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床の間の意味は?デッドスペースにせずに現代風に有効活用しよう

更新日:2021.05.10

床の間の意味は?デッドスペースにせずに現代風に有効活用しよう

床の間を見たことがあっても、その意味や種類について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。床の間を活用する方法はたくさんあり、現代風に有効活用することができます。手軽にできる方法からリフォームまで例を挙げて解説していきます。

  • 床の間には種類がありそれぞれルールや部位が異なる
  • お客様をおもてなしする場所だった床の間は収納や作業スペースにすることもある
  • 本格的に有効活用したい場合リフォームがおすすめだが費用はまちまち

もくじ

  1. 床の間の意味とは

    1. 本床(ほんどこ)

    2. 壁床(かべとこ)

    3. 蹴込床(けこみどこ)

    4. 置き床(おきどこ)

    5. 踏込み床(ふみこみどこ)

  2. 床の間にまつわるタブー

    1. 床の間の上座下座について

  3. 床の間の有効活用方法

    1. 収納スペースとして活用する

    2. 作業スペースとして活用する

    3. 趣味のスペースとして活用する

  4. 床の間をリフォームする

    1. 和風モダン風に変える

    2. 収納スペースにする

    3. カウンターを設置する

  5. ライフスタイルに合わせて有効活用しよう

 

和室や昔ながらの家庭でよく目にする「床の間」。しかし自宅に床の間がある方のなかで、その空間を有効活用できている方は少ないかもしれません。

この記事では床の間の本来の意味や種類、タブーとされていることについて解説します。さらに有効活用する方法についてもご紹介するので、和モダンな空間に興味がある方をはじめ、床の間をデッドスペースとして持て余している方は  参考にしてみてください。

床の間の意味とは

一般的に、昔ながらの家には和室に床の間があります。これは日本特有のスペースで、昔から神聖な場所として扱われてきました。床の間のイメージとして掛け軸や壺が置いてある様子を想像する方も多いのではないでしょうか。

もともと床の間は来客をおもてなしする部屋にあり、床の間を背に座る人が最も身分の高い人だとされていました。床の間に装飾を施すことで権威を演出する意味をもっていましたが、時代とともに目的も変わってきました。自分よりも身分の高い来客を迎え入れるために一般的な住宅にも床の間が作られたことにより、お客様をもてなすためのスペースへと変化したのです。

そんな床の間ですが、実は種類がありルールもそれぞれ異なります。代表的な床の間の種類を5つご紹介してきます。

本床(ほんどこ)

床の間のなかでも最も格式が高く、床の間の原型と言われているのが本床です。畳から一段上がった床との間に、「床框(とこがまち)」という小さな仕切りのようなものを設置しています。また、床の間に必要とされる「飾り棚」「明かり窓」などがすべてそろっているのも特徴であり、床の間本来の形となっています。

壁床(かべとこ)

本床のように奥行きがある床の間ではなく壁のようにも見えるタイプです。壁床に当たる部分の天井と壁の境目に「雲板(くもいた)」と呼ばれる板が打ち付けられているのが特徴です。わびさびを追求する茶室でよく使われた床の間で、簡素な造りになっています。また、安土桃山時代の武将・古田織部が好んだ床の間として知られていることから、別名「織部床(おりべどこ)」とも呼ばれています。

蹴込床(けこみどこ)

蹴込床は本床と似た造りをしていますが、違いとしては「床框(とこがまち)」を省略している点です。「床框」がない代わりに「蹴込板」と呼ばれる板をはめ込んでいるのが特徴です。蹴込板には、竹や丸太などの素材を使うこともあります。

置き床(おきどこ)

床板を置くことで床の間に代用する方法を置き床と呼びます。床板は移動式なので、設置したり移動させたり好きなように楽しむことができます。置き床に使われる板のサイズは、横幅1mが一般的ですが、決まった形式があるわけではありません。

踏込み床(ふみこみどこ)

本床と同じような奥行きのあるスペースがありますが、「床框」などで段差を作らないのが特徴です。板だけを設置しているので座敷と同じ高さの床の間です。簡易的な床の間で、格式の中では最も低いタイプに該当しますが、板のデザインや木目を楽しむことができるでしょう。

床の間にまつわるタブー

床の間は格式の高い空間になるため、仏壇を置くのはタブーだと考えられているケースもあります。しかし床の間は家のなかで最も大事な場所とも言えるため、仏壇を置くことで故人を大切に思う気持ちを表現することができるのです。

室町時代では、僧侶の家の床の間に仏壇や仏像を飾ることもありました。歴史的に見ても床の間に仏壇を置くことに問題はないことがわかります。ただし、仏壇を床の間に設置する場合には向きに注意しましょう。宗派によって異なりますが、一般的に北向きに置くのは避けたほうがよいです。どうしても北向きになってしまう場合は、他の場所に設置しましょう。

床の間の上座下座について

上座は身分の高い人が座る最もよい席で、下座は身分の低い人が座る席を意味しています。床の間はお客様をおもてなしするため  のスペースなので、来客があった際には上座と下座を間違えないようにしましょう。

床の間に最も近く出入り口から遠い席が上座で、入口に近い席が下座にあたります。目上の人やお客様を通すときには、上座に座ってもらうようにするのがマナーです。ただし出入り口の横に床の間がある場合には、出入り口から遠い席が上座になるので注意しましょう。

床の間の有効活用方法

床の間の有効活用方法

昔は権威やおもてなしの心を表すのに使われていた床の間ですが、現代の住宅において床の間を本来の意味で使っている方は少ないのではないでしょうか。床の間は自由に楽しめるスペースなので、住まいにうるおいや癒しを与えてくれるような空間をつくるのがおすすめです。

