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経年劣化って何?補修費は誰の負担?部屋をキレイに保ち、退去費を抑えるコツ

更新日:2021.06.24

経年劣化って何?補修費は誰の負担?部屋をキレイに保ち、退去費を抑えるコツ

賃貸物件に長く住んでいると、気になってくるのが退去費用。この記事では、退去費用を左右する「経年劣化」「通常損耗」「特別損耗」について解説します。劣化を抑えるポイントを知っておけば、新居をいつまでもキレイに保つことができ、後々の修繕費も抑えることが可能です。

  • 経年劣化と通常損耗は、「退去費用」(入居者の負担)には含まれない
  • 入居者の管理不十分による「特別損耗(故意・過失による傷など)」は入居者が負担する必要がある
  • 普段の生活のなかで気を付けることにより、特別損耗は抑えられる

もくじ

  1. 「経年劣化」は入居者と大家、どっちの負担?

    1. 経年劣化とは

    2. 通常損耗とは

    3. 経年劣化と通常損耗の考え方

  2. 経年劣化・通常損耗のケーススタディー

    1. 経年劣化の事例

    2. 通常損耗の事例

  3. 入居者側が補修費を負担するケースも…

    1. 特別損耗とは

    2. 特別損耗となる代表的なケース

  4. 新しい住まいで劣化や損耗を防ごう

    1. 水まわりの清掃はこまめに

    2. キャスター付き家具はカーペットやマットを敷いて

    3. タバコは室内で吸わない

    4. 電気焼けは家電の配置が重要

    5. 重量物の設置にはマットを活用

  5. 特別損耗を予防し、退去費用を抑えよう



 

長く同じ賃貸物件に住んでいて、「そろそろ引越しを……」と考えはじめたときに気になるのが退去費用ではないでしょうか。退去時には「退去費用」という名目で、原状回復や清掃のための費用がかかります。退去費用は敷金から引かれるので、可能な限り安く抑えたいと考える方も多いでしょう。

長く住んでいれば、どうしてもついてしまう傷や汚れ。これらはどこまでが大家側の負担で、どこまでが入居者側の負担となるのでしょうか。こちらの記事では原状回復における劣化の種類や具体的なケース、そして新居の劣化を抑える方法をご紹介します。

「経年劣化」は入居者と大家、どっちの負担?

退去時の原状回復をめぐるトラブルは、大家と入居者の間でよく起こるトラブルの一つ。入居者には原状回復(その目的での支払い)の義務があり、大家には経年劣化と通常損耗(つうじょうそんもう)を負担するというルールがあります。トラブルがよく起こるのは、この「経年劣化」と「通常損耗」がどこまで入居者の原状回復義務にあたるのかがわかりにくいためです。まずは、経年劣化と通常損耗の2つの違いについて見ていきましょう。

経年劣化とは

畳やフローリング、壁紙といった賃貸物件の設備、あるいは建物そのものは、時間の経過とともにその価値が下がっていきます。使う頻度が少なかったり、無茶な使い方をしたりしていなくても、年数が経てば少しずつ劣化が進み、不具合が発生するリスクは高まるもの。このような時間の経過で生じる劣化や不具合は、賃貸契約のうえでは経年劣化と呼ばれます。

たとえば、スムーズに開かなくなったクローゼットの引き出しや、歪みが生じて開閉時に変な音が出るようになった引き戸。また、日光による畳やフローリングの日焼けも、窓がある部屋では完全に防ぐことができないので経年劣化に該当します。このように時間の経過によって進む劣化の場合、入居者が退去時に修繕費用を負担する義務はありません。

通常損耗とは

通常損耗は、日常生活を営むうえで避けられない小さな傷や跡、汚れなどが該当します。こちらのケースも退去時の費用負担はありません。

通常損耗としてよくあるものとしては、カレンダーやポスターといった掲示物を貼るために付いた画びょうの小さな穴、タンスなどを長く置いていたために生じた床の変色など。このほかにも、ベッドやソファなど重量のある家具の跡、エアコン内部の汚れなどがあります。

経年劣化と通常損耗の考え方

経年劣化と通常損耗の基本的な考え方は、国土交通省よりガイドラインが出されています。そのガイドラインによると、入居者には原状回復の義務が生じますが、原状回復とは「借りた当時の状態に戻すことではない」と示されています。

住宅とその設備は時間の経過とともにその価値は減少(経年劣化・通常損耗)していくものとされ、減少した分は退去時に請求されません。逆に言えば、長く住むことで入居者が負担する原状回復費用は抑えられる傾向があると言えます。

