更新日:2021.03.31
室内で犬を飼いたい人必見!快適でおしゃれな部屋づくりのポイント
室内で犬を飼うためには準備と対策が必要です。騒音やニオイ対策のポイント、トイレやケージのレイアウト、しつけについてなどを事前に把握しておくことが必要になります。愛犬が安心して暮らせる部屋づくりのポイントや、おしゃれな部屋づくりのコツを解説します。
- 犬を室内飼いするためには「犬視点」の理解が必要
- 犬のために安全で安心な部屋づくりをすることが大切
- 犬がいてもレイアウトや工夫次第でおしゃれな部屋づくりができる
近年では賃貸物件でも犬を飼う方が増えています。しかし、残念ながらマナー違反で周囲に迷惑をかける人もいるようです。犬を室内で飼う心構えとして、「犬も人も安心・快適に暮らせる部屋づくりをすること」「周囲に迷惑をかけないこと」を肝に銘じましょう。とくに賃貸住宅では周囲に迷惑がかからないよう、騒音やニオイ対策が欠かせません。
この記事では、初めて室内で犬を飼う方、もっと犬との暮らしを充実させたい方のために、愛犬が安心・安全に暮らすための対策やレイアウトのポイント、おしゃれに暮らすコツをくわしく解説します。
「犬を室内で飼う」まずは部屋のレイアウトや設備をチェック
「犬を飼う」と言えば、かつては「一軒家の庭に犬小屋を置き、鎖でつないで飼う」「番犬として飼う」というスタイルが主流でした。しかし、近年では犬を室内で飼う人が増加傾向にあります。また、ペット飼育可の賃貸住宅も少しずつ増えていることもあり、特に小型犬の場合は室内飼いがメインです。
犬と快適に暮らす部屋づくり
環境省も、室内での犬の飼育を推奨するようになりました。鳴き声など近所への迷惑防止だけでなく、愛犬とのコミュニケーションにも欠かせないためです。
犬はもともと群れで生活する動物のため、室内で人と暮らすことで群れをなすことができます。そのほうが犬にとっても自然なことなのです。愛犬との絆を深めるため、周囲に迷惑をかけないためにも、室内で快適に暮らせるような部屋づくりをしましょう。
犬を室内飼いするために理解したい「犬視点」
人向けにつくられている住宅で、習性や食性が異なる犬と暮らすためには、レイアウトや設備、しつけについて配慮する必要があります。つまり、生活に「犬視点」を取り入れることが大切です。犬のケージやクレートを人視点で都合のよい場所においても、犬にとっては寒かったり暑かったり、落ち着かなかったりすることがあります。人にとって快適なカーペットが「犬の足の爪が引っかかって危険」ということも考えられるのです。
室内飼いをする前には、犬の暮らしについて何が重要かを把握することが不可欠だと言えます。すでに飼っている方は、愛犬との暮らしをより快適にするためにも、現在のレイアウトや設備をチェックしましょう。
犬の室内飼いを始める前に知っておきたい基本
賃貸住宅の場合は犬との快適な暮らしのためにも、近隣に迷惑をかけないためにも、飼育ルールを確認しましょう。まずは犬が使うケージやクレート、トイレなどグッズの置き場所に配慮します。そして、トラブル防止のためにも、鳴き声など騒音対策、ニオイ、抜け毛予防、排泄物の処理などには十分な注意が必要です。
賃貸住宅は飼育規約を確認!
犬の飼育が可能な賃貸住宅では、飼育にあたってさまざまな規約やルールがあります。具体的には「小型犬に限る」など犬の大きさについて、「2匹まで」など飼育頭数についての規約などの他、ベランダでの飼育禁止、廊下やエレベーターなど共有部分は歩かせないでケージに入れる、抱きかかえるなどのルールがあります。物件ごとに異なることもあるので、しっかり確認しましょう。
出典:財団法人マンション管理センター「中高層共同住宅使用細則モデル」
犬のケージ・クレート・トイレの置き場所
まずはケージ・クレート・トイレを用意します。どれも犬を室内飼いするうえで非常に重要なグッズです。犬の体の大きさに合ったものを選びましょう。ケージは、サークルのようになった犬の部屋です。トイレはペットシーツを敷くことができる犬用トイレを用意しましょう。クレートは、プラスチック製で、格子状の扉がついたペット専用のケースです。通院や旅行など移動だけでなく、愛犬の個室としてハウスにも使えます。
犬には寝床の近くで排泄しないという習性があるので、トイレは犬がハウスとして使うクレートから少し離して設置することがおすすめです。広めのケージの中にトイレを置き、少し離れたところにクレートを置くと、落ち着いて過ごせるでしょう。ケージは部屋の窓辺に置くと一見快適に思えますが、実は注意が必要になります。なぜなら日当たりが強すぎて熱中症になったり、すきま風で体が冷えたりと、愛犬の体調不良の原因になる恐れがあるためです。
賃貸の場合、床への配慮
