- 未婚率が上昇し、マンションを購入する独身の人が増えている
- 購入後に後悔しないよう、事前に計画を立てることが重要
- 売却や住宅ローンなどを検討したうえで物件を選ぼう
独身で一人暮らしの人は賃貸物件に住むというイメージを持たれがちですが、ここ数年は独身のうちからマンションの購入を決めるという人も増えているようです。とはいえ、このときに将来設計がしっかりできていないと、のちのち後悔することになってしまいかねません。
今回は、マンション購入時に後悔しないための方法や購入におけるメリット、さらには注意点などを、しっかりと学んでいきましょう。
独身でマンションを購入する人は増えている?
独身のうちにマンションを購入する人が増加している現状には、一体どんな背景があるのでしょうか。ここでは、その理由を詳しく見ていきます。
独身のうちにマンションを購入する人が増加傾向にある理由とは
これまで、独身の人は賃貸マンションやアパートに住むというイメージがありましたが、最近は男女問わず独身でもマンションを購入する人が増えています。「ずっと一人暮らしだから」と自分だけの終の棲家としてマンションを購入する人もいれば、「今後結婚したあとも暮らせるように」とマンションを購入する人もいて、その目的や用途はさまざまです。
独身者のマンション購入が増えている理由には、未婚率が上がっていることも挙げられます。国勢調査のデータから、45歳から49歳までの40代、さらに50歳から54歳までの50代の人を対象に平均値を算出したところ、たとえば2000年に男性の未婚率は12.57%だったのに対し、2015年は23.37%に上がっていました。女性も同条件で5.82%から約14.06%に上がっています。このように、未婚率は男女共に上昇していることがわかります。
ちなみに、マンションを購入する人は正社員の割合が高いとされています。これは、ローンが組めるかどうかが関係していると思われます。ただし、派遣社員や契約社員でもマンション購入ができたという人もいるので、正社員でなくても、マンションは購入できることがわかります。
単身でマンションの購入を決めた人が増えた理由とは
ここでは、独身でマンションを購入した人の状況をもう少し掘り下げていきましょう。マンション購入に至った背景には、さまざまな理由があるようです。
収入が安定してきた
住宅ローンを組める状態になった、仕事が軌道に乗ってきて収入が上がってきたなど、金銭的に余裕が出てきたことで、思い切ってマンション購入を決断する人は多く見られます。
「結婚をすると、賃貸物件に住んで家賃を払うのがもったいないので、思い切って家を買おう」というケースがよく見られますが、「家賃がもったいないから家を買う」ことは独身の人にも同じことが言えるのかもしれません。
一方で独身の場合は、結婚したら住む場所が変わる可能性があるという理由から、マンション購入に踏み切れないという不安を抱く人も少なくありません。
老後の不安を感じた
コロナ渦や不景気による経済難など、老後に金銭的な不安を覚える人が増えたということも、マンションを買う理由として考えられます。家さえあれば「老後住む場所の心配をせずに済む」「家だけは確保しておきたいという」思いが強くなり、購入を決意するようです。
独身のうちにマンションを購入してしまえば、定年前にローンを完済するように計画が立てられます。そうすれば、老後住居にかかるお金を心配する必要がなくなり、生活にゆとりも出るでしょう。老後の「心の安定」を得るために、マンション購入に至る人も少なくないと考えられます
マンションを運用するなどの目的で購入した
一人暮らしの住居として自分が生活するために購入しても、結婚などライフプランの変更により、購入したマンションに住まなくなる可能性があります。
その際、賃貸に出すなどの運用ができると見込み、購入する人も少なくありません。人気のエリアで駅チカの物件なら、賃貸に出しても借り手が見つかりやすいので、こうした物件を探して購入する人は増えています。
一人暮らしでマンションを購入するメリット・デメリット
マンション購入には、メリットがある一方デメリットも存在します。メリットだけでなくデメリットも把握し、後悔しないマンション選びに役立てましょう。
メリット
賃貸よりもコストが下げられるケースがある
住宅を購入するのと、一生賃貸物件に住み続けるのとでは、どちらが金銭的にお得なのかと考える人は多いでしょう。人生の比較的早い段階でマンションを購入した場合、その後一生賃貸に住み続けることを考えると、購入したほうがお得なケースも少なくありません。
