- 土地は「固定資産税」がかかるため、所有しているだけではデメリットが大きい
- 自己資金が少ないものから多いものまで、土地活用の選択肢はさまざま
- 土地活用では空室・賃料下落リスク、修繕・自然災害リスクなども考慮しておく必要がある
土地を持っていることのメリットとデメリット
土地所有者のなかには、家を建てたり畑にしたりといった形で土地を活用している方も多いでしょう。しかし、目的のない、「ただ寝かせているだけの土地」を持っているのはデメリットが大きいと言えます。まずは、土地を所有することによるメリットとデメリットをチェックしておきましょう。持っている土地の売却を検討している方は、土地を売却するメリット・デメリットも押さえておいてください。
土地を持っていることのメリット
活用することで収入を得られる
土地活用の種類にはいくつかあり、運用するなかで収入を得られる仕組みになっています。詳しくは次項で解説しますが、駐車場やアパート、貸地による家賃収入が期待できます。
眠らせているだけでは費用がかさみマイナスになる土地が、活用することで収益を生むのはメリットと言えるでしょう。
節税対策ができる
土地活用による家賃収入は「不動産所得」に分類され、課税対象になります。収益があった翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要がありますが、その際、かかった費用は経費として計上可能。また、事業規模の不動産所得がある場合、より専門的で複雑な「青色申告」を行うと「青色申告控除」が受けられ、利益から最大65万円の控除を受けられます。
そのほか、不動産の相続時にかかる「相続税」についても節税効果が期待できます。土地の評価額は4つに分かれており、なかでも相続税路線価を使用する「相続税評価額」は、公示価格の8割程度の価格に設定されます。1,000万円の土地の場合は800万円の評価になるので、相続税の軽減が期待できるというわけです。
土地を持っていることのデメリット
固定資産税がかかる
固定資産税とは、固定資産と呼ばれる土地や家屋に課せられる税金のことです。固定資産税は、毎年1月1日時点で所有者として登録されている人に納税義務が発生します。固定資産には宅地や田畑だけでなくさら地なども含まれるため、活用しない土地を保有していると「税金をずっと納めていくだけ」になってしまうでしょう。
また、住宅が建っている土地の場合は固定資産税が6分の1から3分の1に減額される制度がありますが(新築住宅の税額軽減特例では、2分の1まで減税可能)、「単なる空き地」ではこの減税制度も適用されません。
土地を売却したときのメリット・デメリット
土地を所有している場合、運用ではなく売却を検討する方も少なくありません。売却する前に、メリット・デメリットを確認しておきましょう。
土地売却のメリット
土地売却のメリットは、「まとまった現金を手にすることができること」と「固定資産税を払う必要がなくなること」の2点です。大きなお金を得たり、借り入れの返済をしたり、他の運用に回したりすることもできます。別の不動産を買い替えることもできるでしょう。
土地売却のデメリット
土地売却のデメリットは、「投資機会の損失」と「譲渡益による税金や費用などの発生」です。土地を所有していれば今後活用によって収益が期待できるかもしれませんが、売却してしまえばその可能性はなくなります。
また、土地を売却した際の譲渡益には税金がかかります。譲渡益のほか、必要経費として印紙税や登録免許税、仲介手数料などの費用も必要です。そのため、譲渡益が丸ごと手に入るわけではありません。
どんな種類がある?土地活用の選択肢
土地活用の主な種類をご紹介します。
【土地の貸与】
土地を第三者に貸与し、借り主から土地の賃料をもらうという方法です。この場合、手出し資金が少額であることがメリットです。ただし、定期借地権として貸し出した場合は長期間返還されないため、注意が必要です。
【駐車場の経営】
交通量や人の流れが多い場所では、駐車場としての活用法も有効です。平面駐車場の場合は設備投資も少額で済み、比較的小さい土地でも活用できます。その一方、車が少ない地域や人の流れが少ない地域では、収益が望みにくいので注意が必要です。
【アパートやコンビニの経営】
代表的な土地活用の方法として知られているのが、「アパート経営」です。固定資産税や相続税などの税金対策に有効であり、安定した収入を望む方に適しています。アパート経営には、それなりに広い土地と初期投資の資金が必要です。
