- 修繕積立金は、長期目線で計画的な修繕費用に充当する費用のこと
- 首都圏の中古マンションの修繕積立金の平均額は、1戸あたり1万2,480円
- 修繕積立金を滞納するとマンションが売れない、または売却価格に影響が出る
マンションの修繕積立金とは?管理費との違い
マンションの修繕積立金は、分譲マンションの所有者が負担する支出の一つで、管理組合や管理会社などの組織が建物の定期的な修繕やメンテナンスのために事前に積み立てる資金のことです。毎月決められた額の積立金をマンションの所有者から徴収し、積み立てた資金は大規模修繕やメンテナンス費用に充当されます。
修繕積立金は管理費と間違われることが多くあります。
詳細は後述しますが、修繕積立金は長期目線で計画的な修繕費用に充当する費用なのに対し、管理費は、居住者が日々快適に過ごすために、共用部分を維持・管理するための費用です。
マンションの修繕積立金の相場はいくら?
マンションの修繕積立金は、毎月どれだけの費用が徴収されるのでしょうか。
以下の項目ごとに平均額を解説します。
ご自身が購入を検討しているマンションと照らし合わせてみましょう。
マンションの修繕積立金の平均額
まずは、マンションの修繕積立金の平均額を紹介します。公益財団法人東日本不動産流通機構が2023年5月に公表した「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」によると、修繕積立金の平均額は1戸あたり1万2,480円となっています。
マンションに住む場合は修繕積立金が発生するため、住宅ローンの返済以外の毎月のランニングコストとして考慮しておきましょう。
築年数別に見るマンションの修繕積立金の平均額
次に、築年数別の平均額を紹介します。
「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」によると、築年数別の修繕積立金の平均額は以下の通りです。
建築年 | 月/戸あたりの修繕積立金の平均額 |
---|---|
2015年 | 1万1,023円 |
2016年 | 9,937円 |
2017年 | 8,483円 |
2018年 | 7,421円 |
2019年 | 7,038円 |
2020年 | 6,883円 |
2021年 | 7,541円 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」
多くのマンションでは段階増額積立方式と呼ばれる積み立て方が採用されているため、築年数が経過するほど毎月かかる修繕積立金が高くなります。なお段階増額積立方式とは、一定期間ごとに修繕積立金を値上げし、購入当初の負担を軽減する積立方式です。
専有面積当たりの修繕積立金の平均額
次に、専有面積別の平均額を紹介します。
国土交通省が2011年に公表し、2023年4月に追補している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、専有面積別の平均額は以下の通りです。
※国土交通省 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和5年4月追補版)」をもとに作成
戸数別に見るマンションの修繕積立金の平均額
最後に、戸数別の平均額を紹介します。
「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」によると、2022年度における戸数別の修繕積立金の月額平均額は以下の通りです。
規模別 | 月額修繕積立金(円) |
---|---|
50戸未満 | 1万1,974円 |
50~99戸 | 1万1,210円 |
100~149戸 | 1万1,367円 |
150~199戸 | 1万1,819円 |
200戸以上 | 1万2,430円 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」
マンションの修繕積立金と管理費の使用用途
先述した通り、修繕積立金が長期目線で計画的な修繕費用に充当する費用なのに対し、管理費は日々マンションの状態を維持するための費用です。
ここでは、マンションの修繕積立金と管理費の使用用途について、具体例を用いながら解説します。
修繕積立金の使い道
マンションは、建物の老朽化に伴い10~15年を目安に大規模修繕が行われ、この費用は毎月所有者から徴収している修繕積立金から充当されます。
具体的には、以下のような修繕工事に充当されます。
- 外壁補修などの大規模修繕
- エレベーターなどの部品交換・改修
- 機械式駐車場などの部品交換
- 玄関ドアやサッシなど共有部分の修繕
- 駐車場の増設など大型改修
上記の他にも、管理組合が作成した長期修繕計画に則って修繕積立金が使用されます。ただし、地震や台風などの自然災害が起きた際にも、修繕積立金から費用を捻出して修繕を行うケースもあります。
管理費の使い道
管理費は、マンションの共用部分の維持・管理のために使うお金で、住んでいる人が日常の生活を安全・快適に過ごすために必要となります。
具体的には、以下のような費用に充当されます。
- 共用部分(エレベーターや共用灯など)の水道光熱費
- 共用部分の消耗品代
- 管理会社への委託費
上記の他にも、共用部の小さな補修費用や、清掃費などにも充当されます。
マンションの修繕積立金を払えないとどうなる?
修繕積立金を滞納すると、マンションの住環境や資産価値に影響があります。
修繕積立金は大規模修繕などの費用をまかなうものであるため、払えなかった際に他の所有者が費用を負担しなければならない可能性があります。
さらには、将来的にマンション売却をする際に、滞納分の支払いを新たな所有者(買主)が負担する可能性があります。そのため、マンションが売れない、または、売却価格にも影響が出ることは覚えておきましょう。
よくある質問
修繕積立金が年々高くなるのはなぜ?
新築や築年数が浅い時は修繕する箇所が少ないため金額が低く設定されますが、建物が古くなると修繕する項目が増えるため、修繕積立金も値上げされます。
マンションの売却時に修繕積立金は返金される?
大規模修繕が実施される前にマンションを売却しても、修繕積立金は返金されません。売主に修繕積立金を返金すると、長期修繕計画で予定をしていた時期に大規模修繕を実施することができず、建物の資産価値が下落してしまいます。
稀に、マンションの管理規約に修繕積立金の返金について明記されておらず、一部返金されるケースもありますが、一般的には規約に記載があるため、修繕積立金の返金はされないと考えておきましょう。
修繕積立金の積み立て方には、どんな方法があるの?
修繕積立金の積み立て方には、「段階増額積立方式」と「均等積立方式」があります。
段階増額積立方式とは、購入当初の負担を軽減するために一定期間ごとに修繕積立金を値上げする積立方式で、所有期間が長くなればなるほど修繕積立金の金額が上昇します。多くのマンションでは段階増額積立方式が採用されています。
均等積立方式とは、長期間所有しても修繕積立金が常に一定額である方式です。
まとめ
今回の記事では、マンションの修繕積立金の平均額や管理費との違いについて紹介しました。マンションの修繕積立金は、将来の大規模修繕や設備交換などの費用に充当するために徴収される資金です。マンション購入を検討する際は、購入時の修繕積立金(月々の支払額)だけではなく、長期修繕計画も必ず確認することが大切です。
これからマンションの購入を検討している方や将来的に売却も視野に入れている方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
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