ただし、このガイドラインにはどれくらいの期間でどの程度損耗し、どれだけ価値が下がるといった具体的な規準は定められておらず、最終的な判断は大家との合意になることを忘れてはいけません。

出典:国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」



 

経年劣化・通常損耗のケーススタディー

経年劣化・通常損耗のケーススタディー

経年劣化には「耐久年数」も関係しています。耐久年数とは、メーカーが「問題なく使える」と想定している期間のこと。賃貸住宅の設備には耐久年数の目安が定められています。

耐久年数を超えて劣化が進んでいるようであれば、経年劣化とみなされて修繕費用は大家負担となるでしょう。これを踏まえて、経年劣化と通常損耗の具体的なケースをご紹介します。

経年劣化の事例

壁紙の日焼け

長期間日光に当たることで壁紙が変色していき、入居当初より黄ばんでしまうことがよくあります。これは賃貸物件に限らず自然に起こる現象のため、経年劣化の扱いとなります。

また、壁紙にカレンダーやポスターなどの掲示物を貼っていた場合、日焼けした部分とそうでない部分で境目が付いてしまう場合もあるでしょう。これは日焼けという現象の性質上、避けられない劣化なので、この場合も入居者に負担が発生することはありません。

このほか、壁に手あかがついて黒ずんでいる場合も、「日常使用上の経年劣化」という扱いになります。

フローリングの劣化

同じフローリングを長期間使用していると、表面のツヤが失われ、傷みが進行していきます。もちろん、これも日常使用における仕方のない劣化と言えるので、経年劣化となります。

ただし、何かを引きずった跡や物を落としてできた傷などは経年劣化の対象にならず、修繕費用の負担が発生する恐れがあります。

畳の劣化

畳もフローリング同様の扱いです。通常の使用で発生した傷みや変色は経年劣化として取り扱われます。ただし、日常的な使用以外でできた傷については負担が発生することもあり得ます。

通常損耗の事例

ポスターなどを貼っていた画びょうの跡

多くの場合、画びょうの跡のような小さな穴は通常損耗に該当します。ただし、釘で打ったような大きな穴は通常損耗とはならず、費用が発生する場合があることを覚えておきましょう。

耐久年数を超えた設備品の故障

設備が耐久年数を超えている場合、「資産的価値はない」と判断され、故障したとしても原状回復の対象からは外れます。このような場合は通常損耗です。

エアコン・テレビ・冷蔵庫などの跡

エアコンは生活必需品と言えるため、エアコン設置跡も通常損耗と言えます。ただし、大家に許可を取ったうえで設置していることが原則です。さらに、テレビや冷蔵庫などを置いた壁にできる黒ずみ(電気焼け)も通常損耗の対象。家電によってできた跡や黒ずみを清掃でキレイに消せない場合は壁紙を交換する必要がありますが、通常損耗の範囲で取り扱われます。

網戸の劣化

網戸も劣化が進んで交換が必要になった場合、エアコンと同様に通常損耗扱いとなります。



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特別損耗とは

借り主が入居時に敷金を支払った場合、退去時にかかる費用は敷金から引かれる形が一般的です。敷金を払い戻すときの計算式は、「敷金-(室内クリーニング+原状回復費用)=残り敷金」になります。

原状回復費用のうち、経年劣化や通常損耗の修繕費用に関しては大家負担になるとこれまで解説してきました。しかし、退去時の原状回復費用には入居者の過失による劣化・損耗も含まれます。これを「特別損耗」と言い、大家ではなく入居者が負担しなくてはなりません。

特別損耗とは、経年劣化や通常損耗に該当しない、故意や過失によって付いた傷や跡のこと。また、部屋を適切に管理しなかったために付いた汚れなども該当します。

たとえば子どもが壁に落書きをした場合、子どもは故意に壁を汚したわけではありません。しかしその親には、子どもの落書き防止する義務があります。このように入居者が部屋を管理する責任を怠った場合、通常損耗とは認められず特別損耗になってしまうケースがあるのです。

特別損耗となる代表的なケース

以下、特別損耗となる「よくあるケース」をご紹介します。この特別損耗を抑えられれば退去時の支払いが減り、敷金の払い戻しは多くなると考えられます。

引っ越し時についた傷・汚れ

引越し荷物の搬入時に付いてしまった傷や汚れは、自然につくものではありません。適切な養生を行えば防げるので、特別損耗として判断されます。

家具や椅子のキャスター跡

キャスター付きの椅子や家具を移動させて使うと、フローリングに傷や跡が付いてしまうことがあります。フローリングにマットを敷くなどの対策で防げることから、特別損耗として判断されます。

