます。
一方で、築10年を超えると価格が下がっていく傾向にあることもあり、物件によっては築10年のマンションでも価格が下落してしまう可能性があります。

特にローンの残債が多く残っていると、売却価格次第で用意しなければならない自己資金が大きくなってしまう点に注意が必要です。 このため、築10年のマンションを売却する際には、相場を適切に把握するようにしましょう。

相場を把握するためには、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
同じマンションであっても、不動産会社の得意エリアやジャンル等によって、査定価格に違いがあることがあります。 複数の不動産会社に査定を依頼し、査定の根拠を聞きながら適切な相場価格はどの程度かを把握していくことが大切です。
 

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なお、現在ご覧いただいているWebサイト『クラモア』の「住まいトレンド」では、マンションごとの個別の相場を知ることができます。 マンション売却時に相場を把握する際には、ぜひご活用ください。

住まいトレンド


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オーバーローンになる可能性がある

オーバーローンとは、住宅ローンの残債が家の売却額を上回っている状態のことです。

マンションを売却するには、住宅ローンの完済が必須となるため、オーバーローン状態ではそのまま売却できません。 住宅ローンを完済するのに、売却額だけでは不足する分を自己資金や住み替えローンを利用するなど補填して完済する必要があるのです。 まずは、住宅ローン残債をきちんと把握して、売却額で住宅ローンが完済できるか調べておくようにしましょう。

なお、オーバーローンと反対に、住宅ローンの残債が家の売却額を下回っている状態のことをアンダーローンと呼びます。 アンダーローンであれば、家を売却することで残債を完済できるため、「家を売却しても住宅ローンの残債が足りない」といった心配は不要です。

オーバーローンとアンダーローン

リフォームしても売れる保障はない

築10年のマンションは、管理状態が良ければリフォームは必要ありません。 とはいえ、壁紙の汚れなどが気になり「リフォームしたほうがいいのでは?」と考える人も少なくないでしょう。
しかし、リフォームするかどうかを自分だけで判断するのはおすすめできません。

中古マンションを購入する人の中には、自分の好みに合わせてリフォームしたいと考えている人も多いです。 リフォームするにしても、今の流行やニーズに合わせたリフォームでなければ、買い手から避けられてしまう可能性もあります。
また、リフォームに費用をかけたとしても、必ずしも売却金で回収できるわけではありません。
そのため、リフォームが必要かどうかは、不動産会社と相談しながら決めることをおすすめします。

売却価格を安易に設定しない

売却価格の設定は、相場を踏まえて慎重に行うことが大切です。
「築10年は人気があるから」と相場よりも高値をつけても、買い手から避けられやすくなります。 反対に、なかなか売れないからといって安易に値下げしてしまうと、損してしまう恐れもあります。

マンションは、築年数だけでなく、立地や建物の状態などによっても大きく価格が変わってくるため、近隣エリアや売り出し時期の相場などを正しく把握したうえで、適切な価格をつけることが重要です。

火災保険の解約金をもらうのを忘れない

マンション購入時に加入した火災保険は、売却と同時に自動的に解約されるわけではないので、忘れずに解約手続きを行いましょう
一般的に、火災保険は5年や10年の長期一括契約をしているケースが多いため、契約期間と売却時期によっては、売却時に残存期間が残っている可能性が高いです。 その場合、払い過ぎた保険料が返ってくるので、もらい忘れのないようにしましょう。

ただし、解約する時期には注意が必要です。 火災保険の解約日は引き渡し日にする必要があります。仮に、引き渡し前より先に引っ越しする場合でも、引き渡し日まで物件の所有者は売主になります。
引き渡し日より前に解約し、万が一引き渡し前に火災が発生してしまうと、売主に大きな負担がかかる恐れがあるので注意が必要です。

築10年のマンションを高値で売却する方法

築10年のマンションを高値で売却する方法

ここでは、築10年のマンションを高値で売却する方法として、以下の4つを解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。

実績のある不動産会社に依頼する

マンション売却の成功は、不動産会社の力量に大きく左右されます。 マンション売却に実績のある不動産会社なら、売却活動などのノウハウがあるため、高値での売却も期待できるでしょう。
不動産会社を選ぶ際には、査定額だけでなく、以下のような要素も考慮して選ぶことが大切です。