ロードサイドに土地を持つ場合は、「コンビニ経営」も選択肢の一つになります。土地にコンビニを建設し、その経営を事業者に任せる活用方法です。収益率はお客様の入り具合に直結するため、うまくいけば大きな収益を期待できます。
【オフィスビル】
多額の自己資金を用意できる場合は、「オフィスビル」などを経営するのもよいでしょう。アパートより多額の収益を見込めるオフィスビルの場合、自己資金とともに好立地で広大な土地が必要です。
土地活用の進め方
土地の活用は、いくつか手順を踏んで行っていきます。実際に、土地活用を検討してからの流れをシミュレーションしてみましょう。
土地や資産の状況整理
土地活用を検討するなら、まず土地と資産の現状を洗い出しましょう。土地の広さ、自己資金の額などの条件によっては、そもそも可能な選択肢と不可能な選択肢があるためです。「どのくらいの土地があるか」に加えて、立地条件や周辺の傾向も調べておくとよいでしょう。
目的・自己資金の算定
土地活用を行う前に、目的と自己資金を明確にしておく必要があります。目的がはっきりしていなければ、実際の収益やかかる手間などとのギャップに悩むことになるかもしれません。合わせて活用に使える自己資金も算出しておけば、「予定より多額の初期投資や経費が必要になる」といった状況を避けやすくなるでしょう。
土地活用方法の選択
土地の規模や自己資金を把握し、目的を明確にしたら、土地活用方法を選択しましょう。活用方法を明確にすることで、基礎の調査や事業計画の立案が行えます。ある程度のプランが定まったら、不動産会社や建設業者にも相談しましょう。
パートナーへの依頼・契約
さまざまな調査を経て依頼する会社を決定し、依頼します。契約を結んだのち、建築や施工などに取り掛かります。また、完成後の管理を管理会社に任せることも可能です。
土地活用を成功させるための注意点
土地活用には収益を得られるメリットがありますが、リスクもともないます。代表的なリスクの種類と、それに対する備えを理解しておきましょう。
空室・賃料下落リスク
アパートやシェアハウス、トランクルームなど、賃料による収益を得る活用方法では、借り手がいないと収益が出ません。これを、「空室リスク」と呼びます。また、賃料相場の下落により収益が低下することも考えられるでしょう。
金利上昇・市場変動リスク
大規模な土地活用の場合は、金融機関などから借り入れをするケースも少なくないでしょう。その場合、借入時より金利が上がることも考えられます。金利が上がれば返済額も増えるため、結果として支出が膨らみます。また、時の流れによる需要の変化も起こり得るリスクの一つ。少子高齢化や過疎化などにより、今後需要が減ることも考えられます。
修繕・自然災害リスク
建物を扱う場合、経年劣化にともなう修繕は必要なコストです。また、経年劣化のほか、自然災害により損壊を受ける場合もあります。自然災害の場合は経営ができなくなり、収益が望めないまま借金だけが残る恐れもあるでしょう。地形や地盤などのリスクも調べておく必要があります。
入居者リスク
入居者リスクとは、借り手に悪質な利用者が入ってしまうリスクのこと。住居を貸し出す場合、家賃の滞納や規約違反などを犯す住民がいれば、周辺への風評被害にもつながります。入居後に退去を求めるのは難しいため、貸し出す際の審査を慎重に行う必要があります。
税制改正リスク
現在の税制が必ずしもずっと続くわけではありません。固定資産税や相続税、消費税などの税制は適宜改正されています。しばらくして土地活用開始時とは違う税制度になることも考えられるので、税金の値上げや控除などの特例が廃止されるリスクがあることも考慮しておきましょう。
寝かしておくのではなく、目的に合った土地活用を
土地はただ寝かしておくだけでは、税金や管理に費用がかかる一方です。土地活用を行えば収益が期待できるほか、税金対策にもなります。自分の持っている土地がどの活用方法に適しているかは、土地の大きさや立地、自己資金額などの条件によって変わってきます。どれくらいのリスクがあり、どのような活用をしたいのかを明確にしてから、土地活用を行うようにしましょう。
土地活用に関してさらに詳しく知りたい場合は、下記よりお問い合わせください。
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