ガンコな油汚れ、カビ、腐食

長年掃除を怠った結果、油汚れなどが取れなくなってしまった場合も、特別損耗に該当します。とくに水回りのカビは発生しやすいうえ、深く浸透してしまうと落とすのが困難になるので、こまめな清掃が必要です。

釘などを使用した大きな穴

カレンダーやポスターを固定した画びょうの穴は、多くの場合、通常損耗となります。ただし、不必要に開けられた穴や釘を使ったようなケースは特別損耗となってしまいます。壁に直接取り付ける収納や、インテリアを飾る際に空けた大きな穴も、特別損耗に該当します。

ペットが付けた傷・汚れ

ペットが付けた傷や排泄物による汚れも、通常損耗とは判断されません。これまで挙げてきたケースと同様、ペットによる損耗は飼い主のしつけによって抑えられるとみなされるためです。

新しい住まいで劣化や損耗を防ごう

新しい住まいで劣化や損耗を防ごう

賃貸物件の退去時には劣化や損耗が気になりますが、劣化や損耗を気にすべきなのは引越し先でも同じこと。むしろ新居でこそ、注意を払うべきと言えるでしょう。

以下では、新たな住まいの劣化や損耗を抑えるポイントをご紹介します。これらのポイントを意識して新生活を送れば、新居をいつまでもキレイに保てるだけでなく、後々かかってくる修繕の費用も抑えることが可能です。

水まわりの清掃はこまめに

水まわりは、大きく分けるとキッチン・バスルーム・トイレ・洗面所の4ヶ所。これらは水を使うことが基本であることに加え、毎日使う場所でもあるため、カビの発生や汚れの蓄積がとても早いという特徴があります。

カビは放置すると深く浸透して除去するのが難しくなり、汚れは水しぶきに乗って広範囲に飛散してしまいます。こまめな換気と清掃を意識しましょう。

キャスター付き家具はカーペットやマットを敷いて

キャスター付きの椅子や家具は、どうしても床を傷付けてしまいます。日常的にキャスターを移動させて使うのであれば、移動する範囲にはマットやカーペットを敷きましょう。

また、それなりの金額や手間を必要としますが、クッションフロアへの張り替えや床材の交換という方法もあります。ただし、賃貸物件の場合は必ず大家や管理会社に事前確認を取るようにしてください。

タバコは室内で吸わない

部屋のなかで喫煙をすると、タバコの煙に含まれるタールという成分が煙とともに拡散し、壁や天井に付着します。その結果、壁紙や天井に黄ばみやタバコ臭が染み付いてしまいます。

タールは油性で粘着性が強いため、いったん染み付いてしまった黄ばみやニオイを落とすのは容易ではありません。室内での喫煙は避けましょう

電気焼けは家電の配置が重要

「電気焼け」は、家電のモーターなどから発する熱を長期的に受け続けたことで壁紙が黒ずんでしまう現象です。清掃で取りきることが難しいので、予防が欠かせません。

予防法として有効なのは、壁と家電の隙間を10cmほど空けること。これだけで電気焼けのリスクが減ります。冷蔵庫の場合は隙間をあけると冷却効率も向上するので、省エネにもつながるでしょう。

重量物の設置にはマットを活用

冷蔵庫やソファといった重量物が置いてあった床は、その重さに負けて床がへこみがちです。このような床のへこみは賃貸物件では通常損耗として扱われますが、それでも床のへこみは避けたいもの。

そんなときは、重量物と床の間にへこみ防止用のマットを敷きましょう。耐震性を備えた製品も販売されているので、転倒防止対策としても有効です。

特別損耗を予防し、退去費用を抑えよう

賃貸物件から退去するとき、入居者には原状回復を行う義務がありますが、「経年劣化」や「通常損耗」は原状回復の範囲に含まれません。しかし、入居者が部屋の管理を怠って劣化・損耗を引き起こした場合は「特別損耗」とみなされ、その修繕費は負担しなければなりません。特別損耗のほとんどは注意して生活することで防げるため、退去費用を抑えたい方は入居後の生活に気を付けましょう。

現在住んでいるマンション・アパートを退去して新居への引越しを考えている方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。



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