  • 実績
  • 口コミや評判
  • サービス
  • 査定時の対応
  • 営業担当者の人柄

上記ポイントを “総合的に判断すること”で、あなたのマンションにぴったりの不動産会社と出会えるでしょう。

最初は高値を設定する

築10年のマンションは需要が高いため、多少高値でも売れる可能性があります
また、最初に高値で売り出しておくことで、値下げした場合でも、損するリスクを避けることができます。

ただし、極端に相場よりも高値を付けると、そもそも買い手が現れなくなるので価格設定は慎重に行うことが必要です。 自分でも相場を調べたうえで、不動産会社にアドバイスをもらいながら価格を設定するようにしましょう。

値下げや値引きは慎重に対応する

買い手から値引き交渉を受ける可能性は高いですが、値引きに応じるかは慎重に判断することが大切です。 築10年のマンションは人気が高いことから、複数の購入希望者が現れる可能性も十分あります。 早々に値引き交渉に応じてしまうと、そのままの価格で購入してくれる買い手を逃す可能性もあるので注意しましょう。

また、値引きに応じる場合は、住宅ローン残債などを考慮することが大切です。
安易に値引きして住宅ローンが完済できない事態を防ぐためにも、事前に住宅ローン残債や新居の費用などを明確にしておくと、値引きのラインを決めやすくなります

自身の状況に適した媒介契約を選ぶ

媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

媒介契約

一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できる方法です。
レインズへの登録義務や営業活動の報告義務がないというデメリットはありますが、自分でも買い手を見つけることができ、複数の不動産会社と契約することで広く集客できるというメリットがあります。

一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約は不動産会社1社のみと契約する方法です。
レインズへの登録や営業活動の報告義務があり、営業活動を細かく把握しやすいというメリットがあります。

一般媒介契約は一度に複数の不動産会社に売却を依頼できる自由度の高さはありますが、不動産会社としては複数の競争相手がいる可能性が高くなり、優先度が下がりやすい傾向にあります。
一方、専任媒介契約や専属専任媒介契約であれば1社としか契約しないため、不動産会社は積極的に取り組んでもらいやすくなります。

マンション売却を「プロである不動産会社に任せたい・不動産についてそこまで詳しくない・積極的に不動産会社に動いてもらいたい方」は、専任媒介契約・専属専任媒介契約をおすすめします。
 

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みんなが不動産会社選びで重視してることは?

クラモアが独自に調査した、不動産売却を検討している方へのアンケート結果によると、不動産を売却する際に依頼する会社選びで重視することとして多かったのは、「高く売却できる」(31.6%)、「担当者の対応が丁寧」(20.7%)、「売却エリアに詳しい(地域密着型)」(15.8%)でした。

売却時に不動産会社選びで重視すること
売却時に不動産会社選びで重視すること

最も多い回答が「高く売却できる」という結果であることから、不動産会社への売却に対する期待値(高く売れることに対する期待値)が高いことが分かります。

大切な不動産を高く売却するには、売却のノウハウを持ち、その地域に詳しい「信頼できる担当者」がいる不動産会社を選ぶことが大切です。 専門知識を持つ不動産会社は、市場分析や適正な価格設定だけでなく、複雑な売却手続きもしっかりサポートしてくれます。 また、物件の立地や特性、市場動向などを熟知しているため、マンションを高く売るための戦略を一緒に立てることが可能です。
 

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まとめ

ここまで、築10年のマンションの売却相場や売却するメリット・注意点、高く売る方法について詳しく解説しました。
築10年のマンションは、築5年以下のマンションに比べそれほど売却額の下落率は大きくありません。 また、比較的きれいで新築よりも価格が安いことから人気のある築年数です。 需要が高く、高値で売れることも期待できますが、オーバーローンになりやすい点には注意が必要です。

築10年のマンションは売りやすい反面、築10年を超えると価格の下落も大きくなるので、売却を検討するならなるべく早めに動くことが大切です。 この記事を参考に、マンション売却の実績のある不動産会社を選んで、満足いく売却ができるようにしましょう。
 



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宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

逆瀬川 勇造

大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
⇒逆瀬川 勇造さんの記事一覧はこちら

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