賃貸の床には必ずマットやカーペットを敷きましょう。犬が部屋を走り回る音は、思っている以上に近隣に響きます。防音対策としても敷いておくと安心です。さらに犬の爪などで床に傷がついたり、粗相で排泄物のニオイがついたりすることも予防できます。防臭機能がついているペット専用カーペットはとくにおすすめです。汚れた部分だけ取り外して洗うことができるタイルタイプも役立つでしょう。
「鳴き声」を意識した騒音対策
狩りや番犬として活躍してきた犬にとって、吠えることは正常な行動です。しかし、室内飼いをするうえでは不快になることも多く、「鳴き声対策」は必ず行う必要があります。とくに住宅密集地や賃貸住宅では、吠える原因を突き止め、しっかり対策をすることが不可欠です。
犬が吠えるシーンは、インターホンに反応したり、おやつや散歩のおねだりをしたり、窓から見えるほかの犬に対する反応や留守番の寂しさ、体調不良など多岐にわたります。吠えるたびに犬を叱るのではなく、吠える原因を取り除き、ほめてしつけることが大切です。ただし、体調不良の場合もあるので、診察もかねて獣医師に相談しましょう。
ニオイ対策「排泄物・体臭」
「ペットのニオイはトラブルの大きな要因」になる傾向にあります。それだけ犬のニオイは周囲への迷惑になることを理解しておきましょう。とくに共有部で排泄させないように注意します。犬用トイレは臭いからといって、ベランダなど外に出すことは近隣の迷惑になりかねません。室内に置き、消臭機能つきのペットシーツなどを利用して、ニオイの発生を抑えましょう。
排泄物の処理には、消臭機能のある専用の袋がおすすめです。ニオイ漏れを防ぐためにも、ごみ箱は赤ちゃんのオムツ処理用や、ふたが密閉できるタイプを利用すると良いでしょう。犬の体をいつも清潔に保つことも、ニオイ対策には欠かせません。定期的にトリミングサロンなどでシャンプーをしてあげましょう。普段から温かい濡れタオルで体を拭く、ドライシャンプーをするなどでもニオイ予防につながります。
ただし、犬の嗅覚は鋭いため、香水や香りの強い消臭剤の使用は厳禁。アロマオイルは天然の香りですが、犬にとっては害のあるオイルもあります。犬への安全性がきちんと確認されたものを使用してください。
抜け毛対策「お手入れ・犬グッズの手入れ」
抜け毛が近隣の住宅や共有部などに散らばらないように注意しましょう。ブラッシングなどのお手入れは必ず室内で行います。マットや犬用ベッドなど犬グッズは、掃除機や粘着テープで毛を取り去ってから干すことを心がけましょう。抜け毛のシーズンは、毛が賃貸住宅の共有部分に落ちないように「洋服を着用させる」「キャリーバッグに入れて移動する」などの配慮も必要です。
愛犬が安心して暮らせる安全な部屋づくりの3つのポイント
犬を室内で飼育する際に、とくに気をつけたいのが事故や病気の予防です。そのためには、飼い主がきちんと室内飼いの環境を整えてあげることが重要になります。愛犬にとって安全な環境を整えるための3つのポイントをご紹介します。
ポイント1:誤飲事故対策
犬の室内飼育でもっとも注意したいのが誤飲と事故です。犬は好奇心旺盛で、とくに子犬はなんでも口に入れて確かめる習性があります。大切な愛犬の命を守るためにも、しっかり対策しましょう。
床にものを置かない・落とさない
ティッシュやスリッパ、タオル、靴下などを床に置きっぱなしにしないようにしましょう。犬が誤って食べてしまうと、腸閉塞などを引き起こす恐れがあります。犬の壊れたおもちゃも誤飲のリスクがあるので、すぐに処分しましょう。
人の食べ物は犬の届かない場所に
人の食べ物や薬、嗜好品は、犬の届かない場所に保管してください。ねぎ類・チョコレート・コーヒー・ブドウ・キシリトール・お酒などは、犬が食べることで命の危険に関わることもあります。ほかにも人間用の薬、たばこなどの保管にも注意が必要です。
キッチンにはゲートをつける
調理中に落とした食材を食べることもあります。キッチンに入れないようゲートをつけておくと安心です。
ごみ箱は密閉タイプを
焼き鳥の串、鶏の骨なども消化管を傷つけることがあるため危険です。ごみを漁られないよう、しっかり蓋のできるごみ箱を使うとトラブルを避けられるでしょう。
観葉植物に注意
実は、観葉植物にも要注意です。ポインセチア・ポトス・シクラメン・アロエなどは犬が口にすると中毒を起こすことがあります。どうしても飾りたい場合は、犬が入れない部屋などに置きましょう。
電気コードにはカバーをつける
電気コード類は、犬がかじらないようにカバーをつけましょう。安全に配慮してつくられた犬の嫌いなニオイのスプレーをかけておくのもおすすめ。
階段や段差に注意
高さのある家具やソファから飛び降りて、ケガをすることがあります。ステップやスロープを設置しておくと安心です。
玄関は飛び出し防止を
犬は散歩などに行く際、興奮して飛び出してしまうことがあります。玄関には飛び出し防止ゲートを設置しましょう。
