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「納戸」ってどんな部屋?定義やサービスルームとの違い、効果的な活用法とは

更新日:2021.06.24

「納戸」ってどんな部屋?定義やサービスルームとの違い、効果的な活用法とは

「2LDK+S」や「2SLDK」の「S」で表記される納戸(なんど)・サービスルームの定義、効果的な活用法、おすすめできるケースなどについて解説します。納戸・サービスルームは収納としてだけでなく、仕事部屋、書斎、子ども部屋などとして使うこともできる便利なスペースです。

  • 納戸やサービスルームは有効採光面積の条件を満たさない、「居室」に該当しない部屋
  • ほぼ同条件3LDK物件より2SLDK物件のほうが家賃は安くなる傾向にある
  • 収納以外にも活用法はさまざまだが、換気がしづらいので湿気対策は欠かせない

もくじ

  1. 納戸・サービスルームと居室の違い

    1. 「居室」とは

    2. 居室より広いケースも

    3. ウォークインクローゼットとの違い

  2. 納戸・サービスルームがある物件のメリット・デメリット

    1. メリット

    2. デメリット

  3. 納戸・サービスルームの効果的な活用法と注意点

    1. 参考にしたい納戸・サービスルームの活用法

    2. 納戸・サービスルームを活用するときの注意点

  4. 納戸・サービスルームのある物件をおすすめできるケース

    1. 広さが使用目的にぴったりな場合

    2. 十分な天井の高さがある場合

    3. 小さくても窓がついている場合

    4. リフォームが可能な場合

    5. できるだけ家賃を抑えて広い部屋に住みたい場合

  5. 納戸のある物件で、新たなライフスタイルを楽しもう



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マンションの物件情報などに「2LDK+S」や「2SLDK」といった見慣れない記載があり、「これってなに?」と疑問に思ったことがある方もいるでしょう。「2LDK+S」や「2SLDK」の「S」はサービスルームや納戸(なんど)を意味する記号です。
下記の間取り図は、2SLDKの一例です。

2sldk

物件情報では「フリールーム」「多目的ルーム」「ワークスペース(書斎)」などと記載されていることもあります。

納戸やサービスルームにはメリットもデメリットもあり、それらを正しく理解することが「よりよい暮らし」につながります。こちらの記事では、納戸やサービスルームの定義や特徴、効果的な活用法、「S」がある物件をおすすめできるケースについて解説します。

納戸・サービスルームと居室の違い

納戸・サービスルームと居室の違い

納戸(なんど)やサービスルームは、「居室」に該当しない部屋のことです。納戸とサービスルームに明確な違いはありません。まずは、「納戸・サービスルーム」と居室の違いについて見ていきましょう。

「居室」とは

居室は、建築基準法で「リビング、ダイニング、キッチン、個室(間取り図では洋室や和室と表記)、寝室など」と定義されています。また、住宅の場合は「開口部の有効採光面積がその居室の床面積に対して7分の1以上なければならない」とも示されています。この条件に適した部屋が「居室」、該当しない部屋が「サービスルーム」です。

なお、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、居室と認められないスペースについては「納戸」と表記するよう定められています。

出典:建築基準法 「第二条、第二十八条」

居室より広いケースも

納戸・サービスルームは「居室の条件を満たさないスペース」となるため、間取り上はトイレや洗面所、廊下などと同じように分類されます。そのため、デッドスペースのようなイメージから「狭い空間」に思われがちですが、物件によっては居室より広いケースも存在します。

ウォークインクローゼットとの違い

ウォークインクローゼットは、歩いて人が入る空間的余裕があるクローゼットのこと。衣類が日焼けしないように窓が設けられていないことが多いので、開口部の有効採光面積が居室の条件を満たしていません。そのため、ウォークインクローゼットは納戸・サービスルームの一種と言えます。

納戸・サービスルームがある物件のメリット・デメリット

納戸やサービスルームのある物件には、メリットもデメリットもあります。うまく活用できればお得な物件となりますが、「用途がわからない」「生活をするうえで必要がない」という場合はデッドスペースとなってしまうでしょう。以下では、納戸・サービスルームのメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