もちろん、マンションを購入したほうがお得かどうかは、マンションの金額にもよるでしょう。また、分譲の場合は管理費のほかに修繕積立金を支払わなければならないので、この金額を考えると割高になる可能性もあることを覚えておきましょう。
マンションが自己資産になる
購入したマンションにそのまま住み続けてももちろんよいのですが、先述したように結婚などで住居を変えたら賃貸に出すなど、自己資産として運用することができます。
もしローンが完済していれば、お金に困ったときに売却することで現金を得ることも可能です。賃貸物件は住み続けても何も残りませんが、購入したマンションには資産として手元に残るという大きなメリットがあります。
老後の住居を心配する必要がない
先述したとおり、マンションを買っておけば、とりあえず住むところには困りません。独身のときからローンを払っていれば、老年を迎えるころには完済できている人も多いと思いますので、そのあとはマンションの管理費と生活費のみで暮らせます。
家賃や住宅ローンの心配があることは大きなストレスになり得ますので、その心配がないだけでも、心にゆとりが持てるはずです。
住宅ローン控除という制度の利用が可能
住宅ローン控除とは、マンションなど住宅を購入した際にいくつかの条件を満たしていると、住宅ローン残高の1%が所得税から還付される制度です。賃貸で家賃を支払っていても控除は発生しないので、こちらもマンションを購入する大きなメリットだと言えるでしょう。
デメリット
ローンが重くのしかかる場合がある
たとえば、賃貸物件に住んでいて急に年収が大幅に下がってしまった場合は、家賃の安い物件にすぐ引っ越すことができます。
しかし、住宅ローンを組んでしまうと支払い方法の変更は難しいとされています。住宅ローンの組み換えをするにしても、年収が下がってしまうと困難なケースもあるからです。ローンが肩に重くのしかかるのは、デメリットの一つと言えるでしょう。
簡単に引っ越せない
マンションをスムーズに賃貸に出して、すぐ借り手が見つかれば別ですが、転勤など急な引っ越しを余儀なくされた際に、購入したマンションが負担になってしまう場合もあります。
転勤であれば転勤先の家賃を会社側に補助してもらえるため、経済的な負担はこれまでとあまり変わらないということも考えられます。しかし、そうした補助を受けられないと、いわゆる“ダブル家賃”となってしまう可能性もあるでしょう。
ライフプランをしっかり検討する必要がある
マンションの運用に自信がない場合は、今後の人生設計をしっかり立てたうえでマンション購入を検討する必要があります。
結婚の予定があるならば、ワンルームマンションでは狭いですし、どのエリアにあるマンションを買うかも重要です。一生住み続けるつもりで買うとなると、考えなければいけないことがたくさん出てくるでしょう。
独身でマンションを購入して後悔するケース
ここでは、マンション購入後に起こりえる“後悔してしまう”ケースをご紹介します。トラブルを事前に把握し、どうすればマンション購入後にトラブルを起こさずに済むか対策を講じるのに役立てましょう。
ご近所トラブルに巻き込まれてしまう
念願のマンションを購入したけれど、隣人との関係が悪く、頻繁に嫌がらせを受けるようになってしまったというケースは多いです。こうした場合、物音がうるさいと隣人が年中怒鳴り込んで来るため、泣く泣く賃貸に出し別の賃貸マンションに住むという事態に発展する可能性もあるでしょう。
せっかく購入したマンションに暮らせないという事態は、絶対に避けたいものです。中古マンションであれば、ある程度両隣にどんな人が住んでいるかを事前にリサーチできますが、新築マンションだとどんな人が入るかわからないので、相性を見極めるのは難しいでしょう。
売却しようとしても価格が下落してしまう
入念に下調べをして、売却時に大きく価格が下がることはないと確認したうえで購入したにもかかわらず、いざ売却しようと思ったら、マンションの価格が下落してしまいマイナスになってしまったというケースもあります。
不動産の相場は素人では読み取れない部分もあるので、売るときに高値で売れたという人は少ないようです。
ローン以外の出費が多過ぎる
分譲マンションを購入すると、住宅ローン以外にもかかる費用があります。というのも、管理費と修繕積立金といった費用を支払わなければいけないからです。たとえば、住宅ローンが毎月7万円でも、管理費が1万円、修繕積立金が2万円だとすると、結果毎月10万円の支払いが発生します。ローンの支払金額だけ考えていると、「こんなに毎月お金がかかるとは思わなかった」ということになりかねません。
車を所有している場合はさらに事情が変わります。一戸建てであれば敷地内に駐車場をつくれば駐車場代は無料です。しかし、分譲マンションの場合だと駐車場は月極で借りるところが多いのが特徴です。