ポイント2:足元への配慮とグッズ置き場の工夫
ケガや事故防止のためにも、犬の足元への配慮やグッズの置き場の工夫も欠かせません。人視点ではなく犬視点での安全性の観点で、アイテム選びや部屋のレイアウトを考えましょう。
フローリングにはカーペットやマットを敷く
ツルツル滑るフローリングは足腰のケガの原因になります。犬が過ごす場所には、カーペットやマットを敷いておきましょう。犬が行き来する廊下や玄関にも敷いておくと安心です。
ループタイプのじゅうたんは避ける
ループ状になったじゅうたんは、犬の爪が引っかかることがあり危険です。毛足の短いカーペットやマットがおすすめ。
安全性の高い場所にグッズを置く
ケージやクレートなどは、犬の異変にすぐ気づけるように飼い主さんの目が届くところに設置しましょう。また、本棚や食器棚など、落下物のある恐れのある家具の近くに置かないことも重要です。周囲に背の高い家具がある場合は、地震に備えてしっかり固定してください。
ポイント3:快適な温度設定
犬の体温調節の仕方は、人間とは異なるので温度管理も非常に重要です。エアコンや扇風機、遮光カーテンを上手に利用して、犬にとって快適な温度を設定しましょう。快適な温度については、犬種ごとに異なる場合があるのでその点も注意が必要です。
暑さ対策
犬は体を毛に覆われているため、暑さが苦手な犬種が多い傾向にあります。とくに高温になりやすい夏は、窓にはよしずや遮光カーテンをつけ、エアコンで25~28℃程度に調節しましょう。また、犬は暑くなると呼吸を荒くして体温を下げようとします。そのため息が荒いときは、部屋が暑すぎる恐れがあるので、様子を見ながら調節しましょう。
ただし、エアコンの風が犬に直接当たらないよう注意が必要です。冷気は部屋の下に溜まりやすいので、犬が過ごす場所が冷えすぎてしまうこともあります。犬の高さまでしゃがんで温度を確かめましょう。
寒さ対策
基本的に犬は寒さには強いと言われています。しかし、温暖な地方原産の犬種や、下毛が生いていない犬(シングルコート)、毛の短い犬の他、体温調節が苦手な子犬や高齢犬は寒さにあまり強くありません。
適度に暖房を入れて、冬の室温は22~23℃程度を保ちましょう。反対に暖気は天井に溜まりやすいので、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると効果的です。もし床暖房やペット用ホットカーペットを利用する際は、低温やけどにならないよう逃げ場をつくるか、犬をときどき移動させると良いでしょう。
愛犬との暮らしをワンランクアップ!おしゃれレイアウト術
「犬がいるとおしゃれな暮らしはできない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、犬の安全に配慮したうえでオシャレな暮らしをすることは十分に可能です。そのためには、部屋のレイアウトや家具、小物類などのセレクトにこだわりましょう。
小物はひとまとめに
犬のおもちゃは色がバラバラになりやすく、お手入れ用品も細々としているので、そのままではごちゃごちゃした印象になりがちです。そこで普段使わないおもちゃやお手入れ用品はお気に入りのカゴにまとめましょう。整理整頓されているだけで、部屋の印象がスッキリとまとまります。
ペット用テント「ティピー」でお部屋にアクセント
ペット用の「ティピー」はインディアンのテントのことで、三角のシルエットがかわいく、置くだけでお部屋のアクセントになります。テントの素材はインド綿なので、ナチュラルな雰囲気づくりにもぴったり。テント内にふかふかのクッションが敷いてあるので、犬もリラックスできます。
木製ケージで温かみのある部屋に
木製のケージを使用すると、落ち着いた温もりのあるお部屋になります。ダークブラウンやベージュなど、部屋の雰囲気に合った色のサークルを選びましょう。愛犬の毛色に合わせるのもオシャレです。
色を統一して落ち着きを
ペットのために敷いたカーペットは、部屋にあるカーテンやソファなどのインテリア家具と色を統一するだけでも、落ち着きのある雰囲気になります。ベージュやホワイトで統一すれば明るく清潔な印象に、またダークカラーで統一すればシックな部屋になるでしょう。
愛犬も人も快適に暮らす部屋づくりをしよう
室内飼いには愛犬とのコミュニケーションがとりやすく、絆が深まるという大きなメリットがあります。しかし、犬にとっては吠えることを制限されたり、誤飲によるトラブルを招いたり危険な一面もあります。そのため、犬が安心して、そして安全に暮らせるような環境づくりや配慮が欠かせません。飼い主の都合を犬に押しつけず、責任をもって室内で飼えるよう準備が重要です。
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