広い収納スペースを確保できる

物件を選んでいるタイミングでは広く感じるかもしれませんが、長く生活していると住まいにはモノがどんどん増えていきます。とくに押し入れやクローゼットが十分でない場合、納戸・サービスルームがあると収納スペースとして重宝します。

同じ広さでも家賃が安い傾向にある

ほぼ同じ立地条件で、設備や広さもほぼ同等の3LDK物件と2SLDK物件があった場合、2SLDKの物件のほうが家賃は安くなる傾向があります。家賃は、基本的に居室が多いほど高くなるもの。「S」は居室としてカウントされないため、家賃が安くなるというわけです。

日差しを避けて状態よく保管できる

衣類は一度日焼けすると元の状態に戻すことはできませんが、納戸・サービスルームは採光が不十分なスペースなので、日焼けする心配がありません。買い直しが簡単にできない高価な品物や日焼けしやすい書籍、直射日光を避けたい食料品などの保管場所にぴったりです。

さまざまな方法で活用できる

日本語で「納戸」と聞くと「物置」というイメージが強いかもしれませんが、サービスルームは工夫次第でさまざまなスペースとして活用できます。納戸・サービスルームの活用法については、次の章で詳しく解説します。

デメリット

換気しづらく湿気がこもりやすい

窓がないので日焼けの心配がない反面、風通しが悪く換気がしづらいのが難点と言えます。湿気が原因でカビの発生を招く恐れもあるため、「モノを詰め込みすぎない」「床の上に直接置かない」といった湿気対策が必要です。

使い方によってはリフォームが必要になる

窓がない(小さい)ので、日中でも薄暗く、風通しも悪く、そのままの状態では長時間過ごすスペースには向きません。そもそも居室と認められないスペースなので、コンセントがないことも。そのため、エアコンを設置したくてもできない、というケースがあり得ます。納戸・サービスルームを収納以外の目的で使うのであれば、コンセント増設やエアコン・照明・棚などの設置リフォームが必要になるでしょう。

納戸・サービスルームの効果的な活用法と注意点

納戸・サービスルームの効果的な活用法と注意点

納戸やサービスルームはあくまでも建築基準法上、居室と認められていないだけで、「居室として使ってはいけない」ということではありません。むしろ、工夫次第でさまざまな使い方ができるのが魅力と言えます。

しかし、納戸・サービスルームの活用を考えるにあたってはいくつか注意が必要です。続いては、納戸・サービスルームの効果的な活用方法と注意点をご紹介します。

参考にしたい納戸・サービスルームの活用法

収納スペースとして活用する

納戸・サービスルームは日焼けを防げる保管場所として最適で、部屋全体をウォークインクローゼットとして使うこともできます。食料品や災害用品は消費期限を確認しながらの管理が必要ですが、広めの納戸・サービスルームなら仕分けも管理もしやすいでしょう。

趣味の部屋として活用する

絵画やハンドクラフトなどの創作活動をする専用のアトリエにしてしまえば、リビングなどを汚す心配がなく、道具の片付けも簡単です。読書専用の書斎にすれば、書物を1ヶ所に集められ、家族と本のシェアもしやすくなります。棚やケースを使って、趣味のコレクションを並べるスペースにするのもよいでしょう。

ミニシアターやオーディオルームとして活用する

窓がなく静かなところを活かして、家族専用のミニシアターをつくるのも手です。ミニシアターといっても、家庭用のプロジェクターとスクリーンを購入・設置するだけなのでそれほど難しくないでしょう。大画面でゲームを楽しむことも可能です。音楽が好きな方なら、自分専用のオーディオルームとしても活用できます。

子どものプレイルームとして活用する

納戸・サービスルームを活用すれば、新型コロナウイルス感染症の影響で外出する機会が減ってしまった子どもたちのために、安心して遊べるプレイルームをつくってあげることもできます。ただし、納戸・サービスルームは親の目が行き届きにくいことも考えられるので、安全対策は欠かせません。リフォームによって窓を設置したり、子どもの様子が確認できるようにドアも取り払ったりしている家庭もあります。