ここからは、デッドスペースとして眠っている床の間を有効活用する方法をご紹介します。手軽にできる方法なので、誰でも簡単に床の間を有意義に使うことができるでしょう。

収納スペースとして活用する

床の間を扉のない押し入れのように使う活用方法で、収納スペースが足りない方におすすめです。突っ張り棒を使えば手軽にハンガー収納としても活用できます。

多くのものを収納したい場合には、棚やラックを使ってみてください。タオルや書類、グッズなどを収納できるように自由に区切りをつければ整った収納スペースの完成です。

人目につくことに抵抗を感じるのであれば、ロールスクリーンやカーテンを取り付けるのがおすすめです。来客時にはサッと隠すことができ、デザインも豊富にあるのでインテリアに合うものを選べるのもうれしいポイントです。

作業スペースとして活用する

テレワークや在宅ワークが普及して、集中できるスペースを確保するのに苦戦している方もいるのではないでしょうか。そんなときには、床の間に収まるサイズの机を置くだけで集中できるスペースをつくれます。

自分だけの空間をつくることができるので、仕事部屋をつくるのが難しい場合でも集中できるでしょう。仕事に必要なものは机の上や足元に収納すれば、仕事スペースとして万全な空間の完成です。

趣味のスペースとして活用する

趣味を楽しむためのスペースに作り替えるのもおすすめです。たとえば、趣味の一眼レフカメラを置いて“飾る収納”にしたり、趣味のロードバイクを壁にかけてディスプレイしたりと、趣味のグッズを飾るスペースとしても活用できるでしょう。

床の間をリフォームする

床の間を有効活用する方法を紹介しましたが、もっと本格的に活用したいという方は、床の間をリフォームすることをおすすめします。床の間のデザイン変更や扉の取り付けなどさまざまなリフォーム方法がありますが、ここでは人気のリフォーム方法についてご紹介します。

和風モダン風に変える

和風モダンは、日本らしさと欧米のスタイリッシュさをかけ合わせており落ち着いたおしゃれなデザインです。インテリアを楽しむ空間として床の間を残しつつ、現代風の部屋にしたい方におすすめのリフォームです。

床の間を畳ではなく黒い床にしたり、壁をガラスにしたりするとより洗練された空間に仕上がります。和モダン風に変えることで、他の部屋と一体感が出やすくなります。

昔ながらの床の間では、床の間を囲うように設置された床柱がありました。しかし、重厚感を持たせないために、床柱を設置しないのもモダンな雰囲気を引き出すのに有効です。

費用について

和室と床の間をリフォームする費用は、約40万円と言われています。畳を新しくし、障子やふすまを張り替えるのに約20万円かかり、床の間のリフォームに約20万かかるという内訳です。床の間のリフォームに使う素材やデザインによって料金が異なり、大規模な工事になればなるほど金額は上がるでしょう。理想のスペースを作り上げるために、100万円以上かけてリフォームしたというケースも少なくありません。

収納スペースにする

床の間として活用せず、収納スペースにするリフォームも人気です。使う機会が少なくインテリアとして楽しむ予定がないのであれば、収納スペースとして活用するのもおすすめです。和室のままにするか洋室に変更するのかも重要な選択になってくるので、全体のバランスを見て決めていきましょう。

見せる収納として活用するのもいいですが、扉を取り付けてクローゼットのような形にするのも人気です。奥行きのある床の間を収納スペースとして活用することで大容量の収納になるので、物が多くて困っている方にもおすすめの方法です。

費用について

収納スペースにリフォームする際は、和室のままにするのか洋室にするのかで大きく費用が分かれます。和室のままで床の間をリフォームする場合には、10万円以下でリフォームできるケースもあるようです。扉を取り付けないパターンなのであれば、さらに安くリフォームできるでしょう。

一方、床の間と部屋全体をリフォームする場合は、50万円以上の予算が必要になります。部屋の大きさや使う素材、デザインによっても異なりますが、フローリングの張替えや壁・天井のリフォームも必要になるので費用はかさみます。事前にリフォーム内容とかかる費用を確認しておくと安心です。

カウンターを設置する

作業部屋として活用するためにカウンターを設置する方法です。テレワークや在宅ワークの機会が増えた今だからこそ、この活用方法は今後増えていくでしょう。自宅で集中できるスペースをつくるのは難しいことかもしれません。しかし床の間を有効活用すれば、自分だけの空間や作業部屋をつくることができるのです。

また、プライベート空間を大事にしたいのであれば、区切りをつけるのもおすすめです。どんな空間をつくりたいのかを明確にし、リフォーム内容と費用を照らし合わせて決めると、満足いくスペースをつくることができるでしょう。

費用について

単に床の間にカウンターを設置するだけであれば、5万円以下でリフォームすることが可能なケースも。しかしデザイン性を求めて部屋自体を変えたいのであれば、30万円ほどかかるでしょう。おしゃれな空間をつくれますが、こだわりのある方は費用を多めに見積もっておくとよいです。

ライフスタイルに合わせて有効活用しよう

床の間は昔ながらの家や和室に設置されており、物を飾りお客様をおもてなしするための空間でした。しかし最近では収納スペースとして活用したり、作業部屋のように使ったりするケースもあります。手軽に自由なスペースとして活用することができるので、自分らしく使ってみてはいかがでしょうか。

本格的に有効活用したいのであれば、リフォームするのがおすすめです。床の間だけを変えるのか、部屋全体のデザインをガラリと変更するのかなど、選択肢は豊富にあるので、あなたの生活に合った家や床の間の活用法を見つけてみましょう。

 

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