そのため、管理費に修繕積立金、さらには駐車場のお金まで必要となり、プラス5万円近く支払金額が増える可能性もあります。こうした“誤算”が発生するケースはかなり多いので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
実家を相続することになった
住宅ローンを組んでマンションを購入し、長い年月支払いを続けていたものの、急に実家を相続することになったというケースもあります。もちろん、実家を相続すること自体に問題があるわけではありません。しかし、どうせ実家を相続するならば、わざわざ住宅ローンを支払い、マンションを購入する必要はなかったというケースもあるでしょう。
このケースだと、購入したマンションを運用に回せるなら、大きな問題はないと考えられます。しかし、マンションを処分して実家に入ろうと思ってもなかなか売れなかったり、賃貸に出しても借り手がつかず、せっかく購入したマンションが手持ち無沙汰になってしまったりというケースもあります。このように、きちんと計画をして購入したつもりだったのにと、後悔してしまう人は意外にも多いようです。
一人暮らしでのマンション選びのポイントを紹介
現在独身で一人暮らしの人がいざマンションを購入しようと決めたときには、どんな点を見て物件を選べばいいのでしょうか。ここでは、おすすめのチェックポイントをご紹介します。
ライフプランを考慮したうえで物件を選ぶ
一生一人で暮らすことを想定し購入するマンションであれば、1LDKなどでも十分です。しかし、将来結婚するつもりがあり、購入したマンションで家族と暮らしたいということであれば、2LDKなど広めの物件を購入するのが望ましいでしょう。このように、今後のライフプランに合わせて物件を購入することは、もっとも重要なポイントです。
ちなみに、もしライフプランが変わって売却することになった場合、1LDKなど狭い間取りは売れにくいと言われています。そのため、マンション購入時は間取りなども考慮したうえで選ぶようにしましょう。
ランニングコストをしっかり計算する
マンション購入後毎月支払うお金は、住宅ローンだけではありません。なぜなら、管理や修繕のための費用なども別途支払う必要が出てくるからです。さらに車を所有する場合は駐車場代も必要となり、都心になると数万円程度かかってしまうでしょう。
こうした毎月かかるランニングコストを考慮したうえで、住宅ローンと合わせて毎月いくらなら支払い可能であるかをよく考えて物件選びをすることが大切です。
トラブルを避けるため生活音の漏れにくい物件を選ぶ
ご近所トラブルでもっとも多い原因は、騒音問題です。深夜に生活音が響く、声がうるさいなどの理由から、隣人との関係が悪化してしまうのです。そのため、購入時には、音が伝わりにくい物件であるかをしっかりチェックしましょう。
たとえば、自室の風呂やキッチンといった水まわりと、隣の部屋の寝室が隣接している場合、自宅の生活音が隣人にとって迷惑となりやすいです。設計図を見て、生活音が伝わりやすい間取りではないかどうかを確認しましょう。
また、隣の部屋と購入予定の部屋を仕切る戸境壁(こざかいかべ)や、床スラブ(床の荷重を支える鉄筋コンクリート造の板)の厚さがしっかり確保されているかどうかも重要です。音漏れはマンション購入後簡単に改善できない問題ですので、事前にしっかり確認しておくようにしましょう。
立地や治安をしっかり確認する
結婚後も住み続けることができるような物件を購入する場合は、将来的に子育てがしやすいよう公園や教育施設が充実した治安の良いエリアを選んだほうが、家族ができたあとにも暮らしやすいでしょう。
一人暮らし用に購入し、結婚後は賃貸など運用に活用したいということであれば、駅チカで飲食店などがたくさんある便利な立地の物件のほうが借り手は付きやすくなります。マンション購入後の用途によってどんな立地が良いか変わってきますので、やはりマンション購入の目的をしっかり検討したうえで物件選びをすることが重要です。
独身のうちにマンションを買うなら、将来のことも考えておくことが大切!
マンションを購入する際は、現在の自分が必要とする条件で選んでしまうこともあると思います。しかし、将来結婚するなど、家族が増える予定なのであれば、そのこともしっかりと考慮したうえで購入を決めるようにしましょう。
独身のうちにマンション購入を検討している方は、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。
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