自宅バーとして活用する

お酒が好きな方なら、家具や照明にこだわって自分だけのお酒を楽しむ「くつろぎの空間」にするのもおすすめです。

納戸・サービスルームを活用するときの注意点

納戸・サービスルームを活用するときに注意すべきなのは、以下の2点です。

賃貸物件では原則リフォームができない

賃貸物件の場合はリフォーム禁止のケースが多く、フックをつけるために壁に穴を開けることさえできない場合がほとんどです。禁止事項に抵触しない範囲で活用法を考えてみましょう。

カビ対策が欠かせない

窓がない(小さい)納戸・サービスルームは、湿気がたまりやすく季節によってはカビが発生しやすい場所と言えます。カビは家や収納している衣類などを傷めるだけでなく、人体にも悪影響を及ぼします。子どものプレイルームとして活用する場合は、除湿機を設置したりエアコンを導入したりして、カビ対策を行いましょう。

納戸・サービスルームのある物件をおすすめできるケース

広さや構造を含め納戸・サービスルームにはいろいろなタイプがあるので、実際に内見をしてどういった用途に使えるかを確認することが重要です。ここでは、納戸・サービスルームのある物件をおすすめできるケースをご紹介します。

広さが使用目的にぴったりな場合

納戸・サービスルームの面積に定義はないので、なかには8畳ほどの広さを持つものもあります。一般家庭の収納専用スペースとしては広すぎる印象ですが、リモートワーク用の書斎や子どものプレイルームとして使用するなら十分な広さです。すでに用途がイメージできていて、その目的に適した広さであれば、納戸・サービスルームがある物件を選んでもよいでしょう。

十分な天井の高さがある場合

「ほかの部屋に比べて納戸・サービスルームの天井が低い」というケースもあります。その場合は活用法が限定されてしまいますが、天井まで十分な高さがあれば圧迫感がなく、リラックスもできるので、「居室」のような使い方もできるでしょう。ライフスタイルの変化にあわせて、将来的にリフォームを考えることも可能です。

小さくても窓がついている場合

窓のない部屋は暗いだけでなく、「気持ちがふさぎ込みやすい」「酸素不足になり集中力が低下しやすい」といったデメリットがあります。たとえ小さくても、窓があれば日光を取り入れられ、空気を入れ替えられるので、より快適に過ごせるでしょう。

リフォームが可能な場合

リフォームができない物件の場合は、「収納スペースとして活用するしかない」ということも考えられます。リフォームができれば、エアコンや照明器具を設置するだけでなく、壁紙を貼り替えたり窓を設けたりして理想の空間へつくり変えることが可能です。

なお、エアコンや照明器具の設置にはコンセントが必要です。コンセントの増設工事は1時間から2時間程度で完了し、既存のコンセントを分岐させる工事であれば1万円くらいでできます。しかし、分電盤から専用のコードを引く場合は高額になり、3万円ほどかかることもあります。気になった物件があれば、納戸・サービスルームにコンセントがすでに設置されているかどうかを確認しましょう。

できるだけ家賃を抑えて広い部屋に住みたい場合

いずれマイホームを購入する予定があるご夫婦やご家族のなかには、「それまでは家賃をできるだけ抑えたい」と考えている方もいるでしょう。納戸・サービスルームがある物件は、同じ広さ・条件の住まいよりも家賃が安いことが多いので検討してみましょう。

納戸のある物件で、新たなライフスタイルを楽しもう

物件情報に記載された納戸やサービスルームは、建築基準法上で「居室と認められないスペース」のこと。しかし居室として使ってはいけないわけではなく、むしろ工夫次第で多様な使い方ができる点が大きな魅力です。家賃を抑えたい方はもちろん、リフォームが可能なケースや用途が明確なケースでは、「納戸やサービスルームがある物件」が魅力的な選択肢になるでしょう。

「自分らしい暮らし」を実現するために納戸やサービスルームがある物件を検討したい方は、お気軽にお問い合わせください。



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